KCグランプリ編(遊戯王)

登録日:2020/07/03 Fri 17:11:18
更新日:2020/07/30 Thu 20:27:52
所要時間:約 10 分で読めます




KCグランプリ編とは、アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」の長編シリーズである。
話数的には第185話から第198話が該当する。*1
後の遊戯王シリーズにおける「大会編」の走りだが、DMに関して見ればかなり後半に放映されたシリーズである。


【あらすじ】


長かったドーマ編での激戦を終えた遊戯達。
しかし、せっかくアメリカに来たのだからともう少し滞在し、アメリカを楽しもうとする。
だが、よくよく考えたら遊戯たちには帰る手段がない
そして彼らには学校もあるのだ。ずっとアメリカで暮らすわけには行かない。

そんな時に現れたのがモクバ
彼は遊戯達を海馬コーポレーションの自家用機で日本にまで送ってくれるという。
ただし海馬コーポレーション主催の「KCグランプリ 最強デュエリスト決定トーナメント」に出場する…という条件をつけて。
ちなみに遊戯達を出場させる意見を出したのは磯野である。

当初は海馬コーポレーションの広告塔になるような事に難色を示すものの、
兄様は運営のため忙しく出ることが出来ない」「世界中の腕利きデュエリストが集まる」という事。
そして何より日本に帰る手段の為に出場を決めるのだった。
こうして遊戯達は、久しぶりに誰の命も失われず、世界の危機もないデュエルが楽しめる。
そう思われていた。

しかし、「ジーク」と言う男が海馬コーポレーションを潰そうと暗躍。
様々な策を講じて復讐しようと動き出していた…。



【概要】

最終章である記憶編に連なる物語であり、DMでは最後のアニメオリジナルエピソードである。
しかし今までが命に関わるやばいデュエルばかりだったのだが、今回は一応は普通のデュエルばかりである。
とはいえピンチらしいピンチはそれなりに存在し、トーナメントが始まる直前にウィルスにより閉じ込められたり、デュエルに勝たないとKCがウィルスで破壊される等、遊戯王らしい?展開もしっかりとあった。
ちなみに大会に参加しているモブキャラが実に遊戯王らしいというか、カオスであったりする。

作中においては最終回を除きまともにデュエルが行われる最後のパートとなった。
そのためか当時のOCGにて活躍していたカードの登場やチェーンの説明といったカードアニメっぽい展開も多く、デュエルに関してはかなり気合が入っていた。
特に(放映当初は)ぶっ壊れオリジナルカードを、実際に存在するOCGカードで撃破した最終戦は評価が高い。
そのOCGカードも現実世界だと禁止級だったのは密に、密に
作画崩壊が多いことも禁句。ただし動き自体は悪くない。


【KCグランプリ】

アメリカでの海馬ランド完成を記念して行われるデュエル大会。
またドーマ編でのソリッドビジョン暴走事件で失墜した信用の奪還も含まれている。
参加者は瀬人が直々に選んだ世界各国の腕利きデュエリストばかり。今回は城之内も含まれている。
とまぁルール自体は普通のトーナメント戦であるが、フィールドが海馬ランドのどこかであり
デュエリスト(とその戦いを見たい観客)は徒歩でそこに向かわなければならない
ちなみに開始時間から10分経過してたどり着かなければ失格であり、我らが凡骨がそれで敗北しかけた


【主な登場人物】

【レギュラー陣】


武藤遊戯
ご存知主人公のAIBO。
今回は主に解説役、そしてモテ役として活躍。
デュエル自体はしないものの知識と経験はかなりのもので、特にカード知識は豊富。
デュエルキングの称号を持つためエキシビジョンマッチにて勝ち進んだデュエリストを待つ事となる。


闇遊戯
皆大好きな王様。
表遊戯が出張っている為出番がない…と思いきや、割と頻繁に顔を出す。
遊戯がカードの解説をするならば彼は戦略や戦術の解説を主にしている。
決勝戦までデュエル無しと思いきや、意外な理由でのデュエルも行われている。
ちなみに彼もアメリカ観光やKCグランプリの出演にはノリノリであったり、あるカードについて城之内に問い詰められた時は相棒にまかせて逃げるなどどこかコミカルな一面も見せていた


城之内克也
ご存知凡骨。
今までの大会は何らかの理由で不正参加ばかりだったが、今回は正式に参戦している。
前述の通り遅刻しかけたり「このデュエル数字変動が多すぎてわからねぇ」と混乱したりと相変わらずのコメディリリーフ。
海馬ランドにある青眼の白龍像を見て「うわ!やっぱりある!!」と視聴者の心の代弁をしたのはコイツ。
ただしデュエルでは真面目。
最近まで命のやり取りが絡むデュエルばかりであったため「デュエルを楽しむ心」を忘れていたのだが、マスク・ザ・ロックとの戦いでそれを思い出せた。
そして手札事故を起こしつつも準ラスボス相手にLPを100まで削るなど大活躍したが、健闘むなしく敗北した。
ちなみにアニメ版ではこれがラストデュエルである。


海馬瀬人
ご存知社長。
ドーマに買い占められていた株は買い戻したものの、海馬コーポレーションの信用はガタ落ちしていた為、ブルーネクタイホワイトスーツ姿で激務をこなしていた。
今回は主催者ということもありデュエルに参加しない…と思いきやラストに緊急参戦。
前述の通りラスボスのアニオリカードを、ほぼ実在するカードで打ち破ったのは語り草である。
正直な話KCグランプリ編の主人公は彼と言っても過言ではない。
遊戯VSレオン戦直前のバンザイポーズは地味にネタにされ続けているが。


海馬モクバ
ご存知社長の弟。
帰り方に困っている遊戯達に助け舟を出した。
今回は今まで以上に城之内に感情移入しており様々な助け舟を出していた。
遊戯一行を探し出しヘリで送迎したり、ウィルス騒ぎのときには率先して対策をしたりと、後の有能副社長の片鱗を見せ始めている。


☆磯野
ご存知社長の忠実な部下。
海馬コーポレーションの信用失墜の打開案が浮かばず社長に怒鳴られていたが、KCグランプリに遊戯達を出してはどうかと言うなど有能さを見せていた。
今回も実況と審判を担当していたが、遊戯VSレオンの前は妙にテンションが高くオーバーリアクション気味であった。


☆河豚田
ご存知社長の忠実な部下その2。
磯野と違い裏方に徹していたが、とあるキャラの正体を見抜くといった大仕事をこなした。


真崎杏子
本田ヒロト
賑やかしし三人衆。
杏子はレベッカに対しヤキモチを焼いたりと多少ヒロインらしいところを見せていたが、本田はマジで空気であった。


御伽龍児
賑やかしし三人衆の最後の刺客。
ヴィヴィアンの説明をしたり若干目立っていた。本当女性の事となると元気だすなお前
なお彼のみアメリカにてやることがあるらしくここで遊戯達と別れることとなった。
恐らくペガサスに会いに行ったのだと思われる。


レベッカ・ホプキンス
ご存知表遊戯の嫁のロリッ娘。
あまりにもストレートな愛情のぶつけ方で杏子をどぎまぎさせたりしたが、デュエルでは大活躍。
キュアバーンや王宮の勅命といったガチカードで善戦するも、アニメオリジナルには勝てなかった
相変わらず表遊戯一筋で自信家な生意気少女だが、自分の負けを素直に認め、対戦相手を讃える等成長を見せるシーンもある。
同年代のレオンに対しては気にしている風を見せていたが、最後の最後まで遊戯好きなのは変わらない。


武藤双六
ご存知遊戯の祖父。
「マスク・ザ・ロック」として参戦し、城之内の師匠としてデュエルの楽しさを思い出させた。
ちなみにマスクをしていたが城之内以外にはバレバレだった。
ただし彼のデッキは強力かつ、ロマン溢れるデッキであり、城之内をかなり苦しめた。
今回も拉致される。一応は自分の意志で捕まっているもののさらわれたのには変わりない。
親友の孫よりもナイスバディお姉さんの方を応援しようとするなどエロジジイ度が大幅にアップしている気がするが、
原作の時点で杏子にセクハラ発言してたので平時はこんな感じなのだろう。なお、そのせいで城之内から弟子を返上された。


【ゲストキャラ】

☆リック
前哨戦に登場したドラゴン族大好きな少年。遊戯にも憧れている。
ただし余りにも好きすぎてデッキはモンスターカードばかり。
サファイアドラゴン等強いモンスターもいるものの基本的に小粒な物ばかりであったが…。
コンピュータがハッキングされたせいで彼のデッキで最強級デッキと戦うことになった遊戯だったが、寸前に渡した《凡骨の意地》と《スピリット・ドラゴン》のコンボで勝利を得た。


ジーク・ロイド
「ヨーロッパ無敗の貴公子」と言う触れ込みで登場。
自宅では多数のメイドを従え、バラの風呂に入浴したりするキザ野郎。
対戦相手を徹底的に無視する等人格的にも問題のある嫌味な奴。
デッキは北欧神話の戦乙女をモデルとした「ワルキューレ」デッキ。当時はエロゲデッキ等と呼ばれていた。*2
なおそのメイドさんも皆気が強そうな目つきをしているため、恐らくそういう趣味なのだろう。
城之内に追い詰められるまで本気を出したことがないと豪語する程の自信家なのだが、実はジーク・ロイドというのは偽名であり……。


☆レオン・ウィルソン
「奇跡の天才少年」の異名を持つ少年。
KCグランプリ直前に遊戯と出会い、デュエルキングである彼と戦うために大会を勝ち進んでいく。
使用デッキは童話をモデルとしたカードが中心のトリッキーなもの。
レベッカ曰く「見たこともないレアカード」ばかりで効果も強力なものばかりである。
その一方で本人は真面目な少年と言った風であるが、杏子の応援に赤面するなどウブな一面もある。
彼の名前も実は偽名であり……。


☆ヴィヴィアン・ウォン
KCグランプリに参加した「アジアのデュエルクイーン」。
使用デッキは中華系のモンスターが多い
ナイスバディな美女であるがかなり自意識過剰な性格をしており、「自分の魅力があれば遊戯や海馬を誘惑しパートナーに出来る」等と妄想していた。
レベッカに負けた後も往生際悪く再起を目論見双六を拉致。
そして色々あってぎっくり腰の治療を賭けて遊戯ともデュエルをした。
デュエル以外にも中華料理や医療の知識もあり、特に前者は城之内達が遊戯の応援を半分忘れるくらいむさぼり食っていた。*3


【今回のボス】

☆ジークフリード・フォン・シュレイダー
上記ジーク・ロイドの正体。
ヨーロッパ地区におけるゲーム・アミューズメント第一位、世界規模で見ても世界の五本の指に入るほどの会社であるシュレイダー社の社長で16歳
彼が今回のKCグランプリに参加した理由はぶっちゃけ逆恨み
「海馬コーポレーションはかつて軍事会社として鳴らしていたシュレイダー社を追い詰め、アミューズメント産業に転換したもののKCも同タイミングで一緒の業界に来た」ため、
KCと海馬を恨んでいるという救いようのない理由である(デュエルディスクを同時期に開発していた)。

デュエリストとして海馬を打ち負かし雪辱を晴らそうとし強力カードで善戦する…も
肝心なとこでモンスターが引けない、詰みが理解できずいつまでも高笑い、負け惜しみと急にヘタれる
最も当時ぶっ壊れだった《混沌帝龍-終焉の使者-》や禁止カード《次元融合》。
アニメ効果の《命削りの宝札》といったパワーカードを駆使してようやく勝利できたレベルなので彼本人やデッキが弱いというわけではない。
ということで海馬に負け、没落貴族の夢も露と消えたと思いきや……。


☆レオンハルト・フォン・シュレイダー
実は彼はジークの弟だったのだ。
そして彼は敗れた兄ジークの代わりに遊戯に勝ち、シュレイダー家のために戦うことを決意する。
だが本来はデュエルを楽しいと思えるほど大好きな少年で、遊戯と戦いたいという気持ちも本当であった。
彼のデッキの完成度は高い上戦略
そして何より勝負は正々堂々で相手への敬意を忘れない、紛うことなき真のデュエリストである。

…だがデュエルをするために大会の関係機関にハッキングし偽名と偽の経歴を用意する辺り、やっぱり遊戯王の登場キャラなのであった。



【結末】


レオンは決勝前に兄から《シュトロームベルクの金の城》を託されるが、これはテキストデータが改竄されているチートカード
具体的にはこのカードは公式大会には使用できないが、レオンは普通に使用した。
それだけでなくカード維持の為に自分のデッキからカードを半分墓地に送らなければ行けないのだが、改ざん後は相手のデッキを半分墓地に送るとなっている。*4
挙げ句「カード自体がコンピューターウイルスとして機能し、フィールドにある限り海馬コーポレーションサーバーにダイレクトアタック」というえげつないカードであった。

しかしそんな卑怯なカードを使ってまで勝つ気はなく金の城をサイクロンで破壊しようとするが、耐性があり無効。
ならばサレンダーを選ぶが「デュエル中に破壊しなければウィルスは止まらない」という事もありそれすらも防がれてしまう。

モンスター効果での破壊も対策されており文字通り鉄壁と思われていた《シュトロームベルクの金の城》。
しかし「維持コストが払えなければ破壊される」という唯一の弱点があり、遊戯はデッキのカードを1枚にすることでその状況を作り出した。
だが金の城を破壊する為に使ったリソースは余りにも重く、遊戯の負けは決定的かと思いきや《ネクロマンシー》と《拡散する波動》のコンボにより大逆転勝利をした。

そしてウィルスに関しても、海馬が事前にメインコンピューターのバックアップを取っていたため早急に復旧。
ついにジークはデュエルでも、盤外でも完全敗北を喫したのだ。

「私は海馬には勝てないのか…」と崩れるジークに対し、瀬人は「『私』…ではない、『誰も』だ!」と励ます(?)。
しかし、自分を利用し憧れのデュエルも汚されたはずのレオンが兄を説得。
「これからも兄さんの苦しみを僕にわけてよ」と言われたことでジークは己の愚かさを自覚し改心したのであった。


こうして遊戯はKCグランプリ優勝の栄光を胸に、ホプキンス家の二人と、「アメリカでの仕事がある」という御伽を残し日本へ帰るのであった。
だがそれは遊戯にとって相棒の秘密の解明と真の敵との決着、そして別れへ連なる物語の始まりとなるのであった……。







【余談】

  • シュレイダー社は激動の時代を生き抜いたらしく、遊戯王5D's第97話のWRGPのポスターにあった参加企業に「株式会社シュレイダー・トイズ・ジャパン」の名前が確認されている。
  • ぶっ壊れチートカード《シュトロームベルクの金の城》は後にOCG化。流石にジーグが施した破壊耐性とウィルス機能は除外されたがその他は健在。詳しくは項目にて。




追記・修正は、KCグランプリに出場した方がお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2020年07月30日 20:27