登録日:2020/03/04 Wed 21:29:00
更新日:2025/02/15 Sat 22:14:47
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・概要
『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』はクレイアニメ『ウォレスとグルミット』シリーズの第五作である。
日本では
スタジオジブリ配給の元、2009年7月18日より『
チーズ・ホリデー』『
ペンギンに気をつけろ!』『
危機一髪!』と同時上映で放映された。
パン屋を始めたウォレスとグルミットと、パン屋ばかりを狙った謎の連続殺人事件を中心に描かれる。タイトルは『
エルム街の悪夢』のパロディであり、実際(出血の描写こそないものの)
作中で明確な殺人・人の死が描かれている。
・登場人物
チーズが大好きなおとぼけ自称天才発明家。今作ではパン屋「トップ・バン」を営んでおり、それに合わせて自宅を大幅に改修する程に盛況している。
ふとしたことからまたしても仕事そっちのけで恋にうつつを抜かす。
え?今までずっとそうだったって?
今作(と『おすすめ生活』)ではプロデューサーの意向により吹替版の担当声優が変更されているが、長年萩本氏の声で親しまれていたこともあり
賛否両論。
ウォレスのパートナーのビーグル犬。ウォレスが仕事をしない分彼が相変わらず忙しなく働いている。
パイエラの本性を知った後もあらゆる手を尽くしてウォレスを救おうとするなど、その想いは変わらない。
そんな苦労もあってか、今作では彼にも遂に春が訪れる。
- パイエラ 声:サリー・リンゼイ/森公美子(日本語吹替版)
ふくよかな体型の女性。かつては気球に乗ってパンのCMで活躍していた女優で、ウォレスも当然視聴していた。
ふとしたことからウォレスに助けられて以降彼と交際するようになり、遂には婚約までこぎ着けるが……。
実はパン屋連続殺人事件の犯人。ウォレスに近づいたのも彼を殺害するのが目的だった。
かつて人気の女優だった彼女だが、パンを食べ過ぎた結果太って気球に乗れなくなってしまいCMを降板させられた過去を持つ。結果彼女は身勝手極まりない逆恨みの念を抱き、12人もの罪なきパン屋を殺害し続けていたのである。
彼女の所業を知りウォレスを守ろうとするグルミットを退け遂にウォレス殺害まであと一歩というところまで来るが、グルミットに惚れていたフラフルスの妨害で失敗。
激昂しながらもフラフルス(と彼女を助けに来たグルミット)を倉庫に閉じ込め今度はケーキに偽装した爆弾でウォレスを狙うも、グルミットとフラフルスには倉庫にあった気球で脱出される。
ウォレスも巻き込んでの壮絶な戦いの末爆弾はウォレスのズボンに挟まってしまうが、爆発寸前にグルミットとフラフルスが彼のズボンにパン生地を流し込みまくったおかげでウォレスは軽傷(尻の軽い火傷)で済む。
憎まれ口を叩きながらパイエラは気球で逃亡するも、体重オーバーにより動物園のワニの池に落下。そのままワニのエサになってしまったのであった。
しかし命を狙われても尚ウォレスは彼女に対し恨みを抱くことはできず、在りし日の姿で天に昇っていく彼女の幻影を見つめるしかなかった。まぁ100%地獄行きだろうが。
パイエラの飼い犬だが、彼女からはあまり大事にされていない。
ふとしたことからグルミットに好意を抱くようになる。いつも何かに怯えて震えているが……。
主人のパイエラが殺人事件を起こしていることを知っていたものの、恐怖から止められずにいた。しかしグルミットに惚れたのをきっかけに彼の主人のウォレスを守るため、遂に明確にパイエラに逆らう。
結果彼女の怒りを買い倉庫に閉じ込められてしまうものの、グルミットと共に脱出。フォークリフトを駆りパイエラと格闘戦を繰り広げた。
事件の収束後は罪悪感からか一度は姿を消すものの、結局戻ってきてウォレスとグルミットと共にパンの配達に出発するのであった。
・発明品等
本作を準ずるレベルの
無駄なギミックが家に施されていた『
野菜畑で大ピンチ!』に至るまで(少なくとも外観上は)大きく変わっていなかったウォレスの家だが、
今作では大規模なリフォームがなされ風車や巨大なパンの製造ラインが作られている。
相当儲かっているらしい。
おなじみのマシンだが相変わらず問題あり。
今回は発進装置とパンの製造機と統合された結果「原料も通るラインを使う」「進行ルートの設定を間違えたら原料に突っ込む」「パンと共に帽子やズボンなどの着替えが並んでいる」など、衛生面・安全面においても突っ込みどころ満載になっている。
ウォレスとグルミットが配達に使用する車両。前作『野菜畑で大ピンチ!』で使用していた作業車を、そのまんまパン配達車両として改造したもの。(実在の車(オースチン・A35)がモデルになっている。
街のパン屋に卸すだけでなく、投擲で各家庭のポストに放り込むことも。
大量のパンを搭載できるだけでなく、「朝食のパンを出す(例によって”ちょっと焼きすぎ”)」「ハンドルの差し替えで簡単に運転を交代できる」「音楽レコードの再生機能付き」といった例によってハイテク機能(?)もついている。
前作でのギミック(捕縛用の投げ縄、土砂降りもかき分けるワイパーなど)は作中では一切確認できない。
少なくとも車両が同じなため、メカハンド式オートスタート機能はそのまま残っていると思われるが。
大量のパンの搬送に使用する。アーム部分はパン屋に合わせて(?)マニュピレーター(ミトン付き)に換装されている。
フラフルスが操縦した際にはパイエラと互角に戦っていることから、意外にも戦闘力も高い模様。
・余談
長年ウォレス役を務めてきたピーター・サリス氏だが、彼の体調不良(2017年死去。96歳没)により本作以降の続編は「ピーターの後継者を見つけるのは簡単なことではない」という監督の意向もあり作られていない。
その代わり2012年の現地コンサート用の映像『ウォレスとグルミット ミュージカル・マーベルズ』が2020年に興行された『ウォレスとグルミット IN CONCERT』の演目の一つとして公開されており、吹替版では津川氏が2018年に亡くなった事もあり、再度萩本氏が担当している。
日本では2020年4月に開催する予定だったが、同年初頭に流行した新型コロナウイルスの影響により同公演は延期。およそ2年後の2022年1月に無事開催された。
追記、修正はトップ・バンのパンを太らない程度に食べながらお願いします。
- 「ゴースト/ニューヨークの幻」とエイリアン2のパロディには笑った -- 名無しさん (2020-03-04 22:32:57)
- 蒸しパン頭と呼ばれ落ち込むウォレスを、全シリーズ通して見た事無い笑顔で慰めるグルミットが地味に印象的だった。 -- 名無しさん (2020-03-05 00:23:44)
- え?マジでこの理由でシリーズ終了なの!? -- 名無しさん (2020-03-05 20:44:00)
- ↑割とマジ。日本でも「なかなか声のつかなかったぶりぶりざえもん」「スパロボで長く声を使いまわされているダイターン3の破嵐万丈」という例があるようにやっぱりイメージは大事なのよね。 -- 名無しさん (2020-03-06 11:36:39)
- 野菜畑もお願いします。 -- 名無しさん (2020-03-21 07:54:33)
- フラフラス、可愛い -- 名無しさん (2020-04-08 23:32:24)
- もしパイエラが地獄行きになった場合…八大地獄のうちのどの地獄に行くのだろうか? -- 名無しさん (2022-09-22 20:15:42)
- ↑『鬼灯の冷徹』の設定に準じるなら、より重い方の地獄にいったり該当の罪の小地獄を行ったり来たりかな。まあガチの話すると、欧米圏の亡者は鬼灯様達の管轄外だけどね。 -- 名無しさん (2023-02-20 23:07:31)
最終更新:2025年02月15日 22:14