登録日:2026/11/02 Mon 22:27:37
更新日:2026/11/02 Mon 23:42:02NEW!
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《我が軍の作戦は陸上戦艦が止まらないことを前提としている》
《坂があれば登れ 壕があれば渡れ 壁があれば突き破れ》
《前進することで我が意志を敵に強要する!》
諸元
全長:468m
全高:62m
全幅:76m
満排水量:14万5129t
主機:加圧水型原子炉4基
(出力1基当たり2200MW。ニミッツ級空母の約4倍、総出力で約8倍)
乗員:約840名
概要
陸上戦艦はソトア軍の水陸両用兵器にして移動要塞である。
中央の胴体とその左右に張り出した副胴体に分かれた「トリマラン式」の構造を持ち、海上・陸上を問わない安定性を保ちながら、海も都市も山林も問わず目標へ向けて前進、そして超長射程・超高火力のレールガンを始めとした武装群によって制圧する能力を持つ。
詳しくは後述する凄まじいまでの性能を持ちながら陸上戦艦は広い括りでは量産兵器であり、ユージア大陸に既に投入されている2隻に加えて更なる同型艦が追加で建造中、更にそれらは後方の工場でモジュール単位で生産されては超巨大輸送機ポダルゲの手によって一ヵ所に運ばれ、そこで組み立てられて完成……という具合に、「後方で生産し、前線近くで組み立て、組み上がり次第順次投入」という運用が可能となっている。
なおユージア大陸に於ける建造拠点は大陸西部にある島ロッキーアイランド。
20年代半ばからソトアにより造船業の拠点として再開発が行われるも、2028年に建造中の原子力空母が事故で炉心溶融を起こし、放射線対策で問題のドックは石棺化され島一帯も立ち入り禁止となるが、
それらは全てFCU侵攻のための欺瞞にして布石であり、表向き封印されたことになっているドック内で秘密裏に行われていた作業こそ陸上戦艦の建造であった。
ソトアのFCU侵攻は、その初撃の数年前から既に始まっていたのである。
開戦後はユージア大陸東海岸から大陸に突入、FCU首都シーヴ制圧を始め、開戦から3ヵ月のソトア軍の快進撃を支えている。
なお「ターパン」とは馬の一種。
現代に於ける家畜馬の祖先に当たる種で、現実地球に於いてはヨーロッパ一帯に分布していたが、19世紀末~20世紀初頭にかけて絶滅している。
また「ザンザス」と「バリオス」はギリシャ神話に登場する兄弟馬で、どちらも英雄アキレウスの戦車を曳く馬といずれも馬の名前に因んでいる。
「ザンザス」は「Ξάνθος(英:Xanthus)」を英語読みしたものだが、日本では専らギリシャ語読みに近い「クサントス」と呼ばれる。
艦級名が「ターパン級」でありながら一番艦二番艦が「ザンザス」「バリオス」というのは自然ではないが、どういった理由でこのようになっているかは不明。
但し海軍界では全くあり得ない話ではない。
因みに、クサントス・バリオス兄弟の父親は西風の神ゼピュロス、母親は人の頭と鳥の身体を持つ怪物ハーピーの一種ポダルゲ。
性能
走
海上最高速度は35ノット(64.7km/h)、陸上最高速度は50km/h。
水上では水流ポンプジェット、陸上では履帯によって走行する。
水上速度35ノットという数値は、実在の世界最大の空母ニミッツ級(全長約332m、満排水量約10万t)を上回り、
またそれ以上に横浜ランドマークタワーの1.5倍以上の巨体をそのまま横倒しにしたようなものが幹線道路を巡航する自動車並みの速度で地上を走ると考えれば、海であれ陸であれ驚異的な機動力と言わざるを得ない。
因みにギネスブック認定の地上最大の陸上車両、バケットホイールエクスカベーター「バジャー293」の諸元は全長225m、重量14200tと全長で約半分、重量で1/10以下だが自走速度は0.4km/h前後。
運用目的上高速で移動する必要がある陸上戦艦と、その必要が無く自力で位置を微調整できる程度に動ければ十分なバケットホイールでは性能が違って当たり前ではあるが、ともあれサイズと重量、そして実在車両と比べると途轍もない速度と言う他ないことに変わりはない。
速度のみならず、障害物に構わず突破する踏破性能も相当なものである。
ロボアニメでは「歩行脚」に劣るものとして扱われがちだが、実際には履帯の踏破性というのは決して馬鹿にできるものではない。
陸上戦艦に於いても然りで、流石に陸上戦艦より巨大な瓦礫の山となれば話は別だが、多少の障害物(少なくとも高速道路程度)は軽く乗り越えるor突き破れる程の踏破性能を持つ。
中央の履帯に加えて左右の副胴体にも補助履帯が備わっているため安定性も高い。
また「端が陸上戦艦の形に抉れているビル群」が確認できるため、鉄筋ビルが引っ掛かってもビルの方を引き裂いて通り抜けることができる程の突破力があることが窺える。
よしんば障害物に乗り上げてしまっても船体下部各所に設置されたロケットモーターによって船体を持ち上げることができるため、あらゆる意味で陸上戦艦の進路を妨げるのは困難を極める。
なお、陸上戦艦の踏破性能と路面の耐荷重性能は当然別の問題である。
それ故に陸上戦艦が通過すると超巨大な履帯痕が轍として残ることとなる。
攻
陸上戦艦の主砲は1000mm口径3連装レールガン3基9門。
あの戦艦大和の主砲を2倍以上にスケールアップしたもの、あるいは80cm列車砲グスタフ/ドーラ以上の巨砲が3本横に並んでいるようなものの破壊力はFCU軍にとって非常に大きな脅威であった。
その初速は最大2700m/s、射程距離は500km(実際には700km)、破壊力も高層ビルを吹き飛ばす程という恐るべき能力を持つ。
高速飛行中の爆撃機を追尾し撃墜できる程の命中精度も持つため、陸上戦艦の射程内に居ながら空から近付くのは容易ではない。
ストレンジリアルの巨大レールガンの代表例たるストーンヘンジや、アリコーンのロングレンジレールキャノンなどと比べれば小さく、威力も射程もかなり縮小しているためあちらのような「一定高度以上の飛行機を問答無用で叩き落す」というような無法な攻撃力や射程距離は持っていないが、代わりに1分間に何連発でも砲撃でき、威力と射程を考えれば恐ろしく連射が効く。
ましてや陸上戦艦の艦砲なので攻撃範囲が狭まった代わりに自走可能になったストーンヘンジと考えれば、方向性が少し違うだけで途方もない驚異的兵器であることは変わりない。
守
ミサイルの5発や6発ではビクともしない。
一応船体各部の武装だのは別であり、また履帯にミサイルや爆弾を直に食らえば破壊されるものの、
船体そのものや主砲についてはどれだけ爆弾を落とそうがまるで堪えた様子は無く、主砲も数秒間砲塔旋回を止めさせるのが精一杯という有様。
流石に地下200mまで貫通する破壊力の高高度から投下され加速の付いた地中貫通爆弾バンカーバスターの直撃を食らえば只では済まないが、それでさえ「深刻なダメージ」止まり(=余裕こそ無いもののトドメのもう一撃を追加で与えない限りまだまだ動き続けられる)という呆れる程の頑丈さを誇っている。
船体そのものの強度のみならず「防空能力」という意味でも非常に強固。
艦橋の周囲に設置された対空砲や対空機銃、CIWS、VLSによる強烈な対空砲火、
加えて自分自身が盾となる無数のドローン群「スウォームドローン」や、航空機を追い返す迎撃ドローン、戦車や歩兵にとっての脅威となるクアッドコプタードローンの展開能力により、陸からにしろ空からにしろ生半可な備えで近付けば容易に叩き落とされてしまう。
ゲーム上の都合か設定上のものかは不明だが、エアバーストガンは一定以上のダメージで短時間機能停止させることはできるが完全に破壊することは不可能なため短時間で機能を取り戻してしまう。
なお設定画の記述によると、陸上戦艦のCIWSは30mmガトリング砲アヴェンジャーを使用していることでお馴染み、「ゴールキーパー」が採用されている。
実物のゴールキーパーはあまりのデカさと重量のせいで船体自体をゴールキーパーの搭載前提で設計しなければならないといわれる恐ろしい代物だが、陸上戦艦にとっては屁でもないことだろう。
バンカーバスターならダメージが入ると言っても、上の通り主砲は高速飛行中の爆撃機さえ撃ち落とす程の弾速と命中精度を持つため、バンカーバスターでダメージを与えるには仲間の戦闘機が上記の恐ろしく濃密&しつこい弾幕を掻い潜って攻撃し続け、レールガンの照準調整を一定時間妨害し続ける必要があるため、それこそジョーカー隊のような規格外の戦闘機隊(さもなくば無数の戦闘機部隊を全て磨り潰す覚悟で投入するか)の支援があって初めて表出する。
作中ではこれとは別にもう一つの弱点が判明するのだがそれについては後述。
陸上艦隊
陸上戦艦の随伴艦およびソトア陸軍の戦略の一翼として、陸上駆逐艦と陸上イージス艦も存在している。
どちらも全長138m、全高40mと陸上戦艦の1/3程度のサイズで、動力もディーゼル機関2基とガスタービン機関2基の計4基という比較的小型サイズである。駆動方式は陸上戦艦と同一。
しかし駆逐艦も280mm連装レールガン2基4門を備えており、陸上戦艦程の威力や射程は持たないものの1隻で通常の戦車部隊を足止め、それどころか圧倒する程の強烈な戦闘能力を持つ。
因みに第二次世界大戦中にドイツ軍が計画していた超々重戦車P-1000ラーテはLandkreuzer(=陸上巡洋艦)とも呼ばれ、実際主砲にはシャルンホルスト級巡洋戦艦の主砲を流用した28cm連装砲を搭載することを予定していた。
陸上駆逐艦は、ある意味21世紀版・ソトア流ラーテとも呼べるかもしれない。
陸上イージス艦もまた、5インチ(127mm)単装砲(設定画の記述によるとコイルガン式)1基、CIWS2基、VLS96セルという海上のイージス艦と遜色ない防御力を持ち、敵のミサイルやドローン兵器を迎撃する、陸上戦艦や地上部隊の「盾」あるいは「傘」を担う。
小さい分だけ陸上戦艦と比べて生産性が高いらしく、こちらは大陸中のあちこちの戦場に投入されている。
取り回しにも優れており、駆逐・イージス艦共に重量は9000トンもあるものの、積載量36000トンを誇る巨大輸送機ポダルゲであれば空輸が可能であり、
また陸上戦艦と同じくロケットモーターを装備しているため、全長138m、重量9000トンの巨大地上兵器の空中投下・ソフトランディングが可能であることから通常の空挺戦車感覚で移動させることさえ可能としている。
代わりに、陸上戦艦ほどの頑丈さは持たず、防御力は通常の海上艦に準じ戦闘機の武装で普通に破壊可能な程度に留まる。
作中の活躍
直接衝突まで
開戦直後、大陸東海岸から上陸した一番艦ザンザスと二番艦バリオスが早速進撃を開始する。
ザンザスは大陸北部に、バリオスは大陸南部に侵攻し、あらゆる敵と障害物を薙ぎ倒しながら進撃を続け、ザンザスはFCU首都シーヴを目指し、バリオスはそのまま西に向かう形で、共に大陸中央部の中立国サンサルバシオン国境に向けて移動していた。
ストーリー中に最初に陸上戦艦が関わって来たのはM05。
FCU軍が入手した陸上戦艦の画像解析により「意外にも主砲の口径長が短い」という事実が判明、そこから算出された主砲の推定射程距離約500km±15kmを基に、
サンサルバシオン国境を目指し西へ移動中のザンザスの現在地がシーヴの射程外に出ている今ならば、シーヴ沿岸部からの大陸上陸作戦が可能と判断され、首都奪還作戦、オペレーション・ロングショットが実行に移された。
……が、船体を写した画像に極めて高度な加工が施されていたことが後に判明、実際には700kmを誇るレールガンの射程内に収まっていた首都沿岸に陸上戦艦からの砲撃が降り注ぐ。
「シーヴは陸上戦艦の射程外であること」を前提としていた作戦の根底が覆されたことによる大混乱と損害により、司令部は即座に作戦続行不可能と判断、一同はシーヴの土を踏むことなく撤退を余儀なくされる。
不幸中の幸いと言うべきかせめてもの救いと言うべきか、極僅かばかりの戦力で実施されたシーヴ上陸作戦の情報を聞き、各地で孤立しながらも隠れ潜み或いは細々と抵抗していたFCU軍残存部隊は、仮設総司令部スナイダーズトップ基地に続々と参集、戦闘機17機とLCAC8隻が精一杯だった「FCU最後の部隊」は俄かに戦力を増強・再編成に向かうこととなる。
次に姿を現すのはM08。ただしこの時も直接は登場せず、ブリーフィングと無線で言及されるのみ。
陸上戦艦はレックスら航空母艦エンデュランス組の拠点となったホワイトバレー基地側のキャビア工場に偽装された工廠で開発中の、「対陸上戦艦作戦の切り札、延いてはこの戦争のゲームチェンジャーとなり得る新兵器」の存在をキャッチ、陸上戦艦はその破壊に向けて移動を開始する。
しかしFCU軍もまた、先の作戦で判明した陸上戦艦の本当の攻撃範囲を踏まえた上での射程が上陸地点の外に出たところを見計らい第二次上陸作戦を敢行、今度こそ上陸を成功させる。
しかし、キャビア工場を目指していたはずの陸上戦艦は上陸作戦開始と同時に移動を停止、上陸作戦実施ポイントに移動を開始していた。
ホワイトバレー基地の「パープルマジック隊」は陸上戦艦を足止めすべく出撃するが、その猛烈な防空能力を前に全滅してしまう。
苦心の末にようやく上陸作戦は果たしたものの、パープルマジック隊の全滅に情報漏洩疑惑の発生と、些か後味の悪さを残す結果となった。
実の所、キャビア工場が偽装された工廠で、そこで新兵器が開発されているというのは偽情報。
キャビア工場は普通にただのキャビア工場であった。
エンデュランスの戦闘機隊の面々もそれに気付いていたが、ターシャだけは素で兵器工場で新兵器が開発中だと信じ込んでいた。
レックスがどうかはプレイヤー次第。ただ、ぼーっとしている人物として扱われやすいこともあって「レックスも気付かなかった」とするネタはまま散見される
オーガー・ピットフォール作戦
上陸作戦を成功させ首都を奪還したFCU軍だったが、その直後に陸上戦艦がシーヴを目指し移動を再開ことが確認された。
もし陸上戦艦のシーヴ到着を許せば、またしてもFCU軍がたちまちシーヴから蹴り出されてしまうことを意味する。
FCU軍は陸上戦艦のシーヴ到達を阻止すべく、ここで決着を付けることを決断する。
……しかしながら陸上戦艦の強固な装甲を打ち破ることができる保証は未だない。
そこで、FCU軍が考案したのは、陸上戦艦を破壊するのではなく擱座させるという作戦であった。
先の作戦の折、パープルマジック隊はその身の犠牲と引き換えに、陸上戦艦は左右の側面履帯の内部で大きな爆発を起こせば、側面装甲を脱落させ履帯を露出させることができ得ることを明らかにしていた。
それを踏まえ、此度の陸上戦艦擱座作戦は以下の3段階で実施されることとなった。
- 1.側面装甲の破壊
- まず地上部隊が爆薬を満載させたトラック群を即席の巨大無人自走爆弾に仕立て上げ、側面履帯の内側に突っ込ませ爆破する。
- その衝撃により、側面装甲を脱落させる。
- またこの作戦の補助として、工兵部隊「デスレス」が並行して陸上戦艦の進路上のビルを倒壊させ、足止めを行う。
- 2.側面履帯の破壊
- 頑強な装甲で覆われていた履帯を露出させ、無防備となったこれを航空攻撃で破壊する。
- 安定性を支えている側面履帯が破壊されれば、如何に陸上戦艦と言えども陸上戦艦の踏破性と安定性は大きく低下する。
- 3.陸上戦艦の転覆
- 側面履帯を破壊された陸上戦艦の進路上にある三連高層ビル「ヘブンズセントラル」を爆破することで、陸上戦艦の進路上目の前に巨大な瓦礫の山を作り上げる。
- これに乗り上げさせることで陸上戦艦を擱座させる。
- 如何に破壊できずともそれ以上自力で移動も戦闘もできなくなってしまえば存在しないのと同じ、陸上戦艦の機能停止を意味する。
ヘブンズセントラルはターシャ曰く「ケーキが美味しい」と評判、パイク副長も「あそこのホテルには泊まってみたかった」と語る程にシーヴ市民の憧れであり誇りであった。
それを自らの手で瓦礫に変えてでも陸上戦艦を無力化するための決死の作戦「オーガー・ピットフォール作戦」が決行される。
2029年12月29日、遂にFCU軍と、陸上戦艦一番艦ザンザス、及びその随伴艦である陸上イージス艦ガリアル・マリスマが衝突する。
戦闘に突入して早々にジャックポット隊の1機が撃墜されるも、ジョーカー隊の支援によりビルの爆破と無人車両爆弾による履帯側面装甲の破壊までは順調に進む。
しかし陸上戦艦の障害突破能力は予想を上回っており、陸上戦艦の船体上に圧し掛かる残骸をレールガンで爆破、即座に移動を開始してしまう。
その後も戦車隊を踏み潰し、高速道路を突き破り、進路変更さえしないままFCU軍の抵抗を物ともせず進軍を続行する。
しかしFCU軍も負けじと応戦を続け、工兵部隊「デスレス3」が作戦の最終段階であるヘブンズセントラルの爆破準備に取り掛かる。
……が、陸上戦艦も付近のビルに熱源を感知、準備中のデスレス3が砲撃を受けてしまう。
この攻撃によりデスレス3はグリーン大尉1名を除いて壊滅、そのグリーンも虫の息となってしまっていた。
だがデスレス隊長より「お前なら陸上戦艦など指一つで止められる」と鼓舞されていた通り、彼は重傷を押して最後の力で動かした親指1本で起爆スイッチを入力、ヘブンズセントラルの爆破を成し遂げた。
……しかし発破には成功するも破壊は不完全に終わっており、ジョーカー隊にビルを完全に倒壊させるべく航空攻撃が指示される。
死力を振り絞ったデスレス3とジョーカー隊の協力によりヘブンズセントラルの倒壊には成功、陸上戦艦は瓦礫の山に突っ込んで行き、遂にその動きを止めた。
言っちゃったよ
……が……
《出力最大!》
《陸上戦艦は止まらない! 倒れない!》
案の定一度は停止したかに見えた陸上戦艦のレールガンが再起動、おまけに船体側面からロケットモーターの噴射炎が噴出、船体を持ち上げ残骸の突破を試み始めた。
ここまで来て尚瓦礫の山を乗り越えようとする陸上戦艦に再度の航空攻撃が加えられ、浮上中にロケットモーターを破壊されたことで陸上戦艦はバランスを崩し横転、ヘブンズセントラルの残骸の隣に横たわることとなった。
かくして、陸上戦艦一番艦ザンザスは無力化されたのだった。
陸上戦艦一番艦の艦長D.イスハークは、陸上戦艦の威容に絶対の自信と信頼を置き、
「陸上戦艦は決して立ち止まることもなければ進路を曲げることも無い」という信念の下で勇壮な言葉で乗員を鼓舞し続ける、侵略者である事を除けば軍人として気骨ある、ある意味では非常に勇猛で熱い男であった。
前作の
どこぞのイカれサブマリナーとも似た雰囲気を持つ彼は本作屈指の名言メーカーとしてプレイヤー間で親しまれている。
陸上戦艦「三番艦」
陸上戦艦一番艦の撃破から程なく、陸上戦艦三番艦を部品状態で運搬していた巨大輸送機ポダルゲを海上で撃破したことで、三番艦は完成前に海の藻屑と帰せしめた筈であった。
ところがM17・2030年1月29日、内陸のワイアポロ山脈にて突如三隻目の陸上戦艦が出現したことが確認されたことで、これを撃破する作戦が実施されることとなった。
只でさえ世間では<シーヴの翼>の評判が下り坂であり、軍のインテリジェンス部は「ポダルゲごと三番艦を破壊し完成阻止」という戦果も捏造されたものと疑っていたのである。
上層部は疑っているにしても、ポダルゲは確かに撃墜した、だがもし欺瞞工作ではなく本物であれば――実は三番艦を組み立てられるだけのパーツは既に揃っており、それを組み立てたのだとしたら事態は最悪……疑わしく思いながらも、ジョーカー隊は今度こそ陸上戦艦の破壊に挑む。
先の作戦で放棄された陸上戦艦を調査した結果、主砲だけなら爆撃機より高高度から投下される大型地中貫通爆弾で破壊できるとの見積もりを基に、B-1B爆撃機4機からなる爆撃部隊「ビッグフット」による陸上戦艦三番艦(のレールガン)の破壊を目的とした「ブロンコバスター作戦」にて、その露払いを担うジョーカー隊の前に飛来するは紛れもなく本物のレールガンの砲撃。
少なくともそこに実体として間違いなく三隻目が存在すると確信したジョーカー隊の面々が、さしあたり防空火器を黙らせるべくそこに攻撃を加えた結果、三番艦の船体はみるみる内に萎んで行く……
つまり三番艦は、バルーンダミーにレールガンの砲塔や対空砲を設置したデコイだったのである。
船体はダミーであっても主砲を含む武装は本物、各隊はダミー三番艦からの抵抗を受けつつも対空火器や迎撃機を撃破して行くが、陸上戦艦側もまたレールガンの制御を自動に切り替え猛反撃に出る。
その結果砲撃がビッグフット2に命中、撃墜されてしまう。
それでも残ったビッグフット1、3、4は決死の覚悟で爆撃コースを維持し続け、ジョーカー隊の奮闘もあってバンカーバスターの投下まで漕ぎ着けダミー三番艦の主砲の破壊に成功、ビッグフット2という犠牲こそ払ったものの作戦目的は達成した。
……かと思いきや、破壊されたのは上部装甲のみだったため一時的に沈黙こそしたものの、すぐに砲撃を再開、ジョーカー隊のトドメの攻撃を以て今度こそ完全に三番艦のレールガンは完全に破壊されたのだった。
なお、三番艦が居たのは内陸部ワイアポロ山脈の森の真っ只中だが、周囲一帯には陸上戦艦の特徴にして象徴でもある巨大な履帯痕が全く無い。
陸上戦艦の性質上、森の中に移動するには大量の木々を薙ぎ倒さねばならないはずだが、その痕跡も全く見られない。
以前の作戦では「駆逐艦クラスの履帯痕」が作戦現地周辺に残っていたことを理由にその存在を警戒したこともあったので、三番艦の衛星写真を撮影・入手したインテリジェンス部の勘がほんのもう少しだけ良ければダミーの可能性は容易く見抜けたのである。
ダミー風船そのものの出来やレールガンだけは本物だったのでそれ自体は仕方ないにしても、何故ここまで明確な不自然点に気付かずまんまと罠に引っ掛かってしまったのかは不明。
「完成を阻止した筈の三番艦が現にそこにある」という一点で早合点してしまったのか、「<翼>の戦果は捏造に決まっている」という先入観で深く考えてもいなかったのだろうか……いずれにせよインテリジェンス部というにはお粗末な顛末と言わざるを得ない。
シルバーストリング作戦
長らくストーンヘンジ跡地で停泊していた二番艦バリオスが動き出し、その目的が遂に明かされる。
ここしばらくのソトア軍の作戦はその全てがバリオスから目を逸らさせるための陽動であり、「偽の三番艦」に「トニトルスの槍の弾体補給ロケット打ち上げ」と、それらの陽動作戦にまんまと嵌まったエンデュランス組が大陸東部に視線が釘付けとなっていた間、バリオスはあろうことか軌道エレベーターに陣取っていた。
バリオス、延いてはソトア軍の真の目的は
衛星兵器「トニトルスの槍」の追加投入。
軌道エレベーターを用いてトニトルスの槍を順次衛星軌道に投入し、
無数の「槍」で地球全土を覆い尽くすことで「レインバンド」と言わず世界中余すところなく、いつでもどこにでも雷爆を行えるようにする終末兵器ネットワークの構築を目指していたのである。
そうなれば事態は最早FCUとソトアの戦争どころの話ではない。この計画の阻止失敗は
全世界がソトアの手に落ちることを意味する。
軍司令部はロケット打ち上げ阻止に向かったエンデュランスを呼び戻そうとするも時すでに遅く、残りの戦力でバリオスの撃破作戦が決行されるも結果は失敗、大きな損害が発生するのみとなった。
1月31日、軌道エレベーターに急行するエンデュランスは、陸上戦艦二番艦撃破およびトニトルスの槍追加投入阻止作戦、「シルバーストリング作戦」を決行する。
作戦目標は、まず第一に「槍」を搭載したクライマー(軌道エレベーターを昇降するゴンドラ)の破壊、第二に陸上戦艦二番艦の破壊。
陸上戦艦の破壊方法は前回と同じく、「爆撃機がバンカーバスターによって破孔を空け、航空機隊がトドメを刺す」。
成功すればソトア軍を大陸から一気に追い出せる、失敗すればFCUどころか世界がソトアに敗北する、正に乾坤一擲の作戦だった。
エンデュランスを発進した航空機隊はようやく軌道エレベーターが設置されているセラタプラ海上に到着するも今一歩遅く、トニトルスの槍2号機は既に軌道に投入されてしまっていた。
しかもジョーカー隊が軌道エレベーターを射程に捉えた時点でバリオスはクライマーに「槍」3号機を搭載して出発させており、レックスは真っ先にこれを攻撃、阻止限界高度到達前に破壊。
炎上しながら落下して行くクライマーに巻き込まれる前に動き出し、その墜落と爆発炎上に巻き込まれることだけは回避した陸上戦艦だったが、「槍」を格納・クライマーへの積み替えを行っていた陸上戦艦の後部ハッチは開いたままになっていた。
そのことに気が付いた隊員らとAWACSディーラーの指示で後部に集中攻撃を行い、キャニスター部を破壊することで陸上戦艦の「槍」の投入能力を喪失させることにまず成功する。
だが陸上戦艦もまた作戦目標を変更、周囲の陸上艦および水上艦と共に敵航空機の殲滅に切り替え、ジョーカー・クィーン隊に猛攻を加える。
彼らに遅れて前回も爆撃を担ったビッグフット隊も現場に到着、だが陸上戦艦もまた軌道エレベーターの根本から這い出て敵爆撃機を狙い始める。
何としてもビッグフットの爆弾投下を成功させるべく、破壊できないとは承知の上でジョーカー隊はレールガンに航空攻撃を撃ち込み続けることで照準を妨害、必死の攻防の末にバンカーバスター投下を成功させる。
12時の方向に主履帯半回転分前進後10時の方向に緩旋回
主履帯半回転分前進 12時方向!
それでは避けきれません!
艦橋はくれてやる!
しかし陸上戦艦もさるもので、艦長の咄嗟の判断により艦橋と引き換えにレールガンを守り切ることに成功、FCU航空機部隊への攻撃を続行する。
だがジョーカー隊もまた、バンカーバスターによって穿たれた破孔部に攻撃を集中、陸上戦艦に大ダメージを与えた。
しかしまだくたばってはいなかった。
バンカーバスターで冷却システムが損傷しレールガンの排熱が追い付かなくなっても尚、装甲を分割しその隙間からの強制排熱でレールガンを冷却、レールガンを含む全武装を再稼働させる。
船体の至る所から猛烈な蒸気を立ち昇らせながら攻撃を再開する陸上戦艦だったが、排気口は当然ながら装甲されていない。
そこが弱点と見抜いたディーラーがマークした排気口が航空機部隊の手で破壊されて行く度に陸上戦艦の内部温度は上昇、摂氏52度、98度、157度、203度……と艦内は灼熱地獄そのものと化して行き、無線にも陸上戦艦クルーの悲鳴や絶望的な叫びが響いて来る。
それでも艦長はバリオスの手綱を解放――FCSを自動射撃モードに変更し、乗員が熱で死に絶えて尚陸上戦艦は攻撃を自動で続行する。
これに前後し、以降はダメージ報告はおろか悲鳴すら絶え、後に残るのは艦長による勇猛な演説ばかりとなる。
状況的に、おそらく録音放送が自動でリピートされているだけと思われる。
やがて最後の排気口が破壊されたことでダメージは限界を迎え、陸上戦艦二番艦バリオスは大爆発を起こし機能を停止、今度こそ完全に葬られたのだった。
FCU制圧の要であった陸上戦艦を全て失ったことで、以降のソトア軍の戦略は大幅な転換を余儀なくされ、大陸中央部で取り残された部隊を置き去りに戦線は大きく東へ後退して行くこととなる。
バリオス艦長ティワーリー中将は、ザンザスのイスハーク艦長と同様に陸上戦艦の能力には絶対の信頼を置いていたが、
「あくまで前進・制圧」に拘っていたイスハーク艦長とは異なり細かな操艦指示でバンカーバスターのレールガン直撃を避ける、(全く無い訳ではないが)戦闘指揮とは関係ない発言が少ないなど、同じ兵器の艦長であっても雰囲気は全く異なる。
しかしそれでも弱点露出を承知で排気口を開き一か八かの攻撃に出るなど、恐ろしく勇猛という点は同様。
艦内が灼熱地獄と化し、また損傷が進んで行き乗員の退避が不可能となった頃にはそれを悔やみ、「自分のような者は約束の地に導かれることは無いかもしれない」と悔やむ一方、そのことを「何をおっしゃる」「最後までお供します」とばかりに励まされており、部下からは慕われていたようである。
残されていたもの
……が、陸上戦艦の出番はまだ完全には終わらなかった。
ソトア軍のFCU侵攻の橋頭堡にして、今やユージア大陸における最後の拠点となったロッキーアイランドの工廠にて建造中の陸上戦艦の同型艦が出現する。
この時はまだ建造中も建造中、ドックから全く身動きが取れない状態ながらレールガンだけは稼働状態にあり、当然破壊力も完成品と何ら遜色なく、まだ未完成状態ながら優勢であったFCU軍に牙を剥く。
だが未完成故、あの頑丈さはそれには無く、ジョーカー隊の面々の通常の航空攻撃によって即座に潰されることとなる。
二日に渡って続いたロッキーアイランド制圧作戦がFCU軍の勝利で終わったことで、いよいよ陸上戦艦はユージア大陸から消え去ることとなった。
……筈だったのだが、まだまだ出番は終わっていなかった。
M28にて突如出現し、そして突如どこかへと去って行った、ソトア空軍総監となったカミール・テュイの乗る新型戦闘機X-40。
その行方がシーヴであることが判明し、追跡に向かったジョーカー隊の面々が見たのは、横転したまま放置されていた陸上戦艦の船底部分に誘導レーザーを照射したまま旋回しているX-40の姿だった。
ソトア軍に技術と兵器を提供していたエンソー・オーダーであったが、テュイにとってすればエンソーは味方でも仲間でもなかった。
そればかりか戦争をビジネスに利用し、ソトア軍やその将兵をも金稼ぎの道具として使い潰したエンソーはテュイにとって怨敵に等しかった。
そんなエンソーが全世界の拠点を「雷爆」で消し去り、此度の戦争にエンソーが関わっていた証拠の隠滅をし始めた今、シーヴの側にあるエンソー特区はその最後の一つとなっていた。
テュイはここに転がっていた陸上戦艦の原子炉に雷爆を誘導、周囲一帯を放射能汚染させることで立ち入り不可能とし、エンソーがこの戦争の裏で何をしていたかの証拠を残そうとしていたのである。
「FCU軍にとってもエンソーは敵の筈」、そう語り理解を求めるテュイだったが、シーヴの目と鼻の先であるここでそのようなことをされればシーヴまで汚染され、多大な苦労と犠牲の末にようやく奪還したシーヴまでも人の住めない土地となってしまう。
断じてそのような事をさせる訳には行かないジョーカー隊と、あくまでこの方法でエンソーへの復讐を果たそうとするテュイは激突、死闘の末に軍配はジョーカー隊に上がる。
その後雷爆は照準を逸れエンソー特別区の方に着弾、エンソーの証拠隠滅を手伝ってしまう形にはなったとはいえ陸上戦艦を最悪の形で破壊させることだけは回避し、今度こそ陸上戦艦はこの戦争から退場することとなった。
余談
設定資料によると、今まで数々の超兵器を送り出して来たエースコンバットにあって、ありそうで無かった「巨大地上艦船」の登場経緯について語られている。
デザインのモデルは米海軍のインディペンデンス級沿海域戦闘艦。
実物の写真と見比べてみれば一目瞭然、インディペンデンス級を前後に引き延ばして巨大な三連装砲を乗せた姿をイメージするとほぼ陸上戦艦そのものとなる。
陸上戦艦がトリマラン式なのもこれが基となっている。また隙間を潜りたがるプレイヤーの期待に沿えるよう大き目にしたそうな。
また、劇中で描かれた陸上戦艦一番艦撃破作戦の一連の流れは
怪獣映画そのもの。
どことなくシン・ゴジラを彷彿とさせる部分もあるが、設定資料の対談によると、陸上戦艦の恐怖感の根底は「海にあるものは海から出て来ないという安心感と、それが覆される恐怖」とのことで、巨大陸戦兵器でありながら「巨大戦車」ではなく「陸上戦艦」としたのもそれをストーリーに組み込む意味があったそう。
また実際に
ゴジラを意識した部分は少なからずある模様。
なお設定資料にはスタッフの菅野氏と、様々な作品にて兵器解説としてコメントを寄せている軍事評論家の岡部いさく氏の対談が載っているが、いさく氏曰く「以前なら荒唐無稽と笑い飛ばすところだったが、トランプ級戦艦なんてものの情報が飛び込んで来た今となっては、実現性はともかくあり得ないと言い切れなくなってしまったのかもしれない(要約)」とのこと。
因みに、エスコンが多大な影響を受けている『
エリア88』には履帯で砂漠を走り回る
地上空母が登場するが、これに関して資料集では特に触れられていないため偶然の一致と思われる。
上にもある通り船体デザインの直接のモデルはインディペンデンス級だが、艦橋の形状は海上自衛隊のもがみ型護衛艦と酷似していることから、一部のプレイヤーからはデスモガミの通称でも呼ばれている。
また「ロケット噴射で船体を持ち上げることができる」という性質はイギリス軍が研究していたジャンピングタンクそのものであり、その方向でネタにされることも。
陸上戦艦のテーマ曲は「The 1st Land Battleship」及び「The 2nd Land Battleship」。
金管の低音ロングトーンから始まり、ゲーム内では毎回その直後にレールガンの砲撃が開始されることからブザーかアラートを彷彿とさせる。
ストーンヘンジやシンファクシなど、歴代の超兵器のテーマ曲と同じくプレイヤーに嫌でも「ヤバいものが迫っている」「それと相対している」ことを想起させる名曲。
「三番艦」だけはミッションの毛色が異なる故か、テーマ曲「The 3rd Land Battleship」は他とは全く異なる雰囲気の曲となっている(「ブザー音」のパートなど、同じメロディーラインが用いられている部分はある)。
《全消しさせるな!》
《どんな良項目も秀逸な項目も! 放置して荒らされればクソ項目化するのだ!》
《手を止めるな 追記修正が完了するまでは!》
《轍に続くwiki籠りのために進め!》
- 本家で他人に多大な迷惑かけてる裏で自分はしれっと新規項目立ててるのほんとに草 -- 名無しさん (2026-11-02 22:34:03)
- これ見てコナミが出してたAFDBWKにモドラット艦隊出てたの思い出したはw絶滅したターパンにアキレスの軍馬って名前のセンス良いな -- 名無しさん (2026-11-02 23:12:40)
- 防御面で「電磁バリアを展開してるので機銃弾は接触前に蒸発するからノーダメです」とか本当に頭おかしい -- 名無しさん (2026-11-02 23:27:38)
- あまりにも陸上戦艦のインパクトが強すぎるせいで陸上駆逐艦と陸上イージス艦の存在がサラッと流されてるという -- 名無しさん (2026-11-02 23:37:32)
- 特に資料とかで関連は見られないとはいえ、やっぱり陸上を戦艦ガブイブイ言わせて走るってのはエリア88の地上戦艦が元ネタの一つなんだろうなぁとは思うの -- 名無しさん (2026-11-02 23:42:02)
最終更新:2026年11月02日 23:42