ワニオの怪奇料理(笑ゥせぇるすまん)

登録日:2022/06/24 Fri 14:08:51
更新日:2022/07/19 Tue 00:01:13
所要時間:約 10 分で読めます




「ワニオの怪奇料理」とは、旧アニメ版「笑ゥせぇるすまん」の第72話のエピソード。
TVスペシャルで放送されたアニメオリジナルのエピソードだが、「今仁見手郎の秘密復讐計画表」と同じく『黒ベエ』のエピソード・「ワニ料理」が原作となっている。

笑ゥせぇるすまんは基本的に喪黒が客の願いを叶えた結果、客が暴走したり約束を破ったりして破滅するのだが、このエピソードでは何と喪黒自身が客との約束を破ってしまうという前代未聞にして現時点では唯一の展開が描かれている。

客が第三者の介入や妨害、不可抗力等によって約束を破らざるを得なくなる状況に追い込まれる展開は数あれど、それが喪黒自身に降りかかるというのは極めて珍しい。
そのためか、このエピソードで最終的に破滅するのは喪黒の仕事の邪魔をした悪意ある第三者が対象となっている。


【あらすじ】

小学生の柿田アゲルはペットを飼いたいが、家の都合で金魚しか飼うことができない。
友達は犬やリスのような立派なペットを飼っているのに見せ合って自慢することもできなかった。

公園でガキ大将のゴリとそのペットのブルドッグ・ブラッシーに虐められたアゲルは夕方、喪黒福造と出くわす。
ペットを飼いたいが家が割烹料理屋であるためそれができないことを知った喪黒は「料理屋でも飼うことができるペットを探してあげる」と告げた。

後日、店の手伝いをしていたアゲルの元に突如、小さいが立派なワニが姿を現し店中を驚かせる。
喪黒がアゲルのために用意したペットこそがこのワニだったのだ。

アゲルの父は一度は拒否するが、「ワニのいる料理屋は評判になる」「動物に愛情を注ぐことも社会勉強になる」等と喪黒に色々と説得をされて渋々ながら認めることにした。
エサや飼育に必要な道具一式も喪黒が定期的に送ってくれるという。
こうして、「ワニオ」と名付けられたワニはアゲルのペットとして迎えられるのだった。

「そのワニをせいぜい、可愛がってくださいね」


【登場人物】

●喪黒福造
CV:大平透
毎度おなじみ、心のスキマを埋める笑うせぇるすまん。
今回は相手が子供ということもあってかアゲルにはかなり優しく接しているが、本人からは「絶対悪人の顔だよ」と怪しまれた。ごもっともです
今仁見手郎のエピソードと同じく、クライマックスでは『黒ベエ』の特殊能力を使用する。

●柿田アゲル
CV:松岡洋子
12歳の小学生で刈り上げた頭が特徴の小柄な少年。あだ名は「カキアゲ」
父親のアゲハチ(CV:緒方賢一)は割烹料理屋「かきた」の主人で、自分も店の手伝いをする。
ワニオに対する愛情は本物で、何が起ころうともワニオを見捨てようとしない純粋な心を持つ。
何気に数少ない、「喪黒との約束を最後まで守った客」でもある。

●ワニオ
喪黒がアゲルのために友人からもらってきたという子供のワニ。種類はカイマン種。
原作ではテツゴローという名前。
アゲルには大事に飼育され、客からも評判になり店の名物となって人気になる。
原作によると元はペットショップで飼われていたが凶暴で手が付けられなかったという。

●五利ゴリ田
CV:茶風林
アゲルの同級生のガキ大将。あだ名は「ゴリ」原作では下の名前は「五郎」
五利土木建設の社長を父親(CV:佐藤正治)に持ち、ブラッシーと名付けたブルドックをペットにしている。
家族も含めてかなりの鬼畜で、父が町の有力者であるのをいいことにかなり横暴を働いておりブラッシーを人に襲わせたり脅かすのはもちろん、父の権力を使い陰湿な手段で復讐をしたりと小学生とは思えないほどの卑劣漢である。

背が低いのも合わせ、ジャイアンスネ夫の悪い部分がとことんまで組み合わさったようなキャラで、それ故か原作ではアニメ版以上に悲惨な末路を迎えることとなる。


【顛末】

アゲルのペットとして大事に育てられ、店の人気者にもなったワニオ。
ある日、アゲルと公園で散歩をしていたところ、同じくペットのブラッシーを散歩させていたガキ大将のゴリと鉢合わせになっていた。

新しいアゲルのペットに対抗意識を燃やしたゴリは「ブラッシーの方が強いぞ!」「ブラッシーにかかればそんなワニイチコロだぞ!」と勝負を挑んできた。

ゴリの命令でブラッシーは噛みつこうとするが、子供とはいえワニの固い皮膚には犬の牙程度では全然歯が立たない。
それどころか猿ぐつわを外して威嚇してきたワニオに尻尾を噛まれて*1完全に怯えてしまい、ゴリともども尻尾を撒いて逃げ去っていった。

「すごいぞワニオ! お前は僕の最高の友達だ! これからもずーっと一緒に暮らそうな!」

ワニオを可愛がるアゲル達を喪黒は遠くから見守っていた。


「ペットは人間のエゴで、飼い殺しにしているだけだと言う人もいますが、ペットと人間、お互いが愛と信頼で結ばれてさえいれば、ペットもきっと幸せなんじゃないんですか? オーッホッホッホ――」


追記・修正をお願いします。

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突如、ただならぬ気配を感じた喪黒はピタリと笑いを止めていた――

まるで原始人のようなひげ面の大男が姿を現し、喪黒と擦れ違っていくのだった……。








【さらなる登場人物】

●ヒヒオ
CV:飯塚昭三
喪黒とすれ違った大男。
ゴリの叔父で原始人のような髭モジャの風貌をしている。ゴリの父と兄弟仲は良いようで、「アニキ」と親しく呼ぶほど。
世界中を旅しながら原始人同然なサバイバル生活を送り、旅先では猛獣と素手で格闘して狩りをしてはその肉を食べるほど腕っぷしが強い。特にワニ肉が大好物。
嫌がるアゲルの父を脅したりと兄と同じくかなり横暴な人物。
アニメでは原作よりさらにヒゲが濃くなり、何故か時代錯誤な古代人の服装や首飾りをつけてよりワイルドな姿になっている。


【喪黒にも予想外の展開に……!】



「この始末、どうしてくれるんだ!」

夕方、ゴリラゴリの父親が息子と一緒にアゲルの店へ怒鳴り込んでいた。
昼間の一件でブラッシーは完全に臆病になってしまい番犬として役に立たなくなってしまったという。
自分から喧嘩を吹っかけておきながらゴリは仕返しのためにワニオを引き渡せと迫る。

拒むアゲルを叱りつけるアゲハチは仕方なくワニオを引き渡していた。

「ヒッヒッヒ……ざまあみろい!」

泣き叫ぶアゲルの姿にゴリは下衆な笑みを浮かべながら勝ち誇るのだった。(原作のみ)
こうしてワニオはゴリの元に連れ去られてしまい、悲しみに暮れるアゲルの元に喪黒が姿を見せる。

「ワニのことならご心配なく。きっと私が連れ戻してあげますから」

「おじさん! きっとだよ!」

「男と男の約束です。お任せください」

こうして喪黒はワニオを取り返すことを約束したのだった。
その夜、五利の邸宅に引き取られてガラスケースに閉じ込められていたワニオをゴリは父親と一緒にたっぷりいじめて憂さを晴らそうと企む。
ところがその時、不気味な声が響き渡る……。

「オレガ喋ッタノサ……!」

「明日ニナッタラ俺ヲ料理屋ニ返シタ方ガイイゼ? サモナイト、オ前達ヲ、カジッテヤル!」

何と、人の言葉を発したワニオに驚きゴリ達は家の中へと一目散に逃げていってしまった。
実は喪黒が少し離れた所から腹話術で声を出していたのであった。

原作ではワニを気味悪がってゴリ達はアゲルに返そうかと思い詰めていた。
ところがゴリの母親が「雪男が出た!」と大慌てで逃げてきて、ゴリ達とぶつかってしまう。

ゴリ達の前には喪黒が夕方擦れ違ったあの大男が姿を現していた。
彼はゴリの父の弟でヒヒオといい、15年ぶりに日本に帰ってきたという。

ワニがいることを知ったヒヒオは途端に大喜び。何と、ワニを食べたがっているのだ。

「このグロテスクで硬い鎧の中に世界一美味くて柔らかい肉が隠されてるんだぜ!」

中でもカイマン種のワニは一番美味いとされ、アフリカやアマゾンでも狩りをして食べたことがある味を忘れられないというヒヒオにゴリ達も興味を持ち始める。
そして、ついにはワニオを食べるついでにアゲル達にとことんまで復讐する手段まで思いつく。


【余談】

●アニメではヒヒオ以外は助かった五利一家だが原作ではヒヒオもろともワニに喰われてしまったことが示唆されており、因果応報な末路を迎えている。

●日本では実際にワニをペットとして飼うことは可能なのだが、動物愛護管理法という法律によって危険な動物を飼育するには正式な許可を得る必要がある。


追記・修正はワニ肉を食ってみてからお願いします。

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最終更新:2022年07月19日 00:01

*1 原作では頭を食われてしまった