ロビンソン(スピッツ)

登録日:2012/04/05(木) 11:19:17
更新日:2025/02/02 Sun 22:48:37
所要時間:約 6 分で読めます




ロビンソンは、日本のロックバンド。
代表曲にスピッツなどが挙げられる。


追記、修正お願いします。











   *   *
 *   + 逆です
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *


ロビンソンは、スピッツの11枚目のシングル。
カップリング曲は「俺のすべて」。

1995年に発売され、口コミでヒットしそのままミリオン突破。
スピッツの存在を一躍世に知らしめる曲となった。
草野マサムネによると、当初の予定ではこの曲をシングルにするつもりは無かったらしく、実際に「こんな地味で、ポップ過ぎる曲がここまで売れるとは思わなかった」と語っており、売れた理由についても、「たまたま時代のバイオリズムとリンクしたのだと思う」と控えめな分析をしている。しかし、ヒットを狙ったのでなく、好きなように気負わずに作った曲が売れたのは素直に嬉しかった様子。


【A面】

ロビンソン
収録アルバム:ハチミツ

「誰も触れない二人だけの国の国歌を作ろうと思って」

イントロは三輪テツヤが得意とするアルペジオから始まる。スピッツワールド全開のどこか物悲しいメロディーが早速心を締め付ける。

河原の道を 自転車で走る君を 追いかけた

新しい季節への喜び、期待、不安、憂い、そして切なさ…、様々な感情が歌詞から伝わってくるだろう。
一見ポジティブに見えるこの歌詞も、物悲しいメロディー、そしてマサムネの淡々とした歌い方が哀愁を誘う。

ちなみに、
× 自転車で 走る君を追いかけた
自転車で走る君 を追いかけた
である。


思い出のレコードと 大袈裟なエピソードを

CDプレイヤーなどではなく、レコードなのがまたスピッツらしい。
そしてもう一つ、大袈裟なエピソード。ここから連想されるのは、思春期にありがちな大袈裟な自慢話…、
この然り気無い表現からも、純粋な少年性が見えてくるだろう。

.>疲れた肩に ぶら下げて

このフレーズがロビンソンの世界観を創るのにまた一役買っている。
ただの肩ではなく、「疲れた」肩。
背負うのではなく、「ぶらさげる」。
ここから、少年が大人になっていくこと、そのことへの寂しさや卑屈さなんてものが見えてくると思う。


ありふれたこの魔法で 作り上げたよ

そしてBメロの最後。サビへ向けてマサムネの歌声が高くなっていく。

.>ありふれたこの魔法

この表現から、ありふれた言葉さえも魔法という、スピッツ持つ純粋さ、ロマンチックさが見えてくる。

そして、

.>作り上げたよ

このフレーズから、スピッツの持つ哀愁、そして狂気がよく伝わってくる。
「君の為に、作り上げた。」――ここから、この話の少年が持つ、どこか狂った感情が伝わってはこないだろうか?


誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように

サビである。マサムネの泣きそうな、今にも壊れてしまいそうな繊細な歌声が心を雑巾のように締め付けてくる。
このサビがスピッツの全てを表している。
まず、誰も触れない二人だけの国 という言葉に注目してほしい。これは先程の、ありふれたこの魔法で作り上げた、ものである。しかし、誰も触れないのである。
君を閉じ込めたいという、どこか狂気じみたものが見えてくる。

そして、君の手を離さぬように、という言葉。
誰にも触れない二人だけの国 という自らの作った閉鎖的な空間に君といながら(閉じ込めながら)、それでも、君の手を離さぬように と言っている。
二人だけの国に君といるのに、まだ、「君」が離れることへの恐怖、不安がある…。

これぞスピッツの持つ脆さ、切なさ、狂気である。そしてそれらが、草野マサムネの声に恐ろしいほどにマッチしているのだ。

文字数制限の都合上、二番はカットする。

…と、散々述べてきたが、歌詞の解釈は人それぞれなので、面白半分に受け止めていただきたい。
マサムネさんも「歌詞はそれぞれで解釈して欲しい」って言っていたしね。

とにかくロビンソンは、スピッツの魅力が最大限に引き出された曲なのだ。


【B面】

俺のすべて
収録アルバム:

よくライブに行く人にはお馴染みのアップテンポなロックナンバー。

ライブでは、マサムネがギターの代わりにタンバリンを持つ。気分が良ければハイタッチもする。

また、途中で崎山さん(ドラム)がカウントするが、とてもかっこいい。
(この曲に限らないが、)にこにこと楽しそうに演奏しているので、とても微笑ましい。

そして、この曲では田村(ベース)の暴れっぷりがすごい。
一番大人しそうに見えて一番暴れる。
ファンでさえ初めて見る時は、多かれ少なかれ引く。

具体的には、
  • 客を煽る
  • ハイタッチをする
  • ステージの端まで走る(ついでにコードが絡まる)
  • 跳び跳ねる
  • ドラムを叩く
  • ベースを壊す→スタッフが新しいものを持ってくる

通称:田村ダンス

ドラムを叩いて手を切ったこともあるらしい。ベース弾けなくなったらどうする気だ。
田村ダンスはライブDVDでも見ることができる。
その際、淡々と歌うボーカル、真面目に演奏する派手なギター、笑顔のドラム、暴れ回る地味なベースという不思議な光景が見られる。ぜひ見てみよう。


【PV】

終始白黒である。
スピッツのメンバーがバスに乗り、海まで行く、という内容。マサムネの持つスピーカーからロビンソンが流れている設定。
バスにはマサムネ、田村、崎山さん、テツヤの順番で乗る。
が、何故かテツヤだけはバスの前で倒れている。
背景では、ちょうど「片隅に捨てられて呼吸を止めない猫も」と歌っているので、テツヤが捨て猫という洒落なのかもしれない。
最終的に海に行き着くが、やはりマサムネの隣で倒れている。いったい彼はどうしたのだろうか…。
PVの様子はシングルのジャケットにもなった。


【余談】

当初はロビンソンというバンドがスピッツという歌を出した、と勘違いされることが多かった。志村ー!逆逆ー!
ロビンソンというタイトルは、マサムネがタイに旅行した時に訪れたロビンソン百貨店からきている。
元々は仮タイトルだったがそのまま正式にタイトルになった。
つまり、歌詞とは一切関係ないのだ。それでも、歌詞とタイトルがマッチしているのがすごい。
元々A面は俺のすべての予定だったが、ロビンソンの方がスタッフの反応が良かった為、ロビンソンがA面になった。
PVのマサムネは異常に哀愁が漂っているが、これは、撮影の前日に彼女と喧嘩したからである。マサムネェ…。

スピッツ結成20周年ライブにシークレットゲストで登場したYOSHII LOVINSONこと吉井和哉が歌ったことがある。
親父ギャグとか言うな。

1995年にリリースされた曲だが、、15年後にYouTubeのスピッツ公式チャンネル「spitzclips」で公開され、2019年9月2日に1億回再生を突破した。
90年代にリリースされた楽曲としては初めてとなる。
このことからも、ファンからの根強い支持や、楽曲が幅広い世代に受け入れられてきたことがわかるだろう。
また、2021年6月現在では1億2000万回再生を超えている。
ちなみに同年、マサムネは「注目されなくなったらずっとロビンソンと楓で営業してもいいし」とインタビューに答えたりしている。

追記、修正は誰も触れない二人だけの国でお願いします。

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最終更新:2025年02月02日 22:48