登録日：2011/06/04 Sat 12:28:56
更新日：2023/12/27 Wed 20:09:51
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平成ゴジラVSシリーズとは1984年の『
ゴジラ』から1995年の『ゴジラVSデストロイア』までを指すが、当時の月刊コロコロコミックでは『ゴジラVSキングギドラ』から『ゴジラVSデストロイア』まで坂井孝行氏によるコミカライズが掲載されていた。
この坂井版ゴジラ最大の特徴はストーリーや設定の大胆なアレンジ……というか殆ど
別物になっている点。
そして『
ゴジラVSビオランテ』への
過剰なまでのリスペクトだろう。
かなり話が変わっているものの、どの作品も出来は良く、「こんな映画も見たかった」と考えるファンも多数存在している。
現在単行本は全巻絶版になっているが、2016年には新作映画『
シン・ゴジラ』公開に合わせて『VSキングギドラ』と『VSモスラ』がコンビニコミックとして復刻された。
残念ながら『VSメカゴジラ』以降のコンビニコミック化は叶わなかったが、Amazonや古本屋で探せば当時の単行本が手に入るかもしれない。もし読む機会を得たならば、一度読んでみてはいかがだろうか。
なお、坂井孝行氏は後の平成モスラ三部作のコミカライズも担当されており、やはり評価は高いが、こちらは残念ながら現在まで単行本されていない。
ただし、2010年代に坂井氏の同人誌という形で『モスラ』と『モスラ2』の書籍化が実現。まんだらけでも一時期通信販売が委託されていた（現在は売り切れ）。
★原作映画との相違点
【シリーズ全般共通】
- 平成ゴジラVSシリーズにて『VSビオランテ』以降の全作品に登場したキーパーソン・三枝未希が一切登場しない。
彼女にまつわる話は大体カットされてしまっている。
- その代わりに各作品を繋ぐキャラクターとして『VSビオランテ』の黒木翔特佐が全作品に登場。
『VSデストロイア』では本来の主役を差し置いて主役になった。
- 司令官や政治家等、国家機関に関わる立場のキャラクターは一部を除いて殆ど登場しない。
- 一番原作映画との違いが少ない作品。しかし新堂会長を始めとする映画版の主要キャラが登場しない、海に沈んでいくゴジラが最後まで熱線をエミー・カノーの脱出用小型タイムマシンに浴びせようとする等、後の暴走の片鱗はあった。
- 本作の黒木特佐は序盤のみ登場のチョイ役。
- 登場人物が全くの別人になった。
- まず拓也と雅子が子持ちの元夫婦から若い元カップルに変更。友兼会長も若く描かれており、映画とは全く印象が違う。
- 雅子には映画版における安藤や拓也の負の面の要素も入り、仕事一筋バリバリのキャリアウーマンという設定。
- 友兼は悪党化。コスモスとモスラを利用してとんでもない事をしでかす上に……。
- 『家族愛』がテーマの一つだった映画版とは違い、カップルが縒りを戻す愛の再生物語。
- 本作の黒木特佐は『VSビオランテ』のM6000TCシステムで幼虫モスラに挑む。
- 今作の最大の違いは「メカキングギドラの亡霊」の存在だろう。これはメカゴジラを造る時に一部流用されたメカキングギドラのパーツの中のブラックボックスにより、メカゴジラが時折制御不能になるというもの。これにより、終盤恐るべき事態が発生する。
- ガルーダの活躍するシーンやラドンが小動物や魚を吸収して復活するシーン等が追加されており、映画では少々強引だった終盤の展開に整合性を持たせている。
- 本作の黒木特佐はベビーゴジラを使った対ゴジラ作戦の指揮を執る。
- ついに本来の主役(新城功二)が登場しなくなる。
- 主役は結城晃。映画版から登場するのは彼と権藤千夏のみ。
- 『VSビオランテ』の権藤吾郎が超重要人物として登場し、人間ドラマの主軸になっている。
- 『VSビオランテ』のチョイ役だったスーザン・ハーンとスーパーX2オペレーターの女性も登場。
- 序盤に前作の後で修復されたメカゴジラが登場、一瞬でMOGERAのかませに。
- 本作の黒木特佐はまたチョイ役。コスモスのメッセージを受け取ってゴジラ・スペースゴジラ・MOGERAの三つ巴の戦いを見守る。
- 黒木特佐を除き、伊集院研作や山根ゆかりといった映画版のキャラクターは誰も出ない。
- 主役は黒木特佐。他にも『VSモスラ』の拓也と雅子、『VSメカゴジラ』の一馬や佐々木隊長、『VSスペースゴジラ』の結城と千夏等、坂井版ゴジラシリーズのオールキャストが勢揃いする。
- MOGERAが量産されバーニングゴジラに挑むも体内放射で瞬殺。前作のメカゴジラに続いてかませ犬に。
- デストロイアによってGフォースが壊滅する。
- ゴジラの暴走の原因はバース島での天然核分裂による抗核バクテリアの突然変異。
- 自然状態での緩やかな臨界・爆発となるため、ゴジラの核爆発そのものは別に脅威ではない。
真の脅威はメルトダウンによって変異バクテリアが世界中にばら撒かれ、全ての核兵器、核施設がゴジラと同じ状態になる事。
- 本誌掲載版と単行本版とで展開が異なり、本誌掲載版では黒木が飛翔体を仕立てる理由がゴジラジュニアではなくGフォース壊滅のエネルギーで誕生したデストロイア集合体を倒すためになっている(ゴジラジュニアの情報は上映まで伏せられていたため)。
そしてメルトダウンの設定もなく、TCシステムを用いた冷凍で核爆発を食い止め、凍り付いて死んだゴジラに黒木が敬礼して去るシーンで終わっていた。
現在に至るまで本誌掲載版の展開は単行本には未収録。
★主な登場人物
『VSキングギドラ』
◆寺沢健一郎
フリーのノンフィクションライター。「○○をステーキにして食ってやる！」が口癖。エミーに度々モーションをかけている。
◆エミー・カノー
映画同様の未来から来た女の子。最初は寺沢を原始人と見下していたがゴジラザウルスに襲われた際に命を救われた事で好意を持つ。
地球均等環境会議の穏健派で、キングギドラを利用して現代の日本に警告をするつもりだったがウィルソン達に利用された。
人間の都合でキングギドラを利用する事に心を痛めている。可愛い。
『VSモスラ』
◆藤戸拓也
若き考古学者にしてトレジャーハンター。映画と違って子持ちではない。
熱い学者魂と正義感、そして人間離れしたタフさを併せ持つナイスガイ。
雅子の元カレ。丸友商事にさらわれてしまったコスモスを救出するべく奮闘する。後の『VSデストロイア』にも雅子と共にチョイ役で登場。
◆手塚雅子
拓也の元カノで丸友商事のエリート社員。
仕事第一の高飛車な女性であるが、本来は優しい性格。可愛い。
終盤、過ちに気付いて変わろうとする一人の人間として友兼を説得するが……。
◆友兼剛司
丸友商事の若社長で超やり手のビジネスマン。
しかしドの付く外道であり、コスモスとモスラを利用してライバル会社を物理的にぶっ壊した。
終盤、錯乱してとんでもない事をしでかす。顔芸。
◆コスモス
インファント島に住む先住民族の末裔。雅子によって友兼に引き渡され利用されるが、テレパシーで拓也達をサポートする。
拓也のジョークで映画にはないコミカルな一面も見せてくれる。
映画同様、『VSスペースゴジラ』に再登場する。可愛い。
『VSメカゴジラ』
◆青木一馬
メカゴジラやガルーダの開発スタッフだったが、内覧会でメカゴジラが暴走。その責任を取らされGフォースに転属になる。
正義感と優しさを持つ熱血好青年である。
『VSデストロイア』では黒木特佐の部下として再登場。準主人公として活躍した。
◆五条梓
若き古生物学者だが、かなりのじゃじゃ馬娘。
若干マッドサイエンティストのケがあり、目的のためなら実力行使も辞さないが、母性愛溢れる優しい女性でもある。可愛い。
◆佐々木拓也
青木と共にメカゴジラに乗り込む隻眼の鬼隊長であり、厳しくも人情味溢れる好人物。
『VSデストロイア』で青木と共に再登場するが、デストロイアから青木たちを逃がすために身に纏ったダイナマイトで自爆するという壮絶な最期を遂げる。
『VSスペースゴジラ』
◆結城晃
優れた操縦技術と運動神経を持つGフォースの新たなパイロット……だったが、着任して即MOGERAを強奪し脱走。
かつて権藤吾郎に命を救われた経験があり、借りを返すべく形見の抗核バクテリア弾でゴジラを狙うツンデレ。
『VSデストロイア』ではMOGERAを強奪した罪で服役していたが、スーパーX3のパイロットとして仮釈放される。
◆権藤千夏
権藤の妹でGフォースの女性パイロット。
ひょんな事から結城のMOGERA強奪に巻き込まれ、共にゴジラに立ち向かう事になる。可愛い。あとおっぱい。
『VSデストロイア』ではGフォースから厚生省に出向していたためデストロイアによるGフォース壊滅には巻き込まれずに済んだ。
◆権藤吾郎
回想シーンのみの登場。自分のやるべき事を振り返らずに成し遂げた真の漢。その生き様は多くの人間に影響を与えた。
『VSデストロイア』
◆黒木翔特佐
自衛隊からGフォースに出向していたヤングエリート。『VSキングギドラ』から全作に皆勤したシリーズ全体の主人公でもある。
目的のためには手段を選ばない、ある意味ではかなりの危険人物だが、優秀さと人情味も併せ持つ。
ちなみに顔は高島政伸氏に準拠。青木と同じ顔が並ぶ事にはならなかった。
◆鈴木
Gフォースのオペレーターで黒木とは相思相愛。壊滅したGフォースの数少ない生き残りである。やっぱり可愛い。
追記・修正は『ゴジラVSビオランテ』を見てからお願いします。
- ここまでゴジラVSビオランテにリスペクトしながらなぜ三枝美希を出さなかった？ -- 名無しさん (2014-02-02 00:24:33)
- 復刻版出してくれ -- 名無しさん (2014-07-19 09:26:09)
- 人物はいい感じにアレンジされてるけど、肝心の怪獣がどうも脆く感じる -- 名無しさん (2014-07-19 17:40:38)
- コミックボンボンの冬休み増刊号にも「ゴジラVSスペースゴジラ」のコミカライズが載ってたのを思い出した。ボンボンのはMOGERAや人間ドラマをカットしてゴジラとスペースゴジラのバトルに焦点を当てた内容だったが -- 名無しさん (2014-09-06 18:16:01)
- 内容別物だけど面白かったなあこれ -- 名無しさん (2015-01-20 22:56:19)
- ＶＳメカゴジラとＶＳデストロイアは持ってる。両方ともはじめて読んだとき、原作とのあまりの違いにびっくりしたなぁ。 -- 名無しさん (2015-03-11 21:06:34)
- ＶＳデストロイアはコロコロ掲載版では集合体が生き残ってデストロイアＶＳデストロイアになったり最後は氷結したゴジラが残されたり単行本とだいぶ違う -- 名無しさん (2015-03-11 21:20:45)
- 抗核バクテリアの突然変異って、抗核バクテリアを打ち込まれたゴジラはタイムパラドックスで消滅したはずじゃ… -- 名無しさん (2015-05-08 11:30:18)
- 面白かったけど、大人になると、フリガナついてるから、読むの恥ずかしくて抵抗あるんだよなぁ（汗 -- 名無しさん (2016-07-30 08:55:33)
- ↑ケンイシカワの初代ゲッターロボはふりがなどころかところどころひらがなになってるしそれくらいヘーキヘーキ -- 名無しさん (2016-07-30 09:02:45)
- 描写から考えるに、エミ―が脱出した後でもメカギドラが勝手に稼働していたのか（暴走していた）？ -- 名無しさん (2016-08-19 13:06:16)
- VSモスラで、バトラ幼虫が角でゴジラを串刺しにしたのって、この漫画だっけ？ 子どもの頃読んで軽くトラウマになったのだが -- 名無しさん (2016-08-20 11:42:17)
- 全編VSシリーズの漫画版というより、VSビオランテ外伝って感じかな -- (2016-08-20 22:52:40)
- 先行漫画版でGフォース全滅したので、本編でも描かれると思ったら描かれなかった。ホッとしたような、残念なような複雑な気持ち… -- 名無しさん (2016-08-29 06:45:19)
- これの作者ってたしか2014年にはギャレゴジに黒木特左が絡むとしたらどんな感じになるかを綿密に考えてたとか聞いたことあるけどどんな感じだったんだろう -- 名無しさん (2016-09-01 08:23:59)
- シン・ゴジラ公開記念としてvsモスラ、vsキングギドラをコンビニコミックとして発売。新規コメント、巻末コラムもある。 -- 名無しさん (2016-09-01 11:32:53)
- 鳴き声をありがちなガオーとかギャオーじゃなくて、作者が聞こえた風に書いてるのが良い。ゴジラ「アエェェエオォォン!!」キングギドラ「キロロロ・・・キロロロ・・・!」 -- 名無しさん (2016-09-16 19:30:34)
- モスラ２のコミカライズのゴーゴは可愛かったな。翼をもがれたモスラはトラウマものだったけど。 -- 名無しさん (2016-10-10 01:22:59)
- ふと思ったんだが映画版にしても漫画版にしても84ゴジラの時には黒木特佐は一体何をしていたんだろうか？ -- 名無しさん (2017-11-20 04:16:08)
- 坂井さん版のシンゴジも見てみたい気がする。きっと、矢口が無双な活躍するんだろうなぁ……。 -- 名無しさん (2017-11-20 09:01:01)
- ボンボン：武者ガンダム＆ロックマンｘ コロコロ：ミニ四駆＆ゴジラ が９０年の少年向け漫画でジャンプ漫画等に次いでとても熱かった記憶が -- 名無しさん (2019-10-21 20:55:22)
- 格闘漫画のダイナマイトの作者さんが描いた「あのヒト」ですね。この方が描いたモスラ２と３の前後編が掲載されている別コロ4冊、未だに持っている。 -- 名無しさん (2019-10-21 22:16:44)
- VSコングのメカゴジラがまんま… -- 名無しさん (2021-07-07 01:54:09)
最終更新：2023年12月27日 20:09
