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野球の指標

登録日:2026/11/01 Sun 11:07:25
更新日:2026/11/02 Mon 08:59:22NEW!
所要時間:約 50 分で読めます




野球の指標とは、野球における選手やチームの成績、プレーの特徴、得点や勝利への貢献などを数値で表したもの。

おなじみの打率・本塁打・防御率から、OPS・wRC+・WARまで、その種類は多い。
ただし、実際に起きた出来事を数えたもの、出場機会当たりの成績を表したもの、一定の仮定に基づいて貢献度を推定したものでは意味が異なる。

本項目では、基本的な記録も含めて「何を表すのか」「何に使えるのか」を紹介する。
基本はNPBでの利用を念頭に置き、MLBで用いられる指標も併せて扱う。

各指標の計算式・実例・詳しい注意点は、説明の下にある「計算式・詳しい解説」から開くことができる。


読む前の基本事項


「多さ」と「割合」は別物

本塁打数や安打数のように積み上げる記録と、打率や出塁率のように一定の機会に対する割合を表す指標は、役割が異なる。


「成績」と「能力」も同じではない

成績には実力だけでなく、対戦相手、球場、味方の守備、起用法、偶然なども影響する。
優れた成績を残したことと、その成績を今後も再現できることは別の話である。


ただしこれは実際に選手の野球能力を測る場合の話であり、例えばパワプロシリーズの制作現場では明確に「成績」をもとに「能力」を決定しているとのこと。
いわゆる青特殊能力の増加に伴い、最近は指標類はどうしても特殊能力による再現優先になってしまって*2あまり基礎能力を盛れなくなってきているんだとか。

年度・リーグ・算出元をそろえる

同じ数値でも、年度やリーグの得点環境によって評価は変わる。
また、同名の指標でも算出元によって定義や補正方法に差がある。


略号と数値表記

計算式では英語の略号を使用する。
特に、打席と打数、投球回の小数に見える表記には注意が必要。


攻撃


打席(PA:Plate Appearances)・打数(AB:At Bats)

打席は打撃機会の総数。
打数は、そのうち四死球・犠打・犠飛・打撃妨害などを除いた数で、打率の分母に使われる。

先述した規定打席はこの打席がいくつ記録されたかで判定される。
NPB・MLBは「所属するリーグの試合総数の3.1倍を小数点以下四捨五入した数」となっている。


安打(H:Hits)

安打と記録された打球の総数。
どれだけ安打を積み上げたかを示す、最も基本的な記録の一つ。


打率(AVG/BA:Batting Average)

打数のうち、どれだけ安打を打ったかを示す。
安打を打つ結果を端的に表す一方、四球による出塁や安打の種類は評価しない。



本塁打(HR:Home Runs)

本塁打と記録された本数。
走者を含めて確実に得点できる強力な打撃結果であり、長打力を見る最も分かりやすい記録の一つ。



本塁打率(AB/HR・HR%)

本塁打を打つ頻度を示す。
「何打数に1本打つか」と「打席の何%で打つか」の2種類があり、数字の良い方向が逆になる。



二塁打(2B:Doubles)・三塁打(3B:Triples)・長打(XBH:Extra-Base Hits)

二塁打以上の安打をまとめたものが長打。
本塁打だけでは見えない長打生産を確認できる。


塁打(TB:Total Bases)

安打で得た塁の数を合計したもの。
安打の種類による違いを反映し、長打率の計算に使われる。


長打率(SLG:Slugging Percentage)

1打数当たりに、安打で何塁を得たかを表す。
名前に反して「安打のうち長打が占める割合」ではなく、単打でも上昇する。



打点(RBI:Runs Batted In)

打撃によって生じた得点のうち、記録規則上その打者に認められた数。
実際に走者をかえした実績を示す。



得点(R:Runs Scored)

自身が本塁に生還して記録された得点の数。
出塁力、長打力、走塁だけでなく、後続打者の打撃にも左右される。


四球(BB:Bases on Balls)・死球(HBP:Hit By Pitch)

それぞれ四球・死球による出塁の数。
安打を打たずに出塁することも、攻撃への重要な貢献となる。


出塁率(OBP:On-Base Percentage)

安打・四球・死球で出塁した割合を示す。
打率では評価されない四死球による出塁も含め、どれだけ塁に出たかを確認できる。



OPS(On-base Plus Slugging)

出塁率と長打率を組み合わせた打撃指標。
出塁と長打の両方を簡単に確認でき、基本成績から手軽に算出できる。



純長打率(ISO/IsoP:Isolated Power)

安打のうち、単打を超えて得た塁の分を取り出した指標。
単打で長打率を稼いでいる打者と、長打で稼いでいる打者を区別しやすい。



IsoD(Isolated Discipline)

出塁率と打率の差。
四死球によって出塁率をどれだけ上積みしているかを見る簡易的な目安になる。



四球率(BB%:Walk Rate)

打席のうち四球を得た割合。
打席数の違う打者でも、四球を選ぶ頻度を比較しやすい。



三振率(K%:Strikeout Rate)

打席のうち三振した割合。
打者のコンタクト面を見る入り口になる。



四球三振比(BB/K:Walk-to-Strikeout Ratio)

三振に対してどれだけ四球を得ているかを表す。
四球と三振のバランスから打撃の傾向を見る補助になる。



得点圏打率(AVG with RISP)

走者が二塁または三塁にいる場面での打率。
その期間の好機で、どれだけ安打を打ったかを示す。


犠打(SH:Sacrifice Hits/Sacrifice Bunts)・犠飛(SF:Sacrifice Flies)

それぞれ犠牲バント、犠牲フライと記録された回数。
チームの戦術や選手の起用を知る手掛かりになる。


併殺打(GDP/GIDP:Grounded Into Double Play)

ゴロによる併殺打と記録された数。
一度に複数のアウトを失うため、攻撃上の損失が大きい。


援護率(Run Support per Nine Innings)

特定の投手が9イニング投げたとした際に、味方チームが何点得点できるかを換算したもの。
攻撃指標としては珍しい投手の指標。防御率の攻守逆バージョンと言える。



BABIP(Batting Average on Balls In Play)

本塁打を除いた打球が、どれだけ安打になったかを示す。
三振と本塁打を分け、それ以外の打球の結果を調べる指標。



wOBA(Weighted On-Base Average)

打撃結果を、それぞれの得点価値に応じて重み付けした指標。
単打・四球・本塁打などの価値の違いを反映し、打撃全体を評価する。



wRAA(Weighted Runs Above Average)

同じ打席数を平均的な打者が打った場合と比べて、打撃で何点分多く、または少なく貢献したかを示す。
平均が0となる、積み上げ型の指標。



wRC(Weighted Runs Created)

打撃によって生み出したと推定される得点の総量。
wRAAが「平均との差」なのに対し、wRCは平均的な打者が生み出す分も含む。



wRC+(Weighted Runs Created Plus)

球場やリーグの得点環境を考慮し、打撃による得点生産の効率を比較する指標。
リーグ平均が100で、高いほど優れた打撃成績を表す。



OPS+(Adjusted On-base Plus Slugging)

出塁率と長打率をリーグ・球場環境に合わせて評価し、平均を100としたもの。
通常のOPSより、時代や球場の違いを考慮しやすい。



RC(Runs Created)

打撃成績から得点生産を推定する指標。
出塁と進塁を組み合わせ、四球や単打も得点生産の一部として評価する。


XR(Extrapolated Runs)

打撃・走塁の各結果に係数を掛け、得点生産を推定する指標。
過去の分析記事や成績サイトで目にすることがある。


RC27・XR27

RC・XRを27アウト当たりに換算したもの。
アウトの消費に対し、どれだけ得点を生み出したかを比較する。


スイング率(Swing%)・ボール球スイング率(O-Swing%)

どの程度積極的に振るか、ボール球を追っているかを示す。
打者のアプローチや、その変化を調べる材料になる。


コンタクト率(Contact%)

振ったときに、どれだけバットに当てたかを示す。
ミート面の特徴や変化を調べるのに使える。


空振り率(SwStr%・Whiff%)

投球、またはスイングのうち空振りした割合。
打者の空振りの多さと、投手が空振りを奪う力の両方に使われる。


打球速度(EV:Exit Velocity)

バットに当たった直後の打球の速さ。
強い打球を打てているかを見る物理的なデータ。


打球角度(LA:Launch Angle)・Sweet-Spot%

LAは打球が飛び出す上下方向の角度。
Sweet-Spot%は、一定の角度帯に入った打球の割合を示す。


ハードヒット率(Hard-Hit%)

一定以上の速さで打った打球の割合。
安打になったかどうかとは別に、強い打球を生み出しているかを確認できる。


バレル率(Barrel%)

打球速度と角度の組み合わせが優れた「バレル」の割合。
単に速いだけでなく、長打につながりやすい角度も満たす打球を捉える。


期待打率(xBA:Expected Batting Average)

打球速度・角度などから推定した安打のなりやすさを、打率の形にしたもの。
実際の安打数とは別に、打球内容を評価できる。


期待長打率(xSLG:Expected Slugging Percentage)

打球ごとの期待塁打を合計し、長打率の形にしたもの。
長打になりやすい打球をどれだけ打っていたかを見る。


期待wOBA(xwOBA:Expected Weighted On-Base Average)

打球の期待結果に、実際の三振・四死球を組み合わせて打撃を評価する指標。
打球内容と実際の結果のずれを調べられる。


盗塁(SB:Stolen Bases)・盗塁死(CS:Caught Stealing)

盗塁成功と盗塁失敗の記録。
走塁評価では、成功数だけでなく失敗数も重要になる。


盗塁成功率(SB%:Stolen Base Percentage)

盗塁を試みたうち、成功した割合。
成功数と失敗数を組み合わせ、盗塁の効率を確認できる。



盗塁による得点貢献(wSB:Weighted Stolen Base Runs)

盗塁と盗塁死を得点換算し、平均との違いを見る指標。
成功率だけでは分からない試行数も反映できる。


走塁貢献(UBR:Ultimate Base Running)

盗塁以外の進塁や走塁死などを得点換算した指標。
単打で一塁から三塁へ進むといった、打球への判断を含む走塁を評価する。


総合走塁指標(BsR:Base Running)

走塁の価値を得点単位でまとめたもの。
盗塁だけでなく、その他の進塁や走塁死なども含めた貢献を見る。



スプリントスピード(Sprint Speed)

Statcastで用いられる走速度の指標。
走塁の結果とは別に、純粋な脚の速さを見るのに向く。


守備


ここでは、失点を防ぐ側の働きとして投球と野手守備を扱う。
投手の成績と野手の守備成績は相互に影響するため、両者を完全に切り離せるわけではない。

登板(G)・先発(GS:Games Started)

登板は投手として出場した試合数、先発は最初の投手として登板した試合数。
起用法と稼働量を見る基本記録。


投球回(IP:Innings Pitched)

どれだけのアウトを積み上げたかを示す。
投手の成績の良さだけでなく、投げた量を確認するための基本記録。

規定投球回は規定打席と違いルールブックで明確に定義されており(9.22(b)項)、1軍選手の場合は所属球団の総試合数と同値。
なのでNPB黎明期には30~40イニング投げていれば規定到達と今の目で見るとかなりハードルが低い線引きだった*6。


完投(CG:Complete Games)・完封(SHO:Shutouts)

完投は先発投手が交代せずに試合を投げ終えた記録。
個人の完封は、原則として一人で投げ切り、相手に得点を与えなかった記録。


勝利(W:Wins)・敗戦(L:Losses)・勝率(W%)

記録規則によって特定の投手に付与される勝敗と、その割合。
実際に勝利投手になった実績を示す一方、援護点や救援投手にも左右される。


失点(R:Runs Allowed)・自責点(ER:Earned Runs)

失点は、その投手の責任として記録された得点の数。
自責点は、失策や捕逸などの影響を記録規則に従って除いたもの。


防御率(ERA:Earned Run Average)

9イニング当たりの自責点。
小さいほど、自責点を少なく抑えた成績となる、投手評価の代表的な指標。



失点率(RA9:Runs Allowed per 9 Innings)

9イニング当たりの失点。
自責点だけでなく、すべての失点を対象にして実際の失点の少なさを見る。


WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)

1イニング当たりに、安打と四球で何人の走者を出したか。
走者を出す頻度を見るための指標。



被打率(BAA:Batting Average Against)

対戦打者にどれだけ安打を許したか。
打者の打率を、投手が許した結果として見る指標。


奪三振(SO/K:Strikeouts)・奪三振率(K/9)

奪三振数は三振を取った総数、K/9は9イニング当たりの頻度。
打球処理に頼らずアウトを奪う働きを見る。



与四球率(BB/9)・被本塁打率(HR/9)

それぞれ9イニング当たりの四球、本塁打。
基本的に低い方が、その結果を少なく抑えている。



奪三振割合(K%)・与四球割合(BB%)

対戦した打者のうち、どれだけを三振に取り、どれだけに四球を与えたか。
投球回ではなく対戦打者数を基準にする。


奪三振与四球比(K/BB)

三振を取ることと、四球を抑えることを一つにまとめた比率。
投手の基礎的な投球内容を見る材料になる。



K-BB%(Strikeout Rate minus Walk Rate)

三振割合から四球割合を引いたもの。
三振が多く四球が少ないほど大きくなり、投球内容を比較しやすい。



クオリティ・スタート(QS:Quality Start)・QS率

先発投手が一定の回数を投げ、試合を大きく崩さなかったかを見る目安。
6イニング以上・自責点3以下でQSとなる。



セーブ(SV/S:Saves)

勝利した試合を最後に締めた救援投手が、所定の条件を満たした場合に得る記録。
抑えとして勝利を完結させた実績を示す。


ホールド(HLD/H:Holds)・ホールドポイント(HP)

ホールドは、救援投手がリードや同点を維持して後続につなぐなど、所定の条件を満たした場合の記録。
中継ぎ投手としての実績を表す。


継承走者(IR:Inherited Runners)・継承走者生還率(IRS%)

前の投手が残した走者を、救援投手がどれだけかえさずに済ませたかを見る記録。
救援投手の防御率だけでは見えにくい部分を補える。


残塁率(LOB%:Left On Base Percentage)

出した走者をどれだけ得点させずに済ませたかを見る指標。
防御率の変動を調べる材料になる。


投手BABIP

本塁打以外の打球が、どれだけ安打になったか。
味方の守備、打球内容、偶然などによる影響を調べる材料になる。


ゴロ率(GB%)・ライナー率(LD%)・フライ率(FB%)

打たせた打球の種類を表す。
ゴロを多く打たせる投手、フライを多く打たせる投手など、投球の性質を把握できる。


内野フライ率(IFFB%)・フライ本塁打率(HR/FB)

IFFB%は内野フライの発生、HR/FBはフライが本塁打になった頻度を見る指標。
いずれも打球の結果を詳しく調べるために使う。


FIP(Fielding Independent Pitching)

本塁打、四死球、三振を中心に投球を評価する指標。
打球が野手の正面に飛んだかどうかに左右されにくい結果を使い、防御率とは違う角度から投球を見る。



xFIP(Expected Fielding Independent Pitching)

FIPの被本塁打数を、フライ数と平均的な本塁打発生率から見積もった数に置き換えたもの。
被本塁打の一時的な増減に左右されにくい評価を試みる。



tRA(True Runs Average)

三振・四死球・本塁打に加え、ゴロ、ライナー、フライなどの打球分類も使う投球指標。
FIPより打球の種類を細かく扱い、守備から独立した評価を試みる。


SIERA(Skill-Interactive Earned Run Average)

三振、四球、ゴロなどの割合と、それらの組み合わせを使って防御率を推定する指標。
投球内容の相互作用までモデルに取り込む。


期待防御率(xERA:Expected Earned Run Average)

三振・四死球に加え、許した打球の速度や角度などから投球を評価する。
打球の計測値を取り入れ、防御率に対応する形で表示する指標。


ERA-・FIP-・xFIP-

防御率やFIPなどを、球場・リーグ環境に合わせて比較する指標。
リーグ平均が100で、低いほど良い。



ERA+(Adjusted Earned Run Average)

防御率をリーグ・球場環境に合わせて評価した指標。
ERA-と異なり、平均が100で、高いほど良い。



球速(Velocity)・回転数(Spin Rate)

球速は投球の速さ、回転数はボールの回転の多さ。
投球結果だけでは分からない球質を調べる材料になる。


変化量(Movement)・エクステンション(Extension)

変化量は投球が縦横にどれだけ動いたか、エクステンションはマウンドからどれだけ打者寄りで球を放したかを表す。
投球の特徴やフォーム変更の影響を確認できる。


刺殺(PO:Putouts)・補殺(A:Assists)・失策(E:Errors)

アウトの完成、その成立への関与、守備上のミスを記録した基本成績。
守備位置によって記録されやすいプレーが異なる。


守備機会(TC:Total Chances)

刺殺・補殺・失策を合計したもの。
守備率の分母に使われる。


守備率(FPCT/FLD%:Fielding Percentage)

記録された守備機会のうち、失策にならなかった割合。
同じ守備位置で、処理の確実性を確認する基本指標。



レンジファクター(RF:Range Factor)

一定の出場量に対し、どれだけ刺殺・補殺を記録したか。
失策の少なさだけでなく、アウトへの関与を評価しようとする指標。


守備効率(DER:Defensive Efficiency Ratio)

チームが、本塁打などを除く打球をどれだけアウトに変えたかを見る。
野手全体の守備結果を調べる指標。


UZR(Ultimate Zone Rating)

同じ守備位置の平均的な野手と比べ、どれだけ失点を防いだかを得点単位で推定する。
守備範囲だけでなく、失策や送球なども評価する。



UZR1000・UZR/150

UZRを一定の出場量に換算したもの。
出場量の違う選手の守備成績を、条件をそろえて比較するために使う。



DRS(Defensive Runs Saved)

平均と比べて何点分の失点を防いだかを推定する守備指標。
UZRとはデータ処理や構成が異なり、捕手などの評価も含む。



OAA(Outs Above Average)

Statcastの計測データを用い、平均より何個多くアウトを取ったかを推定する。
プレーの難しさを考慮した、守備範囲を中心とする指標。



守備得点価値(FRV:Fielding Run Value)

Statcastの各種守備評価を、得点という共通の尺度にまとめたもの。
守備全体でどれだけ失点を防いだかを評価する。


盗塁阻止率(CS%:Caught Stealing Percentage)

捕手が盗塁をどれだけ阻止したかを示す。
捕手の送球を評価する基本的な記録だが、投手や走者の影響も受ける。


ポップタイム(Pop Time)

捕手が投球を受けてから、送球が対象塁に届くまでの時間。
捕球後の持ち替え、足運び、送球速度などが関係する。


フレーミング得点(Framing Runs)

際どい投球を受ける技術が、判定を通じてどれだけ失点抑止につながったかを推定する。
捕手の捕球技術を得点単位で評価する指標。


ブロッキング(Blocks Above Average)

捕手が、難しい投球をどれだけ後ろに逸らさず止めたかを評価する。
単純な捕逸数と違い、受けた投球の難しさを考慮する。


捕手防御率(CERA:Catcher Earned Run Average)

その捕手が出場している間に、投手陣がどの程度の防御率だったかを見る成績。
捕手ごとの結果を比較できるが、配球能力を独立して測るものではない。


総合評価・試合状況に関する指標


WAR(Wins Above Replacement)

代替可能な水準の選手と比べて、何勝分の貢献を上積みしたかを推定する。
打撃・走塁・守備や出場量をまとめ、異なる役割の選手を比較するための総合指標。



平均比貢献(RAA:Runs Above Average)・平均比勝利貢献(WAA:Wins Above Average)

平均的な選手に対して、何点分・何勝分上積みしたかを表す。
WARとは比較の基準が異なる。


勝利確率増分(WPA:Win Probability Added)

プレーによってチームの勝利確率をどれだけ動かしたかを表す。
何をしたかだけでなく、「いつ結果を出したか」を評価する。



レバレッジ・インデックス(LI:Leverage Index)

試合の重要局面かどうかを表す。
平均が1で、高いほど一つの結果が勝敗を大きく動かしやすい。


得点期待値増分(RE24:Run Expectancy based on 24 Base-Out States)

走者を進めたこと、アウトを増やしたこと、実際に得点したことを、得点期待値の変化で評価する。
塁・アウト状況を踏まえてプレーの価値を見る指標。


パークファクター(PF:Park Factor)

球場が得点や本塁打などの発生に与える影響を表す。
異なる本拠地の選手を比較する際の補正に使われる。



ネタ指標


野球の指標には、選手の発言やインターネット上での議論、あるいは思いもよらない出来事をきっかけに生まれた非公式の指標も存在する。

これらは主になんJ系譜の掲示板を中心に野球ファンの間でネタとして扱われるものであり、統計学的な妥当性が検証された指標とは限らない。また、名前の由来となった人物が実際に計算式を提唱したとは限らない。

もっとも、中にはネタとして生まれたにもかかわらず、意外と理にかなっている指標も存在する。

アダム・ダン率

本塁打・四球・三振という、打球がインプレーにならずに打席が完結する3種類の結果に注目した指標。


赤星式盗塁

盗塁成功数から盗塁死の2倍を差し引く指標。
単純な盗塁数だけでなく、失敗による損失も考慮する。


赤星式盗塁阻止

赤星式盗塁を捕手側に応用した派生指標。
盗塁を阻止した成果と、許した盗塁数を組み合わせる。


片岡式本塁打

本塁打数と盗塁数を足し合わせた指標。
盗塁1個を本塁打1本と同じ価値として扱う、非常に大胆な計算方法が特徴。


小松式ドネーション(KD)

投球回によって獲得したアウト数と、勝利・ホールド・セーブを組み合わせた投手向けの指標。

元々は「寄付金額を計算する」ためのものだったが、意外にも投手の貢献度をうまく表しているとして話題になった。


里崎指数

盗塁を阻止した割合ではなく、相手走者にどれほど盗塁を仕掛けられにくいかを評価する指標。


江川式本塁打

片岡式本塁打に犠打まで加えた派生指標。


ウィーランド式防御率

投手自身が打点を挙げれば、その分だけ自責点を相殺できると考えるネタ指標。


名将ポイント

得失点の割にどれほど効率よく勝利を挙げたかによって、監督の手腕を評価しようとする指標。


レジェンドポイント

選手がどれほど「レジェンド級」であるかを数値化した、謎の指標。通称「レジェポ」。


指標の使い分け


何を知りたいかで選ぶ

同じ選手でも、問いが違えば適切な指標は変わる。
「今年どれだけ貢献したか」と「来年どれだけ活躍しそうか」では、必要な分析も同じではない。


指標は選手を理解するためのもの

指標は、選手の能力や実際の貢献を、印象だけに頼らず客観的に評価するための道具である。

ただし、数値には対象範囲と限界があり、記録された成績と本来の能力が完全に一致するわけではない。
低い数値が出たときも、まず確認すべきなのは、何を測った数字なのか、どれだけの出場機会に基づくのか、どのような条件で残された成績なのかである。

指標は選手を貶めるための道具ではない。
プレーの長所や課題を説明することと、選手への侮辱や人格否定は別物であり、数字がその根拠を与えることはない。


追記・修整は指標をレスバの道具として使わない方にお願いします。

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最終更新:2026年11月02日 08:59

*1 ただし、リリーフ投手が事実上前提となるタイトルに関しては「リリーフ専業投手は満たせない」という理由でほとんどのリーグで規定投球回関係なしにカウントとなる

*2 そうしないといわゆるオートペナントで不自然に高い成績を残してしまうとのこと。

*3 レギュラーシーズン125試合、交流戦18試合

*4 .997。

*5 同年の打率は.302

*6 試合自体が困難だったのを無視すれば、戦時中には規定投球回が11のこともあった(1944年シーズン)

*7 ただし話の流れや作品作風を考えると、厳密には「前のランナーを帰してしまった場合もアウト」とも考えられる

*8 例としてフォーシームは2400~2500rpmあたりがNPB1軍の平均値で、2700rpm前後の藤川球児が「火の玉ストレート」、3200rpmの山本昌に至っては「上に曲がる(ように見える)」と他球団から恐れられた。

*9 表の後半の通り1980年代半ば頃まで投手分業がなされていなかったので4桁が出ていた。

*10 浅尾は2009年からこの年まで3年連続で800KD越え。

*11 ただ「試合を作れなくてもより多く投げられる投手」も評価されやすく、そういった観点からはチームに貢献できていないということもできる。