ハロウィンII (1981年)

登録日:2025/10/31 Fri 23:14:56
更新日:2025/11/01 Sat 03:36:39NEW!
所要時間:約 10 分で読めます





『ハロウィンII』(原題:Halloween II)は、1981年公開のアメリカのホラー映画。
脚本は前作に引き続きジョン・カーペンターとデブラ・ヒルだが、監督は本作でデビューのリック・ローゼンタール。
製作会社はディノ・デ・ラウレンティス・カンパニー。配給はユニバーサル・ピクチャーズで、日本国内では東映ユニバースフィルムが配給を担当した

概要

1978年のハロウィンの続編であり、シリーズでは数えて2作目にあたる。日本公開時のタイトルは『ブギーマン』であったが、ビデオ発売にあたって原題に沿ったものに改題された。
前作の成功要因であるサスペンス的な演出は踏襲しつつも当時の潮流に合わせた刺激が強めの残虐描写の増加やマイケルとローリーが兄妹だという設定の導入など、挑戦的な試みがされている作品である。
興行収入は2550万ドル以上と充分な成績を収めたが、批評家や観客からは先に挙げたローリーの妹設定を始め、賛否両論の評価となっている。

劇場公開版とは別にテレビ放送用のテレビ版も存在しており、そちらでは残虐シーンの削減の他、追加シーンや登場人物の生死に若干の変更があるなど随所にアレンジが見られる。

主なスタッフ

監督:リック・ローゼンタール
脚本・製作:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル
製作総指揮:アーウィン・ヤブランス、ムスタファ・アッカド
音楽:ジョン・カーペンター、アラン・ハワース
撮影:ディーン・カンディ
編集:マーク・ゴールドブラット、スキップ・スクールニク

あらすじ

前作ラスト直後、重傷のローリー・ストロードはハドンフィールド記念病院へ搬送される。逃走したマイケル・マイヤーズは彼女を追って病院内に侵入し、暗い廊下と人気の薄い病棟で次々と職員を襲う。ドクター・サム・ルーミスは警察とともに追跡を続ける中、ローリーの出自に関する重大な事実を知らされるのだった。

登場人物

マイケル・マイヤーズ

演:ディック・ウォーロック

ご存知ブギーマン。
妹のローリーを追って彼女が入院する病院の中に侵入し、警備員や看護師たちを血祭りに上げていく。

ローリー・ストロード

演:ジェイミー・リー・カーティス

引き続きヒロイン。
前作の戦いで重症を負いハドンフィールド記念病院に搬送されるが、そこでもまたマイケルに追い詰められることになる。
朦朧とした意識の中でも冷静さを失わずに行動し、最後には銃を手に取る。

サミュエル・ルーミス

演:ドナルド・プレザンス

マイケルの精神科医。
本作ではマイケルへの執念がより強まっており、警察や連邦保安官を押し切って強引に彼を追跡し続ける。

ジミー・ロイド

演:ランス・ゲスト

救急隊員。
真面目で優しい青年でローリーを気にかけて奔走するが、血の海で転倒して頭を打つという不運ぶりを見せる。
劇場版ではそのまま倒れたきりだが、TV版ではローリーと救急車内で再会する“救い”の結末が追加されている。

バド・スカルロッティ

演:レオ・ロッシ

救急隊員。
下ネタ多めの軽口男。恋人カレンとイチャついている最中にマイケルに絞殺される。ある意味、「軽率に遊んだ者の末路」を体現した男。

カレン・ベイリー

演:パメラ・スーザン・シュープ

看護師。
陽気で少しちゃらんぽらんな性格で、彼氏バドと一緒に浴槽で戯れるが、マイケルによって地獄の湯船に早変わり。
熱湯に沈められる有名なシーンは、スラッシャー映画史に残るショッキング描写のひとつ。

ジル・フランコ

演:タウニー・モイヤー

看護師。
後半までしっかり生き残るが、ラスト直前に背後から刺される。マイケルに真正面から立ち向かう数少ないキャラで、真面目で気丈な印象を残す。

ジャネット・マーシャル

演:アナ・アリシア

気が弱く、少しおっちょこちょいな看護助手。
ミクスター医師の死体を見つけて悲鳴を上げた直後に、マイケルの注射器攻撃を受けて絶命。
ちなみにTV版では彼女が生存して“帰宅した可能性”が匂わされるなど、編集で扱いがかなり違う。

ヴァージニア・アルヴス

演:グロリア・ギフォード
看護師長。
職務に忠実で頼れる姉御肌だったがマイケルの手にかかり、点滴で血を抜かれるという残酷すぎる最期を迎える。

フレデリック・ミクスター

演:フォード・レイニー

酔っぱらい気味の当直医。
あっさりと片目に注射針を突き刺される。登場時間は短いが、「怠慢な大人が報いを受ける」典型的ホラー構図を体現した男。

バーナード・ギャレット

演:クリフ・エミッチ

病院の警備員。
無線が通じず一人で調査に出るも、ハンマーで後頭部を殴られ即死。彼の死は“病院が完全に孤立した”ことを観客に知らせる象徴的シーン。

リー・ブラケット保安官

演:チャールズ・サイファーズ

娘アニーの遺体を見つけて打ちのめされ、職務を放棄して去る。彼の退場で、街には「もう頼れる大人がいない」ことが強調される。

ゲイリー・ハント副保安官

演:ハンター・フォン・リア

ブラケットの後任として現場指揮を取るが、マイケルの異常さにはついていけず、終始混乱気味。現実主義者の代表として、ルーミスの狂信との対比が印象的。

テレンス・ガメル連邦保安官

演:ジョン・ゼンダ

上からの命令でルーミスを連れ戻しに来たが、あっけなく殺される。典型的な「権力者が何もわかっていない」役どころ。TV版では流血控えめの演出に変更。

マリオン・チェンバース

演:ナンシー・スティーヴンス

前作にも登場した看護師。ローリーとマイケルの血縁関係をルーミスに伝える重要人物。シリーズ全体で数少ない“真相を知る人間”の一人。


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最終更新:2025年11月01日 03:36