バーニングゴジラ

登録日:2019/09/21 Sat 21:45:21
更新日:2019/10/03 Thu 00:08:13
所要時間:約 8 分で読めます




あれは!?

(リュウ)だ 赤い(リュウ)だ!

画像出展:映画『ゴジラVSデストロイア』(1995)
製作・配給:東宝株式会社

(※推奨BGM:メインタイトル・香港破壊)


●目次

【概要】

バーニングゴジラとは1995年公開のゴジラシリーズ第22作『ゴジラVSデストロイア』に登場するゴジラの俗称。

前作『ゴジラVSスペースゴジラ』より住処にしていたバース島が、地下の天然ウランと熱水により爆発・消失。
その影響で大量の放射能を浴びたゴジラは活性化した体内炉心を自身の生体システムでは制御できなくなってしまったのだ。
ゴジラは、体内に宿す核エネルギーの暴走により、身体の至るところが炎のように赤く染まる
超高熱となった体温により水分が蒸発し、常に蒸気を噴出しつづけている。
この状態となったゴジラは「いつ、炉心の暴走による核爆発を起こしてもおかしくない」と言われる状態であり、
その時の爆発の威力は、もし起きてしまえば大気圏に火が点き、地球滅亡は確実である、とされている。*1

ゴジラ自身もこれに苦しんでいるようで、鳴き声には呻きのようなものが混じっている。

背びれの発行音も、これまでは遠い雷鳴のような「ゴロゴロ」という音だったのが、空吹かしするような「ガリガリ」という音に変わっている。
ゴジラは『ゴジラVSビオランテ』時点で、体内に原子炉を持つにも関わらず「体温が低い」と描写されていたが、やはり排熱機関である背びれが一番異変をきたしていたのだろう。

赤く発光する衝撃的なビジュアル、
かつてゴジラを葬った兵器の力を持つデストロイアすら退ける圧倒的強さのみならず、
感情移入を誘う場面も多いことから視聴者にその存在を強く印象づけており、
今なお高い人気を誇るゴジラの姿である。


【劇中での活躍】

中国・香港を蹂躙したあと、四国の発電所へ向かっていたところでスーパーXⅢと対峙。
カドミウム弾により体内の核分裂反応は落ち着きを見せ、さらに冷凍弾により凍結され、体温の上昇自体は鎮静される。
しかしもはや、生体システムの崩壊により体内の高温となった核物質の反応を止めることは不可能な状態となっており、核爆発の可能性こそ抑えられたものの、今度は炉心融解によるメルトダウンの危機を迎えていることが判明。
しかも、その時には炉心から漏れ出した核物質が地球に穴を空ける
、であろうことが予想されて大パニックに。
(この作品で「メルトダウン」という言葉を知った当時のちびっ子も少なくないのでは?)

凍結から再び動き出し、日本に上陸したゴジラは有明で同族のリトルゴジラ…及びゴジラジュニアと再会。
しかしそれも束の間、デストロイアの介入によって邪魔されたばかりかジュニアまで殺害されてしまう。

唯一の同族を喪った悲しみ、そして怒りがゴジラに湧き上がる。
それに突き動かされるかのように執拗に行われたデストロイアへの攻撃は、本来熱に耐性をもつはずのデストロイアが怖気づくほどまでのものと化していた。


「今のゴジラには、オキジジェン・デストロイヤーでさえ無力なのか…」

そんなゴジラに対し死闘の末に臆したか、逃亡をはかったデストロイアは自衛隊の攻撃によって絶命する。

そしてついにゴジラの体内の融合炉が臨界点を突破、メルトダウンが引き起こされる。
自衛隊のスーパーXIIIをはじめとした冷凍兵器による集中攻撃で最悪の事態は免れたが、
それでも肉体の融解を止めることはできず、ゴジラはゆっくりと消えていった。
骨すらも残さず、周囲に大量の放射能をまき散らしながら…。


「ゴジラが…東京を死の街にして溶けていく…」

「これが私たちの償いなの…?」

「償い?」

「科学、核をもてあそんだ私たち人類の…」

しかしその後、急激に周囲の放射能濃度が低下。そして超能力者の小沢芽留が「何か」の存在に気付く。

その時…濃霧の奥に蠢く巨大な影が、己の命を誇示するかのように咆哮をあげるのだった―。


【技・能力】

◆バーニング熱線
本作まで赤い熱線といえば『ゴジラVSメカゴジラ』でラドンとの融合で放った「ウラニウム放射熱線」
『ゴジラVSスペースゴジラ』でスペースゴジラの宇宙エネルギーを吸収して繰り出した「バーンスパイラル熱線」など
「トドメに放つ超大技」という印象があったのだが、バーニングゴジラはこれを当たり前のように使用している。

理論上、核分裂が続く限り威力が無限に上昇し続けるというチート特性(実際はそこまで上昇するまでにゴジラの肉体が耐えられず爆発する)を持つ。
故にその威力は先に挙げた2種の赤色熱線を遥かに凌いでおり、デストロイアとも互角以上に渡り合った(通常熱線は効かなかった可能性大)。
また、メカゴジラやMOGERAと同様にゴジラの熱線に強いダイヤモンドコーティングが施されたスーパーXⅢはこれを2発受けながらも整備によって再出撃できる程度には耐えたものの
それでもコクピットでは火花が飛び散っており、パイロットも「予想以上にパワーアップしています!」と言っている。


◆ハイパーバーニング熱線/インフィニット熱線
ゴジラジュニアを喪った怒りに加え、背びれが融解しメルトダウン寸前の極限状態に至ったバーニングゴジラが放つ熱線。
むしろ、ゴジラはゴジラジュニアの仇を打つために、自ら暴走を加速させたフシがある(直前に体内温度が急上昇している)。
その熱量が無限に上昇しつづけるということから「インフィニット熱線」という呼び名もある。

熱線の色が赤に加えオレンジがかったものになり、太さも倍化。さらに発射の際にはゴジラの体からエネルギーが溢れ出し、周囲を焼き払う。
尋常ではない威力を誇り、一撃でデストロイアの顔の右半分近くを吹き飛ばし、不死身に近いデストロイアを怯えさせ逃走を決意させたほど。
しかも熱線が命中していない、周辺の街やビル群までもが余波だけで爆発炎上していく始末。
ゴジラ単体(他の怪獣や人類の力を借りない)の技としては間違いなく最強クラス。


◆体内放射
メルトダウン寸前には従来よりも攻撃範囲が広くなった体内放射を放ち、
この際背鰭からも後方に巨大なエネルギー波が放たれる。
当然威力も向上し、熱線との併用によりデストロイアに強力なダメージを与え、余波だけで周囲が爆発炎上する。


◆G細胞
ゴジラの細胞はただでさえ強力な自己再生力をもっているのだが、
バーニングゴジラの状態では異様に活性化しているためさらにとんでもないことになっており、
デストロイアのオキシジェン・デストロイヤー・レイやヴァリアブル・スライサーなどといった技を受けても
特に後者は二度もゴジラの胴体を斬り裂いているにも関わらず、瞬時に再生することで戦闘を続行している。


◆エネルギー付与
デストロイアに致命傷を負わされ、わずかにもがくだけになったジュニア。
そこにやっとたどり着いたゴジラは、口のなかからゆっくりと赤いエネルギーを放出し、ジュニアに吸収させようとする。
破壊するだけの熱線とは違う、かつてモスラバトラに与えたような、生きてほしいと願う生命エネルギーだった。
しかし、完全生命体をも破壊するゴジラの力も、もっとも助けたい命を救うことはできず、ジュニアはゴジラの目の前で瞑目する……

その直後、ゴジラはもはや声にならない声と熱線ですらないエネルギーを吐き出し、悶絶。
そして己が生命を誇るかの如くに戻ってきたデストロイアに向けて、死を賭しての攻撃を開始する



【その他・バーニングゴジラっぽい何か】


GODZILLA3部作



画像出展:映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』(2018)
製作・配給:ポリゴン・ピクチュアズ/東宝株式会社/東宝映像事業部

アニゴジこと本3部作に登場するゴジラ・アース
第2部『決戦機動増殖都市』及び第3作目『星を喰う者』で見せた姿。
特定の呼称はないが、第2部特製ブックレットのインタビューでは「赤熱ゴジラ」
TCGのヴァイスシュバルツにおいては「"緋色に染まる"ゴジラ・アース」と称されている。

人類の策でメカゴジラ・シティに誘導され、以前に人類が分裂体であるゴジラ・フィリウスを葬ったのと同様の作戦で自身の電磁波エネルギーで生成されるシールドを失い、
そこへEMPハープーンを撃ちこまれて体内で電磁波エネルギーが暴走、爆発を起こして一度は沈黙したかに見えたゴジラ・アースだったが
再び目を覚まし、分子制御によって自らを高熱化させ周囲を焼き払うという新たな攻撃法を会得。
この時、熱源となる体内のコアから発せられる赤い光が漏れ出している。
5000度をも超える高熱の前にEMPハープーンは融解、更に人類側が接近できず攻めあぐねる間にシールドも復活。
そしてこれまでのお返しとばかりに熱線(色は青白のまま)を放ち、メカゴジラ・シティを完全に焼き尽くした。

第3部では、自身に喰らいついたギドラをこの技で焼き払おうとしたが、別次元から一方的に干渉してくるギドラには通用しなかった。


ゴジラ キング・オブ・モンスターズ





【余談】

見た目からもその力強さや驚異的な雰囲気が文字通り火を見るよりも明らかなバーニングゴジラだが、
撮影用の着ぐるみは実際に全身から蒸気を吹き出したり赤く発光するギミックを備えていたため、
まさかのスーツの重量100kg越え、発光のせいで物凄く暑く、中の酸素濃度も驚くほど薄かったというとんでもない代物であった。

炭酸ガスギミックの危険性が分かったのは、なんと プールの撮影中に失神転倒したため だという。
「前作と同じサイズのプールだったら救助が間に合わなかったかもしれない」という恐ろしい証言まで為されている。

その他にもどこかが漏電しているのか触れると電気ショックを感じたとか……

恐らく、怪獣映画どころか今まで世に出た着ぐるみで最も過酷で大掛かりなスーツと言っても過言では無いレベルである。
つまり、瀕死のゴジラの戦いを演じている薩摩剣八郎氏も冗談抜きの命懸けでゴジラを演じていたとも言える…
マジでお疲れ様です!

また、バーニングゴジラの着ぐるみは映画ラストのゴジラジュニアのシーンを取る時色がでたので赤い部分を黒く塗りつぶされた。
そのため、バーニングゴジラの着ぐるみはバーニングゴジラとしては事実上映画完成前に消滅してしまった。




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*1 このことについてツッコミもされているが、ようは、某一兆度の炎についての科学的考察と同じで、常識外れの高熱と夥しい放射線により大気を構成する元素すら連鎖的に破壊されて、地球規模の核爆発が起きるということなのだろう。

*2 ちなみにデスゴジの玩具には「ヒートウォークゴジラ」という商品名のものがあったりするのだが…。