友の魂だけでも(海賊戦隊ゴーカイジャー)

登録日:2011/12/20(火) 12:50:40
更新日:2019/11/07 Thu 09:29:45
所要時間:約 4 分で読めます





「ともよどうして、ライブマン―」


『友の魂だけでも』とは海賊戦隊ゴーカイジャー 第三十話のサブタイトルである。

超獣戦隊ライブマンのレジェンド回であり、珍しくジョーレジェンド戦隊と絡みを持つエピソードである。
また、『悪の組織を倒す事だけがヒーローではない、一度ヒーローとなった者の負う後悔と果たすべき責任』を描くライブマンの後日談も兼ねている。

【あらすじ】

「スケボーが得意なライオンが近づいている。こんなん出ましたぁ~♪」

相変わらずトンチンカンなお宝ナビゲートをするナビィ
だが戦隊オタクのは『スケボー』というワードからライブマンの大いなる力だと判断し、そのメンバーを探しに出掛ける。

一方、ザンギャックはギガントホースに派遣された大科学者ザイエンによるバリゾーグ量産計画が始まろうとしていた。
強くて忠実なバリゾーグがさらに増えればゴーカイジャーなど敵ではない、地球侵略も思いのまま。そう喜ぶワルズ・ギルとは裏腹にインサーンの表情は浮かなかった。

ゴーミンを引き連れ地上の有名なスポーツ選手達を攫いに来たザイエン。
偶然赤ん坊を助けた白衣の男と共に、ジョーとアイムデンジマンに豪快チェンジ。
デンジパンチでザイエンを一旦退けたが、戦いの最中でザイエンの落とした情報端末を拾う。
そこにはバリゾーグの設計図らしい物が表示されていた。

「こう見えても、俺は科学者なんだよね」

居合わせた白衣の男はその端末を調べる為、ジョーと共に科学アカデミアの研究室に向かう。
その男こそ超獣戦隊ライブマンのイエローライオンこと大原丈だった。

――もしも…もしも、シド先輩を取り戻すことができるのなら…

バリゾーグの設計図から、改造された人間が元に戻る方法が見つかるかもしれない。
丈の研究室で、彼と共に一抹の希望をディスプレイに託すジョーだが――



『NO RETURN』



コンピューターが導き出した結果は残酷なものだった。

丈が言うには、バリゾーグのシステムは人間の優れた能力だけを残し、残りはすべて完全に機械化するものだった……一度改造されたら、二度と元には戻らない。
つまり、機械化された時点でバリゾーグ=シド・バミックは人間として既に死んだも同然だというのだ。

「……馬鹿だな…戦うしかないのに…。先輩はもういないとわかっていたはずなのに…一瞬でも、救えるかもしれないなんて…!」

無様に足掻くことしか出来ず悲観するジョー、だが丈は強く説く。

「……馬鹿なんかじゃねえよ。大事な仲間だったんだろう?だったら…人間でなくなろうが、敵になろうが、救えるもんなら救ってやりてえ。悩んで当たり前だろう…?あがいて当たり前だろう!?

そう吠えた後、「これは自分に言ってんかもな」と自嘲気に言った後、丈はジョーに自身の過去を話す。

「…昔のことだ。人間を捨てて地球征服を目論んだ同級生がいた。結局…俺達は、あいつらを救ってやることはできなかった…だから、俺はこの学校に戻って、今でもあがいてるんだよ。若さで突っ走った学生が、同じ過ちを繰り返さないようにな…」

再建された科学アカデミアで科学者をしながら、かつて救えなかった友の魂だけでも救ってやるため、未来を担う若い科学者達が道を踏み外さないために…
そう呟きながら、丈はブラインド越しから三人の生徒を見守る。
生徒の手の平から、二匹の蝶が羽ばたく。それはかつて救えなかった友の生まれ変わりのようにも見えた。

「魂だけでも……」

この言葉で吹っ切れたジョーは、マーベラス達に加勢に向かう。
ザイエンを倒し、二度とシド先輩のような悲劇を繰り返さない為に、そしていつか決着をつけるであろうバリゾーグからシド先輩の魂だけでも救う為に…
それが宇宙に生きる者として、正しい道を選んだ者としての責任でもあるのだから。

「おい!同じ過ちを繰り返すなよ」

研究室を飛び出す前、ジョーは丈の言葉に頷き、玄関の片隅に置かれたスケボーを見てから問う。

「ひとつ、聞いていいか……あんた、ライブマンだったのか?
「……さあて、な

振り向いた丈の姿に、黄色い獅子の戦士の姿が重なる……。

5人揃ったゴーカイジャーはライブマンにゴーカイチェンジし、ザイエンを追い詰める。

「おのれ…海賊などと言う下等な存在に、この私が…!」
屈辱に震えるザイエンに静かに怒りを燃やすジョー。ザイエンの放つ光弾にひるまず、一歩、また一歩と悠然と歩いていく。

「シド先輩……見ていてください!!」

ゴーカイサーベルに光が灯り、刃が弧を描きザイエンを十文字に斬り裂く!
それは、ジョーが脱走時に見たシドの必殺剣そのものだった。

やがて、インサーンの手で巨大化したザイエンとスゴーミンの猛攻に怯んだゴーカイジャーはライブマンの大いなる力を発動。
ゴーカイオーの五つのハッチからライブマンのスーツに刻まれた獣のマークが放たれて、スーパーライブロボが召喚される!
スゴーミンの猛攻を物ともせず、スーパービッグバーストで蹴散らすとハリケンゴーカイオーの乱れ桜でザイエンを撃破、恐るべき計画を砕く事に成功したのだ。

戦いを終え、再び旅路に就くゴーカイガレオンの見張り台で、ジョーはひとり決意を新たにする。

「シド先輩…俺、もう少しあがいてみます。あなたの魂だけでも…救えるように…」

一方、バリゾーグもひとり宇宙に浮かぶギガントホースのブリッジで地球を見つめる。
その胸によぎるものは、果たして……


【備考】
ライブマンのレジェンド回であり、登場するレジェンド戦隊も大原“丈”で関わるゴーカイジャーの戦士も“ジョー”・ギブケンという粋な計らいがされている。

丈はボルトとの戦いが終わって尚、「己の背負うべき責任」と「かつて敵であったとしても友を救えなかった後悔」と向き合い、同じ過ちを繰り返させない為にもアカデミアで若者を導いている。

それを自分たちに似た境遇であるジョーのストーリーとうまく重ね合わせた、ライブマンらしいレジェンド回であろう。
後日、ジョーはバリゾーグを倒し、無事にシド先輩の魂を救済した。


【余談】
  • 今回登場したザンギャックの大科学者ザイエンの声は、前述のライブマンでの敵組織『武装頭脳軍ボルト』でのボス:大教授ビアス役の中田譲治氏が担当した。
    強化改造の部分が先天(千点)頭脳→満天(満点)頭脳など、だいぶボルトを意識している。
    偶然かもしれないが“譲=ジョウ”繋がりでもある。

  • 今回、ゴーカイオーの大いなる力として登場したスーパーライブロボはアクション用スーツが現存せずイベントで度々展示されていた非アクション用スーツを使用されれている。

  • 主題歌のインストゥルメンタルをバックにライブマンに豪快チェンジした時には、原作には無かったブラックバイソンとグリーンサイのワイヤーフレームによる変身シーンが登場した。
    また、スカートが無いガタイのいいブルードルフィンやスカートがあるブラックバイソンなど、一見カオスな豪快チェンジになってしまった。
    一方鎧は皆が豪快チェンジして戦ってた際に、空気を読んだのか画面外で戦ってた。ライブマンは追加戦士含めて5人だし仕方ないね。

  • トドメはハリケンゴーカイオーと一見いつもの様に倒していたが、
    レッド=鳥(隼と鷹なのが惜しい!)、イエロー=ライオン、ブルー=ドルフィン
    と、偶然にもライブマンとハリケンジャーの初期戦士のモチーフが被っていたりする。

  • 科学アカデミアで学生が光る二匹の蝶を飛ばしていたが、あれはライブマンのOPのオマージュである。
    原作ではその後すぐに蝶がレーザー銃で撃たれ砕け散り(頭脳軍ボルトに離反した月形剣史/ドクター・ケンプらに撃ち殺された初期戦士の友人・矢野拓二と相川麻里のメタファー)、
    「友よ、君たちはなぜ悪魔に魂を売ったのか?」とOPに映っていたが、今回は美しく天に羽ばたいてた。

  • 今回の「バリゾーグ量産計画」を発案したのはワルズ・ギル坊っちゃん。
    強力、且つ忠実な部下を大量に増やせば一気に戦力アップに繋がるだろうし、殿下にしてはなかなかナイスな作戦だと思われる。
    ただその為に大幹部クラスを召集、挙句に失ってしまったのは大きな痛手ではあるが。


追記・修正お願いします。


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