MOGERA

登録日:2010/01/13 Wed 08:56:49
更新日:2025/03/31 Mon 13:31:37
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MOGERAは『ゴジラVSスペースゴジラ』に登場したロボット兵器である。


データ

全高:120m
重量:16万t
飛行速度:大気圏内-マッハ1
     大気圏外-15km/s
動力:レーザー核融合炉×2
武装
  • プラズマレーザーキャノン×6
  • 自動追尾式レーザー砲×2
  • クラッシャードリル
  • プラズマメーサーキャノン
  • スパイラルグレネードミサイル×12


◆ランドモゲラー
全長:85m
全幅:40m
重量:9万t
速度:地上-120km/h
   地中-60km/h
動力:レーザー核融合炉
武装
  • バスタードリル
  • 自動追尾式レーザー砲×2
  • 地対空レーザーキャノン

◆スターファルコン
全長:80m
全幅:67m
重量:7万t
飛行速度:大気圏内-850m/s
     大気圏外-12km/s
動力:レーザー核融合炉
武装
  • 省電力メーサーバルカン砲×2

概要


ゴジラの撃退を主眼に進められた作戦、MプロジェクトによってGフォースが開発した三機目の対ゴジラ用兵器。

『対ゴジラ作戦用飛行型機動ロボット』
Mobile
Operation
Godzilla
Expert
Robot
Aero-type
の頭文字で『モゲラ』である。
海外では、Expertの前にUnitedが入り、MOGUERAとなる(モグラの学名の正しい表記)。

対ゴジラ作戦用飛行型ロボットだが推進機材を変更することで宙間戦闘も可能。
1994年にゴジラに敗れたメカゴジラの後継機として、ゴジラ撃退用に開発された。

VSシリーズお馴染みのリメイク怪獣(兵器)で、元は『地球防衛軍』に登場するミステリアンの侵略兵器『モゲラ』。
ミステリアンが制作したモゲラと直接の関係はないが『ゴジラVSスペースゴジラ超全集』に国連のモゲラの資料を参考に建造されたという記述と、旧来のメカゴジラに使用されていたスペースチタニウムが記載された資料の写真が掲載されている。

なぜMOGERAが選ばれたのかといえば、この作品の特技監督を見ればお分かりいただけるだろう。

当初はメカゴジラの続投が案に挙がったが、川北紘一特技監督の「同じのじゃつまらないでしょ」という意見でモゲラに決まったらしい。
(当の本人はメカニコングを出したかったらしいが反対意見が多く、またもともとのキングコングの権利がアメリカにありそうという問題があったとのこと)

デザインは吉田穣。検討段階では、単体で飛行メカや地底メカに変形するものや、轟天号型に変形するものなどの案も存在した。

着ぐるみは2メートル大のものが造られた。初代同様、上下分割式になっており、足元のアップは下半身のみ着用して撮影された。

70センチ大の変形用ミニチュアも造られ、その後飛行用ミニチュアに改造された。

首の部分の実物大セットも造られ、脱出シーンでの撮影に使われた。


嘴、又はモグラの鼻のように配置された頭部ドリルなど、印象的な部分はそのままに、現代的な姿へと上手くアレンジされている。
更に、上半身は地底戦車ランドモゲラー、下半身は重爆撃機スターファルコンへの分離が可能。
このため、機体内部には二つのコックピットユニットとエレベーターが存在している。
またスターファルコンのコックピットは脱出艇も兼ねている。


  • 各種ドリル
  • (機体のバランスの悪さから)ホバーを断念せざるを得ない為に付けたキャタピラ
  • 明らかに質量を無視した変形・合体・分離機構
  • 複数人乗り
漢の浪漫を数多く装備している。
地上ではキャタピラによる移動を行い、相手との距離を調整しながら重火器をぶっ放すが、脚部関節と連動する事で擬似的な歩行も可能なため、攻撃を受けて咄嗟に後退する時などは歩行してバランスを取る事で転倒を防いでいる。

攻撃能力ではメカゴジラに劣ると言われたりもするがそんなことはなく、また新技術「ブルー・ダイヤモンドミラーコーティング」によって防御面ではメカゴジラより圧倒的に上。

しかし、メカゴジラのミラーコーティングより高い反射率を持つ反面、高度な装備能力を必要とする上に時間も予算も足りなかった為、特に熱線のダメージや影響を受けたくない箇所(肩・股関節)に試験的に導入され、全身コーティングはされなかった。

仮に全身に施されていたら全身真っ青になっていたため、むしろされなくて良かったと言えよう。


実際、武装面や機動性など、いずれもメカゴジラ敗北の教訓を基に設計されている。
メカゴジラのレーザーキャノンの3倍の威力がある上に、速射能力に優れたプラズマレーザーキャノンが計六門*1
メカゴジラのレーザーキャノンが牽制用にしかならず、メガバスターは連続使用するとオーバーヒートするという問題があったのを複数門を冷却しながら交互に使用することにより問題点を解消。
頭部のクラッシャードリルは、メカゴジラがゴジラに接近された際に近接用武装がないためにボコボコにされたことから、その対策として装備されており、ドリルで相手が怯んだらMOGERAの機動力で距離を取るというコンセプト*2
両腕に装備された追尾レーザーは長射程であり、コンピューターによりターゲットを自動で補足して撃つことができるため、メカゴジラがラドンに回り込まれて攻撃を受け損傷を受けたのを基にしている。
腹部には92式メーサー戦車の5倍の威力があるモゲラ最強武器プラズマメーサーキャノン*3は直撃させないで余波だけでもゴジラを昏倒させるという十分な破壊力を持っている。
宇宙から帰還後に行われた改修後には両腕内部にスパイラルグレネードミサイルが装備され、これは有線式だったメカゴジラのGクラッシャーを改良し、ミサイルにしてより遠距離から攻撃できるようにした。
このミサイルは、劇中ではスペースゴジラのクリスタルジェネレーターを破壊し攻撃力を低下させたが、足元をランドモゲラーで掘りゴジラの動きを封じてから、前述のGクラッシャー同様この武器で弱点である第2の脳を破壊するのが本来の戦法である。

また
  • メカゴジラがとにかくオーバーヒートを起こして停止してしまっていたために冷却機の数を増設
  • 膨大な熱エネルギーを機体内に溜め込むプラズマグレネイドのオミット
  • メカゴジラが劣悪な機動性だった故に空中主体の攻撃も可能にした推進力増強
  • メカゴジラとガルーダ、双方で分かれていたコントロールをランドモゲラーのメインコクピットでスターファルコン側のコントロールも可能
等々、とにかくメカゴジラの教訓を基に設計されていて、システム的なエラーは作品中では一切起こしていないどころか片足がもげてもアステロイドベルトから地球に帰還ができるというくらいに機体の信頼度としてはメカゴジラの遥か上をいく。

しかし、メカゴジラと違い明確な弱点もまたできてしまっており
  • プラズマメーサーキャノンやメインエンジンがある腹部の中央は装甲が一枚だけ
  • 合体機構があるため、ランドモゲラーとスターファルコンの連結部である腰付近
が脆いというのがあり、その弱点を作中でも突かれてしまう。

ポスターでは奥にちっちゃく描かれてるぞんざいな扱いだったが、
劇中では冒頭でさっそく基地内で合体テストが行われていたりと存在感はかなり大きい。

当時の書籍『ゴジラvsGフォース』においては、ロシアの意向で建造された可能性が指摘されている。
関連は不明だが、実際に劇中に登場したマミーロフ博士はロシア人である。




◇活躍

地球に光速で接近するスペースゴジラを倒すために大気圏を離脱。
アステロイドベルトでこれを迎え撃つが、スペースゴジラの放つ特殊電波によって計器がイかれ、プラズマレーザーと自動追尾レーザーで攻撃するもののまったく通用しなかった。
もっともスペゴジは宇宙空間ではエネルギーが無尽蔵で、実質完全無欠の存在であるため、倒す方法はないと言えるため仕方がない。
体当たり攻撃とコロナビームを浴びながらなんとか交戦を続けるものの、畳み掛ける様に放たれたフォトン・ハリケーンの直撃を受けて操縦不能に陥り、
体当たりで弾き飛ばされてスペゴジに振り切られ、地球にやっとのことで帰還するという苦い初陣となった。

とはいえ、電子機器を滅茶苦茶にされて戦闘不能になる程の損傷を受けた状態でも、パイロットは無事で短時間でアステロイドベルトから地球に帰還できたことはこの機体の堅牢さと信頼性の高さを物語っているだろう。

この敗北の経験を生かし、帰還後は火力の増強とスペースゴジラの干渉を受けないよう、計器類の強化も施された。
(改修後、Ⅱ-SRFという形式番号がつくが劇中未使用)

地球に降下し、福岡を自分の戦闘フィールドに作り替えたスペースゴジラを撃破するために搭乗員を結城晃、新城功二、佐藤清志に変更し再び出撃する。

ゴジラへの復讐心に駆られた結城は命令を無視し、スペースゴジラを倒しに向かうゴジラを攻撃し続けるが、
新城はそれを良しとせず結城を気絶させ、福岡のスペースゴジラへ進路を修正し戦いを挑む。
(なお、新城は命令無視を続ける結城にかなり前から咎めており、さらに殴る寸前には声まで掛けている。にもかかわらず結城は抵抗する素振りも見せていない。内心では間違っていると分かっていても、長年の恨みも捨てられず、あえて一撃を受けたと思われる)

スペースゴジラに全身の武器を最大限に利用した波状攻撃を仕掛けるも、健闘虚しくダウンさせられ一度空中へ退避する。
しかしそこへ、同族を傷つけられ怒りに燃えるゴジラが到着、ゴジラと人類による共同戦線が張られることになる。


福岡タワーがスペースゴジラのエネルギー供給源と見抜いたため、これを破壊しようとするゴジラをアシストするべく分離。
折しも結城が復活したこともあり、結城はスターファルコンに移乗してスペースゴジラを牽制、時間稼ぎを行い、新城と佐藤はランドモゲラーで潜行して地下からタワーの破壊に向かう。


新城「潜行開始!」

佐藤「オゥラァーイ!」


タワー破壊後、再合体して火器をスペースゴジラに集中し、(その際、勢い余ってゴジラも巻き込んでしまっている)
スパイラルグレネードミサイルによって、スペースゴジラの左のクリスタルジェネレーターを破壊。

激昂したスペースゴジラの攻撃で左腕を吹き飛ばされるが、なおもスパイラルグレネードミサイルを発射し、
右のクリスタルジェネレーターの破壊に成功するという大戦果を挙げた。


佐藤「レフトハンド破損!」

新城「構わん!!」


しかし怒り狂ったスペースゴジラが最大出力で放ったコロナビームで片腕を破壊され、
駄目押しに変形機構やプラズマメーサーキャノンの開閉ハッチで脆弱な腹部(この時、プラズマメーサーキャノンは展開していた)
に、テールスマッシャーをまともに受けて投げ飛ばされ、ビルに頭からダイブして機能停止。
(正確にはエンジンと各砲塔の出力低下によりビルに刺さったまま行動不能となる)

新城と佐藤は脱出し、結城一人がMOGERAに残った。

ここで出番は終了……かに思われたが、
悪あがきを続けるスペースゴジラにゴジラと自分の決闘を邪魔されてキレた結城が計器を出鱈目に弄っていたら再起動、
渾身の突進をかましてスペースゴジラを転倒させ、ゴジラ逆転のチャンスを作り出すという更なる手柄を挙げた。

後にゴジラのバーンスパイラル熱線によりスペースゴジラ共々大爆発し、前作のメカゴジラ同様に原型を留めない程に大破した。

故に、スペースゴジラはMOGERA及び、Gフォースの協力が無ければゴジラ単独では勝てなかっただろうと語られることが多く、スペースゴジラの強敵印象を更に強める事となった。


漫画版での活躍

漫画版『vsスペースゴジラ』ではGフォースに転属してきたばかりの結城がいきなりMOGERAを強奪して、ゴジラの住むバース島へと無断出撃。追いかけてきたメカゴジラを一瞬で撃破している。
だがその際にメカゴジラに搭乗していた女性パイロットがMOGERAに飛び移っており、成り行きで結城とその女性パイロットの二人での運用となっている。
また漫画版ではスペースゴジラを撃破した後に映画では果たされなかったゴジラとの決闘も行っている。
スペースゴジラとの激闘でスクラップ寸前となっていたが、ドリルの一撃でゴジラの喉を切り裂き、最後の突貫でゴジラを押さえ込み、
結城がゴジラの口内に最後のANB弾を撃ち込む寸前まで追い込んだ。

漫画版『ゴジラvsデストロイア』では新型MOGERAが2種類確認されている。
飛行形態で脚部がなく、背中にロケット型のバックパックらしきものがある。武装は映画版と同じと思われる。
II(映画版同様全体は白色)・III(全体は黒色)と呼称されていた事より量産型と見られる。

が、前作でメカゴジラをかませにしたツケが回ってきたのかゴジラの香港上陸の際にボロクズの様にあっさり撃破された。




■ゲームでの登場など

『ゴジラ列島震撼(セガサターン)』ではモゲラ、ランドモゲラなどを自由に操作でき、
その時の戦闘BGMはずっと映画での一回目の出撃BGM。

『ゴジラ怪獣大乱闘』シリーズには2作目「地球最終決戦」と3作目「ゴジラアンリーシュド」に登場。
登場怪獣で最速の足の速さを誇るものの、耐久力が低く設定されている上に格闘能力が低い。
特殊な射撃と、ハイリスクハイリターンなローラーシステムが特徴的。


2012年5月にS.H.モンスターアーツでの発売が決定した。塗装がものすごい事になっている。
首が左右に振れたり、開脚できたりと何気に撮影用スーツより可動域が広い。




結城「お前らは黙って追記、編集してりゃあいいんだ」

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最終更新:2025年03月31日 13:31

*1 冷却しながら使うため同時に使用できるのは二門まで

*2 あくまで相手に接近された時に使う武装であり、まかり間違っても自分から接近して使う武装ではない

*3 本編でクリスタルジェネレーターを破壊したスパイラルグレネードミサイルの印象の強さから、最強武器はスパイラルグレネードではないかと言われる事があるが、公式設定ではプラズマメーサーが最強とされている。スパイラルグレネードがクリスタルを破壊できたのは、ドリルのように回転しながら突き刺さって爆発するという、一点破壊に適した性質によるものと思われる