登録日:2026/02/11 Wed 22:15:00
更新日:2026/07/26 Sun 14:03:55
所要時間:約 10 分で読めます
ある種のスミレが悪戯な香りを漂わせる花を咲かすのに十分な時間。
概要
《苦花/Bitterblossom》とは、
マジック:ザ・ギャザリングのエキスパンション、モーニングタイドで登場したカード。
レアリティは初収録のみレアで、再録では神話レアに格上げされている。
カードタイプは部族・エンチャント……ああ、現在は「同族」・エンチャント。
これは部族/Tribeという単語が差別的であるため2023年に同族/Kindredに改訂されたものだが、2008年のカードであるこちらの使い手には「部族」の方が通りがいい。部族がマイナータイプ過ぎて「ローウィンの昏明」で再フィーチャーされるまで知らなかった人すらいる。
テキストは以下。
苦花/Bitterblossom (1)(黒)
同族 エンチャント — フェアリー
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、飛行を持つ黒の1/1のフェアリー・ならず者クリーチャー・トークンを1体生成する。
毎ターンライフを失うとともに1/1飛行トークンを生成するエンチャント。ドローを行う《ファイレクシアの闘技場》のクリーチャー版として作られたとのこと。
1打点を生み出すために1ライフを失っており、トータルではトントン……
な訳がなかった。
- 1ライフで1打点とはいえ、ターンを経るごとに増えていき、これが出て8ターン目には1+2+3+4+5+6点パンチで相手を倒しきれるフィニッシャー性
- 1ライフでチャンプブロッカーを用意できるため、トランプルを持たないデカブツを完全に止めて結果的にライフを守る高い防御性能
- トークンが飛行を持つため攻撃が止まりにくく、飛行持ちファッティも止められること。
- 当時は「黒でないクリーチャーを破壊する」呪文や「黒でもアーティファクトでもないクリーチャーにブロックされない」畏怖能力があったが、これを無視できること
- 全体除去や単体クリーチャー破壊で対応されてもこれ自体はエンチャントであるため巻き込まれず、立て直しが容易であること
- おまけに除去しづらく、するとしても専用のカードを積まざるを得ないエンチャントであること
- それが2マナであること
etc……と、挙げればきりがないほどの利点の塊。
さらに収録されたローウィン・ブロックではフェアリーのタイプ的シナジーが多数存在したため、それらと合わせた【青黒フェアリー】が成立。
世界選手権08ではスタンダードの上位8名中5名がフェアリー、エクステンデッドでさえも多数のフェアリーが勝ち上がり、フェアリーの冬とも称された。
当時のプレイヤー曰く「2ターン目に出てくるこれを咎めないと即座に負け筋へと進むため、この環境には実質2キルがある」とまで語られたほど。
当時のスタンダードでは禁止を出さない方針であったため禁止を免れたものの、その結果としてフェアリーに対抗できるカードが大量に刷られインフレが加速。結果的には禁止にしておいた方が良かったのではないかという意見も根強い。
スタンダードのようなフェアリーの暴走を避けるためモダンではフォーマット制定と同時に禁止。
だが、モダン環境では2ターン目の強力な動きが多いこともあり2014年に釈放。
釈放直後に行われた『プロツアー「神々の軍勢」 』では「《苦花》が帰ってきたフェアリーが行けるのでは?」と各調整チームが本腰を上げたものの
【親和】対策の《紅蓮地獄》と《突然の衰微》がモロに刺さってしまうという点がどうしようもなく、半日立たずに調整が放棄されたという悲しいエピソードもある。
その後《真面目な訪問者、ソリン》で《苦花》のライフロスを回復しつつ戦う【白黒トークン】系のいぶし銀枠として活躍している。
関連カード
呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite (1)(青)
クリーチャー — フェアリー ウィザード
瞬速
飛行
呪文づまりのスプライトが戦場に出たとき、マナ総量がX以下の呪文1つを対象とし、それを打ち消す。Xはあなたがコントロールするフェアリーの数に等しい。
1/1
盤面のフェアリーの数以下のコストの呪文を打ち消すフェアリー。
自身がフェアリーであるため(除去されなければ)最低でも1マナ呪文は打ち消せて、1/1瞬速飛行であるため戦力としても数えられる。
苦花が出ていればフェアリー・トークンが並ぶため、平然と生きた
《対抗呪文》に進化する。
さらにこのカードは「フェアリーの数」のみを数え、それが
クリーチャーであることを要求しないため、
苦花自身も数に数える。
上述の通り苦花を出して8ターン耐え続ければそれだけで殴り勝ってしまうため、クロックパーミッション戦術とは非常に相性が良いのだ。
ウーナの末裔/Scion of Oona (2)(青)
クリーチャー — フェアリー 兵士
瞬速
飛行
あなたがコントロールする他のフェアリー・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールする他のフェアリーは被覆を持つ。(それらは呪文や能力の対象にならない。)
1/1
青黒フェアリーのもうひとつの核となったフェアリーのロード。
シンプルに苦花で出てくるトークンがすべて2/2になるだけでも強力。
さらに全体のフェアリーに被覆を与え、大半の除去をシャットアウトする。当然苦花もフェアリーであるためエンチャント除去にも有効。
さらにさらにこれも瞬速を持っているため、疑似的な打ち消しやコンバットトリックともなる非常に優秀なカード。
伝説ではないため複数並び、2体以上並べば互いに被覆を付与しあうためさらに堅牢になる。当時のフェアリーデッキにおいてはこれと苦花をより多く置いたほうが勝った、とも。
リメイク
苦花がカード的にも印象的にも強力であったことから、これ以降「ターンのはじめにクリーチャー・トークンを生成するエンチャント」のことを○○花と呼ぶことも。
シンプルであるがゆえに似た性質のカードは極めて多いが、その中でも似た性質のものを挙げる。
ゴブリンの突撃/Goblin Assault (2)(赤)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、速攻を持つ赤の1/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを1体場に出す。
ゴブリン・クリーチャーは、可能なら毎ターン攻撃する。
アラーラの断片で登場したエンチャント。通称「ゴブ花」。
1/1のトークンを生成するデメリット付きエンチャントという意味では同じだが、苦花の反省からかやはりスペックは落ちている。
ライフロスこそ失ったものの飛行を持たない1/1であるため貫通力が低く、強制突撃のために盤面を並べたりブロッカーに使うことも難しい。
地味だが種族デッキで使うには同族を失っていることも痛い。
だが最も問題なのはコストが1上がったことだろう。2コストと3コストの差は想像以上に大きい。
とはいえそれでも継続的にトークンを出す能力は強力であり、また、赤が苦手とする全体除去への耐性もある。
ゴブリンはフェアリー以上にシナジーの多いタイプであり、ライフロスがないため複数枚貼りやすいこと(そして複数枚貼れば生き残るゴブリンも増えること)などの苦花にはないメリットもある優良カード。
赤の突撃クリーチャーを出すカードとして苦花とは別の路線を確立しており、こちらのさらなるリメイクとしてクリーチャー化して打点も増えた《ゴブリンの熟練扇動者》や毎ターン自爆する代わりにより高性能なトークンを生み出す《ウラブラスクの溶鉱炉》など、環境で存在感を放つカードも複数存在する。
戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion (1)(黒)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失いゾンビ動員1を行う。(あなたがコントロールしている軍団1体の上に+1/+1カウンターを1個置く。あなたが軍団をコントロールしていないなら、その前に、黒の0/0のゾンビ・軍団・クリーチャー・トークンを1体生成する。)
あなたがコントロールしていていてパワーが6以上のゾンビ・トークンが1体攻撃するたび、ターン終了時まで、それは絆魂を得る。
灯争大戦で登場したエンチャント。
ボーラスの配下のミイラ「永遠衆」を生成する。
マナ・コストが2マナで黒く、毎ターンライフと引き換えに1/1トークンを生成する……と、一見苦花に極めて近い。
のだが、「動員」能力によりトークンは横並びせず、1体生きていればトークン生成ではなく打点増強されていく。
打点が6点以上になれば絆魂を得て一気に失ったライフが戻ってくるデザイン。
実際はトークンが横並びしないことでブロッカーとして使いづらく、苦花というよりはデメリット持ちファッティに近い使い心地。
印刷されたときは単に「動員」能力を有していたが、のちに他のタイプも動員できるようになったことでテキストが変わった。そういう意味でも苦花に近いカード。
スクレルヴの巣/Skrelv's Hive (1)(白)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、毒性1と「このクリーチャーではブロックできない。」を持つ無色の1/1のファイレクシアン・ダニ・アーティファクト・クリーチャー・トークン1体を生成する。
堕落 — 対戦相手1人が3個以上の毒カウンターを持っているかぎり、あなたがコントロールしていて毒性を持つすべてのクリーチャーは絆魂を持つ。
ファイレクシア:完全なる統一で登場したエンチャント。ファイレクシアが生み出すダニの巣窟。
基本骨格は苦花と同様だが、ブロッカーとしての性能を失っている。
代わりに「毒性」というメカニズムを有しており、攻撃が通るたびに対戦相手に毒トークン1つを置き、毒10個を置くとライフ無関係に勝利する。
このため、火力という一点では苦花以上であり、設置してから5ターン後(1+2+3+4)で相手を毒殺可能。
相手に一定の毒が回っていれば自分の毒性クリーチャーに絆魂を付与できるためライフ損失も取り戻せる。
スタンダードでは【セレズニアポイズン】のような毒デッキのみならず【白単】で純粋なトークン源としても活躍。
ゴブリンの突撃などと異なり複数のトークンを貯めてから全員突撃できるため、ブロックを乗り越えて火力が通しやすいのが長所。
苦花を携える者/Bitterbloom Bearer (黒)(黒)
クリーチャー — フェアリー ならず者
瞬速
飛行
あなたのアップキープの開始時に、1点のライフを失い、飛行を持つ青黒の1/1のフェアリー・クリーチャー・トークン1体を生成する。
1/1
ローウィンの昏明で登場したクリーチャー。レアリティは神話レア。
ローウィン次元に再訪したことで登場した、文字通りの苦花を所有するフェアリー。
クリーチャー化したことで本人が打点化し、瞬速で相手ターンに登場する、と一見調整版どころか強化版にすら見えるが、除去が非常に容易になり、全体除去には特に弱いと使い勝手は結構違う。
また、黒シングルシンボルで青黒デッキで使われた苦花と異なり、黒ダブルシンボルになり黒の濃いデッキでしか扱いにくいのも短所。なのになぜかトークンには青が追加されている。
「アニヲタWikiで足を留めるな。かの花々の、酔いしれんばかりの香りに囚われるな。何にも手を伸ばすな、踏み分け道から外れるな、フェイに追記・修正を請求されぬように。」-「アニヲタwikiの歩き方」
- 今となっては過去の栄光の一つよねコレ -- 名無しさん (2026-02-11 22:46:36)
- カードパワーは確実に上がっていってるからね -- 名無しさん (2026-02-12 09:29:06)
- 2ターン目に対策札引けてなかったら詰み+咎めた所でテンポ損なカードはこの後も定期的にやらかしてる印象 -- 名無しさん (2026-02-12 14:42:10)
- ↑詰み具合も今となっては超能力蛙とか最下層民アジャニと比べたらまあマシよ。 -- 名無しさん (2026-02-14 21:44:02)
- ゴブ花とか侵略の評価見てズッコケたわ。まともに遊んだことがないのか誰かがネガティブな記述だけを削除したか知らんけど、どちらにせよ解説サイトで書くならもう少し調べよう -- 名無しさん (2026-04-26 12:47:35)
- 知ってるのに編集はしてくれないのね -- 名無しさん (2026-04-26 12:59:50)
- MTGの記事に文句つけるやつっていつもそうだよな。何なら具体的なこと自体何も言わないし… -- 名無しさん (2026-04-26 13:27:38)
- ↑、↑2こっちのが感じ悪いよ -- 名無しさん (2026-05-16 18:26:09)
- ↑2 「ブーメランだ!やっぱり戻ってきてくれたなあ!」 ――サカ -- 名無しさん (2026-07-26 14:03:55)
最終更新:2026年07月26日 14:03