孝行糖(古典落語)

登録日:2012/09/15(土) 05:11:31
更新日:2024/07/14 Sun 23:44:04
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孝行糖とは古典落語の演目の一つ。


あらすじ
与太郎は頭が非常に弱いが、親を大切にする孝行者だと評判であった。
ある時それがお奉行様の耳に入り、大変な親孝行者だということで与太郎に青ざし五貫文が下げ渡された。
大家をはじめ、長屋の連中は大変喜んだがこのまま与太郎にこの金を渡すときっと全部使うに決まっているから、何か与太郎に商売をさせようということになった。

大家「まずウチさぁ…五貫文、あるんだけど…(与太郎に商売)させてかない?」

何の商売をさせるかという相談をしているとある男が、昔役者の嵐璃寛(あらしりかん)と中村芝翫(なかむらしげん)が芝居をした顔合わせが評判を呼んだ時に、
璃寛糖と芝翫糖という飴を売り出して儲かった人がいるから、それに習い与太郎に飴を売らせるのはどうかと持ち出した。

長屋の連中も「あー、いいっすねー」と、全員が賛成し、どうせなら飴屋の名前も親孝行で頂いた金でやる飴屋だから「孝行糖」はどうだと名前も決まった。

その後飴売りの口上(物を売る時に言う言葉)も考え、鉦や太鼓の鳴り物、派手な衣装など飴売りに必要な道具を全て買ってやった。


与太郎は口上を覚えると、雨の日も雪の日も飴を売りにでるようになった。
与太郎の陽気な口上と、『この飴を子供に食べさせれば子供が親孝行になる』という評判のおかげで、飴は毎日飛ぶように売れるようになった。

ある時、与太郎が商売をしていると、水戸様の御門前(今の小石川後楽園前)を通りかかった。

こ↑こ↓はとても静かなところで、もしここで商売なぞしていたら打ち首になってもおかしくないというような非常に厳しいところであった。


ところが与太郎はそんなことは全く知らないのでいつものように口上を述べ、鉦や太鼓を鳴らしながら飴売りを始めてしまう。
与太郎「”♪チャンチキチ スケテンテン「♪孝行糖、孝行糖~。孝行糖の本来はうるの小米に寒晒し、かや~にぎんな、にきにちょうじ」
チャンチキチ スケテンテン♪”「昔々唐黍の、二十四孝のその中で、老莱子(ろうらいし)といえる人、親に孝行しようとて、作り出したる孝行糖、
食べてみな、コレ、美味しいよ、また売れたったら、嬉しいね♪」
前述の通り水戸様の御門前は商売にとても厳しく、そこの門番は与太郎に商売をやめて何処かにいけと注意した。
ところが与太郎はそんなことは意にも介さず、あげく門番の小言を囃しの合いの手にする始末。

さすがに門番も激怒し、


門番「ふざけんじゃねぇ、誰が大声出していいっつったおいオラァ!!」

と与太郎をもっていた六尺棒でめった打ちにし始めた。
この門番が六尺サポーターの可能性が微レ存?


与太郎「誰か助けて!!」





と、そこに与太郎を知る人が通りかかり、門番に訳(孝行者ということ、お奉行様から五貫文を頂いて商売をしていること)を話して、
なんとか許しを得て与太郎を助け出した。



そこから離れてどこをぶたれたか与太郎に聞くと、与太郎は泣きながら頭とケツをさして


「こ~こ~とー、こ~こ~とー」(泣)



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最終更新:2024年07月14日 23:44