世界の中心(空が灰色だから)

登録日:2021/12/01 (水) 00:10:22
更新日:2021/12/03 Fri 07:25:20
所要時間:約 4 分で読めます




ふーんだっ。素直じゃないわね。



みんな私に憧れて真似してるの丸わかりなのに。





『世界の中心』とは漫画『空が灰色だから』の2巻に収録された短編である。
皆が自分の真似をしていると思い込んでしまったある女の子のお話。



【登場人物】

  • 犬神愛智(いぬがみ あいち)
今回の主人公。進学校に通う高校2年生の少女。17歳。
前髪パッツンの黒髪のセミロングヘアと、やや大きな目が特徴。
また長身スレンダーとスタイルも整っており、よくスナップ誌に写真が載る。
趣味は小説を書くこと。
かなり思い込みが激しく、自意識過剰であり皆が自分の真似をしていると思い込んでいる。

  • 愛知の姉
そのまんま愛知の姉。
髪型は妹と似ているが金髪で、おでこを出している。

  • 千佳
愛智のいとこ。最近出産した。
シルエットのみの登場で、容姿は不明。



【ストーリー】

愛智は雑誌に載ったことをクラスメイト達から褒められていた。
そして小説が書けることを羨ましがられていた。
そんな彼女らを見て愛智は得意げになり、





『嫌だわ私の影響力ったら。みんな私の髪型真似してるし』




と彼女らが自分の髪型を真似していることを指摘すると、別にそういうわけではなく、
最近流行りの髪型とのこと。
だが愛智は自分の真似だと思い込んでしまうのだった。



その後、自宅で小説を書いていた愛智。
そこへ姉がいとこの千佳の出産祝いに行くと誘いに来る。
そして彼女が小説を書いていることを聞くと、参考にと泣ける小説を差し出す。
すると愛智は…



愛智「何よ! こんなのゴミじゃない!! ひどすぎ!!」


姉「え!?」


愛智「だってこれ完全に盗作じゃない!」


姉「マジで!?」



更に姉にまで自分の格好を真似している(実際は全然違う服を着ている)と難癖をつけるのだった。


翌日、愛智はバスの中で本を読んでいた。
そこで愛智はこう考えていた。



『バス通学で、最近私が読書し始めるとみんなも読書するようになった』


『それに他の時間にもバスあるのに同じ時刻とか私に憧れすぎ』


『雑誌で目立ちすぎちゃったかな、群を抜いて目立ってたし』


『困るなー、カリスマなんてなりたくないのに』


彼女は段々と、世界の中心は自分だと思い始めていた。



『ていうかこの本も盗作してるじゃない』



そして愛智は学校で、沢山の小説を広げていた。
そのどれもが映画やドラマ化している人気作品だったが、そこにはビッシリと赤チェックがされていた。

クラスメイトに何故かと聞かれると、それは全部私の小説の盗作だと答えた。
だがそれはおかしい、何故なら愛智はまだ作品を発表すらしてないからだ。

だが愛智は自分の書き溜めてたプロットを見せる。
それは女主人公の恋愛物というありふれたものだったが、愛智はそれをデビューする前にパクられたと憤慨していた。
それをクラスメイトから「王道だし似たような設定は多い」と指摘すると…





「ふぁ~~~~~~~!? だって日本語でしかも若者言葉を混ぜてるなんてそのまま私の専売特許じゃない」




「そのうえ主人公が人間でしかも10代で恋愛物ってここまでそっくりなのが偶然なわけないでしょうがぁ~~~」



「あんたの目は節穴ぬわんですか~~~~~~!?」




と興奮して支離滅裂なことをぶちまける愛智。
更には自分のプロットを見て、主人公を自分のパクリだとか言い出す始末。
そしてふと周りを見ると、衝撃の光景が写っていた。









愛智には周りの人間が、(目の死んだ)自分の顔に見えてしまっていた。



「何よアンタたち、格好を真似するだけじゃ飽き足らず」


「美人な私を真似て整形までするとか憧れすぎにもほどがあるでしょ!」



勿論これは思い込みが過ぎた彼女にだけそう見えているだけなのだが、もう彼女は止まらない。


帰宅すると、姉から今から千佳の家に行くと言われる。
勿論姉の顔も愛智には自分の顔に見えていた。


更にそのまま外へ出ると、全てが自分に見えていた。


通行人も、壁の絵も、窓にも、標識にも、地面にも自分の顔や目が映っている。
そして一面の空にも…






世界は全て、犬神愛智となっていた。(と愛智には見えている)





そして千佳の家に行き、赤ちゃんを見せてもらう愛智。
ちょっと愛智に似てるかもと言われると…





「あはははははは目と鼻と口がついてる顔とそれに四肢が胴につながり神経を通わせてる!」



「完全に私の盗作どうぅわわわわわわあ」



「母体から生まれてくるという胎児にして初球から私の真似するとかみんな憧れすぎぃ!」



愛智は思い込みのあまり、遂に心が壊れてしまった。
彼女の目にはもう、自分の顔しか映らないのだろうか…




「どんだけカリスマなの私! もう参っちゃう!」




そんな愛智に姉といとこは、ただただドン引きするのだった。








あははははははは!!! 項目があって追記・修正されている! まんま私の真似だあああああああっ!!!

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最終更新:2021年12月03日 07:25