登録日:2025/07/19 Sat 23:22:13
更新日:2025/07/20 Sun 01:54:48NEW!
所要時間:約 20 分で読めます
荻田冠とは、「龍が如く」シリーズの登場人物である。
概要
『龍が如く5 夢、叶えし者』第3部にて登場。
蒼天堀で活動するフリーのダンストレーナー。
芸能事務所ダイナチェアに雇われ、第3部主人公の澤村遥を優勝者が歌手デビューができるテレビ番組「プリンセスリーグ」で優勝させるために指導している。
人物
チョンマゲのようなポニーテールが特徴。服装はダンサーらしい装い。
劇中では状況もあってか厳しい表情をしていることが多いが、なんだかんだで面倒見は良い男である。
劇中での動向
ちゃう ちゃう ちゃう! 何回言わせたら気ぃ済むんや!
第3部の冒頭で「リズムに乗れていない」と遥を叱責する場面から描写が始まる。
「こんなの基礎の基礎」「できなきゃもうやるだけ時間の無駄」「恥かくぐらいならプリンセスリーグ決勝に出るの止めとけ」とは言うもののダンスレッスンを成功させると、「やれば出来るやないか」と普通に褒めてくれる。
遥の休憩(5分)中には「プリンセスリーグ優勝レベルまで鍛えるのは時間がなさ過ぎて無理」「そもそも1年かけて育てる予定だったのが何で半年になってるんだ」「歌かダンスどっちかに絞ったほうが良い」とダイナチュア社長の朴美麗に訴えるも、「プロなら言われた期日できっちり形にしろ 口出しするな」「辞めたいなら、そっち都合扱いで辞めろ」と一蹴される。
どうも顔見知りらしい堀江ちゃんこと堀江博(遥のマネージャー)からもフォローされており、プレイヤー視点では割と正論に聞こえるのだが。どうでもいいけど、遥の5分休憩の間にするには長くなりそうな内容の話である
結局、「できるようになるまで何度でもやる」と宣言し、曲の最後まで振り付けをマスターするまで遥をレッスンして、この日は終了。終わると「今のは悪くなかった 上出来やな」と褒めてくれる。
その後はスタジオで荻田のレッスンを受けたり、話すことができる。
「プリンセスリーグ決勝の相手のT-SETはハードなダンスナンバーが得意分野でアイドルポップは苦手 なので遥にも第1ラウンドの勝機はある」と対戦相手をキッチリ分析していたり、「よほどデカいミスさえしなければ遥の実力なら勝てる」という評価を聞いたりできる。
一方で遥の育成次第では「T-SETは強い 実力以上のパフォーマンスを出さんと勝ち目ないで」という評価も聞かされるが、待遇の悪さに苛立っていても勝負自体を諦めはしないようだ。
ちょっと能力が伸びただけで評価が変わる点はどうかと思うが意外と仕事してた。
実は公式サイトでは「デビューまでの猶予がなさすぎるため、プリンセスリーグでの優勝は半ば諦めている」と書かれているのだが。既に諦めてるが故にテキトーな評価を下しているとは思いたくないところ
後日、プリンセスリーグ決勝の第1ラウンドを終えた遥がダンスレッスンのために荻田を呼びに行くと、社長室から荻田の怒号が聞こえてくる。
朴社長がついにレッスンの内容にまで口を挟み出したことで憤怒したらしい。
雇い主相手に「糞ババァ!」とまで言っていたので、相当頭に来たのだろう。
対立が決定的となった荻田はクビ、朴社長からはヒートアクション紫煙の極み火が付いたままのタバコを顔面に投げつけられて苦々しく思いながら退出しようとする…。
だが、そんな荻田に朴社長はとんでもない事を言い放つ。
「依頼した業務を全うできなかったから報酬はすべてカット」「むしろ荻田が違約金を払う」「契約書の内容がそうなっている」「契約成立直前に契約書を自分に都合が良いように書き換えたが気付かなかった荻田が悪い」
つまり、ここ半年分は全て荻田の持ち出しとなり丸損。更に違約金まで払わなければならない。
更に激昂した荻田は朴社長を突き飛ばして出ていく。この際に朴社長は利き手の右手を負傷しているが、プレイヤー視点ではあまり同情はできないだろう。
この場面の後、荻田はしばらく姿を消す。
余談であるが後任のダンストレーナーであるクリスティーナは『金や名誉には興味が無く、自分の意思でしか仕事を請け負わない男だから』として遥と堀江が居場所の捜索から交渉までこなすことになる。「カネさえあれば荻田の代わりなんて幾らでも居る」んじゃなかったんですか朴社長…いや、そのカネが無かったのは確かなんだけども
そもそもプリンセスリーグ決勝真っ最中のアイドルとマネージャーに負担させることじゃないでしょコレ…やっぱ荻田をクビにすべきじゃなかったのでは…?
次の出番は朴社長が死亡した後。遥と
秋山が合流してからになる。
今度は堀江がビルから突き落とされたところで逃げ出そうとしていたのが荻田であった。
取り押さえられての第一声は「何なんやお前は……!?」であり、初対面の秋山からは「そりゃこっちの台詞でしょ」と返されているが、
超人的なムーブで追ってこられた形になるので言いたくなる気持ちはわかる。
「自分は脅されてただけだ」「見逃してくれ 俺は何も悪くないんや!」と主張するものの(状況的に当たり前だが)秋山には見逃してもらえず、戦闘に突入する。
ナイフを構えての「なら もうこうするしかねえな」に秋山からは「最初からその気だったんだろ?」と返されているが、真意は不明。
撃破後は逢坂興業の金井嘉門と共に去っていく。教え子である遥からも名前を呼びかけられるが、荻田が立ち止まることはなかった。
最後の出番は逢坂興業の産廃処理施設。
なんとプレス機で右手を潰された瀕死の痛々しい姿で秋山に発見される。
荻田の言によれば、
- 実は逢坂興業系の闇金に多額の借金があった。
- 朴社長にクビにされてカネが無いから返済を待ってくれと言ったら、逆に「朴社長が別れた元旦那から受け取った手紙を奪ってきたら借金をチャラにする」と依頼された。
- ダイナチュアの事務所に金井と一緒に忍び込んで探したが、手紙は見つからなかった。
- 朴社長が遥との買い物から帰ってくるのを待ち伏せして聞き出そうとしたが失敗した。
- 逃げようとした朴社長を夢中で追いかけて、頭を廊下に叩きつけた際に殺害してしまった。
- 他殺扱いだと警察に現場の品を何もかも押収される、そのため金井が朴社長は自殺したとして工作した。
- 時間稼ぎの間に手紙を探し出すつもりだった。
- 堀江を突き落としたのは自分ではなく金井。朴社長のことは恨んでいたが、堀江まで殺すつもりはなかった。
- (つまり、秋山が捕まえたのは金井が堀江を突き落とした直後に取り敢えず逃げようとしていた時ということになる)
- 失敗の責任を取らされて金井に制裁された。
- 自分も被害者だから助けて
「警察に全部話して協力するから逃がしてくれ」と頼むものの、秋山には「お前に被害者ヅラされたら朴社長も浮かばれない」「今から騒ぎが起こるから逃げたきゃその隙に勝手に逃げろ」と断られる。
余談であるが、ムービー終了後に荻田が居たところを見ても既に姿が消えている。自力で移動するだけの余裕も無かったはずだが、秋山としても意識にすら入れたくなかったのだろうか?
だが秋山の突入後も逃げられなかったらしく、秋山と金井の会話中に死体が投げ捨てられて終了。荻田は結局殺される形で終わってしまった。
戦闘
カポエイラの足技とナイフ攻撃を使う。
待機中のフィギュアスケーターのような構えが印象に残るが、これはカポエイラ特有のもの。
コンボ後のスタンと回避からの反撃が面倒なので掴みから攻めると楽。
『5』の秋山の性能が微妙なのに加えて、金井との連戦になるのがツラいが、まあ何とかなる範囲だろう。
流用しづらいのか闘技場でも同じモーションの敵は登場せず他にもあまり使われていないが、後に『
ジャッジアイズ』の杉浦が一部のモーションを使用している。
ちなみに直後に戦闘になる金井は専用BGM持ちだが、荻田のBGMは汎用ボスのものである。
考察
発売直後は「そんなに悪くないのに周囲の『夢』の犠牲にされた可哀想な人」「クビにされたのを逆恨みして殺人までした悪党」という両極端な見方が多かった。
だが、発売から年月が経つにつれて荻田については別の見方も出てきつつある。
メタ的には発売当時と比べてスマホリズムゲー(例えばコレとかコレとか)などの普及もあり、音ゲーやアイドルという要素に慣れた人が増えた。そのため既存の龍が如くシリーズとは毛色が違う要素が多い遥編もじっくりとプレイするプレイヤーが増えたからもある
1.朴社長との契約の問題
朴社長の諸々の態度が悪質なのは事実として、契約書が劇中に出てきてないため契約の詳細は分からない。知識の無い素人ではなく法律の専門家が判断するべき話である。
ただ、朴社長を突き飛ばして何も解決しないのは確か。朴社長の「この業界ではカネを払ってる人間が一番偉い」「カネさえあれば代わりなんて幾らでも居る」も一種の正論である。
腹立つけど
荻田も契約書自体はきちんと確認していたようだが、直前で一部変更されたらどうにもならないのは仕方ないところだろう。契約書の件は
弁護士にでも頼るべきだった。
これも朴社長の言う通りなのは正直腹立つけど
リンク先の彼の所属事務所は神室町だから遠いし、彼もあくまで「民事では勝ったり負けたり、ちょっと負け越してるかな」な弁護士であり、この件に関してはお手上げかもしれないが。
そもそも荻田も闇金に借金がある身なので悠長に裁判している余裕は無い。不幸な話である。
2.遥の育成についての発言
「歌かダンスどっちかに絞ったほうが良い」は正論でありプレイヤーからもよく賛同されるが、残念ながら荻田は口を出せる立場にない。
あくまで雇われのダンストレーナーなので…。
ただ、朴社長の細かい経歴、(秋山から借りた3億という大金を使ってでも)「自分が実現できなかった日本ドームでの遥のライブを実現させる」「そこで別れた元旦那と再会する」という目的、「アイドルのプロデュース業から今回限りで足を洗うので遥がラストチャンス」という事実を荻田は知らない可能性が高い。劇中の様子からして恐らく遥にしか言ってない。
「朴社長も関係者全員に説明はできない」「荻田は所詮雇われなんだからカネさえ払っておけば良い」とも言えるが…。朴社長はカネも満足に払ってないけど
荻田にしてみれば「何故じっくり育てるという選択肢が取れないのか」と思っていただろうが、朴社長としても急ぐ理由があったのである。
もっとも、だからと言って朴社長が荻田(および堀江たち)に対して傍若無人な振る舞いをして良いわけではない。それはまた別問題だろう。
3.荻田のダンストレーナーとしての腕前
正直よく分からない。「リズムに乗れてない」と言われても、プレイヤー視点では遥のダンスの良し悪しなんてイマイチ分からないのである。
ただ、先述の通り、遥のプリンセスリーグ優勝は半ば諦めているとされながら意外と熱心に仕事はしている。
大量のダンストレーナーをクビにしたという朴社長相手に半年保たせられ、素人同然だったはずの遥をプリンセスリーグ決勝に導いただけでも凄い可能性はある。
もっとも、荻田不在でも後任のトレーナー(クリスティーナ)の指導で遥がプリンセスリーグ決勝を戦い抜いてるのは事実。システム的には負けたり欠場してもストーリーが進んで東京でライブすることになるけど、それは置いておく
これについても荻田が作った基礎が効いた可能性もあるので何とも言えない。
世界的カリスマダンストレーナーであるクリスティーナも「前のトレーナーはこれほどの才能を手放したのを悔しがるでしょうね」とは言っているが、実は荻田の能力自体は特に低評価していない。
4.荻田から遥への評価
冒頭では「動きもカンも良い 根性もある」「じっくり育てたほうが良い」と褒めている一方で、朴社長との喧嘩別れの際には「俺をクビにして あの田舎モンのガキがまともに踊れるようになるとでも思っとんのか?」「俺がいるから何とかサマになってんだろが!」と結構な暴言を吐いている。
遥はそもそも横浜生まれであり、沖縄に在住していたのは10歳からの5年間でしかない…ソレはともかくとして、「田舎モン」云々についてはどこの地域であっても荻田が失礼である
遥のことを本当に評価していたのか、レッスンからの逃亡者が続出した中でただ一人残ってたから消去法で持ち上げていただけなのか。本音は分からない。不明である。
先述の通り堀江からも微妙に嫌われていそうな描写はあるが、肝心の遥から荻田への評価は不明。別に悪くもなさそうだが…。
5.戦闘時
モブ敵やサブストーリーの敵が平気で凶器を持ち出してくるのは治安が悪い龍が如く世界だとよくある話だが、メインシナリオ上でナイフを持ち出したとなると話は別。
秋山にダメージを与えている以上、合法の範囲の護身用ナイフとは考えにくいだろう。
荻田が普段からナイフを携帯していたのか同行していた金井が渡したのかは不明だが、反社会勢力の構成員でもないのに普通にナイフで人に斬り付けている辺り、闇金からの借金の話といい荻田の素行はそもそも良くない可能性が高い。
6.殺しについて
事故に近い形とはいえ朴社長を殺害したのは事実である。堀江の殺害未遂についても関わっているのは確か。
加えて、返り討ちにされたものの口封じに秋山も殺そうとしていた。戦闘開始時には「ぶち殺したろかぁ!」と発言している。
この始末で「俺は何も悪くないんや」だの「自分も被害者だから助けて」だの主張するのは流石に無理があるだろう。
7.最後の制裁の件
実は何で右手を潰されていたのかはよく分からない。手紙の奪取に失敗した責任を取らされて金井に制裁された側面はあるだろう。
荻田が警察から手配されている中で逢坂興業に居たのは金井の手配によるものだろう。口封じをする気なのは明白だが、荻田としても他に逃げ場は無かったのは確か。
結局、最終的に殺害しているわけで右手を潰す意義は薄い。メタ的には荻田を裏事情の説明役にするために「喋ることはできるが逃亡はできない」状況に追い込むための措置だろうが、それは置いておく
可能性として金井が「荻田はやはり朴社長の仲間で手紙の隠し場所も知っていて隠しているのでは」と疑い、改めて拷問にかけたというのは有り得る。
プレイヤー視点では荻田と朴社長の関係性が悪いことは周知の事実だが金井はそこまで知らない。「どうせ口封じする相手だし、万一知ってたらラッキー」という感覚で拷問にかけたのかもしれない。
この件に関しては金井以下こぞって残虐な性格をしている逢坂興業構成員の気まぐれの犠牲になった可能性も否定できないのが怖いところだが。
余談.逢坂興業での秋山の発言
荻田の「朴社長は常にプロの仕事を要求するクセにギャラは最低」「おまけに途中で契約解除されても違約金さえとれない契約を結ばされた」という発言に対して、
秋山は「それが普通だろ 芸の世界というのは数字で結果が出る世界じゃない」「何をもって仕事とするか、明確にするのが難しい世界だ」と返している。
荻田は「朴社長にも同じことを言われたわ」と反応しているが、頭の回転が早い秋山らしくもなく、この返答についてはピントが大きくズレている。ギャラの額についてはともかく契約のほうは明確に問題だろう。秋山の詳しい分野のはずなのだが…。
「秋山は朴社長に心酔するあまり無理筋の擁護をしている」という誤解からの批判が発売当時に出たのも道理である。
グラビアアイドル相手のサブストーリー「夢を捨てる覚悟」で明かされた話からすると、「キャバクラでナンバーワンとなる」「ヤクザ相手に借金の取り立てに行く」「体を使った仕事(18禁な意味ではなく工事現場での肉体労働)をしてくる」に加えて「アイドルのプロデュース業から今回限りで足を洗う(遥のプロデュースでラスト)」という厳しいテストに合格した朴社長の覚悟を秋山が高く評価していたことはわかる。2つ目はともかく3つ目もキツそうだが、1つ目のテストは朴社長が既に40代なので尚更。キャバ嬢姿の朴社長はプレイヤーの目にもキツい 勘弁してくれ
だが、このことはサブストーリーをこなさないとサッと流されるだけなので詳細を把握できない。
加えて、プレイヤーは忘れがちだが、秋山と荻田は元から顔見知りという関係ではなく互いの情報交換は十分ではない。本格的に話をしたのは荻田が瀕死の時が最初で最後。遥や堀江から荻田について聞くタイミングも無かっただろう。本編中では秋山が把握していなかったり誤解していた部分もあったのではないだろうか。
秋山にしてみれば荻田は朴社長の死ならびに堀江が死にかけた事件の元凶であり、ついこの間も理不尽な理由で自分を本気で殺しにかかってきた男である。寛容にはなれないのも無理はない。スカイファイナンスの顧客としてテストを潜り抜けた朴社長と比べて、「荻田が話を盛っているんじゃないか?」と考えても不自然ではないだろう。朴社長の傍若無人な行いも含めて全てを目の当たりにしてきたプレイヤーと秋山は立場が異なるわけである。
ただし、サブストーリーなどで描写されているが、秋山も自分の立場を利用して好き勝手に振る舞う人物を非常に嫌う男である。秋山は遥が所属アイドルになったことも知らず、ダイナチュアの実態を把握していない状態だったが、荻田や堀江への暴言の数々を確認していたら流石に怒った可能性が高いのではないだろうか。
もう一つ述べると、実は荻田と最後に会った辺りでは秋山も相当カッカきてる。あまり冷静な状態ではなかった。
評価していた朴社長は死亡。荻田や金井などと死闘を繰り広げる一方で、スカイファイナンス蒼天堀支店の開店準備は放置しつつもダイナチュア関連の業務にも協力するハードスケジュール。警察は事なかれ主義でイマイチ頼りにならない。
そんな中で蒼天堀からタクシーで1時間の敵本拠地・逢坂興業に乗り込み、周囲は味方0で敵しか居ないため当たり散らしても問題ない状況。ここにきて、ついに秋山もストレスが噴出した可能性はある。敷地内の鉄球を誘導して敵を倒したりと、カタギなのに戦闘関連の頭は相変わらずキレてるんだけどね
そもそも秋山の荻田への態度自体が雑な気がするが、こんな状況下で「自分も被害者」「逃がしてくれ」とまだ主張する相手がいい加減に面倒になったのかもしれない。
救急車を呼ぶにもそもそも反社会勢力である逢坂興業の敷地内であり、手当ても素人の秋山では無理。そう考えると、金井のところに乗り込む前に時間を取っても秋山にできることは特に無いのである。
これらの点は演出的にプレイヤーには伝わりにくい。
荻田も含めてダイナチュア関係は『プレイヤーは知っているが劇中の登場人物は知らない』ことが非常に多く、誤解しやすい。テーマが芸能界であり、表に出さない話・人には知らせない話も多い、正に「夢の舞台裏」だからワザとそう描いていた部分もあるのだろうが…。
総評
本人が言う「被害者」とは流石に言い難い。だが、あそこまで酷い目に遭うほどかと言われると疑問符が付く。
被害者と加害者の立場を場面によって行き来する、ある意味リアルなキャラクター造形と言えるだろう。
『0』の
尾田などと同じく作中において担当する役割が多すぎてパンクした側面も否めない。
運命の歯車がもう少しズレていたら遥の味方として本編のクリスティーナの立ち位置だったかもしれない。荻田とは直接関係ないが、ダンスの指導に来たらヤクザ絡みの騒動に巻き込まれているのに逃げ出さないクリスティーナもある意味凄いと思う
遥のデビュー予定が当初の予定通り更に半年先であったら…。せめて朴社長との決別があと何日か先だったら…。主人公たちの中で秋山あたりと(朴社長絡み以外で)もっと前に出会っていたら…。そもそも荻田の扱いがもう少し良ければ…。
推測も含むが、
- 金井からは「朴社長の仲間として手紙の隠し場所を知っている」と誤解される
- 秋山からは「自己保身のために実態以上に朴社長をこき下ろしている」と誤解される
- 朴社長からは肝心要のことは話してもらえていない上に理不尽な扱いを受ける
と『5』劇中で荻田にマトモに向き合ってくれたのは教え子の遥のみである。
こう考えると何とも哀れなキャラクターである。
荻田について長々と考察してきたが、
「ほとんど朴社長が元凶じゃねぇか」というのもあまり否定できない。
結局、振り出しに戻ってしまった
ちなみに荻田も含めて血が大量に流れた曰く付きの手紙の差出人である「朴社長の元旦那」だが、
その正体とは…。
【龍が如く 維新!】
新選組の鈴木三樹三郎として登場。伊東の紹介で加入したらしい。
4章の緊急幹部会で伊東派寄りの発言をする。
5章では岡田以蔵(
錦山)を捕まえに賭場に向かい、切り札として銃を持ち出すものの全弾外して、最終的に以蔵に斬殺される。
…
以上。出番終了。
賭場前で一度だけ龍馬/斎藤一(
桐生)および井上源三郎(
柏木)と共闘するが、新選組の隊長なのに特に強くもない。
全14章のゲームなのに出番は4章・5章の僅か2章のみで存在感が薄い。正直モブ同然である。
お登勢(朴社長)とも桂(秋山)とも吉田稔麿(金井)ともアナザーライフの遥とも関わらないので荻田としての特徴は薄い。今回は踊らないし。「自分の取り分が減るから邪魔だ」とやたらカネにこだわるのは一応は荻田としての要素だろうか。
メタ的には直近作である『5』のキャラで担当者が芸能人ではなく声優だったために抜擢された可能性が高い。
同じ『5』出身キャラでも原典では男気ある男だったのに強欲で立場を悪用する奴になっていたのを嘆かれた谷(八幡)などと異なり、「
誰だっけコイツ…」「ああ、蒼天堀の荻田か
まぁ荻田だし…」「原田(
相沢)とかはともかく、
荻田とかどんな扱いでもいいよ」という反応がプレイヤーからも多かったのが悲しい。
そんなわけでか『維新!極』では『6』の小清水寛治に差し替えられてしまった。小清水も小清水で「誰だっけコイツ…」と言われているが。
余談であるが史実では伊東の実弟なのだが、今作においてはその手の話が一切出ないため違うようである。
まぁ「浜崎の弟が荻田」と言われてもビジュアル的に違和感しかないので妥当だろう。
あと史実の鈴木三樹三郎は油小路事件以降も明治どころか大正まで生き残っている御方である。
【龍が如く0 誓いの場所】
5の24年前を描いた『
0』でも桐生のサブストーリー「神室町ダンサー頂上決戦」にて登場。
桐生と同世代かそれ以上ということは実は『5』では既に40代ぐらいだったのか荻田
当時は東京に遠征しており、「OGITA」として活動していた頃が描かれている。若い頃はド派手な服とグラサンという装いだったようだ。
ディスコ・マハラジャ神室町で最強ダンサーとして君臨しており少々傲慢なところもあるものの、卑怯な手段などは一切使わずダンスセンス・リズム感覚・カリスマ性を備えたダンサーとして桐生の前に立ちはだかる。
ミラクル・ジョンソンの曲「I’m gonna make her mine」でのダンス勝負時の荻田は結構強いものの割とステップのミスをする。自分の曲で異次元のスコアを叩き出すミラクル・ジョンソンとは異なり、慣れれば勝てるレベルとなっている。
敗北後は桐生から「へいへい、OGITAく~ん?ざまぁねえなぁ!」「お前のダンス、見事だったぜ……」と言われつつ、自分の知らない凄いダンサーがまだまだ眠っている可能性に奮い立つ正統派のライバルらしい姿を見られる。
最近蒼天堀で流行っているものとしてイソ扇も渡してくれる。これは桐生のダンス中にバックダンサーの踊りが変わる記念品。「最近の蒼天堀のダンス事情はよく知らない」と言いながらも中々に研究熱心である。
最近は『0』から本シリーズに入門する方も少なくないので、荻田といえば『0』のOGITAの印象が強い人も多いか。
去り際に「将来はダンスのコーチなんかにも挑戦したい」「桐生に子供でも出来たら俺が特訓してやってもええで」と言ってるのが『5』を知ってると切ない。ある意味、実現はしたのだが…。
桐生も『5』で合流後に秋山から話を聞いた際に「(蒼天堀のダンストレーナーの『おぎた』…?あっ、もしかしてアイツか…?)」ぐらいは思ったのかもしれない。
メタ的には『0』のほうが発売が後で後付設定なのだが。
追記・修正はマハラジャ神室町でOGITAに勝利してからお願いします
- 龍が如くのキャラ項目増えてうれしい! -- 名無しさん (2025-07-20 00:48:57)
- 考察の充実ぶりはアニヲタwikiの醍醐味だな -- 名無しさん (2025-07-20 01:54:48)
最終更新:2025年07月20日 01:54