龍神沼

登録日:2014/09/10 (水) 15:40:49
更新日:2024/02/05 Mon 22:47:02
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『龍神沼』とは、北海道・稚内市郊外にある沼で、江戸時代から 底無し沼 として語り継がれている。

言い伝えでは、龍神沼の底は利尻島の姫沼と繋がっているとされており、
さらに、稚内の歴史を調べた文献には、「昭和40年頃に15名程の行者が竜神沼を訪れ、南無妙法蓮華経を唱えながら沼の周囲を回り続け、40~50周回った時、突如水面がざわめき、周囲は闇に包まれ、沼から龍のような姿が現れた」という。

この沼が世間から注目を浴びたのは、フジテレビ系列で放送された雑学バラエティ番組「トリビアの泉」のコーナー「トリビアの種」で検証された、「 底無し沼の深さは□m 」というものだった。

龍神沼は大量の泥が堆積していて、人が入って調べるのは不可能だった。
そこで、ある方法で検証することとなった。

その方法とは、重さ40Kg・長さ2m50cmの杭に100mのメジャーを接続し、
上空から落下する勢いで底まで突き刺して、深さを測定するというものだった。

この検証は地元のテレビ局も取材に訪れ、神主が検証前に龍神沼のお祓いを行い、
さらに念には念を入れて、利尻島の姫沼にスタッフを配置するという気合の入った徹底ぶりだった。
地元の住民達も伝説の沼の深さがどれほどのものなのかを目撃するべく、龍神沼に押し寄せた。


「龍神沼の深さって、どれくらいのもんだんだろうな?」
「やっぱ言い伝え通り、姫沼と繋がってるのかもしれないぜ!」
「まっさかー! でも、30mくらいは入ってくんじゃないの?」
「……龍神様がTV局の視聴率稼ぎのための実験に、お怒りにならなければよいのだけれど……」


さまざまな思いが交錯する中、検証は開始された。


上空を飛ぶヘリコプターから、メジャーが接続された杭が、沼へ投下された。


住民達は固唾を呑んでその様を見守る。

























































刹那、一つの音が鳴り響いた。












































キィンッ!!

























































その音は、杭の先が沼の底に突き刺さった音だった。



測定員が杭に接続されたメジャーの目盛りを読んだ。



「龍神沼の深さは、 2m37cm です」



「……」
「……」
「……」
「……」



龍神沼は、静寂に包まれた。



こうして、この世界にまた一つ、新たなトリビアが生まれた。
「北海道・稚内市にある底無し沼『龍神沼』の深さは、 約2m37cm



稚内市に伝わる底無し沼・龍神沼の伝説は、 トリビアの種・八分咲き という結果と引き換えに、その終わりを迎えた。



【余談】
一応、念には念を入れてということで、龍神沼の別の数ヶ所で深さを測定したが、 ほとんど同じ結果 に終わり、
多大な協力をしてくれた当時の町内会長は検証前に「相当深いはずですよ! 徹底的に調べてください」と語っていたが、
検証終了後「相当ショックです」と肩を落としていたという。

ちなみに、日本には龍神沼よりも深い底無し沼が存在しており、
長野県長野市・皆神山にある沼は、規模は小さいものの深さは10m以上あるといわれていて、
クロサンショウウオの産卵地として有名である。
なぜそこを検証場所として選ばなかったんだ という突っ込みをしてはいけない。



「……追記・修正は、トリビアの種の結果にめげず、龍神様を崇め奉ってくれる方がお願いします……」

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最終更新:2024年02月05日 22:47