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アウトバウンド・フライト(STAR WARS)

登録日:2026/08/09(Sun) 10:27:21
更新日:2026/08/12 Wed 22:50:59
所要時間:約41分で読めます



この項目には、『STAR WARS 生存者の探索』及び『STAR WARS 外宇宙航行計画』のネタバレが多量に含まれています。
同作未読の状態で閲覧される方は、ご注意ください。



これは反逆じゃない。
俺達のアウトバウンド・フライトを共和国に戻したいだけだ。

私のアウトバウンド・フライトだ、ウリアー。


アウトバウンド・フライトは、STAR WARSシリーズに登場する宇宙船である。

主にティモシイ・ザーンのスピンオフ小説で何度か言及され、その後彼が手掛けた『生存者の探索』『外宇宙航行計画』*1で遂に本格的に登場した。
どちらも、現在ではレジェンズ扱いとなっている。



◆概要

旧共和国時代、時期的にはナブー危機クローン戦争開戦の間くらいの頃に「アウトバウンド・フライト・プロジェクト」に基づいて建造された、外宇宙の航行・探索を目的とした巨大移民船
ご存じの通り、スターウォーズシリーズは広大な銀河系を舞台としているが、その更に外側を探索し、新たな植民惑星を発見することを目的とした、シリーズの中でもかなりスケールの大きい代物である。

ジェダイ・マスターのジョラス・シボースによって発案され、彼を始めとした6人のジェダイ・マスターと12人のジェダイ・ナイト、そして各分野の技術者とその家族、合計約5万人が乗り込み、新天地を探すべく共和国を出発した。

しかし、未知領域でチス大提督、スローンことシンディック・ミスローニュオルド率いるチス領域拡張防衛艦隊による襲撃を受け、外宇宙探査どころか銀河系を出ることすら叶わずに乗組員の殆どが死亡。
僅かに残った生存者は船内に「アウトバウンド・フライト・コロニー」を築き、備蓄された物資で実に50年間も生き延びていた。

銀河内乱終結後、チスのパトロール艦隊が、チス領域のはずれにあるリダウト星団で、小惑星に不時着した本艦を発見。
チスの第7ルーリングファミリーを率いる、フォーンビことアリストクラ・チャフォーンビントラノが調査団を結成し、半世紀ぶりの乗船者として足を踏み入れた。
そして、調査団は生存者との思いがけない遭遇を果たし、新たな動乱が起きることとなる…


◆スペック

製造:レンディリ・スタードライブ社
全長:600m
ハイパードライブ能率:クラス2(メインユニット)/クラス18(予備ユニット)
武装:ターボレーザー・キャノン15基
   レーザー・キャノン3基
   クアッド・レーザー砲4基
   対彗星レーザー砲数基
操縦要員:5000名
乗組員:46000名



◆設計と構成

・船の構造

アウトバウンド・フライトは完全な新造船ではなく、レンディリ・スタードライブ社のドレッドノート級ヘヴィ・クルーザー6隻を組み合わせる形で建造された。
カプセルのような中央コアをドレッドノートで囲み、それらをターボリフトのチューブで繋ぎ合わせており、正面から見たシルエットはさながら巨大な歯車。
各ドレッドノートにはそれぞれ、D1~D6のコードナンバーが振られ、D1が司令船の役割を果たす。
乗組員たちは基本的にドレッドノートで過ごし、中央コアには5万人を食わせていくための物資が搭載されていた。
ただし、監房ブロックや、ジェダイの訓練センターなど、人込みから遠ざけることが望ましい施設は中央コアに設けられていた。

ドレッドノートは運用に膨大な人員を要する上、性能も主力艦としては低かったが、一応共和国司法艦隊や共和国グランド・アーミーで長年の運用実績がある船。
また、速度の遅さを鑑みて、積載量にはかなり余裕がある。恐らく選ばれた理由もここにあるのだろう。
移住できる惑星が発見された場合は1隻が船体から分離し、開拓拠点として用いられることが構想されていたという。

・戦力

戦闘艦であるドレッドノートをそのまま流用しているため、搭載された火器類も当然使用可能。
ドレッドノートの武装は主力艦の基準では貧弱だが、シボースはフォースによって意識を共有する「フォース・メルド」を利用し、各ドレッドノートに割り当てられたジェダイによる戦闘ネットワークを構築することでその欠点を補おうとした。的確な連携によって6隻分の火力をいっぺんに叩き込み、効率的に蹴りを付けよう、という寸法である。
メルドは非常に高度なテクニックだが、卓抜したフォース制御技術を持つシボースが主導することにより、訓練では実際に極めて高い効果を発揮した。そのため、シボースは戦闘においても十分活用できる、と絶対の自信を持っていた。

…しかし、このやり方には倒した相手の死の思念が、フォースを通してジェダイ達の集合意識に流れ込んでくるという致命的な欠陥が存在。
ロラナ・ジンズラーは実際に、ヴァガーリの死者達の思念に耐えられなくなってメルドから弾き出されており、初の実戦で脆さを露にしてしまった。
おまけに、戦闘の中枢をジェダイが独占しているため、非ジェダイの乗組員からは多大な反発を招いており、結果的に船内の意思統一を妨げる本末転倒な結果になってしまった。

そもそも、シボースは「フォースを持たない者達に我々が負けるはずがない」と完全に慢心し、外敵という外敵を舐め腐った状態で戦闘に臨んでいたため、「高度な連携」もぶっちゃけ宝の持ち腐れである
こんな有様では、相手がスローンでなくても勝てるかは怪しかったことだろう…

・搭載メカニック

広大な船内を快適に移動するために多数のスピーダーやスウープが用いられており、整備された交通システムによって事故も殆ど起きなかった*2
ターボリフトも大きめに設計されているため、スピーダーごと乗り込んでドレッドノート間を移動することも出来る。
また、一時乗船者だったオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーがコルサントに帰るための足として、デルタ12スカイスプライトも1機搭載されている。

船内の環境維持にはドロイドが用いられ、ドレッドノート級本来の仕様と比べて大幅な省人化を実現している。墜落後も生き残った個体が外壁や生命維持装置、照明などの修復を担当していた。
加えて白兵戦用の戦力として、通商連合から提供されたドロイデカも少数搭載されている*3
スローンはアウトバウンド・フライトへの上陸作戦を行わなかったため、撃沈された際は何の役にも立たなかったが、50年後に1機のドロイデカがヴァガーリの手に落ち、彼らの戦力として用いられた。


◆アウトバウンド・フライト・コロニー

●統治形態

監督官であるチャス・ウリアーの指導の下、運営評議会による合議制で統治されている。
コロニー内の治安はピースキーパーと呼ばれる人々が担当し、指揮はガーディアンのジョラッド・プレッサーが執る。

シボースによる強権支配の反動からジェダイは嫌われているため、「ジェダイの素質あり」と判断された者は隔離の上で検査を受け、クロだった場合はD3に移送される。ここはターボリフト・パイロンの破損が激しいため他のドレッドノートから孤立しており、隔離施設としてはうってつけなのだ。
一応食料と動力は十分あるが、同居人は当然誰もおらず、隔離された者達はここで孤独な余生を送ることになる。
過去には、既に2人がD3送りにされたとのこと。

●住人達

撃墜時点では57人の生存者がいたが、半世紀後に調査団が到着した時には10人にまで減っていた。
ただし、墜落後に生まれた世代もそれなりにおり、コロニー内の社会は十分機能している状態。
子供達もコロニー内の幼稚園や学校である程度しっかりした教育を受けており、成長するとコロニー運営や生活環境の補修など、それぞれの仕事を担当する。
リダウト星団から脱出した後のことも視野に入れ、共和国の歴史や美術など、生存には直接必要ない教科もある程度盛り込まれている。
尤も、乗組員はそもそも腐敗した共和国から逃げ出すために搭乗を決めた者も多かったため、脱出に成功した場合はそのままアウトバウンド・フライト本来の任務である外宇宙探査に向かうつもりの者も未だ残っている。

●住環境

スローンによる徹底的な攻撃と、小惑星への不時着によって著しいダメージを受けているが、生き残ったエンジニアと修理ドロイドによる補修作業の結果、生存には十分な環境が整えられている。
また、ドレッドノートと違って中央コアはわずかな損傷しか受けなかったため、備蓄された物資は無事であり、調査団が到着した時点でもまだたっぷりと在庫があった。
一部ドレッドノートの反応炉が再起動されたおかげで、エネルギーも確保されている。
放射線爆弾の影響もほぼ残っておらず、特にD6は妊婦や赤子でも過ごせるくらいには汚染が軽微だった*4

…尤も、これはあくまで「生存には」十分、という意味に過ぎない
狭苦しい船内に閉じ込められ、環境維持を担当するドロイドもいつ寿命を迎えるか分からない以上、余裕はほぼ皆無である。
特に医療設備の状態は悪く、シリーズではおなじみの治療液バクタも、調査団が到着する20年も前に使い果たしてしまったとのこと。
おまけに、墜落からしばらく後にはコンデュイット・ワーム*5がどこかから侵入し、エネルギー系統に甚大な被害を被っている。これが原因で与圧用のブラスト・ドアも機能していない。

武装も殆ど破壊されており、低出力の対彗星用レーザー砲が数基残っているくらい。シールドなんて勿論使えない。
ピースキーパーが装備しているブラスターも、50年前の骨董品。威力はティバナ・ガスの経年劣化でガタ落ちしており、大量に用意して長時間集中砲火を食らわせないと、ストームトルーパーのペラ紙装甲服にすら傷をつけられない始末である。
ターボリフトを利用した罠も仕掛け、足りない戦力を何とか補って出来うる限りの防衛体制を敷いていたが、ヴァガーリの奇襲の前には成す術がなかった。スカイウォーカー夫妻とストームトルーパーがいなければ、あっという間に壊滅していたことだろう。


◆歴史

●前史

ナブー危機から間もない時期にシボースが計画を提案し、ジェダイ評議会の名義で元老院を説得。
共和国の支配領域を拡大し、未知領域やワイルド・スペースからの脅威に目を光らせることも出来るアウトバウンド・フライトは、少なくない元老院議員にとって魅力的なものだった。
そして計画は承認され、「外宇宙探査にかかる多額の予算と多くの人員が知れ渡れば、市民の不興を買う」という判断から、極力秘密裏に準備が行われることとなった。

一応、乗組員は各分野における専門技術を基準に選ばれたが、シボースの「共和国を覆いつつある「暗闇」を回避できる未知領域に、新たなジェダイの拠点を築く」という理想のもと、実際はフォース感応者とその家族の方が、技術者よりも高い優先順位を与えられていた。

クローン戦争の直前になり、政情不安定な時代を迎えると、元老院の中でアウトバウンド・フライト計画の優先順位は低くなっていった。
確かに成功すれば実入りは大きいが、植民惑星が見つからず無駄骨に終わるリスクも大きい、多大なリソースをそんな不確かな計画に費やすことに同意してくれる議員は減っていった。
予算も人員もどんどん削減され、計画実現へのハードルは日に日に上がっていった。
元々シボース一人の強い推薦で立案された計画故、ジェダイ評議会も同じく熱意を失っており、「支持はするが、送り込むジェダイは多くても一人か二人」という消極的なスタンスを取るようになった。
しかし、シボースはアウトバウンド・フライトの夢をあきらめず、持ち前の外交手腕を駆使して根気強い根回しを続けていた。

そして、遂に転機が訪れた。
惑星バーロクで地元政府とコーポレート・アライアンスが衝突を続けており、和解交渉が難航していたのだ。
シボースはパルパティーン元老院議長と取引し、「バーロクでの諍いの調停に成功すれば、削られた予算と人員を復活させる」という条件を勝ち取った。
そしてパダワンのロラナと共にバーロクを訪れると、評議会から監視命令を受けてやってきたオビ=ワン・ケノービ及びアナキン・スカイウォーカーとも協力し、事態を納めた。
この一件を通してシボースの発言力は増し、評議会も彼を抑えることが出来なくなっていった。
パルパティーンは約束通り、計画の予算と人員を元通りにし、アウトバウンド・フライトは遂に完成を見た。


●出航

ヤガ・マイナーから出発したアウトバウンド・フライトは、まず共和国領域内で数か所の惑星に立ち寄り、航行計画の調整と各種設備のテストを行ってから未知領域に旅立った。ここから更にワイルド・スペースに進出し、探索するのが最終目標である。
「表向きは」特に大きなトラブルもなく、順調に進んでいた。

…しかし、船が出発し、ストッパーがいなくなると、シボースは船内で強力な独裁を敷くようになった。
その強引さは「船内の治安意識悪化を防止するため」という名目で食堂の装飾にさえダメ出しが入るほどのものであり、アウトバウンド・フライトは事実上、シボースによって私物化されてしまっていた。
先述した通り、戦闘の体制もフォース・メルドを前提にしたものであり、技術者達は自分の専門分野にジェダイが介入することを受け入れねばならなかった。
あまつさえ、フォース感応者の子供達を親から引き離して訓練センターに隔離し、自身の管理のもとでジェダイに育成しようとしていた。

この過激なやり方には、一般乗組員は勿論のことジェダイからも反発の声が相次いだが、パクミール艦長を丸め込んで船の全権を掌握していたシボースはそれらの声を意に介さず、船を自らの帝国にしていった。

…が、そんな体制は長くは続かなかった。


●撃墜命令

シボースとの取引に基づいて計画を支援していたパルパティーンだったが、彼はシスの暗黒卿ダース・シディアスとしての裏の顔を使って、密かにアウトバウンド・フライトへの撃墜命令を出していたのだ

わざわざ承認を出しておきながら、裏では撃墜を命じた理由は二つ。
まず、アウトバウンド・フライトには19人ものジェダイが乗り込んでおり、パルパティーンにとっては「多くのジェダイを一か所に集めた上で纏めて始末できる」という絶好のチャンスだった。
ただでさえ人手不足に喘いでいる騎士団にとって、これだけのジェダイを一気に失うダメージは計り知れない。
シボースがジェダイのコロニー設立を計画していたのだから、なおのことである。

そしてもう一つの理由は、意外に聞こえるものだが銀河系を守るため
シディアスは自身の情報網を使い、銀河系を狙う「外宇宙からの侵略者(ファー・アウトサイダー)」の存在を察知していた。
大軍勢を率い、有機的テクノロジーを駆使する彼らは、現段階では準備の最中。パルパティーンの見立てでは、まだ共和国の存在すら把握していない初期も初期の段階である。
しかし、もしもアウトバウンド・フライトがファー・アウトサイダーに拿捕などされようものなら、共和国のテクノロジーも情報も、まるっとその手に渡ってしまう。
銀河系支配をもくろんでいたパルパティーンだったが、だからこそ銀河系そのものを滅亡の危機にさらすファー・アウトサイダーのことは最大限に警戒していた。
実はバーロクにシボースを派遣した際も、現地要人と一緒に彼を暗殺して計画を潰すことを狙っていたが、彼の発言力が強まったことで出航阻止は困難と判断し、方針を撃墜に切り替えたのである。
アウトバウンド・フライト撃墜は、現在の銀河共和国元老院議長にして、将来の銀河皇帝たるパルパティーンにとってはまさに急務だったのだ

腹心のキンマン・ドリアナと、通商連合のサイヴ・カヴが艦隊を率い、航行コース上でアウトバウンド・フライトを待ち構えていた。
艦隊はルクレハルク級母船2隻を中心とし、テクノ・ユニオンのハードセル級戦艦が6隻、通商連合のエスコート・クルーザーが7隻という大部隊。数千機のヴァルチャー・ドロイドも搭載されており、総攻撃を仕掛ければアウトバウンド・フライトはまず耐えられない。

勝利を確信していたドリアナ達だったが、突如としてスローン率いる艦隊がそこに出現した。
実はカヴの艦隊はチス・アセンダンシーの支配領域のほど近くにおり、同乗していたジョージ・カーダスからその威力を教えられたスローンは「領域侵犯の危険性あり」として迎撃にやってきたのだった。
共和国とチスのの接点がほぼなかった時代故、ドリアナやカヴはスローンを「未開の野蛮人」見くびり、先制攻撃を仕掛けたが、僅か3隻の戦艦と9機のスターファイターを前に大惨敗。
艦隊の降伏を受け入れたスローンは、ドリアナからファー・アウトサイダーの脅威について聞かされる。
実はチスは既にファー・アウトサイダーの偵察部隊と接触・交戦したことがあり、スローンも勿論このことは知っていたのだ。
ドリアナ経由でシディアス=パルパティーンと接触した彼は、「アウトバウンド・フライトがファー・アウトサイダーと接触するリスクがある」と聞かされ、壊滅させてしまった艦隊の代わりにアウトバウンド・フライト撃墜を請け負った。

その頃、カーダスはスローンの元をひそかに抜け出し、直前にスローンの艦隊と交戦していた遊牧民族ヴァガーリの元を訪れ、取引を持ち掛けた。
カーダスは仕事仲間と共にチス領域での生活を余儀なくされていた*6ため、彼らをおびき寄せてスローンを攻撃させ、その混乱に乗じて脱出しようと考えていたのだった。
しかし、スローンはカーダスのこの行動を予測しており、一帯の宙域の厄介者であるヴァガーリを、アウトバウンド・フライトのついでに始末する好機と考え、あえて放置していた。
ヴァガーリはカーダスの言葉に従ってスローンの艦隊のもとに向かったが、残念ながらカーダス自身は完全な信用を得られずに船外のバブル*7に収監され、脱出計画はご破算になった。

なにはともあれ、アウトバウンド・フライト、ヴァガーリ、スローン艦隊の三大勢力は、こうして衝突の時を迎えつつあった。


●交戦

未知領域でハイパースペース航行をしていたアウトバウンド・フライトだったが、突然リアルスペースに引きずり出されてしまう。
スローンがヴァガーリから奪った重力井戸発生装置を使い、アウトバウンド・フライトのコース上に惑星並みの重力を発生させたのだった。

スローンは、アウトバウンド・フライトにコンタクトを取ってファー・アウトサイダーの存在を告げ、引き返すかコースを変更するよう要請する。
しかし、シボースはスローンの言葉を信じず、帰還もコース変更も拒否した。
スローンは「強行突破するつもりなら撃沈も辞さない」と勧告もしたが、慢心したシボースは気にも留めず、交渉は決裂。
そして、スローンの狙い通りまんまと誘い出されたヴァガーリも加え、三つ巴の戦いが開始された。


そしていざ始まってみると、戦闘は終始スローンが圧倒的優勢だった。


スローンは艦艇でアウトバウンド・フライトを、通商連合艦隊から接収したドロイドファイターでヴァガーリを攻撃し、まずヴァガーリを無力化した。
シボースが頼りにしていたメルドによる戦闘ネットワークは、ヴァガーリの夥しい死者の念によって呆気なく崩壊し、アウトバウンド・フライトの火器とシールドは効率的な攻撃で確実に潰されていった。

スローンは最後の降伏勧告を行うべくアウトバウンド・フライトに通信を送ったが、自慢の船を滅茶苦茶にされ、計画を潰されたシボースは憎しみで暗黒面に落ち、モニター越しのフォースチョークでスローンを絞め殺そうとした。
流石のスローンもフォースの前には流石に成す術がなかったが、その場に居合わせていたドリアナが、スローンを救うべくドロイドファイターに特攻命令を出した。
チス特製の放射線爆弾を搭載したドロイドファイターが、戦闘で空いた穴からアウトバウンド・フライトの各ドレッドノートに侵入し、自爆。船内は致死レベルの放射線によって瞬時に汚染され、ドレッドノートにいた者達はシボースも含めて全員が即死した。
放射線爆弾は本来ヴァガーリに対して使うはずだったが、アウトバウンド・フライトに在庫のすべてを使ったことで、ヴァガーリは一部が逃亡に成功することとなった。

スローンはアウトバウンド・フライトへの攻撃を表向き「チス領域侵犯に対する制裁」として行ったが、実際はあくまで「チス領域に近づいた」だけで侵犯はしていなかったため、当然ながら上層部からは問題視される。
また、アウトバウンド・フライトはチスにとっては未知の技術も多かったため、それを手に入れようとする者も現れた。
もしもアウトバウンド・フライトの技術をいずれかのファミリーが手に入れれば、ファミリー間のパワーバランスが崩れるのは火を見るよりも明らか。
スローンは対抗策として、カーダスと、弟のスラスことシンディック・ミスラサティスを「調査」の名目でアウトバウンド・フライトに派遣した。


●不時着

本来なら、アウトバウンド・フライトに生き残りはいないはずだった。
しかし、中央コアには放射線爆弾による攻撃が行われなかったため、丁度シボースの命でここに収監されていた57人の乗組員は命拾いすることが出来た。
その中の一人だったロラナは侵入者の気配を感じ、D1までやってくる。一瞬戦闘になったが、ジェダイを知っていたカーダスが仲裁し、幸い大事にはならなかった。

生存者のことを聞かされたスラスは彼らを助けようとしたが、乗ってきたシャトルは57人もの人員を収容するようには出来ておらず、近隣の宙域には海賊や私掠船が跋扈している。大損害を被ったアウトバウンド・フライトの避難所としては機能しそうになかった。おまけに先述の通り、アウトバウンド・フライトはチスの有力者からも狙われている。

そこで、スラスは第7ルーリング・ファミリーが開拓中の星団と、そこにある多数の未開拓可住惑星に触れ、「一旦アウトバウンド・フライトをここに隠し、その間スラスが生存者を共和国に帰せるよう手配する」と提案。
カーダスがスローンへの連絡のために帰還すると、スラスとロラナがハイパードライブを起動し、スローンの思惑通りアウトバウンド・フライトをその場から持ち去った。
戦利品が消えてしまったとあっては、手に入れることも叶わない。こうしてファミリーのパワーバランス崩壊は阻止された。

スラスが提案した星系に向かっていたアウトバウンド・フライトだったが、重大な損傷を被っていた船体はハイパースペース航行の負荷で次第に限界を迎えつつあり、このままでは船体が吹っ飛びかねなかった。
可住惑星に行くことを断念せざるを得なくなったスラスとロラナは、リダウト星団にある、柔らかい土砂で埋まった谷のある大きな小惑星に目を付けた。ここに不時着し、D1から一番遠いD4を下にして衝撃をやわらげれば、犠牲者なしで不時着できる望みがあった。

しかし不時着直前になって、他の乗組員達が、よりにもよってD4へと勝手に出てきてしまった
ロラナは彼らに連絡して中央コアに戻るよう指示しようとしたが、通信機の不調により、声が届かない。
腹をくくったロラナとスラスは、自分達のいるD1を犠牲にすることを選択。船体を上下逆さにした状態でリダウト星団にワープアウトし、狙った小惑星に突っ込んで壮絶な最期を遂げた。
しかしロラナの自己犠牲など知る由もなかった生存者は「ロラナが自分達を見捨てて逃げた」と解釈し、それまで燻ぶらせてきたジェダイへの嫌悪を決定的なものにしてしまうのだった。


●撃墜後

生き残った57人は、船の設備を可能な限り回復させ、とりあえず生存するための環境を整えることに成功。アウトバウンド・フライト・コロニーを築き上げた。
生存者達は脱出するために、最も損傷が軽微なD4が修理され、脱出の準備は一応整ったが、未知領域のど真ん中故に星図がなく、離陸したくても出来ない状態だった。
小惑星帯という場所柄、情報なしでの航行など自殺行為も同然。おかげで、D4の修理が完了しても彼らはリダウト星団に釘付けにされていた。

墜落を直接経験した者の大部分は怪我や精神的なショックで健康を損ね、次々に落命。生き残った者達も殆どが衰弱して外出もできない状態となった。
生活環境の劣悪さも先述した通りであり、住民にかかるストレスは相当なもの。
ある時にはジャヴリールという人物が発狂し、幼稚園児たちを人質に取ってしまったこともあるという。

なお、撃墜は未知領域で行われたため、共和国ではアウトバウンド・フライトの末路を知る者は数えるほどしかおらず、「出航後に消息を絶った」という記録しか残されていない。
一応騎士団でも何度か捜索計画が立案されたが。全て立ち消えになっている。

こうして、アウトバウンド・フライトは歴史から忘れ去られ、リダウト星団で朽ち果てるのを待つのみ…と思われた。
しかし、やがてひとつの転機がやってくる。


●発見

新共和国と帝国が和平を結んでから少し経った頃。
チス拡張防衛艦隊のパトロール隊が、リダウト星団で偶然アウトバウンド・フライトの残骸を発見する。
フォーンビはアウトバウンド・フライトに搭載された未知の技術を踏まえ、かつて取り逃がし、ファー・アウトサイダーと協力しているとも目されるヴァガーリを殲滅するための餌としてこれを利用することを決断した。

アウトバウンド・フライト調査団が結成され、チスの精鋭兵士たちが外交船チャフ・エンヴォイに集結した。
更に、ジェダイの高い戦闘能力に目を付けたフォーンビは、新ジェダイ騎士団の代表格であるルーク・スカイウォーカーとマラ・ジェイド・スカイウォーカーの夫妻*8にメッセージを送り、「アウトバウンド・フライトはジェダイ発案の計画だから、ジェダイに同行して欲しい」という名目で調査団に招いた。
更にフォーンビはハンド帝国にも援軍を頼み、チャック・フェル中佐と、第501ストームトルーパー大隊のオーレク=7ユニットが「スカイウォーカー夫妻のエスコート役」という名目で参加。
これに、カーダスのコネで共和国大使になりすましたディーン・ジンズラーと、「かつてアウトバウンド・フライトのジェダイの手で、ヴァガーリの支配から救われた」と語る宇宙の難民ジェルーンも加わった。

当初の予定よりも規模が大きくなった調査団が、いよいよアウトバウンド・フライトに到着した。


●調査団との邂逅

本来の予定では、墜落現場に入った調査団は現場で犠牲者達に哀悼の意を示し、その後現場を調査するはずだった。
しかし、ルークとマラがフォースを介して下層のドレッドノートから多数の意識を感じ取ったことで、生存者の存在が発覚する。
フォーンビも流石に放射線爆弾から生き残った人間がいることまでは想定していなかったが、その後すぐに計画が見直され、生存者とコンタクトを試みることに。

仕掛けられていた罠で分断されたり、ピースキーパーに通信を攪乱されてチャフ・エンヴォイと連絡が取れなくなったりもしたものの、とりあえず調査団は生存者との平和的接触に成功する。
折衝の末、運営委員会はチスからの贖罪の証としてドレッドノートより強力な宇宙船を要求し、一同もこれを了承。
ピースキーパーからの警戒も解かれ、通信攪乱も解除される…はずだった。


●ヴァガーリの襲撃

調査団とコロニー運営委員会の交渉が行われている最中、突如としてジェルーンの様子が急変する。
彼らは、装飾用の剥製と思われた猛獣ウルブキルを仮死状態から目覚めさせ、調査団と生存者に襲い掛かったのだ。

実は彼らはジェルーンではなく、チスへの復讐のために潜り込んでいたヴァガーリだった
アウトバウンド・フライトに残されていたのは旧共和国の技術だが、未知領域では未だこれも大きな価値がある。特に、共和国の優れたドロイド技術を手に入れれば、ヴァガーリはかつて以上の力を手にすることが出来る。彼らはこれを狙ったのだ。
フォーンビらチスは彼らの正体に最初から気づいていたものの、通信攪乱に乗じた奇襲によって初動が遅れた結果、ヴァガーリの行動開始を許す結果になってしまった。
スカイウォーカー夫妻やストームトルーパーの活躍、そしてジンズラーや生存者達の奮戦によって犠牲は最小限で済んだが、D4がヴァガーリに奪われ、離陸してしまう。
チャフ・エンヴォイや搭載された宇宙船も、ヴァガーリの破壊工作で全て航行不能にされ、追跡の手段は断たれてしまった。

万事休すかと思われたものの。住人の一人エヴリン・タボリーから「D3にデルタ12スカイスプライトがある」という情報がもたらされた。
正体を明かしたジンズラーがハイパードライブ・リングを組み立て直し、ルークとマラがこれに乗って出撃。
ヴァガーリが起動したドロイデカに苦戦しながらも艦橋に突入し、ヴァガーリの指揮官エスタウシュを撃破した。
チスのステーションの一つはヴァガーリの攻撃を受けて危険に晒されていたが、ルークはエスタウシュがまだドレッドノートの指揮を執っているかのように偽装し、ヴァガーリの戦闘機をドック内に誘き出してからパイロット達を殲滅。
艦艇もチスの反撃によって全滅し、これにてヴァガーリの陰謀は完全に潰えたのだった。

全てが終わった後、コロニー住人はハンド帝国に引き取られ、新共和国が残された船体のサルベージを開始した。
劣悪な環境とはいえ半世紀も暮らした我が家だけあって、引っ越しを渋る者も意外と多かったようだ。




◆関係者

●乗組員

・ジョラス・シボース

アウトバウンド・フライト計画を立案したジェダイ・マスターであり、実質的な船の指導者。
卓抜したフォース制御技術と外交手腕を持ち、数多くの外交問題を調停してきた。
ライトセーバーを抜いた場面はないため剣技のほどは不明だが、通信機越しでもフォースプッシュやフォースチョークをこなせる辺り、戦闘能力もそれなりに高いものと思われる。
高難度テクニックであるフォース・メルドも過去に4回(うち1回は実戦)成功させたという。

…とまあ、技能的には非常に優秀なのだが、人格的には極めて問題だらけ
異常なまでにプライドが高く、とにかく自分の意見に異議を申し立てられることを極端に嫌っている。特にフォースを使えない一般人のことは完全に見下しており、論理の通った意見具申に対しても「フォースも使えない者が偉そうな口を叩くな」と聞く耳を持とうとしない。
騎士団では一般人を下に見るジェダイが多かったことも問題視されていたが、シボースの傲慢さは常軌を逸しており、一般人はおろか他のジェダイすら軽視していた。実際能力や実績は当時の騎士団の中でも群を抜いていたが、それ故に周りにも強く諫められる者がほとんどいなかったのだ。
騎士団での評価も賛否両論で、その優秀ぶりから「ジェダイの模範」と尊敬する者もいれば、人格面を問題視する者もいた。

アウトバウンド・フライトでも「ジェダイ中心」の支配体制を確立し、反対する者には容赦ない裁きを加えていた。
そもそも、彼がアウトバウンド・フライト計画を立案したのは「銀河系を覆いつつあるダークサイドの影響を受けない場所にジェダイを避難させ、新しい騎士団を築く」「ワイルド・スペースで行方不明になったジェダイ、ヴァーゲアの捜索」という、あくまでジェダイ本位のもの。
ただでさえ不信を買いつつあったジェダイの勢力拡大と、生きているかもわからない一人のジェダイを捜索するために、5万人もの人々を道連れにする計画だった。
アウトバウンド・フライトは、初めからシボースの私物も同然だったのだ。

しかし、驕れる者は久しからず。
自分に100%の同意を示さない者は有無を言わさず投獄した結果、ウリアーら的確なアドバイスが出来るスタッフは皆檻の中であり、一番肝心な時に現場から引き離されていた。
ファー・アウトサイダーの脅威について説明されても全く信じず、特に「ファー・アウトサイダーに拿捕されるリスクを警告したのはダース・シディアスという人物」と聞かされた際は、「シスは滅んでいる以上、『ダース』などと名乗っている時点でそいつはペテン師だ」と決めつけ、却って自分の意見に自信を持つ始末だった。
冒頭でも解説したが、アウトバウンド・フライト計画が始動したのは、シス復活が確認されたナブー危機よりも後の話。ジェダイの絶対性を妄信するあまり、シボースはそんな事実さえ見落としてしまっていた。
そして、スローンからの妥協案や最後の降伏勧告も全て袖にした結果、アウトバウンド・フライトはスローンに惨敗し、彼自身もスローンへの憎しみで暗黒面に堕ちてしまう。
最後は他の乗組員共々放射線爆弾で殺され、あれだけ見下していた非フォースユーザー相手に完全敗北を喫したのだった。

確かにスローンが語った「外銀河からの脅威」は一見すると突飛な話ではあるが、同じようにこの時点では共和国にとって未知の存在だったチスがまさに目の前にいた以上、「噂でも聞いたことがないから」と跳ねつけるのはやはり早計だっただろう。
もしも彼がもう少し周りの意見に耳を傾け、冷静な判断を下していれば、少しは違った結末になっていたかもしれない…

その後、シボースの遺伝子から生み出された狂気のクローン、ジョルース・シボースが銀河に新たな危機を招くことになるが、それはまた別のお話。

・ロラナ・ジンズラー

シボースの弟子。
ジェダイを信奉する夫婦の娘として生まれ、生後三か月ほどで騎士団に引き取られた。
起動スイッチにアメジストが埋め込まれたお洒落なライトセーバーを使う。

傲慢なシボースとは裏腹の大人しく謙虚な人物であり、何をするにしても強引な師の態度を問題視はしつつ、強く諫めることが出来ないでいた。
アウトバウンド・フライトでもジェダイと非ジェダイの軋轢に気を揉み続けており、マニングからも同情されていた。
スローンによる襲撃の際は、中央コアに監禁されていたウリアー達を解放しに行っていたため放射線爆弾の被害を免れたが、船を不時着させる際に自分を犠牲にして他の生存者を守ることを選び、スラスと共に命を落とした。

その後、D1艦橋を訪れたルークとマラが彼女のライトセーバーを発見する。
一旦回収され、ドロイデカ撃破のための仕込み武器として使用されたが、機体の爆発*9に巻き込まれて粉々になってしまい、破片すら残らなかった。
ディーンは残された唯一の形見を失ったものの、ロラナのライトセーバーが、持ち主と同じように尊い命を守るために散っていったことを知り、決してスカイウォーカー夫妻を責めることはなかった。

・ジャスティン・マニング

スキンヘッドのジェダイ・マスター。
一応シボースの部下として行動してはいたものの、本心では彼の傲慢ぶりに愛想を尽かしており、乗組員達の嘆願を彼に伝えたこともあった。
ロラナの心労にも強く同乗しており、彼女を気遣う言葉をかける場面も多かった。
乗っていたドレッドノートがダメージを受けた際、瓦礫の下敷きになって重傷を負うが、最後の力を振り絞ってフォースで外壁の穴を塞ぎ、死の瞬間まで乗組員を守るべく奮闘した。
出番こそ多くないものの、人格的には非常に出来た人物だったらしいことが伺える。もし彼が生き残っていたら、生存者達のジェダイへの偏見も少しはマシになっていたのだろうか。

・オビ=ワン・ケノービ

・アナキン・スカイウォーカー

ご存じ、新三部作の主役コンビ。
シボースの監視役として一時的に乗船することになり、共和国領内を出たらデルタ12で帰還する予定だった。
しかし、パルパティーンがオビワンに別任務を依頼したため、ロスクリで彼のシャトルに乗って下船することになった。
オビ=ワンはシボースが自らジェダイを訓練したがっている姿を目の当たりにし、「彼の性急さが子供達を暗黒面に近づけるかもしれない」という危惧から搭乗期間を延長しようと考えていたが、もしそうなっていたらこの後の銀河の歴史は全く違っていたことだろう。

・パクミール

アウトバウンド・フライト艦長。種族はアクバー提督と同じモン・カル。
アウトバウンド・フライトにおける最高指揮官…なのだが、出航からほどなくしてシボースに殆どの権限を委譲した。
一応航行や戦闘の指揮は取っていたものの、スローンにはまるで歯が立たず、放射線爆弾で死亡。

・チャス・ウリアー

技術者としてアウトバウンド・フライトに登場した植民志願者。
シボースの方針でジェダイが船の技術系統を学ぶことになったため、担当領域に平然と入り込んでくるジェダイに対して常に苛立たしい感情を向けていた。
スローンがシボースとの交渉のためにやってきた際は、なんとかして彼に共和国まで連絡を取ってもらい、アウトバウンド・フライトを引き返させようと試みたものの、これがシボースの逆鱗に触れ投獄された。しかし、そのおかげで中央コアの監房ブロックにいたため、結果的に放射線爆弾から逃れることが出来た。
アウトバウンド・フライト・コロニーでは皆のリーダーとして懸命に働いていたものの、シボースの所業と「ロラナに見捨てられた」という誤解から、半世紀経ってもジェダイへに嫌悪感に凝り固まっており、ヴァガーリとの戦いの中でもエヴリンの力を知るや憎しみを露わにしていた。

・ジョラッド・プレッサー

ピースキーパーを束ねるガーディアン。
幼少期、父である技術者ディリアン・プレッサーと共にアウトバウンド・フライトに乗り込んでおり、墜落経験者の中では最年少。
幼かったとはいえ墜落を経験していただけあって、ジェダイへの嫌悪感は強かったが、エヴリンを出来る限り守ろうとする程度の理性はあった。
調査団相手には罠を利用して調査団相手に立ち回ったものの、通信攪乱が仇になり、ヴァガーリへの対処を遅らせる結果になってしまった。しかし、人命を大切に思う気持ち自体は本物であり、調査団と力を合わせてヴァガーリと果敢に戦った。


・エヴリン・タボリー

コロニー生まれの少女であり、プレッサーの姪。
物静かだが、並大抵のことでは物おじしない肝っ玉の持ち主でもある。
フォースの力を持っていたせいでウリアー達から疑いの目を向けられ、本人も「ジェダイになんてなりたくない」と思っていたが、ジンズラーの説得により、フォースを使って通信攪乱解除に協力し、ヴァガーリ撃破に貢献した。


●その他関係者達

・シーヴ・パルパティーン/ダース・シディアス

ご存じ、銀河共和国元老院議長にしてシスの暗黒卿。
アウトバウンド・フライトに撃墜命令を下した張本人ではあるが、本項目をここまで読んでいただければ分かる通り、アウトバウンド・フライトには政情不安定な時期に莫大な予算を使わされるわ、ファー・アウトサイダーへの情報漏洩のリスクをもたらされるわ、アナキンの掌握までオジャンにされかけるわと、終始振り回されまくっていた
特に、アナキンがアウトバウンド・フライトに乗っているとドリアナから聞かされた際は「そんな命令してないぞ、なに余計なことしてくれてんだ。こっちで2人を降ろすから襲撃はいったん待て(要約)」と血相を変えて指示し*10、わざわざ自らシャトルを飛ばして2人を迎えに行っている。
多数のジェダイを纏めて殲滅できる利点もあったとはいえ、この一連の事態における心労は察するに余りある。
シリーズを通して数々の悪行を働き、数えきれないほどのヘイトを買ったパルパティーンだが、今回ばかりは彼に同情した読者も多かったのではなかろうか…

・キンマン・ドリアナ

共和国でパルパティーンのアシスタント兼顧問を務める人物。
裏ではシディアスと繋がっており、仕事で得た情報を横流ししているスパイ…だが、知っての通りパルパティーンとシディアスは同一人物であり、読者目線ではぶっちゃけ道化。
アウトバウンド・フライト撃墜の指示を受け、カヴの艦隊と共に待ち伏せしていたが、彼がスローンと出会ったことで、パルパティーンとスローンの接点が生まれることとなった。
何気に、銀河の歴史上かなり重要な役割を果たした人物である。

・シンディック・ミスローニュオルド/スローン

レジェンズの歴史におけるキーパーソンにして、近年カノンにも復帰した、チス拡張艦隊司令官を務めるシンディック(行政官)。
領域侵犯スレスレの宙域を航行していた上に先制攻撃もかけてきた通商連合艦隊をボッコボコに叩きのめしたが、ドリアナからアウトバウンド・フライトとファー・アウトサイダーについて聞かされ、代理としてアウトバウンド・フライトを攻撃した。
アウトバウンド・フライトを(事前に警告したとはいえ)最初に撃ったのは彼の方だったため、先制攻撃を禁忌とするチス社会では大きな問題に発展した。処分自体は持ち前の政治手腕で見事切り抜けたものの、その後もアウトバウンド・フライトへの攻撃は「チスの顔に泥を塗る蛮行」と評されている。

・シンディック・ミスラサティス/スラス

スローンの弟であり、彼と同じくシンディックを務めるチス。
アウトバウンド・フライトに直接かかわることはあまりなかったが、スローンから命じられた「調査」のために乗船したことでロラナと出会い、生存者達をチス・アセンダンシーから匿う手段を提案する。
そして、ロラナと共にアウトバウンド・フライトを不時着させ、命を落とした。

・アリストクラ・チャフォーンビントラノ/フォーンビ

チス第7ルーリング・ファミリーのアリストクラ(リーダー)を務める人物。
墜落したアウトバウンド・フライトを発見した際、これをヴァガーリ殲滅に利用することを思いつき、調査団を結成して自ら乗り込んだ。
ただ、スローンと同じチスとして、アウトバウンド・フライトの惨劇に罪悪感を覚えていたことも決して嘘ではなく、自ら率先して生存者との交流に臨んでいた。
尤も、ヴァガーリを罠にはめるために利用される形になったスカイウォーカー夫妻からは、そのやり口を「陰険」と評されている。

・ジョージ・カーダス

かつて銀河で名を馳せた大物密輸業者。
駆け出し時代の彼が仕事仲間と共にチスに拘留されたことがきっかけとなり、スローンとパルパティーンの間に接点が生まれることとなった。
また、ディーンにアウトバウンド・フライトについての情報を提供し、彼が大使に成りすますための準備を整えたのもカーダス。これはロラナと最後に交わした約束だった。

・ルーク・スカイウォーカー

・マラ・ジェイド・スカイウォーカー

ご存じ旧三部作主人公と、レジェンズにおける彼の妻。
ニュー・ジェダイ・オーダーで最も優れたジェダイとして調査団に招聘され、ヴァガーリを相手に獅子奮迅の活躍を繰り広げた。
また、彼らがフォースによって生存者の存在に気付いたおかげで、調査団も一度仕切り直してある程度の準備を整えることが出来たため、一連の事態においてはまさにMVPと言えるだろう。
ついでに、劇中ではこれでもかというくらいにノロケてくれる。爆発しろ。

・チャック・フェル

ハンド帝国空軍の中尉。
フォーンビからの依頼を受けたハンド帝国から指名され、オーレク=7ユニットを率いて調査団に加わった。
いかつい装甲服を着た兵士を4人も連れていただけあって生存者達からは警戒されたが、ヴァガーリが本性を現した際はスカイウォーカー夫妻や、チスの将軍ドラスクと共に事態の鎮圧に奮闘した。
配下のオーレク=7も皆優秀であり、一人の犠牲者も出さずに終始味方サイドで大活躍するストームトルーパーという、中々レアな光景を拝むことが出来る。
その後はヴァガーリ討伐艦隊に加わり、活躍した模様。

・ディーン・ジンズラー

マラも一時期身を置いていたタロン・カードの密輸組織に所属する、しがないハイパードライブ技師。
幼い頃からロラナと比較され続けて育ったため、彼女を憎んでいたが、カーダスからロラナについての話を聞かされたことで彼女の優しさと気高さを知り、「彼女の最期の場を見たい」という思いを抱くようになる。
そして、カーダスの根回しによってアウトバウンド・フライト調査のことを知り、彼の協力を得て「新共和国大使」になりすまして調査団への参加を申し出た。
ロラナが命を懸けて守ったものを目の当たりにしたことで、自分の過去や内面と向き合い、ヴァガーリとの戦いを技術者として支えた。
ある意味ルークと並ぶ、『生存者の探索』におけるもう一人の主人公ともいえる人物。

・ヴァガーリ

未知領域に暮らす遊牧民族にして、平和な星々で破壊と殺戮の限りを尽くす宇宙のヒャッハー集団。
生物兵器や仮死技術など、独自の技術を複数持ち、音楽のような言語で話す。
かつては指導者ミスカラのもとで一大帝国を築き上げ、神出鬼没の海賊集団として暴れ回っていたが、スローンとカーダスの計略にはまって大打撃を負った。
そしてアウトバウンド・フライトが発見されたことを知ると「共和国のバトル・ドロイドの技術*11を手に入れ、チスに復讐する」という計略を始動させ、かつて自分達の奴隷だった民族ジェルーンを装って*12調査団に加わった。
綿密な作戦を用いて調査団と生存者に奇襲を仕掛け、D4を乗っ取ったまではよかったが、フォーンビの策略のせいでジェダイの能力を殆ど把握できていなかったため、虎の子のドロイデカも含めた多数の戦力を失い逆転負け。
部隊指揮官エスタウシュが死に、彼が届けるはずだったD4を待って集結していた艦隊もチスとハンド帝国に叩きのめされて壊滅した。

・ファー・アウトサイダー

銀河系の外側から襲来し、ワイルド・スペースで侵略の準備を進めているという未知のエイリアン達。ヴァーゲアも彼らに捕らえられたと考えられている。
詳細はパルパティーンも把握しておらず、「膨大な戦力」「あらゆるテクノロジーを有機体で賄っている」という断片的な情報のみがもたらされた。
チスも彼らの偵察部隊と交戦したことがあり、その高い戦闘能力を危険視していた。
ルークとマラは事件終結後、「ヴァガーリは既にファー・アウトサイダーと繋がりを持っており、フォーンビはこの後銀河を襲う驚異の芽のひとつをここで摘もうとしたのではないか」と推測していた。





追記・修正は、シボースの独裁に適応し、放射線爆弾と船の墜落を生き延び、リダウト星団での半世紀の劣悪な生活に耐え、ヴァガーリの襲撃を生き残れた方にお願いします。
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最終更新:2026年08月12日 22:50

*1 刊行は『生存者の探索』の方が早いが、時系列上は『外宇宙航行計画』が先であり、前者の物語における背景やいくつかの謎を、後者で答え合わせする形式をとっている

*2 全く起きなかったわけではなく、事故を起こしたものはシボースから厳しい処分を受けた

*3 提供された正確な背景は不明だが、マラは「ナブー危機のあと、通商連合はしばらく表向きは愛想よく振舞っていたから、共和国の要請で寄付していてもおかしくない」と推測している

*4 ただし、損傷が激しいせいで全住民が暮らせるほど居住エリアはない

*5 電線や光ファイバーを食い破り、電気エネルギーを食べて生きる虫。コルサントの下層にも生息している。チス領域にはライン・クリーパーという似たような虫もいるため、正確にはこちらだった可能性もある。

*6 高価な貨物の輸送任務の最中であり、チス領域に釘付けにされていたせいで納期を大幅オーバーしていた

*7 ヴァガーリの戦艦外壁に設置された透明プラスチック製の牢獄。ヴァガーリはここに捕虜を収容し、敵からの攻撃を躊躇わせる「肉の盾」として用いている。

*8 フォーンビはルークとマラのこと自体は知らなかったため、ハンド帝国のヴォス・パーク提督に「共和国で最も有名なジェダイに送って欲しい」とメッセージを中継させる形で対処した

*9 マラがドロイデカの構造に疎かったため、うっかり動力装置の一部を切ってしまった

*10 オビ=ワンとアナキンを下船させる都合で延期されたため、ドリアナ一行は未知領域で待ち構えていたが、本来はアウトバウンド・フライトが共和国圏内を出る前に襲撃する予定だった

*11 カーダスがヴァガーリとの交渉に向かう際に使ったシャトルには、スローンが通商連合から接収し、ひそかに紛れ込ませたバトル・ドロイドとドロイデカが積まれており、ミスカラはジェルーンを的にしたデモンストレーションを通してその威力に感激していた。

*12 神出鬼没の民族故、チスも基本的に艦隊戦しか経験しておらず、実際にヴァガーリの姿を見た者はほとんどいなかった