朴美麗(龍が如く)

登録日:2025/07/21 Mon 01:37:53
更新日:2025/07/23 Wed 14:51:24NEW!
所要時間:約 20 分で読めます






(パク)美麗(ミレイ)とは、「龍が如く」シリーズの登場人物である。

CV:朴璐美


概要

『龍が如く5 夢、叶えし者』に登場。
蒼天堀に社屋を構える芸能事務所『ダイナチェア』社長。


人物

白いスーツを着こなした、クールビューティーな雰囲気を漂わせる美女。
社長としては仕事に厳しい面が目立つが、自身が目をかけている澤村遥に対しては母親のような包容力を見せることもある。

飴と鞭を巧みに使いこなして身内を引き締め外野や下請けには容赦をせず、残酷なまでに切り捨てることも日常茶飯事。
手段を選ばないで我を通す強かさと精神力を高く評価する者もおり、業界においても一目置かれる鑑定眼もあって、心酔しているファンも居る。

だが、それ以上に業界内には敵が極めて多い。はっきり言ってしまえば、変わり者の一匹狼でもないと仕事を組もうとすらしない程、蛇蝎の如く嫌悪する者ばかりである*1

自分の組織の統率には長け、外敵も多い。自身の内包する二面性を武器として意図的に利用する、豪胆かつ怜悧な女性。
これぞ極道の妻、合法ヤクザとでも言わんばかりの人物。

そして何といっても、余談でも後述するが、本作のテーマ「『夢』の功罪」というものをまさしく体現したキャラクターの一人である。



劇中での動向


第一部から登場。
児童保護施設「アサガオ」で暮らす桐生と遥の元に、遥にアイドルの素質があるとして、彼女をスカウトしにやって来るのが初登場。

当初桐生からは断られるが、朴は「前科のある元極道である桐生がこれ以上遥に関わると、遥や子供たちの将来も危うくなる」と半ば脅迫めいた文言を残し、「応じるならば遥とアサガオから離れる代わりに自分がアサガオの資金援助を行う」という取引を桐生に持ちかけてきた。
遥からは反対されたものの、桐生は子供たちが進学を諦めて就職しようとしている現実もあり、苦悩の末、遥や子供たちの未来のために、朴との取引を受け入れたのだった。
この際、流石に管理人不在という事態はまずいと判断したのか、管理人代理の人物が派遣されたようである。どういった人物かは不明だが、少なくとも残された子供たちとの関係は良好だった模様。

遥のスカウトに成功した朴は、彼女を大阪の事務所に呼び寄せ、「プリンセスリーグ」の優勝を目指してボイストレーナーの美沙やダンストレーナーの荻田とトレーニングに励ませることに。

ところが荻田からは「歌かダンスのどちらかに絞った方がいい」「プリンセスリーグまでには時間が足りない」「1年がかりで育てる予定だったのに半年は無茶」と苦言を呈されるが、朴は全く取り合わず、それどころか自分の命令に従えないとして、荻田のクビをちらつかせる始末。

その後、何とかプリンセスリーグの決勝戦1次ラウンドを突破した遥だったが、ダンス指導に口出しされ続けたことでついに不満を爆発させた荻田から激怒される。
朴は「芸能界では金を払ってる人間が一番偉く、使えないと思ったら切り捨てるだけで、金さえあれば荻田の代わりなんていくらでもいる」と一蹴し、荻田にクビを宣告した上に、火のついた煙草を顔に投げつけると言う暴挙に出る

さらに「依頼した業務を全うできなかったから報酬はすべてカット」「むしろ荻田が違約金を払う」「契約書の内容がそうなっている」「契約成立直前に契約書を自分に都合が良いように書き換えたが気付かなかった荻田が悪い」
と、とんでもないことまで明かし、当然ながら荻田はますます激昂し、彼女を突き飛ばして立ち去って行ったのだった。この際に利き手の右手を負傷している。

この惨状に遥とマネージャーの堀江は愕然とするばかりであったが、朴は「クリスティーナ」と言う外国の凄腕トレーナーを伝え、堀江に荻田の後任になるように説得することを命じる。堀江はプリンセスリーグの決勝戦も始まってしまった以上時間はあまり残されていないとし、荻田を呼び戻すべきと進言するが、朴は逆らうならクビにすると取り合わない。

その後、紆余曲折あってクリスティーナが遥のトレーナーを引き受けたことで、何とかレッスンは続行されることに。
遥は決勝の第2ラウンドを目指してトレーニングに励んでいたが、ある日、朴にメイクの拙さを指摘される。
早くに母親を亡くし、化粧のやり方など今まで誰にも教わったことがなかった遥に呆れながらも、朴は自ら彼女にメイクの手解きをする。

遥と朴は次第に打ち解け合っていき、休日にはレストランやゲームセンター、ショッピングなどを回り、遥は朴に母親のような感情を抱くようになる。

そんな中、遥は朴へのプレゼントに小物屋を訪れたが、ダイナチェアのライバル芸能事務所である大阪芸能所属のアイドルユニット「T-SET」の真田まいと大沢あずさに、彼女たちから朴へのプレゼントに買ったブローチをダサいと笑い飛ばし、さらに朴をおばさん呼ばわりするなど嫌味を言われる。おばさんなのは事実

更にまいは、朴が嘗てはアイドルであったことを暴露し、さらに自分たちの事務所である大阪芸能はプリンセスリーグのプロデューサーとすでに話をつけており、決勝戦がどうなろうとも必ず自分たちに有利な方向へと転ぶようになっていると明かす。
「大阪芸能がその気になれば、ダイナチェアぐらいあっという間に潰せる」と豪語する二人だったが、その時に朴と堀江がやって来る。
朴の顔を言観た瞬間に二人の顔が曇る。実はまいとあずさもかつてはダイナチェアにアイドルとして所属していたが、朴のやり方についていけずに大坂芸能に移籍したのだった。
そして朴は「自分もライバルを蹴落とそうとして逆に自分が転げ落ちていったタレントを嫌という程見てきた」と言い、まいやあずさはその典型だと言い切る。
朴の勢いに押されたまいとあずさは逃げるようにその場立ち去るのだった。

遥はブローチを朴にプレゼントし、タクシーで帰路に着くが、そのお礼としてデビュー前祝いの万年筆をプレゼントし、自らの過去を語り始める。

彼女は在日韓国人であり、幼少期は両親からの虐待を受けて育った。その後里親に引き取られ、たまたまテレビで見たアイドルに感銘を受け、日本一のアイドルを目指して大阪へ移り住む。
そして18歳の時にデビューを果たすのだが、実はすでに結婚しており、その夫から万年筆を贈られた。そして夫との間にはすでに子供を身ごもっており、朴はアイドルを続けるため夫に無断で中絶してしまう。そのことが原因で夫から初めて手を上げられ、さらに自分がいたら夢の妨げになると離婚して朴の元を去っていき、そしてそのことが事務所にバレてしまい、芸能界を追放されてしまったのだった。

そして朴は、「日本ドームでコンサートをやるのが夢だった」ことを明かし、自分がかなえられなかったことを遥に託していることを打ち明ける。
そんな朴の想いを知った遥は、何としてもプリンセスリーグで優勝することを誓うのだった。

翌朝、堀江から遥に電話がかかってくる。堀江はひどく動揺した様子だったが「早く事務所に来てくれ」と言う。
ただ事ではないと悟った遥は、言われたとおりにダイナチェアへ向かった遥の目の前には、大勢の野次馬と警官の姿が。
警官の一人に話を聞くと、ダイナチェアのビルから飛び降り自殺があったという。

そして、飛び降り自殺をしたのは、何と朴社長であった。

「そんな……なんで……? 社長……」

その頃、蒼天堀で新事業を起こすために大阪を訪れていた「スカイファイナンス」社長の秋山駿の元に、秘書の花から電話がかかってくる。
内容は「ダイナチェアの堀江から社長の朴が自殺し、朴がスカイファイナンスから借りたという3億円のことで堀江が話がしたいらしい」とのこと*2

以前融資した顧客である朴の突然の死に驚きつつも、ダイナチェアに向かった秋山は、堀江からの話を聞き、朴の自殺に疑問を持つ。そして朴の金庫から3億円が消えていたことから、金目当ての泥棒に殺されたのではと推測する。
そしてレッスンスタジオで遥と合流した秋山は、朴が遥のメジャーデビューの舞台となるコンサートの開催費用の工面のために東京までやってきて、その費用として3億円の融資を依頼してきたことを明かした。
更にその過程で秋山の出した3つの出資条件の全てをクリアするものの、融資を受ける代わりに遥を最後にプロデュース業から身を引くことが決まっていたとも明かす。
堀江との情報交換の結果、金庫にあった3億円は秋山への返済費用であり、朴本人に借金返済の意志はあったと秋山は判断。
また、朴の完全なワンマン経営が裏目に出て先行き不透明であり、デビュー寸前である遥を抱えた状態では事務所を畳むという最後の手段すら取れないと知らされ、ダイナチェアに協力すると約束。
朴が自殺ではないことを確信した秋山は、遥と共に朴の死の真相を追うことになった。

手始めに事務所の社長室を調べると、一通の封筒に入った手紙を発見する。万年筆が鍵代わりという非常に特殊な構造の金庫なのでデビュー前祝いとして遥に渡されていなかったら開けられなくなっていたところだった

朴は右利きに矯正したため筆記は左手でも可能だが、左右で筆跡が異なる。*3
(右手の負傷のため左手で書いていた)業務上のメモと遺書の筆跡が食い違っていることが、朴が自殺ではないと判断することの決定打となった。
そんな時、マネージャーの堀江が屋上から飛び降りて重傷を負ってしまう。そこにいたのは、かつてのダンストレーナーだった荻田だった…



以下、ネタバレ注意。





朴の殺害犯は、ダンストレーナーだった荻田であった。


秋山は逢坂興業の産廃処理施設にて、右腕を潰されて虫の息状態だった荻田からすべてを明かされる。

荻田は逢坂興業系の闇金にかなりの借金をしており、ダンストレーナーをクビになってからはカネに困るようになり、厳しい取り立てに遭っていた。
そこで若頭の金井から「朴社長が別れた元旦那から受け取った手紙を奪ってきたら借金をチャラにする」と持ち掛けられ、彼と共に事務所に忍び込んだが手紙は見つからない。
そこで社長が遥との買い物から帰ってくるのを待ち伏せして聞き出そうとするも、社長は逃げ出してしまい失敗。揉み合いになり誤って殺害してしまったのだった。
他殺扱いだと証拠品が押収されるので自殺したと偽装工作をし、さらに時間稼ぎをする際中に堀江にも手紙のことを尋ねるが、堀江も「知らない」の一点張りで、金井と屋上でもみあいになっているうちに転落してしまったのだった。

朴の別れた夫を探していた逢坂興業は、手紙の入手に失敗した荻田を制裁。

荻田は「自分の被害者である」と訴えるが、秋山からは「お前に被害者ヅラされたら朴社長も浮かばれない」「今から騒ぎが起こるから逃げたきゃその隙に勝手に逃げろ」と一蹴され、その後追ってきた逢坂興業の組員に始末された。



以下、さらなるネタバレ注意


実は、別れた夫の正体は真島吾朗である。

シナリオ後編では、大阪に移住した際に当時アクション俳優だった勝矢直樹や真島と出会い、やがて真島と結婚したことが明かされる。しかし真島との間に子供ができてしまい、彼女の夢のために真島は朴の元を去ったのだった。

そして後に近江連合直参の逢坂興業の会長となり、大阪芸能の社長も務めていた勝矢の手助けもあり、「日本一のアイドルを育てる」という理由でダイナチェアを設立したことが明かされた。


彼女の夢であった日本ドームコンサートは成功を収めた……が、その終わり際に遥が自分自身の過去をカミングアウトし、ドームから逃走。更にそのまま電撃引退する暴挙に出る。
コンサートそのものは盛況だったが、結果的に見れば、朴が一番の懸念材料としていたであろう「伝説の極道の義理の娘である」ということを大一番でぶちまけてしまい大失敗となった。

ダイナチェアの残存スタッフにとっては、社長である朴は死亡、唯一抱えていた人材であり事務所存続の最後の希望であっただろう遥は最悪の不義理をブチかまして電撃引退、沖縄に戻ってしまうという最悪の顛末であり、
描写こそされていないものの、これらの釈明をはじめとした尻拭いに奔走せざるを得なくなり、その過程で朴の暴挙の数々も明るみになった可能性が否定しきれない。
秋山がこれらの事態を見るに見かね、回収出来た3億円をそのままダイナチェアのスタッフ達に当座の資金として押し付けた可能性もなくはないが……
ある意味『5』最大の被害者は、朴の犯罪スレスレもしくはほぼアウトなパワハラに耐え続けてやっと光明が見えた、或いは一度ダイナチェアを畳むなどして今後の身の振り方を考えようとした矢先に、とんでもない規模の嵐に見舞われた、堀江以下のダイナチェアの残存スタッフだろう……。




総評

プレイヤーからの評価はかなり賛否両論が激しい。
そして、批判される面が見事に好評な面とも言える、作中内外において好悪が見事に分かれるキャラクターである。

彼女なりに遥のことは気にかけてはおり、自分の仕事に関する熱意も確かで、遥や秋山にはある程度のフォローはされている。
とは言え、荻田や堀江に対するパワハラまがいの行為や*4無理な注文、契約書の偽造などの犯罪すれすれの行為などは断じて許されるものではない。
秋山にしろ遥にしろ、朴の上澄み部分しか知らず、数々のパワハラや犯罪スレスレの行為などは知らなかったかそう認識出来ていなかった可能性すらあり、事実を知らされた場合いくら女性に甘い部分がある秋山でも彼女に憤慨したと思われる。
だが、秋山が自分が見込んでしまった人物に対して重圧をかけてしまう悪癖などが噛み合ってしまった結果、彼女の黒い部分を知らないからこそかなり無理な擁護派になってしまっている。


遥の才能を見抜いたことは言わずもがなだが、遥の性根や願望についても、正確に理解している。
作中において遥とT-SETが遭遇してしまい一悶着あった件で、朴はマネージャーの堀江をビンタして叱責している。
この際
「あの子は嫌な目を見て芸能界に嫌気が差して、義務感だけを恃みに惰性でアイドルを続けるようになっても、その才能故にそこそこのアイドルとしてやれてしまう。
けれど私は、遥をそんなそこそこ止まりにしたくない。だから芸能界の魅力的な面だけを見せて、遥に夢を見せ続けろ。それが堀江、お前の仕事だ」
と叱責している。

つまり、遥にとって本当の最優先事項は桐生やアサガオの皆、家族と一緒に暮らすこと。
芸能界に興味はあるが、義務感が強くてアイドルという職にそこまで強烈な願望は抱いてはいない、という遥の本音を見抜いていた。
そして、見抜いていながら自分の一夜限りの夢の為だけに、遥を騙していた。
朴美麗とはそういう女性である。
光り輝く芸能界だけを視界に映させて騙す目論みだった彼女だが、だとしてもパワハラの数々が許されていいという理由にはならない。
また、遥に夢を見させ続ける目的で「他の芸能人との接触をさせないように」と堀江に言っていた事が明かされているが明らかに無茶な注文であり、芸能界の上澄みだけを見続けた遥がよしんばそのまま芸能界に居続けたとしても、苦悩の道の真ん中に放り出されるのは火を見るよりも明らかである。


『6』の展開の引き金は『5』最終盤での遥の暴走が少なからず原因であり、その結果桐生が尻拭いに奔走する羽目になりあの終わりを迎えたため、結果的に『6』の原因にも若干噛んでいるのではとする声すらある。

また、真島と実は夫婦関係だったことも、よくよく考えればかなり無理設定である。
恐らく意外性を重視したためだと思われ、真島と元夫婦だったことが明かされたのは最終盤になってからだが、それ以前に伏線が用意されてもおらず、また真島との関係を示すエピソードも特に触れられることもないため、かなり唐突感がぬぐえない。

しかも「元夫からの手紙」「朴の元夫とは誰なのか」を散々終盤まで引っ張っておいて、明かされたと思ったらその後は大して触れられることなくフェードアウトし、真島の単独主演作である『8外伝』まで出た現在でもその設定が活かされている事がほぼ無いという現状を考えると、公式的にも黒歴史扱いの設定になっている可能性すらある*5
朴も真島に対しては今でも思い続けていた様だが、そもそも別れる原因になったのは真島に無断でお腹の子供を中絶したことである。真島も彼女の夢を考えて自ら身を引いており、全面的に彼女に原因がある。結局、この事がきっかけで芸能界をクビになってしまっており、彼女の自業自得と言わざるを得ない。

ただし、真島は初期において「強面の自分に抵抗してくるくらいの、我が強く自分を曲げず嘘をつかない女が好み」と語っていることもあって、
「初期における真島の好みにこれでもかと合致する女ではある」と肯定的に捉える向きもある。

ちなみに遥の決勝進出が決まって受けた雑誌の取材を目にして送ったらしい真島からの手紙だが、
文面は「日本ドームでのコンサート終了後お会いできることを楽しみにしております 当日は一人で参上するので遠慮は無用に願います」としか書かれていない。*6

朴いわく「会うにしても自分も歳を取ったし会ってガッカリされたくない」「あまり明るい場所で今の老けた顔を見せたくない」「待ち合わせ場所には遥が行って自分のところに案内してきてほしい」「渡した万年筆は遥が自分の代理という目印になる」とのことだが、これもまた自分勝手な話である。
朴社長の所業を見てきたプレイヤーからは「知るか」「そんなことのために周囲を犠牲にしてきたのか」「『乙女色my life』なのは遥の歌だけにしてくれ」*7と言いたくなること請け合いである


ゲームの構造として、『5』の遥・秋山編はお仕事ミッション・ダンスバトル・サブストーリーを飛ばして進めることができる。サブストーリーについては他でも同じだが。
「音ゲーが苦手」「アイドルに興味がない」「遥がアイドルをやる経緯に納得できない」「朴社長の言動に好感が持てない」などの理由で飛ばすと、遥・秋山編で印象に残るのは朴社長のパワハラ描写という形になってしまう。

我慢してやり込んだ人には諸々のフォローが少々入るが、飛ばした人には悪印象しか残らない仕様となっている。
公式としても、これまでの『龍が如く』と雰囲気が異なることは認識して飛ばして進められる仕様にしたのだろうが、あまり功を奏しなかった。


もっとも、フォローが入っても朴社長の印象が好転するかは疑問だが、そもそも好転させることを狙っているのは疑わしい。
と言うのも、本作テーマは「夢」であるのだが、そこから更に踏み込んで
「他人から託され負わされた、叶えられなかった夢は、時として呪いになる」
という、夢というものの負の側面を浮き彫りにすることが狙いの作品でもある。

娘のように可愛がる遥に自分の願望を押し付けた朴のそれは、今で言うかつての自分の進路希望を押し付ける毒親のそれと重なるものがある。
自分の人生の軌跡をそっくり押し付け神輿に仕立て上げようと画策した黒幕や、
大吾に後事を任せて面倒事を丸投げして隠遁を決め込もうとした桐生と同じく、
「夢を託した」とポジティブに語られる事象から投影された影そのものであり、本作を象徴するキャラクターだと言えるだろう。



【龍が如く 維新!】

京に店を構える宿「寺田屋」の女将「お登勢」として登場。
こちらでも長期間定宿している主人公・斎藤一(坂本龍馬)に対して宿代を請求して「金に細かい女」と言われているが*8、龍馬の兄弟分である武市半平太がおりょうを雇ってくれた事に対する謝礼金を使わずにとっておく等人情に篤い面もあり、こちらではおおむね評判はいい。
ただし、上述のようなえぐみや毒気の強さこそを求める層からは「漂白されて折角の個性が消えた」と言われたりもする。
奇しくも、イケメン化して狂気要素が薄れたことを残念がられる元夫を彷彿とさせる話ではある。


余談

声優を担当した朴璐美氏は、美麗と同じく元在日韓国人である。
また、朴璐美氏は何の因果かなのか真島が主人公の作品『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』にてクイーン・ミシェルの声も担当する。ミシェルに関しては真島が記憶喪失中だったので特に反応することは無かった。


追記・修正はアイドルになってからお願いします

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最終更新:2025年07月23日 14:51

*1 作中でも遥のトレーナー候補が伝説の一匹狼以外居なくなり、ライブを開催する際には、不足したたった100万円の衣装代を融通してくれる知人すらたった一人さえ居なかった。

*2 後の秋山の言から、3億円を融資したのは『4』でほぼ無一文に等しい状況に陥ってからそれをほど間を置いてない時期である模様。短期間に3億円の融資が可能になる辺り、かなり無茶をしてそうである

*3 里親のしつけ由来らしいが、コレ自体は朴本人も言っているように昔はよくある話であった

*4 荻田に関しては彼も彼でやらかしがあるのだが……

*5 後に発売された前日譚の『0』では真島とマキムラマコトのロマンスが大いに評価されたこともあった。中には「真島の兄さんの妻はマコト以外あり得ない」とするファンもいる。

*6 真島直筆であり意外と字が上手い

*7 『4』の曲なので今作では違うが

*8 実際のところ一の言いがかりだが。