Nintendo Switch 2

登録日:2025/07/19 Sat 20:22:00
更新日:2025/09/19 Fri 15:19:53NEW!
所要時間:約 15 分で読めます






になって、すべてが新しい。



Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)2(ツー)とは、任天堂が発売した家庭用ゲーム機である。





【解説】


2024年5月、Nintendo Switchが世に送り出されて7年の月日が経過し、後継機種の話題があちこちで飛び交う最中、突如任天堂の公式Xにて「今年度中にNintendo Switchの後続機種を発表する」と投稿される。
この時点では、名称もハイブリッド機種であるかどうかすらも不明だった。
2024年11月、経営方針説明会にて後続機種がNintendo Switchのソフトと互換性があることを発表。
2025年1月、予告映像にて「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)2(ツー)」という正式名称が発表される。同時に公開された映像ではマリオカートの新作が確認できた。
2025年4月、「Nintendo Direct : Nintendo Switch 2」を配信。細かな商品詳細、発売予定のゲームソフト群、発売日等が発表された。
2025年6月5日に発売、価格は税込で49,980円。(日本語・国内専用モデルの価格。詳しくは後述)


据え置き型ゲーム機としては第10世代に分類され、同時に第10世代据え置きハードの第1号となった。
Switchが築いた据置機と携帯機を兼ねるというハイブリッドゲーム機の特徴は受け継ぎ、大きく崩すこと無く正統進化を果たしたものとなっている。
  • 「TVモード」
本体をドック経由でテレビ接続するモード。
HDMIの対応バージョンが2.1になり、解像度4K&60FPSもしくは解像度1440p&120FPSの表示に対応。その双方でHDRも使用可能となっている。
性能を最大限引き出すには、同梱されているウルトラハイスピードHDMIケーブルに加え、モニターもPS4 Pro/PS5やXbox Series Xに対応できる程度のスペックが必要なのは注意。
  • 「テーブルモード」
本体をモニターとしてテーブル等に設置して遊ぶモード。
本体を支える背面スタンドが全体を支えられるように大型化し、自由な角度で止められるようになった。
また 本体上部に追加されたUSB Type-C端子によって、Switchでは別売のスタンドを要した「テーブルモードで本体を充電しながらのプレイ」が直接可能となっている。
  • 「携帯モード」
本体にJoy-Con 2を装着して携帯機として遊ぶモード。
Switchに比べて本体ディスプレイの縁が細くなっており、大きくなったディスプレイを無駄なく搭載している。

【Nintendo Switch 2の特徴】


これら一連の特徴はDL専用ソフト『Nintendo Switch 2のひみつ展』でも噛み砕いて解説されている。興味があればぜひ訪れてみよう。

本体外観

本体サイズは縦112mm×横200mm×厚さ13mm(Joy-Con 2非装着時)。
本体の厚さはSwitchと変わりないが画面が広くなっている。

本体前面の液晶画面は7.9インチへとサイズアップ、画面解像度もSwitchの720pから1080p(フルHD)に。
1秒間に何回画面を切り替えられるのかを示すリフレッシュレートは120Hzとなり、フレームレート120FPSに対応、
加えてHDRという、通常よりも幅広い明暗を表現できる機能にも対応している。
タッチスクリーン機能も同時にタッチ可能な数が10まで増加と、携帯モード向け機能の強化も怠りない。

本体上面にはSwitchから変わらずソフトメディアであるゲームカードスロット、ヘッドホンマイク接続端子、放熱用ファンの排気口、音量調節用ボタン、電源ボタンが備わっている他、明るさセンサーも上面に移動した。
また新たに内蔵マイクとUSB Type-C端子が上面に追加されている。
マイクは3DSのようにゲーム内でも活用できるほか、後述する新機能「ゲームチャット」にも活用されている。
Type-C端子はテーブルモードで遊びながら本体を充電したり、USBカメラなどの外部機器を接続するなど汎用的な使い方ができる。映像出力に対応していないので上下逆にドックに挿しても何も起こらない。
両側面にはマグネット接続になったJoy-Con 2を装着するマグネットコネクターが設置されている。磁石ならスッポ抜けそうと思いがちだが、合体時はガッチリと接続され、Joy-Con 2側の取り外しボタンを押しながらでないと簡単には抜けないようにしている。
背面には放熱用ファンの吸気口、本体を自立させるための折りたたみスタンドが設置。スタンドを開けたところにmicroSD Expressカード用のスロットがある。
microSDカードとはそもそも規格も速度性能も異なるため、Switchに使っていたSDカードはデータ移行時にしか対応せず、プレイには使えないので注意。
+ SD Expressって何?
(micro)SD Expressは簡単に言うと「SDカードの皮を被ったNVMe M.2 SSD」。
見た目こそ従来のSDメモリーカードそのものだが、機器との接続方式にM.2 SSDと同じNVMe規格が採用されており、従来のSDカードよりも格段に高速でアクセスが可能。
裏面を見ると端子が2列になっている。
従来のSDカードとの後方互換も一応備えているが、そのときは普通のSDカードとして振る舞う。
ちなみに名前の似ている「SD Extreme」は、"SanDiskが出してたちょっと速いだけの従来型SDカード"なので注意。Switch2に使うものを探す場合は「SD Express」で検索しよう。
性質的に似ている競合規格としては、カメラに使われるコンパクトフラッシュの後継である「CF Express」がある。…が、値段的にもプロやマニア向けの超高性能デジカメに使うのが前提というところであり、汎用品やSwitch2のようなゲーム機に使うものとはわけが違うのだが。
底面にはスピーカー、USB Type-C端子があり、Switch 2ドックや充電ケーブルとの接続に使用される。

また、内部にはJoy-Con 2とは別に加速度センサーやジャイロセンサーが搭載されていて、本体の傾き等を検知する事も可能。
本体に内蔵されたリチウムイオンバッテリーも容量がアップしているが、同時に本体性能と消費電力もアップしているため稼働時間にはあまり変化がない。

性能

任天堂・NVIDIAからは「NVIDIA社製 カスタムプロセッサー搭載。Switch 1からCPU数倍、GPU10倍で、RTコア・Tensorコア搭載。」「ストレージ容量は 256GB(UFS)で転送速度はSwitch 1の8倍。」「Switch 1からメモリー(RAM)のスピードは4倍、容量は3倍。」以上の詳しい仕様は公表されておらず、下記は有志の解析から推定された内容。
Nintendo Switch 2 Nintendo Switch(比較用)
プロセッサ NVIDIA T239 NVIDIA Tegra X1
CPU ARM Cortex-A78C 8コア(ゲーム用6コア+OS処理用2コア) ARM Cortex-A57 4コア(ゲーム用3コア+OS処理用1コア)
ARM Cortex-A53 4コア(Tegra X1の仕様により不使用)
GPU NVIDIA Ampere CUDAコア(1536基でRT・Tensorコア内包)
TVモード:3.09 TFLOPS
携帯モード:1.72 TFLOPS
NVIDIA Maxwell CUDAコア "GM20B" (256基)
TVモード:393.2 GFLOPS
携帯モード:236 GFLOPS
CPU・GPU製造プロセス サムスン製8nmプロセス TSMC製20nmプロセス(初期型)
同16nmプロセス(後期型・Lite)
メインメモリ 12GB LPDDR5X 102GB/s 4GB LPDDR4(初期型)
4GB LPDDR4X(後期型・Lite)
25.6GB/s
内蔵ストレージ 規格 UFS3.1 eMMC5.0
容量 256GB 32GB(初期型・後期型・Lite)
64GB(有機ELモデル)
ソフトメディア Switch2専用ゲームカード(ROMカートリッジ)、最大64GB
Switch専用ゲームカード(ROMカートリッジ)、最大32GB
Switch専用ゲームカード(ROMカートリッジ)、最大32GB
オーディオ Realtek ALC5658 Realtek ALC5639
無線LAN チップ MediaTek MT3681AEN Broadcom BCM4356(Cypress CYW435)
仕様 IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)
消費電力 ACアダプター 60W 39W
ゲームプレイ時平均 TVモード:19W
携帯モード:10W
TVモード:7W
携帯モード:4W
器の大きいゲーム機にすることを目標にして開発された結果、性能の大幅な底上げが行われている。
それでいて相変わらず消費電力は非常に低く抑えられている。*1

CPUはARM Cortex-A78C*2を8コア搭載し、それをゲームやOS制御用に無駄なく活用する方式がとられた事で、事実上Cortex-A57の4コアのみで稼働していたSwitch 1より大幅に性能が上がっている。

GPUはGeForce RTX 3000番台と同世代の物に移行しNVIDIA曰くグラフィック性能は先代の10倍に向上したとのこと。
またレイトレーシング*3とディープ・ラーニング・スーパー・サンプリング(DLSS)*4といった、近年のGeForceRTXでおなじみの機能にも対応していることも告知されている。
DLSSについてはローンチタイトルとして移植された『サイバーパンク2077』が採用していることが明らかになっている。

開発スタッフからの具体的な言及としては、コーエーテクモゲームスが手がける『WILD HEARTS S』のプロデューサーから「Xbox Series Sに近い」と言われている。

コントローラー

Joy-Con 2(ジョイコン ツー)

Nintendo Switch 2の専用コントローラー。
本体に取り付けて携帯モードでも、テーブルモードやTVモードでも同じコントローラーで遊べるという特徴は変わっていない。
本体に合わせてJoy-Conを一回り大きくしたような見た目。ただし厚さは不変。
上部から本体に差し込む初代仕様から側面に嵌め込む方式に変更されており、コントローラーの認識不良も改善。
本体に左側(L)右側(R)の2つ1組で同梱されている。
Switchのデフォルトカラーと違い、色がついているのはスティック縁と接続部のみで、基本カラーは黒色。
2025年現在はSwitchと異なりカラーバリエーションを展開していない。

基本的にはJoy-Conの正統進化であり、主だった機能はほぼ全て引き継がれている。ゲームに使うボタン数は変わらず、ジャイロセンサー、加速度センサー、NFC通信機能もそのまま、HD振動はより多彩な振動が可能となった「HD振動2」として強化された。
L/Rボタンが大きく押しやすくなったり、スティックが大きくなり耐久力も向上しているなど、デザイン面も本体の若干の大型化に対応しながら改良されている。
Joy-Con 2 (R)には新しくゲームチャット呼び出し専用のCボタンが増えた。

唯一、活躍の場が少なかったモーションIRカメラだけはオミットされ、側面の小型センサーとして小型化・移動しており、目玉の新機能であるマウス機能になった。
このためSwitch 2でモーションIRカメラを用いるSwitchソフトを遊ぶ場合は別途初代Joy-Conを用意する必要がある。
代わりに本体及び一部のSwitch 2ソフトでは、Joy-Con 2を立てて机などに置くと即座にマウスとして認識される。
これにより、これまでは専用の周辺機器依存で移植が難しかったマリオペイントの初移植が実現している。
余談だが、Switch 2では通常のUSBマウスにも対応するようになっている。*5

  • 搭載ボタン及びスティック
Joy-Con 2 (R) A、B、X、Yボタン
Rボタン、ZRボタン
Rスティック、Rスティックボタン(スティック押し込み)
+ボタン
HOMEボタン
Cボタン
Joy-Con 2 (L) 上、下、左、右ボタン
Lボタン、ZLボタン
Lスティック、Lスティックボタン(スティック押し込み)
-ボタン
キャプチャーボタン

周辺機器

コントローラー関連

  • Joy-Con 2 ストラップ
左右のJoy-Con 2それぞれに装着して、握りやすくする。
付けることでマウスの操作がやりやすくなったり、おすそわけプレイ時や、Joy-Con 2をそれぞれ手に持って操作する時でも役に立つ。
ストラップという名の通り手首にかける紐が垂れがっており意図せずJoy-Con 2が抜けるのを防止してくれる。

  • Joy-Con 2 グリップ
左右のJoy-Con 2を合体させよくあるゲームコントローラーの形として使用するためのグリップ。Joy-Con 2の変化に合わせてこちらもマグネット接続になった。また、足が付いており縦に置くことも可能。
ストラップ共々本体に各1セット同梱。
ゲームを遊びながら充電するために、充電ケーブルが接続可能なJoy-Con 2用の充電機能付きグリップも別売されている。
なお、通常のグリップは本体同様、黒一色成型なのに対し、充電グリップは持ち手部分がクリアグレーになっており、下記のProコンと同じく「GL/GRボタン」が使えるという追加要素もある。

  • Nintendo Switch 2 Proコントローラー
Switch 2用に制作されたゲーマー向けの新型Proコントローラー。
Joy-Con 2にグリップを付けた状態よりも大きく、操作がしやすいコントローラーとなっている。

Joy-Con 2の進化分は織り込まれており、こちらにもCボタンとHD振動2が追加されている。
その一方でプロコン2独自の進化も存在する。

最大の特徴はその質感。
見た目や文章では伝わらないためぜひ買って触って実感して欲しいのだが、しっとりとマットな仕上げがなされており非常に手になじむ。
また、過去ハード・他社製コントローラーのように「前面部と後面部をそれぞれ成型してネジ留め」という構造ではなく、
「グリップ部分と後面部を一体成型してスティック・ボタンの部分のみに前面パネルをハメる」という作りになっており、横部分の合わせ目に引っかかったり手垢が溜まらないような工夫がされている。

スティックはエアリアルスティックと呼ばれるものになり、滑るような操作性と静音性を実現している。
グリップ背面部分に「GL/GRボタン」が追加。各ゲームで、いつでも自分で好きなボタンを割当できる。
下部には他社コントローラー同様にヘッドフォンマイク端子が追加されている。

  • ニンテンドー ゲームキューブ コントローラー
Nintendo Classics ニンテンドー ゲームキューブ」で当時のソフトを遊びたいときに使える公式コントローラー。
外見と配置はGCコンそのままだが中身はProコン準拠仕様で、ウェーブバードではないがBluetoothで無線接続、おまけでこっそりZLボタンも追加、
ひそかにジャイロセンサーまで搭載と、Switch用ソフトへの対応を見据えたものとなっている。

なおこれら以外に、既存のSwitch用のコントローラーをSwitch 2で引き続き使うことも可能。人が多くてコントローラーが足りない時には活用しよう。
ただし、Joy-Con1やProコントローラー1のHOMEボタンを押しても、Switch 2のスリープを解除することはできない。

Nintendo Switch 2ドック

Switch 2本体を差し込んで接続する事で、テレビへの映像出力を行う周辺機器。本体に1つ同梱。
新たに放熱用ファンが追加された他、Switch有機ELモデルと同じくLAN端子が搭載されている。
さらに、冷却上の改良点としてドック下部に穴が開いており接続時はここから吸気を行うようになっているため、冷却効率や故障の防止という観点から定期的な清掃が推奨される。
より冷却効率を高めようする場合はテレビ台などに置くよりもメタルラックのような底面から吸気が行いやすい棚などに置くといいだろう。

Switch 2用ACアダプター

Switch 2の充電端子はSwitch同様にUSB Type-C端子となっている。
アダプター基部とType-Cケーブルが分割され、サイズも小さくなったことで取り回しが良くなっている。
差込口は同じなので充電用としてSwitch用のACアダプターを使うことはできるが、TVモードでは20V出力が必要なため使用できない。素直に20V3A対応の同梱ACアダプターを使いましょう。
一部のガジェオタ界隈では「4000円切りで買える大容量のGaN*6素子使用のUSB充電器(しかも信頼重視のブランドからの商品)」という点で妙な人気にもなっている。そういえば先代のACアダプターもMacbookの充電に使えるものとしては格安なんて言われてたっけな…
但し飽くまで「PD対応充電器」として最低限の機能のみと割り切っているため、PPS*7などには対応していない。スマホなどの充電の場合は一般的な充電器を使いましょう。あとGaN素子充電器としては割とデカい

Nintendo Switch 2 カメラ

ゲームチャットや対応しているソフトで使えるカメラ。USB Type-Cで接続される。
必ずしも全ての製品に対応しているわけではないが、原則的には市販のPC用webカメラも使用できる。

他社製のカメラでも動作するならわざわざ任天堂公式が出す必要はないのでは?と思うかもしれないが、
この公式商品のカメラは任天堂公式が制作・販売しているだけあってカメラの位置がSwitch2のドックより高くドックが撮影の邪魔をしない作りになっている。
また、携帯モードやテーブルモードでも撮影しやすいように細かい角度調節機能が存在し、2人以上の顔を映したい場合でも撮影しやすい対角約110度の広角レンズを採用、
暗い部屋でも顔をしっかりと認識し綺麗に映す高感度イメージセンサー・ノイズキャンセリング技術を搭載、プライバシーシャッターにより意図しないタイミングでの撮影を防止…と、とにかくSwitch2での使用を前提とした専用チューンが行われている。

ソフトメディア/パッケージ

Switch同様にパッケージメディアには「ゲームカード」を採用。
一見するとDS→3DSで突起がつくといった目に見える変化はないが、色が赤色になっているのみならず、端子の右の溝の先端が大きい切り欠きとなっている。
Switch2用ゲームカードは読み込み方式からして異なるらしく、当然ながら旧Switchに差し込んでもエラーで遊べない。
ゲームカードの容量はSwitchでは最大32GBだったが、Switch 2では最大64GBまで対応している。
なお、誤飲防止にデナトニウムベンゾエイトという苦み物質が塗布されているのは同様。

また新しい仕組みとして「キーカード」が登場した。
キーカードは鍵という名前の通りゲームソフトのデータをダウンロードし、起動の認証に用いるためだけのカードである。
通常のゲームカードであれば購入してSwitch 2に挿し込めばすぐ遊べるが、こちらはプレイ前にゲームデータをインターネット回線を通して一度ダウンロードする必要がある。
カートリッジは容量が大きいほど原価も高くなるため、32~64GB以上の大容量ソフト向けに用意されたものと思われる。サードパーティーのメーカーから発売されるソフトの大半にこの方式が採用される予定。
実質的な仕様としてはほぼDL版と同じだが、ゲーム取り扱いの小売は引き続きソフトを販売できる・メーカー側としては小売店にパッケージを置くことで広告効果が狙える・ユーザーやショップは中古品を売り買いできる…という点でパケ版の利点も備えていると言える。

これまでのSwitchソフトとの互換性も維持しており、発売時点で15,000タイトル以上あるソフトの殆どはSwitch 2との互換性の確認が取れているが、サードパーティー製ソフトを中心に一部非対応のソフトもある。
任天堂タイトルは周辺機器がSwitch 2の本体サイズと合わないという物理的な理由で非対応となっている「Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit」のみ。その他のサードパーティー製ソフトで非対応のものは公式サイトに記載されているので、一度目を通しておくとよい。
ちなみにこの互換性だが、Switch 2は旧Switchとハード設計思想が異なるため、ハードウェア互換を持ち合わせていないのだが、SwitchソフトのデータをSwitch 2用にリアルタイムで変換することで後方互換を実現している。
「Switch 2のハード上でSwitch 2のプログラムとして動かす」影響で性能向上の恩恵をある程度受けることが出来る。それ故Switch 1実機で動かすよりフレームレートが安定したりロード時間が短縮されたソフトが多い。ロード時間短縮についてはDL版のソフトが顕著。

また、これまでSwitchで発売されたソフトやこれから発売予定のSwitchソフトの中には新たに「Nintendo Switch 2 Edition」、及びそれに同梱される特殊なDLC「アップグレードパス」が用意されたものがある。
この場合は単にフレームレートやグラフィック向上に留まらず、Switch2の性能・機能やSwitch Onlineアプリとの連携を活かした独自の新要素が実装される事が多い。
Switch 2 Editionのゲームカードは一応Switchにも対応しているのでそのまま遊ぶことはできるが、この場合Switch 2 Edition限定要素は含まれない。
従来のソフトを持っている場合は、アップグレードパスを追加購入することでSwitch 2 Editionとして遊ぶことができる。

これが存在しないタイトルのうち、一部のタイトルはSwitch 2の発売に合わせ、Switch 2での起動時にフレームレートの向上や後述のおすそわけ通信の追加対応といった、新機能の恩恵にあやかれる無料アップデートが配信されている。
サードパーティーのソフトがこのようなSwitch 2最適化の無料アップデートを行った例は少ないものの、それでも本体性能の向上だけでより快適なプレイが可能になったソフトは少なくない様子。

本体機能

ゲームの最新情報がまとめられた「ゲームニュース」、撮ったスクリーンショットをスマホへ転送する機能が公式アプリ経由になることで便利になった「アルバム」、子供のゲームスタイルを適切に管理できる「みまもりSwitch」といった機能は引き続き対応している。
ここから先はSwitch 2の新機能を紹介する。

ゲームチャット

Nintendo Switch Onlineに加入していると使えるサービス。
コントローラーのCボタンを押すといつでも起動し、フレンドとボイスチャットや自分の画面を共有して楽しめる。
本体搭載のマイクもあるが、市販のマイクを接続して使うことも可能。
高度なノイズキャンセリング機能が搭載されているので、騒がしい環境でも安心。
アニヲタ的なイメージではDiscordのビデオ通話が近い。
また、カメラを接続すると自身の顔を映してプレイすることも可能。

後述のおすそわけ通信をインターネット越しに行うこともできる。

ちなみに、開発機では「ゲームチャット使用時の処理負荷」を再現する機能がついており、開発現場においてはこれで負荷をかけつつチャット使用中でも良好なパフォーマンスを探っていくことになる。
逆に言えば後期3DSの一部ソフトにて初期型3DSでプレイ中もブラウザが利用できるよう割かれていたメモリ部分も活用して動作の安定を図っていたように、
将来的にゲームチャットを使用不可にして全マシンパワーをフル活用できるようなソフトの開発が行われるかもしれない。

おすそわけ通信

対応しているソフトなら1つのソフトで複数人で遊ぶことができる。
イメージとしてはDS、3DSのダウンロードプレイに近い。
ローカル通信とインターネット通信があり、ソフトによって対応非対応が分かれている。
ローカル通信なら通信相手がSwitchでも可能だが、インターネット通信によるおすそわけはゲームチャット経由のためSwitch 2同士でしか行えない。

Nintendo Switch Online

Nintendo Switchシリーズ共通の有料オンラインサービス。
有料サービスであり、個人プラン(30日306円、90日815円、365日2,400円)か、最大8つまでのアカウントで使用できるファミリープラン(365日4,500円)のいずれかのプランを選択して加入する。
詳しくはリンク先を参照。

本体バリエーション

2025年7月時点の日本では対応言語の異なる2つのモデルが存在している。

「日本語・国内専用モデル」

名前の通り日本語と日本アカウントにしか対応していないリージョンリミット仕様のSwitch 2。一般店頭で購入できるものはすべてこのモデルである。
正確には本体側の言語は日本語しか選べず「ゲーム側の言語が本体側の設定を強制的に参照する仕様のソフト*8」ならば当然ゲーム側の言語もそうなり、
海外のダウンロード版ゲームを購入する手段があったとしても、この本体からは日本のニンテンドーe-shopにしか接続できないというもの。
また、日本のe-shopにしか接続できないということは即ち、ダウンロード版の海外からの購入も規制されている*9、ということである。

逆にいうとここまでに書いたもの以外で特殊な制限があるわけではないため 厳密にはリージョンロックはかかっていない。
つまり海外版のパッケージソフトを挿せば普通に動くし、後述の多言語版本体と2台持ちして購入だけそちらでやったりその他色々で日本語版本体でも海外版ソフトをダウンロードしたり遊ぶこともできる。そこまでこだわるなら後述のモデルを選ぶべきだが…

「多言語対応モデル」

全世界対応・リージョンフリー仕様のSwitch 2。こちらはマイニンテンドーストアのみで販売されている。
パッケージ以外は海外で販売されているものと同じ仕様である。
価格は税込で69,980円と2万円高い。
このような仕組みとなったのは日本を取り巻く強烈な円安相場が原因と考察されているが、公式には理由を明らかにしていない。

ちなみに世界の価格だが、アメリカは449.99ドル(発売時のレートで約71,000円)、欧州では449.99ユーロ(同約73,000円)、豪州では699.95オーストラリアドル(同約66,000円)、台湾では14,380台湾ドル(同約69,000円)…といずれも発売時のレートで6万後半~7万円半ば程度の価格となっている。
このため本来ならば多言語版の価格が妥当なところを国内版はかなり無理した価格設定なのではとの見方もある。
余談だが上述の地域は任天堂の現地支社が直接販売を担当する地域であり、これより高い地域もある。
例えば東南アジアでは代理店が販売するため8万円台*10、欧州支社の管轄外で物価や付加価値税が高い北欧では9~10万円程度*11
正規の代理店が存在せず明確な定価が存在しない地域を除くと、一番販売価格が高いのは輸入品への関税が大きいことで有名なブラジルで4499.90ブラジルレアル、日本円にして 約11万円強 となっており、ブラジルの平均月収が日本円で約8万円程度ということも考慮すると、とんでもない高級品になっている。
このように比較すると、国内版の5万円というのは世界的にみて相当破格な値段と言えるだろう。


【動向】

2025年4月、本体詳細を発表すると同時にマイニンテンドーストアで第1回抽選応募受付を開始。参加するニンテンドーアカウントが
  • 2025年2月末までに有料販売されている作品で累計50時間以上のプレイが記録されている
  • 累積1年以上のNintendo Switch Online利用実績がある
  • 2025年4月以降の抽選時点でNintendo Switch Onlineを利用継続している
以上を全て満たしていることを応募条件として行われた。

この条件は、マネーロンダリング目的は足切りされるだろうが本当にゲームが好きなら厳しいものではないという絶妙さ故か、国内だけで220万人以上の応募が集まり、用意できる本体数を大幅に上回っていることを謝罪するなど、衰えない人気を知らしめてみせた。
幸か不幸か、ソチ五輪メダリストのフィギュアスケーター・宇野昌磨氏や、Nintendo Directナレーションの声優・中村悠一氏が落選芸を披露して話題と笑いを誘ったおかげで、落選者達もあまり落ち込まずに済んだし何なら彼らの当選を願う声まで上がったとかなんとか

その後、マイニンテンドーストア以外でも予約受付されるが、抽選販売を行っている箇所が大半で、高額かつ人気商品なのも相まってその小売チェーン店の発行するクレジットカード保有を条件としている販売店も少なくなかった。

2025年6月、初週売上台数が350万台を突破したと発表があった。

【不正対応】

昨今の社会的事情を踏まえてか、上記の抽選販売に加え、任天堂は転売等の対策を徹底的に行っている。

まず、個体ごとに振り分けられたシリアル番号で本体を一括管理し、アカウント同期やインターネット認証等の様々なプロテクトを介して、少しでも転売品と判断したものは特定次第本体BANという非常に厳しい措置を採っている。
これは盗難品に於いても同様で、配送日や製造日から個体・個数や識別番号を逆算してBANを行う事で『ゲーム機の形をした何か(文鎮化)』になり、盗んで転売しても利益にならないようにしているのだ。

また、購入時のレシートを同梱していなければ修理を受け付けない方針も示しており、中古品を入手するリスクを限界まで高める方向で対応している。(正規の手段で手に入れた方も必ずレシートを取っておいてください!)
その上で、発売以前から大手フリーマーケット・オークションサービス業者と転売防止の協定を締結。
これを受けてこれらのサービスでは、正規品の証明としてレシートを載せた物品画像付きを転売ヤーが張り付け始めたが、これが出品規約に違反するとして運営から消されるという奇妙にして清々しい追加コンボが発生している。

さらに本体だけでなく、ゲームカードにもプロテクトが仕込まれており、何らかの不正入手やデータ改造を行ったカードや非正規品を接続・挿入して起動した場合、本体が即座に識別して本体のネットワーク接続が強制BANになるトラップが起動する。
本体初回起動時に行えばモニター以下の産業廃棄物と化し、オフラインで遊ぶことすら不可能になる。
海外では『MIG』という複数のゲームを一個のカードに集約出来る非公式のゲームカードが存在するが、勿論これもアウト。

つまるところ『正規品』から少しでも外れたら速攻で永久BANされるという仕組み。任天堂の本気ぶりを盛り込んだ仕様となっている。
おそらくこれは任天堂がCFWよりも不正起動の方を警戒しており、岩田聡時代にDSで普及したマジコンR4の再来を恐れた処置であるともいえる。
R4本体を違法取り締まりできない場合に備えた最終手段ともいえるだろう。

【ソフト展開】


自社のローンチタイトルは11年ぶりの完全新作となる『マリオカート ワールド』と『Nintendo Switch 2のひみつ展』。
発売翌月にはこちらも久々のシリーズ完全新作『ドンキーコング バナンザ』が発売される等、長らく新作が出ていないシリーズの投下が目立った。
マリオカートとドンキーコングの新作はいずれも当初はSwitch向け作品として開発が進められていたが、後にSwitch 2へと開発環境を移行したことで表現の幅が広がったことが明かされている。

前記の通り既存のSwitch作品の改修も行われており、いくつかの作品にはフレームレートの向上や4K対応等が行われている。
またローンチのひとつとして『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、後日にも『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』『星のカービィ ディスカバリー』と言った自社既存タイトルにSwitch 2 Edition/アップグレードパスを追加配信。ゲーム自体の拡充も実施された。

サードパーティータイトルもSwitch 2 Direct公開時点で多く紹介された。
その中でも話題作『ストリートファイター6』やスペック的に不可能と思われた『サイバーパンク 2077』がローンチで移植されたのが目を引く。
完全新作では『シャインポスト Be Your アイドル!』などがSwitch 2独占で発売されている。

既存作についても『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』『Civilization Ⅶ』のように独自でSwitch 2 Editionを配信し性能向上が行われている。
またマウス操作が標準で実装されたのに伴いFPSやシミュレーションを中心に対応したタイトルも登場している。

【余談】


Switch 2とド直球なネーミングをしているが、任天堂ハードで2とシンプルにナンバリングされたのはSwitch 2が初である。*12
ナンバリングがついた経緯としては後方互換性を持ち合わせていること、最新のSwitchであることが分かりやすいことから「Nintendo Switchの新しい標準となる」という思いがこめられているという。


新たな保存メディアとして採用されたmicroSD Expressだが、「枯れた技術」の活用に定評にある任天堂としては珍しい最新規格のもので、25年6月時点では「microSD Expressを読み込めるカードリーダー」を除けばSwitch2が唯一の対応媒体と言ってよい。
実はこのmicroSD Expressカード、元々はスマートフォンやSwitchなどで使われていた従来型のmicroSDカードに代わる次世代保存媒体として製作が進められていたのだが、
そのスマートフォンにて内蔵ストレージの容量増加やサブスク・クラウドサービス等のオンライン環境でのサービスが充実したことにより予見が外れてSDカードスロット搭載機種が減りつつあるという危機に直面してしまっており、
そんな中で出て来たSwitch2はまさに渡りに船と言える存在である。

かつてPS2がDVDを、PS3がBlu-ray Discの浸透に関わったように
Switch2はmicroSD Expressという規格が更に他の製品にも普及するかにおいて、ゲーム業界のみならず保存メディア業界にとっても未来のかかったマシンと言える。

【発売タイトルリンク】


当Wikiに項目が作成されたSwitch2のゲームタイトルのリンクを掲載。
(掲載は任天堂発売のタイトルのみ)

Nintendo Switch 2専用タイトル


Nintendo Switch 2 Editionタイトル






追記・修正 2になってすべてが新しい。

この項目が面白かったなら……\カチッと/

最終更新:2025年09月19日 15:19

*1 任天堂の家庭用ゲーム機で消費電力が一番高いのはWii Uの平均40W~最大75W。これでも優秀なワットパフォーマンスではあるんだが…。

*2 単体で6コア又は8コア構成に出来るようにしたA78のカスタマイズ版。通常のA78は4コアまでで、通常は高効率コアのA55と組み合わせて使う。

*3 光の当たり方や反射をリアルタイムで演算する技術。

*4 低解像度でレンダリングしたゲーム画面をTensorコアの力でアップスケーリングする技術。低解像度で処理する為ネイティブ解像度のレンダリングよりパフォーマンスが上がる利点がある。通常のアップスケーリングとは違いAIの力を用いるためよりくっきり、自然な映像になるのが特徴。

*5 正確にはSwitch1用ソフトでも一部のものはUSBマウスが使えていた。そちらのソフトがSwitch 2でJoy-Con 2マウスに対応するかは場合による。

*6 窒化ガリウム。パワー半導体で次世代材料と言われているものの一つ。従来のシリコン系よりも高速・高耐圧にできるため、電力制御用のトランジスタを遥かに小型化できる

*7 サムスンのスマホに搭載されている超急速充電の規格。当然、独自規格

*8 任天堂のソフトは小さい子供がいじって外国語の設定に変えてしまうと自分で戻せなくなるなどの理由でそういう仕様のゲームが多い。

*9 クレジットカードを利用する場合は日本国内の事業者が発行したものが必須。ちなみにSwitch2発売前の2025年3月末から適用されている。

*10 17,800バーツ(発売時レートで80,000円)、719シンガポールドル(同約81,000円)、2,488リンギット(同約85,000円)など

*11 4149デンマーク・クローネ(発売時レートで約91,000円)、6545ノルウェー・クローネ(同約95,000円)、6800スウェーデン・クローナ(同約100,000円)など

*12 周辺機器まで範囲を広げるとスーパーゲームボーイ2などがある