笑うカンガルー(古畑任三郎)

登録日:2020/08/10 (月) 09:57:44
更新日:2020/08/26 Wed 22:20:17
所要時間:約 18 分で読めます





ちょっと手を出してみてください。
あ、いや、両手です。

計算機がなくても掛け算ができる便利な方法があるのをご存知ですか?
俗に言う「フランス式指電卓」です。
ではやってみます。

例えば「7×8=56」の場合。左は「7」を表します。
ご一緒に。1、2、3、4、5、6、7。

右は「8」を表します。
ご一緒に。1、2、3、4、5、6、7、8。ここまでよろしいですね?

次は答えです。「56」。
10の位は立っている指を足します。「2+3=5」ですね。
で、1の位は折れている指を掛けます。「3×2」でさんにが「6」。
という事で「5」と「6」で「56」、「7×8=56」です。
九九を忘れた方は是非やってみてください。

では次に「8×9=72」にチャレンジ!
よろしいですか?1、2…これ大変時間がかかります。
お好きな方は自分でやってみてください。


『笑うカンガルー』とは『古畑任三郎』のエピソードの1つである。
テレビスペシャル1作目。初回放送は1995年4月12日。
シリーズ初の2時間スペシャルであり、初の海外舞台という事でオーストラリアでオールロケを敢行している。
「男と女の嘘」というのが本作のテーマであり、2時間スペシャルに相応しい非常に複雑なプロットを持つエピソードでもある。


※以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。


ストーリー

数学者にとって最高の栄誉とされるアーバックル賞の授賞式が、オーストラリアのリゾートホテルで行われる。
受賞者は数学者コンビの二本松晋と野田茂男であり、日本人の受賞は初であった。
だが実際は、野田が研究、二本松がマスコミ対応と役割が分担されていて、二本松は数学者としては2流の人物であった。

授賞式の夜、二本松が記者のインタビューに答えていると、野田の妻のひかるから電話が入る。
ひかるは「野田が死んでしまった」と話し、二本松が野田の部屋へ駆け付けると野田があおむけで倒れていた。
ひかるに下のバーで待つように言った二本松は、野田の死を階段から転落したように見せかけるための偽装工作を開始。
偽装工作を終えるとバーでひかると合流し、たまたまホテルに宿泊していた古畑と今泉を証人にしてアリバイを作ろうとする。
だが古畑達と部屋でセブンブリッジをしていた時に、野田の部屋に扇子を忘れていた事を思い出す。
ルームキーを手に入れるために野田を倒した階段へ向かうもなぜか野田の死体がなく、野田の部屋へ行くと死んでいたと思っていた野田が出迎えた。

驚く二本松に、野田は数学界で永年の謎とされてきた「ファルコンの定理」を解明したと話す。
数学の歴史に名を残せると喜ぶ二本松であったが、野田はこれを機にコンビを解消したいと言い出した。
このままでは見捨てられ数学界にいられなくなると思った二本松は、手柄を横取りするために野田を撲殺。先程と同様に野田の死を階段からの転落死に偽装した。


登場人物


【ゲスト】
  • 二本松晋(にほんまつ しん)
演:陣内孝則
数学者。35歳。
野田とコンビを組んで活躍している人物で、この度、数学者に取って最高の栄誉とされるアーバックル賞を野田と共に受賞した。
目立ちたがり屋であり、授賞式の時には1人だけ白い着物を着ていた。身だしなみにも気を遣っており、何年か前にはベストドレッサー賞を受賞している。
口が達者で英語も堪能。愛想が良いのでマスコミからの評判も良い。初対面の古畑にも「気さくな方」と思われていた。
ひかるからは「自分の名誉に傷つく事は決してしない人」と評されている。
クイズを出すのが好きなようで、古畑に「ライオンのパラドックス」や「数取りゲーム」を出していた。

だが実際は数学者としては2流の人物で、不愛想な野田に代わってマスコミへの対応をしているスポークスマンに過ぎなかった
ひかるとは不倫関係にあり互いに愛し合っている。

記者からインタビューを受けていた時に、ひかるから電話で「野田が死んでしまった」と相談され、取材を終えてすぐに野田の部屋へ向かう。
倒れている野田と茫然としているひかるを見てすぐに事情を察し、彼女を容疑者から外すため、野田が酔って階段から転落して死亡したように見せかけるための偽装工作を開始する。
野田に塩辛と酒を大量に飲み込ませ、海パンに着替えさせて階段から突き落とす。腕時計を22時30分に合わせて壊していたので、偽装工作をした後はバーでひかると合流し、22時30分過ぎまでバーにいる事でアリバイを作ろうとした。

その際に先程会ったばかりの古畑達を見かけると、彼らと一緒にいる事で野田が転落した時刻にはバーにいたと印象付けようとした。
その途中で数分だけ抜け出し、野田の部屋のドアノブにブレックファーストの札をかけている。

自分の部屋へ古畑達を招き、セブンブリッジをしていた時に野田の部屋に扇子を忘れてきた事を思い出す。
ルームキーは野田の側に放置していたので、強引にゲームを終えるとすぐに階段に向かう。
だがなぜか野田の死体が消えており、野田の部屋へ行くと死んでいるはずの野田が出迎えたのでかなり驚いていた。

その後、野田がファルコンの定理を解明した事を知り、明日のパーティーで発表しようと提案するが、野田がこれを機にコンビを解消したいと言い出した。
「見捨てないでくれ」と懇願するも聞き入れてもらえず、さらに「今まで付き合ってもらっただけ感謝しろ」と吐き捨てられたため、それに対する怒りと功績の独り占め目的で野田を灰皿で撲殺。部屋の血痕を全て消し去り、先程と同様に野田を階段から突き落とした。
だがその際に一緒に落ちて足をひねってしまったうえ、ホテルの従業員が左右の通路と上の階から来てしまう。
このままでは鉢合わせになってしまうので、野田が身に着けていた海パンを履き、プールを泳いで向こう側のプールサイドまで逃げた。

古畑に疑われていると気づくと、今度はひかるに殺人の罪をなすりつけるために、凶器の灰皿とひかるの部屋の灰皿をすり替えた。

二本松を演じる陣内孝則は、『名探偵 明智小五郎(フジテレビ版)』で主役の明智小五郎を演じている。ちなみに古畑役の田村正和も後に『明智小五郎対怪人二十面相』で明智小五郎を演じている。
また、陣内氏は本作以降は『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』で毛利小五郎、『探偵学園Q』で団守彦等の探偵を演じている。

  • 野田ひかる(のだ -)
演:水野真紀
野田の妻。
おしとやかそうな女性。こう見えて高校時代は砲丸投げをしていたらしい(真偽は不明)。
今年で結婚5年目になるが、親の都合で決まった結婚なので夫婦仲は最悪である。
野田から理不尽な暴力を受ける事もあり、「目玉焼きの黄身が固すぎる」と頭を殴られた時と、飼っていいたインコを「うるさい」という理由で窓から逃がされた時には殺意を抱いたという。
今回の旅行でも夫婦別々の部屋に宿泊している。

自らを男運が悪い女性だと思っており、古畑と散歩をしていた時に「カンガルーが笑う」というオーストラリアのことわざを持ち出して「私のまわりでは沢山のカンガルーが笑っている」と悲観していた。
二本松とは不倫関係にあり、野田と離婚したらすぐに二本松と結婚するつもりでいる。

野田の代わりにフロントまで手紙を受け取りに行った後、野田に別れる気はないと言われる。
その後は二本松に電話をし、「野田が死んでしまった」と相談した。
二本松には「野田の態度に腹が立ち、突き飛ばしたらテーブルに頭を打ちつけ動かなくなった」と説明。
二本松が偽装工作を行っている間にバーへ行き、沢山の人間に目撃される事でアリバイを作った。

前述のとおり野田は頭を打ったショックで失神していただけであったが、野田が息を吹き返した直後に二本松に撲殺された事は知らない。
自分の部屋の灰皿が凶器だと判明した時には「どうして…」と動揺。だが野田の殺害は認め、二本松に疑いがかからないよう偽装工作の罪も被ろうとしていた。

  • 野田茂男(のだ しげお)
演:田口浩正
数学者。
二本松とは対照的に不愛想で口下手な男性。肥満体型。身だしなみにも無頓着。
授賞式のような華やかな所にも出たがらず、マスコミへの対応は殆ど二本松に任せている。
「頭を使うのが俺、口を使うのがあいつ(二本松)」というように、コンビの功績は殆どが野田によるものだった。

実は内弁慶であり、家庭内では度々ひかるに対し理不尽な暴力を振るう典型的なDV夫である。
元々が恋愛など一切無しの政略的な結婚であることに加えて、自分勝手で我儘な性格のため、ひかるからは愛情どころか憎しみしか抱かれていない。
負けず嫌いなところがあり、勝つためには汚い手でも平気で使うので二本松からもその点を嫌悪されている。
ちなみにひかると二本松が不倫関係にある事は知っている。

数式を閃くと所構わず計算式を書きなぐったり、寝癖のついたまま取材に応じたり、朝は目玉焼きでないとダメ等と、どこか変人めいたところがある。
海外に出かける時には手作りの塩辛を持参しているが、匂いがきついためひかるにも嫌がられている。

ひかるとの離婚には元々承諾していたようだが、彼女が自分と別れた後で二本松と一緒になろうとしている事は知っていたので、手紙を取りに行かせた後で「お前と別れる気はない」と言い放つ。
その直後にひかるに突き飛ばされ、テーブルに頭を打ちつけて動かなくなってしまうが、実際は頭を打ったショックで気絶していただけであった。
二本松が偽装工作を終えた後で意識を取り戻し、自分の部屋に戻っている。

その後、長年謎とされていた「ファルコンの定理」を解明。
頭を打ったショックで閃いたらしく、部屋の壁に数式を書き込み、二本松に「これだけの分量で…」と感心されていた。
これを機にコンビを解消する事にし、二本松に「俺にはもうスポークスマンは必要ない」と告げ、さらに「今まで付き合ってもらっただけ感謝しろ」と言い放つ。
この言葉に完全に切れた二本松によって、今度は本当に殺され、階段から落とされた。
その後は逃げ遅れた二本松に海パンを脱がされ、素裸の状態でホテルの従業員に発見される事となった。
ちなみに彼の書いた数式は、二本松によって絵で隠された。

  • グレグスン
演:JOE BUGNER
オーストラリア警察の警部。
事件の捜査を担当。顔が「牛」に似ている。
怒りっぽい性格で、部外者の古畑達が現場に近づく度に顔を真っ赤にして怒っていた。
10歳まで戸塚に住んでいたため日本語を理解できる。
そのため、それを知らずに自分を「牛そっくり」と悪口を言った今泉に対しても激怒していた。

  • ワンチャイ・バンピラピカル
演:KELLY LAM
プーケット大学の数学者。
アーバックル賞の授賞式に出席していた。日本語も理解できる。
古畑に野田の部屋の数式についての意見を求められ、ファルコンの定理に関するある事実を教える。


【レギュラー陣】

缶詰の懸賞でオーストラリア旅行を当て、今泉と共にバカンスに来ていた。
だが自称ダイビング専門であり、深さが2メートル以内の所では泳ぐ気が起きないらしい。
英語の発音が苦手であり、「レター」「マイキー(自室の鍵)」「ウォーター」と従業員に言う度に人名だと勘違いされ、「Ms.レイター」「マイキー」「ウォルター」が目の前に現れていた。またエピローグでは…。
セブンブリッジでは7のカードをずっと出さないという戦法でずっと勝ってきたらしいが、今泉達には不評であった。
野田の死体が発見されると、現場や遺体の状況から二本松が犯人だと考える。

古畑と共にオーストラリアにバカンスに来ていた。
古畑よりもオーストラリアを満喫していたが、部屋では床で寝ているらしい。
去年、沢口靖子が1日署長をした際、忘年会の福引で沢口靖子賞(電子レンジ)を貰っている。


【用語】

  • カンガルーが笑う
オーストラリアのことわざ。
「男運が悪い女性」という意味がある。

  • ファルコンの定理
数学者の間では長年の謎とされている定理。
元々これはファルコンという学者が発見した定理であったが、彼の死後に定理の解き方を記録した書類が火事により焼失してしまう。
この定理を証明できた人間は、数学の歴史に確実に名を残すと言われている。
そのため定理の解法を奪うために殺人を犯すという事は十分に考えられた。だが…。

なお、この定理は架空のものであるが、『VSクイズ王』にも登場。
向こうでは「まだ解かれていない」ものとなっているため、本作は『VSクイズ王』より後に起きた事件であると考えられる。

  • ライオンのパラドックス
論理学の問題としてはかなり有名なもので、ライオンをワニに置き換えた「ワニのパラドックス」というのもある。

ジャングルで探検家が人食いライオンに捕まった。
その探検家は「どうか助けてください」とライオンに言う。
するとライオンは「じゃあ、今俺が考えている事を当てて見せたら、お前を助けてやろう」と言った。

さあ、探検家は何と答えて助かったのか?

これはあくまで論理学の問題なので、探検家が武器を持っていたとかトンチ等は関係ない。


  • 数取りゲーム(「石取りゲーム」とも)
好きな数字を決めて互いに1から順に数え、最後にその数字を言った方が負けとなるゲーム。
1度に言っていい数字は3つまで。
学校の休み時間等でやった事がある人もいるだろう。
単純なゲームのように見えるが、実はこれには必勝法が存在する。



以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください























真相


えー、今回はスペシャル2時間枠に相応しい大変込み入った事件でした。

野田さんの奥さんが自白しているにも関わらず、
私は犯人は二本松先生だと確信しています。

その手がかりは、壊れた眼鏡、新聞写真、届いた手紙、そして壁の落書きです。

はい、後はどうすればそれが証明できるのか?
大変難しい問題です。皆さんも考えてみてください。
解決編はこの後で…。

古畑任三郎でした…


  • 二本松晋
ひかるが野田を殺害したという事で決着がつきそうになると、ファルコンの定理を解明した事をパーティーで発表するために、数式が書かれた紙を自室まで取りに行く。
だが自室に戻った直後に今泉がやってきて、古畑とひかるの待つ部屋まで行く事となる。

部屋に着くと古畑の推理が始まり、授賞式当日の野田の写真が載った新聞を見せられる。
古畑は、写真の野田が掛けている眼鏡と野田が死亡時に掛けていた眼鏡が違うと指摘。そして写真の野田が掛けているのは、部屋に置いてあった眼鏡ケースに入っていた壊れた眼鏡と同じだと断言し、実際に部屋にあった眼鏡と写真の眼鏡を比べてみせた。
野田が死亡時に掛けていた眼鏡も取り出した古畑は、両方とも授賞式が終わってから亡くなるまでの間に壊れたと推理。
それは事件のあった夜に2回頭を打ったからだと言い、1回目はひかるに突き飛ばされた時、2回目は二本松に殴られた時だと断言した。

古畑に真犯人だと指摘された二本松は「いい加減にしろ古畑!」と激怒。
だが古畑はそんな事を気にせず、「これから先は込み入った話になるから」と言って二本松達と野田の部屋へ移動した。

野田の部屋では今泉とワンチャイがチェスをしていた。
部屋に着いて早々、古畑は野田の持ち物である冷却スプレーを見せる。
古畑は野田の首筋にスプレーがされていた事がずっと引っかかっており、これを根拠にひかるに突き飛ばされて頭を打った後で息を吹き返したと考えていた。
その際に二本松と会話をしていたとも考えており、その最中に二本松に殺されたと確信していた。

古畑に犯行の全容をほぼ暴かれ「ひかるに罪をなすりつけようとしていた」と断言されると「証拠はあるのか!?」と声を荒げる。
そんな二本松に古畑は「喉乾いてませんか?」と尋ね、推理を中断して飲み物を取りに行く。
冷蔵庫から飲み物を取り出しコップに入れようとするが、その際に寝室のベッドの側に掛かっていた絵に目が止まり「倒れてきたら危ない。外しておきましょう」と言い出す。

寝室に向かう古畑を慌てて制止しようとする二本松。実は二本松はその絵で野田の書いた数式を隠していたのである。
古畑が絵を外そうとすると、ワンチャイに「ファルコンの定理を解いた」と明かし、今夜のパーティーでその事を発表しようとしていたと話す。
絵の裏にある数式は、解いた事を教えた野田が検算のために書いたものと説明。絵で隠した理由は、従業員に見つかったらまずいからだと話した。
古畑にいつの事と尋ねられると、ホテルに来た最初の夜と答える。そして絵の裏にファルコンの定理の数式があるのかと尋ねられると「ああ」と答えた。
だが、古畑が絵を外した後の壁には、何も書かれていなかった。ので、驚きを隠せない二本松は「どういう事だ?」と呟く。
実は二本松とひかるが通されたのは野田の部屋とよく似た別の部屋で、本当の野田の部屋は1つ下の階にあった。

確かに野田の部屋の壁にはファルコンの定理が書かれていた。
この事をいつ知ったのかを古畑に尋ねられると、先程と同じくホテルに来た最初の夜と答えたが、その直後、古畑からファルコンの定理に関するある事実を聞かされる。
ファルコンの定理は、実は授賞式の約1週間ほど前にアメリカの数学者が解いていたのである。
その数学者は世界中の有名な数学者に対し、検算をして確かめてもらうために数式を書いた手紙を送っていた。昨日ひかるがフロントで受け取っていた手紙はこれだったのである。
ちなみにこの手紙はワンチャイにも届いており、野田の部屋にあった数式と全く同じ解き方が書かれていた。
この事から、事件当時の野田は頭を打って一種の記憶喪失状態に陥り、手紙の事を忘れて自分が解いたものと思い込んでいたと考えられるのである。

手紙が着いたのは昨日の午後で、ひかるがフロントで受け取り野田に届けたのが午後8時。
その直後に野田が頭を打って気を失い、その後で意識を取り戻して数式を壁に書いたとすれば、頭を打ってから遺体となって発見される11時30分までの間、野田はまだ生きていたという証明となる。
そして先程二本松は壁に数式が書かれているとハッキリ言っており、その言葉通り数式が発見された事から、その間に二本松は野田の部屋にいたという事となる。
以上の事から、どう考えても真犯人は二本松しかあり得なかったので、言い逃れができなくなった二本松は肩を落として椅子に座った。

自分が最初から数学者の間では相手にされていない存在だった事にようやく気付いた二本松は、「僕には手紙が来なかった…」と落胆。
そして野田の殺害が全く無意味であった事にも気づかされ、「以上です。QUODE ERAT DEMONSTRANDUM」と推理を締めくくった古畑に「見事な証明だ、古畑さん。刑事にしておくにはもったいないな」と賛辞を述べた。

実は古畑がライオンのパラドックスを解いた時から嫌な予感がしていたらしい。
「いつ気が付いた」と古畑に尋ねると、「セブンブリッジをやってた時から」と意外な答えが返ってくる。
あの時には遺体すら発見されていなかったが、その時に二本松は「野田はゲームには向いていない。負けず嫌いだったからと野田が既に死亡しているような言い方をしており、その矢先に野田の遺体が発見されたため、古畑は最初から二本松が犯人だと確信していたのである。

その後は警察に行く事となるが、部屋を出る前に「残念でしたわね」とひかるに呼び止められる。
その時に「利用するつもりはなかった」と弁明するが、ひかるには「結局あなたはいつも自分の事しか考えてなかった」と言われる。
その言葉に「誰だってそうじゃないか?」と返し、警官達に連れられ部屋を出た。

ホテルのロビーでは大勢のマスコミが待ち構えており、姿を現した途端彼らから今回の受賞を祝福される。
二本松は口を開く事無く簡単に挨拶を済ませ、そのままオーストラリア警察へと連行されていった。

  • 野田ひかる
古畑によって殺人の無実が証明される。
信じていた二本松が真犯人だと判明し、古畑に同情されるが、その時に「私、平気です」と答える。
そして自分も二本松に対し嘘をついていた事を打ち明けたが、古畑にどんな嘘をついていたのか聞かれてもそれを教えようとしなかった。
その後で古畑は何かに気づいたように笑みを浮かべたので、今泉は「嘘って何でしょう?」と古畑に尋ねる。
すると古畑は眼鏡ケースの壊れた眼鏡を取り出し「突き飛ばしただけじゃ、こんな壊れ方はしない」と言った。
そう、ひかるは最初から野田を殺そうとしていた可能性があり、それを二本松に隠して相談をしたとも考えられるのである。
だが眼鏡は二本松が野田を階段から落とした時に壊れたとも考えられるので、古畑は「私には分かりません」とこれ以上考える事をやめていた。


エピローグ

事件解決後、古畑達は帰りの飛行機の中にいた。
今回の旅行でも事件に巻き込まれたので、今泉は「何しに行ったのか分からないですよ」とぼやく。
そんな今泉に古畑は「日本に帰ったらしばらく休む」と話すが、上司の蟹丸が「これから忙しくなる」と言っていたと今泉に教えられ、思わず「オーマイガー」と残念がった。
すると前に座っていた日本人男性の小前田が振り向く。
日本人にも英語を聞き間違えられしまった古畑は、「古畑です」と握手をして誤魔化し、再び残念がっていたのだった。


余談

本作の主犯は二本松だが、「ひかるに殺意があった」と仮定して観ると、1回目とはまた違った作品として楽しむ事ができる。
そのように仮定すれば、ひかるが二本松に相談したのも、最初から殺人を庇ってくれるはずと踏んでいたからとも考えられるのである。
だがひかるに殺意があってもなくても結局は裏切られ、カンガルーに笑われる結果となっていた。





追記・修正は数字ゲームに勝ってからお願いします。


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最終更新:2020年08月26日 22:20