広島宮島七不思議ツアー(名探偵コナン)

登録日:2020/02/25 (火) 07:14:42
更新日:2020/03/22 Sun 16:02:29
所要時間:約 14 分で読めます





でも同じだよね、七不思議と…


『広島宮島七不思議ツアー』とは、『名探偵コナン』において江戸川コナンが解決した事件の名称である。
原作がないアニメオリジナルエピソードで、第594話・第595話として2010年11月6日と13日に放送された。
JR西日本が企画するミステリーツアーを元にした旅情ミステリー第9弾。
今回登場するのは山陽新幹線「のぞみN700系」と「115系電車」。


※以下ネタバレが含まれますので、未視聴の方はご注意ください。


【ストーリー】
日売テレビの旅番組「名探偵の休日 広島宮島グルメツアー」の出演者として広島県にやって来たコナン・蘭・小五郎。
広島駅に到着してすぐに収録が始まるが、その最中にアシスタントプロデューサーの喜多村雄一が腹痛を訴え、市内のホテル「READ LEAF HOTEL HIROSHIMA」で休む事となる。
宮島の名所を回りながら撮影は順調に進んでいくが、宝物館前でアシスタントディレクターの八川弘司の缶コーヒーに塩が混入される事件が発生。
それを皮切りに、カメラマンの浜田幸成の携帯電話の着信音が拍子木の音に変えられていたり、千畳閣の石垣の下にいたメイク担当の三宅文江の頭上に石を落とされたりと、奇妙な出来事が立て続けに発生した。
コナンは一連の事件が弥山七不思議に見立てられている事に気づき、スタッフ達はもみじ饅頭店「弥山屋」の娘・綾瀬弥生の兄・紳六が2週間前からスタッフ達の近辺を調べていた事を思い出し警戒を強めた。

そして大聖院での収録の際、コナンはプロデューサーの上諏訪幹彦とディレクターの越路直人の様子がおかしい事に気づき重点的にマークする。
だが目を離した隙に越路が何者かに殴打される事件が発生し、越路は「カジ…キタ…」と言って気を失ってしまった。
更には弥山屋が放火される事件も発生。火が出る直前に紳六らしき人影が目撃されていたが、果たして一連の事件は紳六の仕業なのだろうか…?


【事件関係者】

  • 上諏訪幹彦(かみすわ みきひこ)
CV:加門良
日売テレビプロデューサー。52歳。
普段はロケに同行する事はないが、今回は小五郎が出演しているという事でロケに参加しているらしい。だが収録中はなぜか越路の事を注意深く見ていた。
局の関係者に裏カジノの経営者がいるという噂が広まっているため、最近はピリピリしっぱなしだという。
八川のコーヒーに塩が混入された直後に、雑踏を歩いている紫色のコートを着た男の後ろ姿に気づいている。
弥山屋の火事の知らせを聞いた時には「カジってそっちか…」と意味深な事を言っていた。また縮景園にいた時には「そういえばマンションがなかった…」と呟いている。
越路の事件の後は他のスタッフの熱意に負け、小五郎が今回の事件を解決するという企画に変更して撮影続行を決める。
7番目の被害者。広島城で「龍燈の杉」に見立てられ、柄に龍の模様が入ったナイフで腹部を背後から刺される。意識不明のまま運ばれるが後に死亡が確認された。
名前の由来は『名探偵コナン』でお馴染みの「諏訪道彦」プロデューサー。ちなみにコナン世界の諏訪プロデューサーは『テレビ局殺人事件』の被害者だった。

  • 越路直人(こしじ なおと)
CV:一条和矢
日売テレビディレクター。45歳。
2年前の秋に別番組の収録で喜多村・三宅と共に宮島を訪れており、土産物店の主人と記念写真を撮っていた。
裏カジノの噂を受けて上諏訪と同様にピリピリしているらしい。
6番目の被害者。大聖院での収録中に何者かに頭を強打され、錫杖のストラップが「錫杖の梅」に見立てるかのように落ちていた。ちなみにこのストラップは紳六の持ち物だった。
「カジ…キタ…」と呟いた後で意識を失い病院へ運ばれるが、その後死亡が確認された。

  • 喜多村雄一(きたむら ゆういち)
CV:森久保祥太郎
日売テレビアシスタントプロデューサー。32歳。
季節外れの桜柄のネクタイをしている。越路曰く趣味が悪い代物。
2年前の秋に別番組の収録で越路・三宅と共に宮島を訪れている。
最初の被害者。広島駅に着くなり腹痛を訴え、宿泊先である「READ LEAF HOTEL HIROSHIMA」で休む事となる。
後にロケ弁に何かが混入されていた可能性が浮上し、桜柄のネクタイから「時雨桜」に見立てられたと考えられた。
腹痛が治った後は火事の最中にホテルから上諏訪にテレビ電話をし、翌日に一行に合流している。

  • 八川弘司(やつかわ こうじ)
CV:鈴木琢磨
日売テレビアシスタントディレクター。27歳。
コナンに最近スタッフ達の周囲を嗅ぎまわっている男(紳六)の事と、日売テレビ内で囁かれている「局の関係者に裏カジノの経営者がいる」という噂について教える。
2番目の被害者。宝物館で「干満岩」に見立てられ、缶コーヒーに塩を混入される。
越路が襲われていた頃は、コナン達の階段巡りの撮影に参加していた。
越路の事件の後で、グルメツアー中に小五郎に事件を解決するという企画に変更してはと提案し、越路の代わりに演出を担当する事となった。

  • 浜田幸成(はまだ ゆきなり)
CV:天田益男
日売テレビカメラマン。40歳。
3番目の被害者。「拍子木の音」に見立てられ、携帯電話の着信音を勝手に拍子木の音に変えられる。
三宅から電話が掛かってくるが出ても返事がなかったので、コナンは彼女に何かがあったと察し、石垣の下で頭から血を流している三宅を発見している。
越路が襲われていた頃は、コナン達の階段巡りの撮影に参加していた。

  • 三宅文江(みやけ ふみえ)
CV:浜岡晶子
日売テレビメイク担当。28歳。
2年前の秋に別番組の収録で越路・喜多村と共に宮島を訪れている。
4番目の被害者。千畳閣で「曼荼羅岩」に見立てられ、石垣の下にいた時にまだら模様の石を落とされ頭にケガを負う。
紳六に似た人物を見かけ、追いかけて石垣の下まで行った時に被害に遭ったらしい。
越路が襲われていた頃は、小五郎と一緒にコナン達の撮影を見ていた。

  • 下倉和也(しもくら かずや)
CV:矢部雅史
日売テレビ音声担当。25歳。
スタッフが次々と襲われていたので、次に襲われるのは自分ではないかとビクビクしていた。
越路が襲われていた頃は、コナン達の階段巡りの撮影に参加していた。

  • 綾瀬弥生(あやせ やよい)
CV:福島桂子
もみじ饅頭店「弥山屋」の看板娘。22歳。
コナン達が店を訪れた時に、弥山七不思議にちなんで作ったもみじ饅頭を紹介する。
両親が亡くなった後で荒れていた紳六を見かね、大阪の短大を辞めて宮島へ戻ってきている。
小五郎と知り合うと、音信不通となっている紳六を探してほしいと頼む。
6番目の被害者。「消えずの火」に見立てられ、越路の事件の直後に弥山屋を放火されてしまう。
上諏訪の現場では彼の傍で立ち尽くしていた。宮元には紳六の代理を名乗る人物に呼ばれ広島城へ来たと説明する。

  • 綾瀬紳六(あやせ しんろく)
CV:高嶺巌
弥生の兄。
2年前の秋に両親が立ち入り禁止区域に入り込み転落死していたが、弥生と共にその死に疑問を抱いている。
現場を入念に調べて「アクセサリーのようなもの」を発見し、2週間ほど前に「その正体が分かった」と言って家を出ていっている。
また両親が事故死した頃に越路達3人が店を訪れていたので、彼らの中に犯人がいると考えスタッフの周辺を調べまわっていたという。
友人によれば、両親を死なせた犯人が分かったら復讐してやると話していたようである。
今回の事件では各地で彼らしき姿が目撃されているが…。

  • 宮元健一(みやもと けんいち)
CV:島香裕
広島県警捜査一課警部。55歳。
弥山屋の放火事件から登場。
コナンが何かを考えていると分かると、彼が何かを尋ねる前に意見を聞く等柔軟な考えの持ち主。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
一連の事件が弥山七不思議になぞらえて起きている事に気づき警戒を強める。
皆が犯人を紳六と思う中、彼がなぜ実家である弥山屋を放火したのかどうしても理解できず、真犯人が放火を行った真の理由を推理する。
これまでの事件を整理して真相に辿り着き、これ以上犯人の好きにはさせない為にある策を講じる。

ご存知蘭姉ちゃん。
階段巡りは暗闇の中を進むので、中に入るや否やコナンを抱きしめて駆け抜けていた。

ご存知迷探偵。
撮影中は宮島の観光名所の解説をしながら名産品を満喫。
途中で企画変更となった後は、今回の事件を絶対に解決すると意気込み、紳六と親しかった友人を訪ねていく。

ご存知蘭の親友。
テレビなら私も出たいからと無理やり親戚という名目でコナン達に同行するつもりでいた。
だが着ていく服がなかなか決まらず、現地で合流する事となる。


【用語】

  • 弥山七不思議
宮島の中央にそびえる弥山に古くから伝わる伝説。

伝説 内容
消えずの火 弘法大師が修行して以来、絶える事無く燃え続けているという火
錫杖の梅 弘法大師が立てかけた錫杖が根付いたと言われている梅の木
干満岩 穴に溜まった塩水が潮の満ち引きで増減する岩
曼荼羅岩 弘法大師の筆による文字が刻まれている岩
拍子木の音 弥山に棲む天狗が打ち鳴らす拍子木の音
時雨桜 晴れた日でも雨のように露が落ちる桜の木
龍燈の杉 宮島周辺の海に現れる謎の光「龍燈」を弥山山頂から臨む杉の木


以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください


























カジノなんて…最初は遊びのつもりだったのに…

いつの間にか深みにはまって…止めるに止められなくなっちまったんだ!!

仕方がなかったんだ!!


  • 喜多村雄一
今回の事件の真犯人。
局内で噂されていた違法カジノの経営者とは彼の事であった
裏の顔に気づかれた越路に自首するよう説得されていたが、喜多村は上諏訪に「越路が怪しい」と吹き込み、越路を殺害して違法カジノの罪を着せようと考えた。

また2年前の紳六・弥生兄妹の両親の事故死にも関わっていた
当時山歩きが趣味だった喜多村は1人だけ宮島に残り、弥山に登った時に立ち入り禁止区域に入り込む。
それを紳六・弥生の両親に見咎められ、そこで口論となってしまい弾みで両親が転落死してしまう事となる。
後に紳六が現場周辺で拾ったアクセサリーのようなものは、その時喜多村が来ていたブルゾンのファスナーマスコットだった。
2年前のその時にはブルゾンはたまたま越路に借しており、土産物店で記念写真を撮った時にそれがバッチリ写っていた。
紳六が拾ったものの正体に気づいたのは、2週間前に土産物店の主人が店先に飾っていた2年前の写真を見た時。この時に紳六は両親の事故に越路が関わっていると勘違いし、真相を確かめる為に東京へ行った。
紳六が越路の近辺を嗅ぎまわっていると知ると、このままではいつか真相がばれるかもしれないと思うようになる。
そこで紳六が弥山七不思議に見立てて両親の復讐を行っていると思わせる為の犯罪計画を立て、越路を殺害して証拠となる写真を弥山屋ごと燃やそうと考えた。

紳六に「越路に会わせてやる。悪いようにはしない」等と言って近づき、今回の収録に合わせて紳六を広島に呼び寄せる。
そしてホテルの一室で紳六を睡眠薬で眠らせ、彼の髭を剃り髪型を自分と同じにしてから部屋を出た。
ホテルの客室係が見たのは、睡眠薬で眠らされている間に喜多村と同じ人相にされた紳六だったのである。
紳六に変装して越路を襲撃し弥山屋へ放火。その後は宮島口のフェリー発着場近くの「READ LEAF HOTEL HIROSHIMA」にチェックインし、そこから上諏訪にテレビ電話をかける。
こうする事で放火事件当時はホテルにいたと思わせ、アリバイを作った。
だがそのテレビ電話には、広島市の「READ LEAF HOTEL HIROSHIMA」から見えるはずの高層マンションが写っておらず、部屋のカーテンの色もスカイブルーのはずなのにペパーミントグリーンだった為、上諏訪にトリックを気づかれてしまった。
そこでやむなく上諏訪を襲い、彼の携帯電話を破壊して上諏訪がホテルに連絡していた事を知られないようにした。
同時に呼び出していた弥生にも、あわよくば濡れ衣を着せるつもりだったらしい。

上諏訪と越路が死亡したと知ると、事件の仕上げとして紳六を殺害し全ての罪を着せようとする。
だが小五郎(コナン)の指示を受けた宮元によって紳六は保護されており、コナン達が待ち伏せしているとは知らずにホテルへ戻った時に犯人だとばれてしまった。

コナンに計画を暴かれると罪を認め「いつの間にか深みにはまってカジノを止められなくなった。仕方がなかったんだ!」と取り乱す。
そんな彼を小五郎(コナン)は、

仕方がなかったから越路さんと上諏訪さんを襲い、
その罪を紳六さんに着せて亡き者にしようとしたんですか!

そんな身勝手な言い訳が、通用するとでも思っているんですか!

…と厳しい口調で責めた。
その後喜多村は悲痛な叫びをあげ、広島県警へと連行されていった。

  • 綾瀬紳六
東京へ着いた後は越路の周辺を調べ始める。
その時に喜多村が「越路に会わせてやる。悪いようにはしない」と言って近づいてきたので、彼の言うとおりに今回の収録に合わせて広島に帰郷する。
だがその直後に喜多村に眠らされ、トリックの為に髭を剃られ髪型を彼と同じにされてしまう。
喜多村によって全ての罪を着せられ殺されそうになるが、宮元によって保護され事なきを得た。
事件後は弥生のところへ戻っており、弥生に優しい笑顔を見せていた。

  • 上諏訪幹彦
喜多村に「越路が怪しい」と吹き込まれた事で越路に疑いの目を向けるようになり、その為撮影中もどこかぎこちない様子を見せていた。
喜多村のテレビ電話を受けた後は、窓の外に高層マンションがなかった事で喜多村のトリックに気づく。
広島城へ来た時にホテルへ電話をし確認しようとするが、その最中に喜多村に襲われてしまった。

実は死亡しておらず、病院へ運ばれた後は越路と共に何とか持ち直していた
コナンは上諏訪達が死亡したと知った喜多村は必ず紳六を殺害しようと動くはずだと考えていたので、宮元に指示をして上諏訪達が死亡した事にしていたのである。

ちなみに上諏訪は後に『世界一受けたい授業事件』で再登場している。

  • 越路直人
彼も病院へ運ばれた後で何とか峠を越え、上諏訪と同様の理由で死亡した事にされていた。
事件後は上諏訪と共に回復へと向かっている。

喜多村の裏の顔に気づき彼に自首を勧めるが、口封じを考えた喜多村に危うく殺されそうになった。

  • 綾瀬弥生
喜多村によって両親が事故死した上に、写真の隠滅という理由だけで弥山屋を放火されてしまった気の毒な被害者。
再建には時間がかかると思われるが、紳六も帰ってきたので兄妹揃って何とか立ち直ってほしいものである。

  • 八川弘司
違法カジノや2年前の事故には特に関係しておらず、見立ての為だけに塩入缶コーヒーを飲まされる事となる。
後に『降霊会W密室事件』で再登場。また『から紅の恋歌』にも彼らしきスタッフがモブとして登場している。大阪日売テレビに異動となったのだろうか?

  • 浜田幸成
  • 三宅文江
同じく見立ての為だけに今回の事件に巻き込まれる。
特に三宅はそれだけの理由で頭にケガを負ったので、上諏訪・越路・弥生ほどではないがかなり気の毒な被害者と言える。


【エピローグ】
事件解決後、今度は家族水入らずで広島のグルメを満喫していたコナン達。
お好み焼きを食べていた際に、ふと蘭は今回の番組がOAされるかどうかを心配する。
小五郎は自分の名推理ぶりを見たかったので絶対にOAしてほしいと思っていたが、そこに今回の番組に出演するはずだった園子から電話がかかってくる。
あれから園子はずっと“島”で待っていたようだが、そこは“宮島”ではなく沖縄の“宮古島”だった。
園子が勘違いして宮古島へ行ったと知り、コナンと蘭は複雑な表情を浮かべるしかなかったのであった。

コナン「はいカットー(棒)」


【余談】
今回の舞台が広島県だった事で、アニメ版限定ではあるが中国地方5県(鳥取県島根岡山県、広島県、山口県)全てが『コナン』の舞台となった事となった。





追記・修正はもみじ饅頭を作った後でお願いします。

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