化女沼レジャーランド

登録日:2014/07/13 (日) 19:54:35
更新日:2025/02/14 Fri 15:41:01
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概要

化女沼レジャーランドとは、かつて宮城県古川市(現在は大崎市)にて運営していた遊園地。

一昔前は、大崎市では人気のある、名前の知られた遊園地だった。
しかし、2000年頃に、来客の減少などを理由に閉園。

様々な理由(後述)があって、遊園地の施設が撤去されずに、取り残された。
その結果、廃墟と化したが、それが一種の人気を呼び、廃墟マニアや心霊スポット好きには有名な場所となった。

歴史

○開園時~最盛期

元々は、1979年に『化女沼保養ランド』として開園した。
現在の名称に変更されたのは、開園後の話である。

当時は、観覧車やメリーゴーランドなどの遊具が人気を呼んだ。
ゴルフ場やゲートボール場などの、大人が楽しめる施設も多く存在していた。

結果的にこの遊園地は、最盛期には年間20万人の来客が訪れたようである。
宮城県でトップレベルのレジャー施設ということもあり、駐車場は常に満杯だった。

従業員も、数多い方が雇われており、施設内は人々の活気に満ちていたという。

少なくとも、このころのレジャーランドは、老若男女問わず、多くの人々の声が飛び交っていたようである。
現在の、誰の声も聞こえない廃墟の状態からは程遠かったらしい。

○閉鎖への道

だが、開園から賑わっていたこの施設にも陰りが見え始める。

1990年代に入ると、徐々にその客足は減っていた模様である。理由としては

  • 娯楽の多様化(例えば、家庭用ゲーム機の普及とか)
  • 施設自体も、長く経営していたことにより、遊具などに目新しさがなくなった
  • 開園時とは違う、不況に突入した景気

などが理由として挙げられている。

もっともな話、1990年代後半~2000年代初期においては、全国でも結構な数の遊園地が閉鎖されている。
化女沼レジャーランドにも、その閉鎖の波がやってきてしまった、ということだろう。

残念ながら、化女沼レジャーランドも2000年代には、惜しむ声もある中で閉園が決まった。

○閉鎖後の動向

実は、閉園後に温泉掘削に成功したらしい。
だが、温泉宿泊施設として再開することなく未利用のままとなっている。

まぁ、閉園した遊園地の跡地に温泉施設はちょっと無理があるし、経営していくだけの力も無かったのかもしれない。

そしてなんと、閉園後も遊園地には、かつての施設や遊具は全て取り残された。

当然、閉園後の遊園地の遊具は、普通なら撤去される。
何故なら、この遊園地の遊具というものは、意外と中古でも高く買い取られるらしい。

そのため、撤去されないには、普通は色々と理由がある。
また、遊具が撤去されなかった遊園地も存在するが、安全面の面などから、取り壊された遊園地も多い。

しかし、この化女沼レジャーランドは、他の遊園地とは違う理由があった。

それは、運営者の方曰く「自分の夢を叶えてくれる人が現れるまで撤去しない」ということである。
この考えから、施設や遊具、土地などは売却されずに、施設内に残り続けることになった。

しかし、施設が荒らされたことや、遊具の老朽化により、一気に廃墟と化した。
結果的に、廃墟となったことが、廃墟マニアなどに有名となり、閉園後もたびたび人が訪れることとなった。

主な施設・遊具


■観覧車

廃墟となったレジャーランドを代表する遊具。ゴンドラは12個備えている。
ちなみに、一人一回300円。

もちろん現在は動くことは無い。
各所が錆びれており、ゴンドラのガラスも破損状態が酷くなっている。

閉園後、一切整備・点検を行わなかったため、回転はするはずもなかった。
しかし、映画『スープ・オペラ』の撮影の際に、映画の美術スタッフが改修を施し、2009年、久々に回転した。

『魔法少女まどかマギカ 叛逆の物語』のOP映像にも登場したという話がある。

■コーヒーカップ

遊園地では定番の、コーヒーカップ。
こちらも、300円。

多くのコーヒカップが設置されており、当時の子供が楽しんだのは容易に想像できる。
だが、現在はかなり破損状態が酷く、夢のあるコーヒーカップとは言い難い。

一応乗ると、カップは少し回転してくれる。

■トランポリン

おそらく、かつての子供が無邪気に跳ね上がっただろう、トランポリン。
遊戯時間に制限が課せられていたようである。その時間は約30分。

トランポリンだったのかと突っ込みたくなるほど原型が留まっていない。

■メリーゴーランド

おなじみ、白馬などの動物をモチーフにした遊具機械。

こちらも錆びれている。
だが、他の遊具と比べると、まだダメージは少ない方かも。

■アスレチック

公園や遊園地にあるであろう、アスレチック。

木製であるためか、他の遊具と比べるとダメージは少ない。
だが、今となっては遊ぶことはできないだろう。

■ゴルフ場

ゴルフの打ちっぱなしが出来る場所。

当時は大人に人気だったらしい。
その理由もわかるような、結構本格的な練習場である。

ちなみにホールもあるが、18ホールも出来るはずが無く、6ホールとなっていた。

■売店

お土産屋とゴルフの練習場を兼ね備えていた施設。

建物内部では、かつての土産のサンプル品やチラシが散らばっている。
というか、何者かに侵入されたらしく、建物内部の荒れ方はわりと酷い。

■お姫館

はいはい、また廃墟でしょ…と思っただろう、そこのあなた。

実はこの施設は、完全に廃墟になっておらず、荒れていない。
というか立派に保存されており、ギャップを感じさせてくれる施設。

その理由は、この施設は、園内に併設してある廃ホテルと同様に、機械警備を導入しているためだと思われる。

施設内では、化女沼に伝わる伝説『照夜姫』の紹介がされている。
この話、結構悲しい話なので、興味があれば検索してみよう。

廃墟時の状況

○警備状態

お姫館などには、セコムなどの機械警備が導入されている。
お姫館が、他の施設とは違い荒れていない理由は、それが原因だろう。

また、定期的に、元従業員の方々が園内の清掃を行っている。
このレジャーランドが、従業員に愛される経営を行っていたという証拠かもしれない。

○利用方法

廃墟として、一躍有名になってからは、様々な利用のされ方がされてきた。

2009年には、映画『スープ・オペラ』のクライマックスシーンの撮影が行われた。
2013年発売のSALUの『In My Life』のミュージック・ビデオのロケーション撮影も行われている。

また、上記でも述べたように『魔法少女まどかマギカ 叛逆の物語』のOP映像に、このレジャーランドの観覧車らしいものが出ている。

他にもコスプレイベントの会場としても利用されてもいた。

売却先募集の道へ

2016年に廃墟マニアサイトの管理人に化女沼レジャーランドの引き取り手の募集が任されることになる。

そして廃墟と化していた化女沼レジャーランドに関しての、とある計画が始動する。
この地を世界初の「廃墟テーマパーク」として再び施設として復活させるというプロジェクトだった。
クラウドファンディングにて購入金額5億円のうち不足分の1億2000万円を補うという見立てで、資金を回収していた。
開業に成功した場合には敷地内にある温泉を利用して「廃墟ツアー」などを開催する予定も構想していたようだ。
このプロジェクトは話題となり、各企業との交渉も進んでいた。

ところが、土地の売買契約が別で進んでしまい、そちらが買い取ることになった。
所有者の後藤社長でも既に介入不可能な事態となっており、その結果テーマパーク化は中止となる。

土地の売却が決まった後、化女沼レジャーランドへの立ち入りは禁止となった。
引き取り手を探す役割を任されていた廃墟マニアサイトの管理人が中心となり、最後の見学会が開催される。
最後の見学会には120人以上が参加したとのこと。

これにて化女沼レジャーランドの廃墟としての存在は終焉…と思いきや、諸般の事情により譲渡の話はなんと白紙化。
その後は上述の廃墟マニアサイトの管理人の協力の元、譲渡先の再募集を行っている状態である。





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最終更新:2025年02月14日 15:41