登録日:2012/01/03 Tue 17:08:04
更新日:2025/05/31 Sat 08:59:57
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黒大豆とは、大豆の品種。
草丈は30㎝から90㎝に達する。
葉は三出複葉で、広い卵形の小葉からなり、茎に互生する。夏から秋の頭にかけて茎の先端や葉腋から総状花序を出して花を咲かせる。
花はいわゆる蝶形花で、白色もしくは薄紫色である。
莢は当初は白い産毛で覆われており、熟すると褐色に変色して割れ、2個ないしは3個の豆を露出する。
普通「大豆」と言えば薄い黄色の豆を思い浮かべがちだが、この豆にはアントシアニン系の色素を多く含んでいる為、黒い色合いとなっている。
縮めて黒豆と呼ぶ人も多い。
和知黒、丹波黒、玉大黒、いわいくろ、黒千石など、日本各地で名産品としての黒大豆が存在する。
■栄養素、効能
大豆は「畑の肉」と言われるように、この黒大豆も栄養素は非常に高い為、健康食品として現在も注目されている。
目に良いアントシアニンのほか、イソフラボンなどの栄養成分、更に、通常大豆に含まれている成分は全てが入っている健康栄養食品である。食物繊維も多いので腸内環境を整える効果もある。
また、この黒い色の要因となっているアントシアニンはポリフェノールの一種なので、肥満予防や動脈硬化の防止、癌や糖尿病の予防に繋がると言われている。
まさに至れり尽くせりな食べ物なので、出来るだけ毎日食べたいものでもある。
■利用法
おせち料理の定番。欠かせない存在である。
縁起の良い語呂合わせが多く存在するおせちだが、この黒豆も、「まめに働けるように」という願いを込めて供される。
しわが寄らないように煮あげるのが上等とされるが、一部地域では、「しわが寄るまで長生きできるように」として、わざとしわだらけにする例もある。
砂糖も混ぜながら作っているので、食べてみると甘い。(酒も使っているので人によっては酒っぽさを感じることも)
地味な印象の黒豆だが、しわなく、綺麗に、おいしく煮あげるには、大変な技術と手間がかかる。
母親が、豆を煮る後ろ姿を記憶している者も多いはずだが、日本の女性達は、この黒豆をうまく煮る事に腐心し、
少しずつ熱を加えたり、錆びた釘を入れるなどの工夫を編み出してきた。
年に一度しか目にしない黒豆だが、まさしく、日本のお袋の味の筈である。
おせちを店で購入した際、品物によっては高級感を出す為に黒豆に(食べられる)金箔が少量振りまいてあることもある。
熟す前の若豆は、茹でて、枝豆として食べられる。
もちろん色は黒いのだが、豆の味が通常の枝豆より濃厚で、甘みとコクが口一杯に広がり、まさしく至高の味わいである。
夏の
ビールには最高の友といえる。
見かけだけ見て腐った豆とか言って、店員さんの顔に投げつけたりしないように。
一昔前に大流行した飲料。
女性に関心のあるイソフラボンを前面に押し出し、なおかつ、氷川きよしをコマーシャルに起用した効果もあり、爆発的なヒットとなった。
中年女性は、美容と氷川きよしに弱いのである。
戦争中の物資不足でコーヒー豆が手に入りにくくなった際にはコーヒー豆の代わりとして用いられた。
多少は大豆由来の香りが出てしまうが、それでもコーヒーとしてのうまみは十分にあるという。
豆を磨り潰してお茶に加工したもの。
黒豆茶と呼ばれている。
上記の効能や栄養素をそのままに、ほんのりとした甘さと香ばしさがおいしさを引き立たせるという。
冷たくても温かくても美味しい。温かいお茶は冷え症にも効き目あり。
旨みたっぷりの大豆餡。
餅などに包んで食されると、甘味でありながら大豆特有のコクが口中に広がりなかなかの美味。
所謂黒豆納豆。独特の風味と納豆の匂いが合わさり、更に好みが分かれることになった黒い納豆。
ニッチな食べ物なためか流通数も多くなく値段は高め。
石川県では黒豆をもち米とともに炊いた「みたま」というおこわが知られている。
黒豆の「黒」ともち米の「白」という色合いから、県内では古くから法事など弔事の際にふるまわれた。
また、新築の上棟式でもふるまわれるが、これは赤飯の赤い色合いが火事を連想させるため。
同じ理屈で、この時ふるまわれるのは赤い鯛の尾頭付きではなく、アジなどの青魚を用いる。
追記、修正は、豆を煮てくれた母親に感謝しながらお願いします。
最終更新:2025年05月31日 08:59