絶体絶命でんぢゃらすじーさん大長編 かこんでいたのにひどいや

登録日:2019/02/13 Wed 00:00:00
更新日:2020/04/05 Sun 11:42:15
所要時間:約 13 分で読めます





~宇宙船「セルフワン・スペース号」~


ロボット兵『セルフワンさま! 「闇の石板」をまた一つ手に入れました!』

ご苦労… これであと2枚か……。

残りの石板のありかはレーダーで分かっている… 地球だ!

すべての「闇の石板」を集めて… かこむのだ!
石板ですべてを囲んだとき、「闇の大魔王」様は復活する!!


残りの石板を見つけて…
…かこむ…
…かこむだけでいいんだ……。

かこめぇぇっっ!!


…………そう……………、

これは闇の大魔王復活を企む宇宙人と……、

ハラマキつけたヘンなヒゲジジイとの…、

この世の運命を囲んだ戦いの記録である。



■概要じゃっ!

『絶体絶命でんぢゃらすじーさん大長編 かこんでいたのにひどいや』とは、でんぢゃらすじーさん大長編シリーズの記念すべき第1作目。
月刊コロコロコミック2005年9月号に特別付録として掲載されていた。

でんぢゃらすじーさんといえば、じーさん達が繰り広げる不条理ギャグ満載のギャグ漫画だが、大長編は多少のギャグを挟むものの、基本的にシリアスな雰囲気と熱い展開を織り交ぜつつ、人生を生きる上で大切なことを読者に伝えており、そのメッセージ性は非常に真摯。
曽山一寿先生の隠れた才能を窺い知ることが出来る。
普段は1話12ページ前後だが、今回は96ページの大ボリューム。


孫&校長『きゅ────じゅ────ろくうううううううううう!?!?!?!?!?!?』

じーさん『10ページに1回孫が死ぬとしても……9回は死ぬ計算になる』

今作のテーマは「自立」。単行本では9巻に収録されている。
また、今作の特徴として、顔から伸びた長い2本の腕を持つ奇妙な生物がメッセージウインドウを担当している。





以下、ネタバレに注意じゃ。


■ストーリーじゃっ!

ある日、じーさんと孫は近所のガキと一緒に野球をしていた。
じーさんは勢いよくバットを振り抜くが、あっさり三振してしまう。
『アウトだよ。早く変われよ』『さっさとしろよバーカ』と言ってくる近所のガキに対し、じーさんは一息ついた後…

『チューしてやるからヒット打ったことにしてくれ──っ!!』

と叫ぶ。
これに対し、近所のガキどもは『ヒット打ったことにしてやるからチューはしないでくれ!』とジジイの口づけ(ベーゼ)を拒否。
孫曰く『ひでえ野球だ!』ある意味メジャーよりもひでえ。
『孫ー、ワシヒット打ったよー♬』と満面の笑みでほざくじーさんに対し、『「打った」のか!? アレは?』と突っ込む孫。
一塁へ走るじーさんだが、突如何かにぶつかってしまう。
顔を上げると多数のロボットを侍らせ、ロボットが担いでいる椅子に座っている青年がいた。
孫たちは見知らぬ人物の来訪に戸惑うが、じーさんは野球に入れてほしいと思いこみ『ちょうど補欠が5万人足りなかったとこだから入れ入れ』と誘う。
孫『5万人補欠かよ!!』

しかし、ロボットは脅迫するかのようにじーさんに拳銃を向け、青年は『闇の石板はどこだ?』と質問する。
何者なのか問うじーさんに対し、青年は「セルフワン」と名乗る。
『闇の石板を出せ。隠すと損をするぜ』と脅迫するセルフワンに、じーさんは『ワシは知らない… 信じてくれ…ワシはこんなときに嘘をついたりしない!』と必死に訴える。
本当に知らないのを悟ったセルフワンは他の場所を探すため、立ち去ろうとしたそのとき、「闇の石板」が1塁ベースにされているのを目撃した。

セルフワン『それじゃあ──────っっ!!』

セルフワンは闇の石板を奪い取ろうとするが、じーさんは『ボクの1塁ベースだい!』と駄々をこねる。
セルフワンはロボット軍団にじーさんから石板を奪うよう指示し、けしかける。じーさんは襲い来るロボット軍団から必死に逃げるが、うっかり転び、闇の石板を手放してしまう。
この隙にセルフワンが闇の石板を奪おうとすると、突如現れたゲベが石板を食べてしまった。
ロボット兵が力ずくでゲベの口を開こうとするも、全く口を開けない。
セルフワンは仕方なく、ゲベごと闇の石板を持ち去って行った。
セルフワンらが完全に姿を消した直後に『待て――っ!!』と叫ぶじーさん。
孫『反応おせぇ──っっ!!』

じーさんと孫はゲベを助けるため、セルフワンが走り去って行った方角に向かっていった。


◇ ◇ ◇


一方、セルフワンは校長に闇の石板のありかを聞き出していた。
校長は『ワガハイに命令する生意気な態度が許せんのじゃい… ワガハイを怒らせるとどうなるか思い知りゃりゅりょれ──っっ!!』と叫び、セルフワンに殴りかかろうとしたが、ロボット軍団が銃を突きつけると一転して土下座し、『ごめんなさい』を連呼。
手のひらを返すようにセルフワンにお茶をもてなした後、座る校長。
そんな校長の尻の下には座布団にされている「闇の石板」があった(しり置き板)。

セルフワン『んも──っ どいつもこいつも──っ!!』

セルフワンは闇の石板をぶんどった後、部下に「闇玉」なる武器の使用を指示。
ロボットは銃を構え、校長に狙いを定めた後、黒い光線を発射した。喰らった校長は全身が黒くなり、邪悪な表情を浮かばせ、セルフワンに跪いた。
彼によると、闇玉は部下に作らせた武器であり、喰らった者は精神が邪悪に染まり、自身らのしもべになるという。
その直後、ようやくじーさんと孫が追い付くが、セルフワンらはすでに地球を去る準備をしていた。
セルフワンは『闇の石板がそろった今、闇の大魔王様を復活させ、全宇宙を支配してもらう!!』と言った後、ゲベと校長と共に上空にある宇宙船に吸い込まれていった。

ゲベを必ず救出(校長はどーでもいいが)すると決意したじーさんだが、そのためには宇宙船に侵入しなければならない。
そこでじーさんは「最強さんに宇宙人たちを倒してもらおう♨」と提案する。
『ここは話の流れから、おじいちゃんが宇宙人と戦わないと…』と反対する孫だが、じーさんはごろ寝しながら偉そうに『マンガの主人公が何でもすると思ったら大間違いじゃっ!!』と言い放つ。
孫『いばってんじゃねーよ……』

とゆーわけで、最強さんの家にやってきたじーさんと孫。
じーさんは「ゲベを助けたいが、ワシらでは宇宙船に侵入できないから宇宙人を倒してほしい」と頼み込むと最強さんはサムズアップした。
このままセルフワンらを倒してくれると思いきや、最強さんはじーさんと孫の頭を掴んだ後、宇宙船に向けて投げ飛ばした。


◇ ◇ ◇


なにはともあれ、侵入に成功したじーさんと孫だが、あっという間にロボット軍団に取り囲まれる。
焦る孫をよそに、じーさんは頬を膨らませた後、ゲロを吐きながらロボット軍団に突撃した
モニターでじーさんのゲロから逃げ惑うロボット軍団を見ていたセルフワンは、彼らの余りの無能さに『役立たずども』と吐き捨てる。

ロボット軍団を追い払ったじーさんと孫は、早速ゲベとセルフワンのもとに向かうが、そこに剣と盾、鎧を装備した「暗黒の騎士 ブラック校長」が立ちはだかる。
…が、攻撃する間もなく、じーさんにバズーカでぶっ放されるという壮絶な出オチをかます。


ありがとうブラック校長!
さようならブラック校長!

キミの勇士は忘れない!!


じーさん曰く『ムダな戦いだった♨』
孫曰く『何しに出てきたんだろうか…』

校長の余りの弱さに唖然とするセルフワンだが、すぐさまさっき仲間にしたとある人物をけしかける。
気を取り直して走るじーさんと孫の前に謎の影が現れた。
じーさんと孫は一瞬身構えるが、影の正体は泣き虫な侍「ちゃむらい」だった。
セルフワンは『その男は侍だ! 倒せるものなら倒してみろ!!』と、どこからそんな自信が出てくるのか突っ込みたくなるほど得意げに言い放つが、そんなちゃむらいは、じーさんに『めっっ!!』と怒られただけで号泣し、逃げて行った。
余りの情けなさに『何で役立たずばっか仲間にしちゃうのかな──アタイ!!』と嘆くセルフワン。
こうなったらとゲベに闇玉を向けるが、耳から出した拳であっさり破壊される。
ゲベに『お前はこの闇の石板で、宇宙を征服する気なのか?』と尋ねられると、セルフワンはゲベが喋れたことに戸惑いながら『そうだ、大魔王様に征服してもらうんだ』と答える。
その言葉に対し、ゲベは


征服してもらう…か…

オマエ…かっこ悪いよ。

と冷たく言い放つ。
その後、宇宙征服でも何でもすればいいと言い、セルフワンの足元に闇の石板を吐きだす。
そして『じーさんがもうすぐここに来る。そしてオマエのかっこ悪いところをじーさんに教えてもらうんだな』と告げた後、突然筋肉ムキムキになり、背中に翼を生やして壁を突き破って走り去って行った
一瞬呆然とするも、闇の石板がすべて揃い、喜びに浸るセルフワン。
それと同時にじーさんと孫がようやくセルフワンの元にたどり着いた。
じーさんはセルフワンにゲベの行方を尋ねると、セルフワンは冷や汗をかき、目線を外しながら『突然筋肉ムキムキになってカベを突き破って羽を生やして走って逃げて行った♨』と答えた。
セルフワン『だから言いたくなかったんだよッッッ!!』

闇の大魔王の復活を阻止するため、じーさんは飛びかかるが、セルフワンに『もう手遅れだ!!』と言われるとあっさり諦めた。
孫『諦めはえーな!!』

そんなじーさん達をよそに闇の大魔王復活の儀式を行うセルフワン。


闇の大魔王さま… 今こそ復活の時です…。

石板に記された闇の呪文で、アナタの魔力を閉じ込めた封印の水晶は砕けます…。


さあ!この世を征服してください!!
あなたの力で征服してください!!

お願いしますっ!!


儀式のさなか、じーさんは険しい表情を浮かべながらセルフワンを見つめていた。


魔王とは…

世界を闇でかこみ…

この世を破壊でかこみ…

人間の心を絶望でかこみ…

人々の夢を暗黒でかこむ…


それが魔王ッッッ!!

石板に記されていた呪文を唱え終わった瞬間、中央に安置されていた水晶玉が砕け散った。
闇の大魔王の復活を成し遂げたセルフワンは大喜びするが、肝心の闇の大魔王はどこにも見当たらない。
セルフワンによると、水晶玉に封印されていたのは魔王本人ではなく、魔王の「魔力」だという。
魔王はすでにこの世のどこかに存在しているのだが、魔力が封印されていたせいで身動きが出来なかった。
だが、たった今水晶玉が砕け、魔王は自由の身になり、こちらに向かっている。
魔王がセルフワンの元にたどり着いたとき、全宇宙を征服してもらえると言った直後にじーさんに蹴られる。

セルフワンはすぐさまロボット軍団をけしかけるが、屁一発で全員吹っ飛ばされた。
再度じーさんに蹴られまくるという危機的状況に陥ってもなお反撃せず、闇の大魔王に執着するセルフワンに、遂にじーさんが一喝する。


他人に頼るなっ!!


オマエが前を向いて!! オマエが立ち上がって!!


オマエが戦えっっ!!


セルフワンは『まるでオレ一人じゃなにも出来ないみたいじゃねえか…』と反論するが、『違うのか? 今までの言葉を思い出してみろ』と言い返される。
その直後、セルフワンの脳内に今までの出来事がフラッシュバックする。

闇玉は部下達に作らせた武器だったこと…
先ほどじーさんに蹴られた後、自分で戦わずにロボット軍団をけしかけたこと…
じーさんに蹴られまくってもなお、反撃せずに『魔王さまさえ来ればキサマなんか!!』と叫んだこと…

自身が人に頼りきりだったことに気付いたセルフワンは…


……ち…違う!!

俺は…一人だって… 一人の力だって……

魔王さまに頼らなくたって…
宇宙征服ぐらい出来るんだぁーっ!!

と叫び、遂に自分の力でじーさんを殴り飛ばした。
気絶する寸前、じーさんが不思議な笑みを浮かべていたのを目撃したセルフワンは「自分の力で戦うことの重要さを教えるためにわざとやられた」ことに気づき、じーさんの胸ぐらを掴み、揺り動かす。

次の瞬間、どこからともなく一筋の光線が放たれ、セルフワンの胸を貫いた。
孫はあわててセルフワンに駆け寄るが、突如闇の大魔王の笑い声が宇宙船中に響き渡った。
先ほどの光線は闇の大魔王が放ったもので、セルフワンが封印を解いた後、用済みになったので攻撃したという。

今度は宇宙船が激しく揺れ始めた。
セルフワンによると、自身の身になにかあったとき、宇宙船が爆発する仕組みになっているという。
しかも残り時間はあと5分しかない。
『早く逃げろ… お前のジジイには借りが出来た…』と言った後、セルフワンは動かなくなった。

怒りに震える孫は闇の大魔王に対し、姿を現せと言い放つ。
それに対し、闇の大魔王は『どうせ貴様は死ぬのだ。いいだろう…見せてやる。オレ様の姿に恐怖するがいい!!』と孫の要求をのんだ。


果たして魔王の正体とは…!?

いったい…!?

















出典:絶体絶命でんぢゃらすじーさん9巻、曽山一寿、小学館、てんとう虫コロコロドラゴンコミックス、2006年8月25日初版発行、158ページ


突然、顔に長い腕を生やした奇妙な生物が孫の背後に現れた。
しばらく沈黙が続いた後…、







出典:絶体絶命でんぢゃらすじーさん9巻、曽山一寿、小学館、てんとう虫コロコロドラゴンコミックス、2006年8月25日初版発行、160ページ



『えぇぇエぇ絵ぇェぇェえエ江ぇエぇ得ェえエぇ絵エ江ぇエぇ
え───っっっっ!!!』

なんと闇の大魔王の正体は、冒頭からずっとメッセージウィンドウを務めていた奇妙な生物だった。
近年稀にみるオーバーリアクションをかました孫に対し、『衝撃の事実に驚いているようだな』と告げる闇の大魔王。孫『はい』
倒れているセルフワンに対し、『バカな奴め、宇宙を征服するのはオレ様一人でいいのだ』と吐き捨てた闇の大魔王に対し、『だからってセルフワンを殺すことないじゃないか!!』と叫ぶ孫。
だが、闇の大魔王はそんな孫の発言を突っぱねるように『勘違いするな、ただ殺したんじゃない。利用してから殺したのだ』と言い放つ。
何も考えずにただ人間を殺すだけでは、魔王ではなく、単なる殺人鬼に過ぎない。


人間を殺すときは…


まず利用して、


利用して、


利用して、
利用して、
利用して、


利用してから殺す。


それが魔王。


それが、悪魔…!!

ランクダウンしてないか?とか突っ込んではいけない。

今や自身の前に立ちはだかっている人物は孫だけ。
自らの勝利を確信した闇の大魔王は『全ての人間はオレ様のために働き、オレ様のために死ねばいいのだ!!』と高らかに宣言する。
その直後、先ほど気絶していたじーさんが颯爽と現れ、闇の大魔王に渾身のパンチを喰らわせた。


そ…んな…バ…カ…な……

そんなバカな。


オレさまは… 最初から… ずっと…

最初からずっと、


ずっと… 文字を…

ずっと文字を、


…文字を……

文字を




かこんで

いたのに

ひどいや~~~~っっっ!!


闇の大魔王を倒したじーさんだが、宇宙船の爆発はあと5秒まで迫っていた。
そして…



じーさんは勝った!

渾身の一撃を放ってじーさんは勝った!

…だけど爆発した…


爆発してしまったのだ!!

























じーさんと孫は実は空を飛べたちゃむらいに救出されていて無事だった。
ちゃむらいに礼を言った後、セルフワンの安否を心配する孫だが、じーさんは『あいつはあれぐらいで死ぬような奴じゃないさ』とセルフワンの無事を信じていた。


セルフワン()、生きているよ…。


めでたし
めでたし。
解せぬのじゃい…




























一方、とある場所では……












オマエが前を向いて…

オマエが立ち上がって…


オマエが戦え!!


かつて老人にそう教わった宇宙人は広い大地の中で『やってやるよ。オレの力でな!』と力強く宣言するのであった。



絶体絶命でんぢゃらすじーさん

大 長 編

「かこんでいたのにひどいや」



(かん)



オマエが追記して…、オマエが修正して…
オマエが項目を作るのじゃっ!!

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