ニエルブ・ストマック

登録日:2025/07/15 Tue 08:28:20
更新日:2025/07/15 Tue 23:09:07NEW!
所要時間約4分で読めるよ…




企むだなんて嫌だな。僕は面白い実験をしたいだけ。
改造したバイト君達の性能を試すのに赤ガヴ達は丁度いいのさ。

ニエルブ・ストマックとは特撮テレビドラマ『仮面ライダーガヴ』の登場人物である。

【データ】

身長:207.0cm
体重:80.8kg
特色/力:毒/弓
演:滝澤諒
スーツアクター(怪人態):中田裕士
キャラクターソング:「The Formula」

【概要】

本作の異種族であるグラニュートで、ストマック家の次男。
デンテ・ストマックの研究を引き継いだ技術者で、ストマック社においては技術開発を担当している。
バイトのグラニュート達が人間に擬態できるよう生体改造を施したのもニエルブの仕業である。
人間態は、丸眼鏡をかけた茶髪の青年。
本来の姿では全身が蛇のような鱗で覆われており、さらに首回りや肩などに牙状の追加武装をチューブで接続するなど自分自身の肉体まで改造している。

【人物像】

一人称は「僕」
職務より知的好奇心を優先するマッドサイエンティスト気質。普段は軽く飄々とした口調で話すが、常に浮かべた不敵な笑みの裏には悪意が見え隠れする。
模範にならなくてはいけないだろう創業者一族でありながら、機密エリアで怪人態になることを始め違反行為を繰り返すといった素行不良が目立ち、またショウマの生存を知っても見逃しつつ密かに配下のエージェントを動かすなどして独自に暗躍してもおり、その本心や考えを推し量ることは難しい。
一方、血の気自体は薄いため、シータ達からはランゴやグロッタと比べれば話しやすい相手と思われている模様。

しかし、血の気は薄い代わりに兄妹の中でも特に肉親の情という感情が薄い節があり、シータがガヴに倒された際はその場に居合わせたにも関わらず援護どころかガヴの戦闘記録を優先し、死亡報告の際にもランゴやグロッタ以上に感情が揺れ動いた様子を見せずに「尊い犠牲」という表現で揶揄した。
また、人間に対しては見下している様子こそ見られるが、研究のために人間と協力することや食文化に触れてみるといった行動を見せており、他の兄妹よりも嫌悪感は薄いようだ。

人間界では酸賀研造と内通しており、絆斗を改造する際に用いたグラニュートの臓器を提供したと見られる。
そして、情報交換の中で得たヴァレンの戦闘データとデンテの研究資料に加えて、酸賀から振る舞われたプリンを基にヴラムシステムを開発、テスターとしてあえて腹に一物抱えているラーゲ9、もといラキアを選抜したが結局離反され、敵に塩を送ることになってしまった。
ショウマとラキアに闇菓子工場を襲撃されて折角の高品質ヒトプレスを奪い返された直後だった事もあり、それを聞いた時は流石に本気で焦っていた。それどころか、デンテにヴラスタムギアを複製されたことで、ヴァレン フラッペカスタム誕生の遠因となるなど、ニエルブもニエルブで戦犯になってしまった。

酸賀の研究データを引き継ぐと、ビターガヴの培養やベイクマグナムの複製に着手(※もちろんランゴ達には内緒)
さらにその技術力に着目したボッカからヘッドハンティングを受け、あろうことかジャルダック家お抱えの技術者として鞍替え。
ただ完全にストマック家を裏切ったかというと現状そういうわけでもなく、ランゴから毒ガス散布機開発の要請を受けた際も「もう兄さんの部下じゃないんだけどなぁ」と減らず口を叩きつつも渋らず快諾している。
しかしそんな彼も終盤の激動の展開に余裕を保てなくなっており、大統領親子の無茶ぶりに辟易した様子で溜息を吐いたり、またジープを改造した件をグロッタに詰められた際には「姉さんに相談して何とかなった事あった?すぐ手が出て終わりじゃないか」と鬱憤を晴らすように言い捨てている。

ちなみにプリン自体は自身も実食しているが、試食前に顔を顰めながら「人間はこんな物を喜んで食べるのかい?」と漏らし、口に入れた際も何とも言えない表情をしている。ニエルブを演じた滝澤氏は口に合わなかったと解釈している模様。
後のエピソードでグラニュートは鉱物食である事が語られているため、それを考慮すると対極とも言える性質を持つプリンの存在や食感などを怪訝に感じても仕方ないところか。*1

【戦闘能力】

武器はリム部分が刃になった弓
体術や戦闘力は弱いものの、研究者としての優れた頭脳と正確で打突力の高い射矢による中〜遠距離攻撃を駆使して戦う。
固有能力は体液*2を媒介にした溶解効果のある毒液の生成。*3
ひとたび触れればオーバーモードすら侵し衰弱に追い込むほどの威力を有し、毒を地面に撒き散らすことで周囲に毒の沼を形成して敵の接近を阻むなどクレバーな運用を得意とする。
ニエルブ自身は「兄さんに比べればこんなものさ」と自嘲する通りランゴやグロッタに比べれば派手さはないのだが、"毒"である性質上オーバーモードの防御力を無視して効果を発揮し、地面に撒き散らして侵入そのものを阻むことでマスターガヴさえも退ける特性が力で勝てないガヴに却って有効打となるのは皮肉。

【余談】

名前はハンガリー語表記の「Nyelv」から。
演じる滝澤氏はOPダンスシーンの振り付けも担当している。そして「冷えルブ」「消えルブ」などのダジャレを普及させルブことも目論んでいルブ。お茶目さん。
本作の放送開始時点で他のニチアサキッズタイムや特撮ヒーロー番組への出演はないが、舞台作品であるもののプリキュアに変身した経験がある石ノ森章太郎が原作の作品に出演経験があるという、一風変わった経歴の持ち主でもある。
ところで、平成以降の『仮面ライダー』シリーズにおいて、メガネありのインテリ系キャラはネタキャラと化す傾向があるが、ニエルブは寧ろ11年前の極悪サイエンティストに近い気質と言えよう。

怪人態のデザインモチーフは邪神ロキの子供である大蛇「ヨルムンガンド」。何気に元ネタも次男である。
デザイナーの篠原氏によると、インテリらしからぬやたら屈強な体躯の怪人態は自らに生体改造を施すことで仕上げたイメージとのことで、両肩やガヴから生えてる長い牙は改造の産物によるイメージとのこと。



まあまあ……過ぎたことを責め合っても仕方ない。ここは建設的な追記・修正をしよう。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月15日 23:09

*1 後にラキア(ラーゲ9)がプリンを食べた際は美味しそうにしていたが、これは好みの差というよりはプリンに対する思い入れの違いからと思われる。グラニュートは「感情」を味覚で感じられるため、明言されてはいないがその点が影響した可能性もある。

*2 主に血

*3 能力の初お披露目の際親指の腹を犬歯で嚙み切ってから毒沼を展開していることから