ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!

登録日:2020/02/22 Sat 13:53:10
更新日:2025/04/09 Wed 20:36:39
所要時間:約 5 分で読めます




概要


『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!』はクレイアニメ『ウォレスとグルミット』シリーズの第二作である。
ウォレスがグルミットに送った誕生日プレゼントと下宿しにきたペンギンを中心とした騒動が描かれる。
終盤のクレイアニメと思えぬスピーディーな鉄道模型による追跡劇は作中屈指の名シーンである。


登場人物


  • ウォレス 声:ピーター・サリス/萩本欽一(日本語吹替版)
チーズが大好きなおとぼけ自称天才発明家。グルミットの誕生日プレゼントに犬の首輪とリード、テクノズボン(後述)という明らかにおかしな物を購入したせいで多額の借金を背負う羽目になったり、部屋のリフォームもしないまま部屋貸しを始めたりなど、色々計画性の無さが表れている。
他人の気持ちを理解していない無頓着ぶりも相変わらずで事あるごとにグルミットに呆れられている。中盤の本人「なんでこーなるの!」自業自得である。
寝ぐせの悪さはこの作品からで、一度寝に入ったら最後、横向きにされようが宙吊りにされようが絶対に起きない(流石に耳をつんざく警報音には飛び起きたが)。そのために起床装置(後述)を使っているのだが…。
終盤の追跡劇では後ろで騒いでいるだけであまり活躍している印象がない*1
ちなみにグルミットが家出していたことには最後まで気付かなかった模様。まぁ悪気があったわけではないし、グルミットも許しているのでよしとしよう。

  • グルミット
ウォレスのパートナーのビーグル犬。中盤で家出してしまう*2が、ペンギンの正体を知った後はウォレスを守るために帰還。漢ならぬ犬の檻である。
終盤の追跡劇では切り離された後部車両に乗ったままスペアのレールを凄まじい勢いで敷きまくって脱線・衝突を回避しつつペンギンに追走する神業を見せつける。

  • ペンギン
ウォレスの家に下宿人としてやってきたペンギン。本名は「フェザーズ・マッグロウ」。
グルミットの居場所を悉く奪い彼を家出に追い込む。その後はテクノズボンを改造したり博物館で何かを調べたり等不審な行動が目立つようになり……。

発明品


  • 早起きマシン
ウォレスのベッドに仕込まれた(以降も恒例となる)無駄に大がかりな発明。
2階の自室でウォレスが「Breakfast(朝ご飯)」*4のボタンを押したのを確認したグルミットがレバーを引くと作動。

重りが落ちてベッドが傾斜

ウォレスが床に開いた穴から落下(と同時にズボン着用)

着地、右腕、左腕の順に袖だけ通し、セーターを着る

ジャムがスプーンで飛ぶと同時に予めセットされていたトースターからパンが跳び出す

ジャムが命中してジャム入りトーストのできあがり

とまぁ、突っ込みどころ満載の装置。すごいんだかすごくないんだか…。ちなみにパンの出来栄えはというと「今日のトーストちょっと焼きすぎだよ」とのこと*5
ちなみに寝る姿勢がうつ伏せだった場合は服を前後逆に着る羽目になる。
まだ作ったばかりのためか、「落下時に尻を痛める」「ドアの開け閉めレベルの小さな振動で誤作動を起こすがある」「ジャムが飛んできた際パンをセットしていなかった場合、顔面に直撃する」などの欠陥も目立つ。
これ以降の作品でも多少の仕様変更(改悪?)をしつつ必ず登場している。

  • テクノズボン
厳密にはウォレスの発明品ではなく*6NASAが開発したものだが、便宜上ここに記載。
プログラムを入力して自動で歩行するだけでなく、吸引によって壁や天井まで歩行可能という無駄にハイテクズボン。
ウォレスはこれを多大な借金を背負った上でグルミットの散歩のためだけに購入した
当然犬のペースに合わせて歩く機能など一切無い。グルミットはおもちゃを身代わりにして逃れたが、現実なら動物虐待待ったなしである。
後にペンギンに改造を施されコントロール装置を外され、外部からのリモコン操作で動くようになる。
騒ぎの収束後はゴミに捨てられ事実上封印された。が、グルミットが内部の機械をいじったりしたせいで再起動。ポリバケツを被ったまま勝手に動きだし夕暮れの町中に消えていった。


余談


  • マッグロウは『ベーカリー街の悪夢』の動物園にペンギンの指名手配ポスターがあることから、またしても脱獄した模様。2003年に日本未発売のマルチタイトルゲーム『Wallace & Gromit in Project Zoo』でも脱獄し、ラスボスとしてウォレスらと対立する。


  • 吹替版におけるウォレスの「なんでこーなるの!」は吹替役の欽ちゃんこと萩本欽一おなじみのネタである。

  • 2020年に30周年を記念し、『ウォレスとグルミット IN CONCERT』の演目として、オーケストラの生演奏付きで本作が上映。『ベーカリー街の悪夢』でウォレス役を担当していた津川雅彦氏が亡くなった影響もあり、萩本氏が15年ぶりに新録の吹き替えを担当することになった。
    2020年初頭から流行した新型コロナウイルスの影響により、同年4月に開催する予定だった日本での同公演こそ中止となったが、およそ2年後の2022年1月に無事に開催することができた。

追記、修正はズボンを履き間違えないようにしてお願いします。

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  • 前作との凄まじい温度差
最終更新:2025年04月09日 20:36

*1 一応これでもペンギンから拳銃や鉄道模型をすれ違いざまに奪ったりと、後の作品と比べてもまだ活躍しているほうだったりする。

*2 言葉を話さないので理由は推測するしかできないが、「ウォレスからもらったいい加減な誕生日プレゼント」「深夜に騒音を立てたまま外出するペンギン」「そのペンギンに自分の立ち位置を奪われる」などのすれ違いが積み重なった結果と思われる。

*3 テクノズボンだけで充分だろと思われがちだが、「ペンギン自身はサイズ的にズボンを履けない」「計画の成否に関係なくウォレスに罪をなすりつけられる」といった理由も含まれていると思われる。

*4 この他にも「Slippers(スリッパ)」「Newspaper(新聞)」「Walkies(散歩)」が確認できるが、作中で使用されたことはない。

*5 ただし、原語ではcracking toast(上出来だ)と言っており、津川版でも「よく焼けてるね」と言っている。

*6 一部媒体ではウォレスの発明品という扱いを受けることもある。