おどるポンポコリン

登録日:2025/06/10 Tue 06:39:19
更新日:2025/06/12 Thu 12:37:48NEW!
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1990年 B.B.クィーンズ MAD御用達 おどるポンポコリン さくらももこ ちびまる子ちゃん へそチラ ももいろクローバーZ アニメソング インチキおじさん エジソン エンディングテーマ オープニングテーマ カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ コミックソング ゴールデンボンバー シュール スーダラ節 ニコニコ全盛期 ニコニコ動画 ビーイング ピーヒャラピーヒャラ♪ ミリオンセラー ミーム汚染 レコード大賞受賞曲 不条理 何故かなかなか立たなかった項目 回るチンチロリン 坪倉唯子 支離滅裂 楽曲 社会現象 織田哲郎 考えるな、感じろ 近藤房之助 追記修正のハードルが高すぎる項目 電波ソング 風刺 風刺?



ピッ ピッ ピッ ポーン……





さぁ~みんな集まって!


ちびまる子ちゃんが始まるよ!







『おどるポンポコリン』とは、1990年にB.B.クィーンズが出したシングルのA面。レーベルはBMGビクター(現:アリオラジャパン)の「Rhisome」*1

フジテレビのアニメちびまる子ちゃんの代表的なオープニングテーマとして有名……だが、実は初代エンディングテーマでもあった。
B面は『ゆめいっぱい』(旧オープニングテーマ)。

歌手 B.B.クィーンズ
作詞 さくらももこ
作曲 織田哲郎
時間 3:11

ちなみに作詞の織田哲郎氏は、本曲とは対極の雰囲気のこの曲も手掛けている。


概要

上記の通りこの曲が最初に世に出たのはエンディング曲としてだが、実は1年ほどしか使用されなかったため(第1期後半は同じ作詞作曲コンビによる西城秀樹の『走れ正直者』)、その事実を知らない人も多いだろう。

第二期放送開始から数年目の1998年よりオープニングとして使用されるようになり*2、度々歌い手が変わりながら現在も使用され続けているが、やはりB.B.クィーンズのフロント坪倉唯子(と近藤房之助)が歌う初代が有名。


内容

説明のしようがない。とにかく意味不明・支離滅裂で、まるで小学生の考えている脳内を具現化しているかのような内容なのだ。

歌詞で描かれていることを要約すると……

【1番】
  • 皆が踊っている
  • お鍋の中からインチキおじさんがボワッと出る
  • エジソンは偉い人でそんなのは常識(なので忘れない)
  • ピーヒャラピーヒャラ♪
  • へそチラ
  • お腹が減ったよ〜!(メシ食わせろぉー!)

【2番】
  • 皆が急いで歩いている
  • 電信柱の影からお笑い芸人が登場*3
  • キヨスクが駅にあるのは有名(なので迷わない)
  • ピーヒャラピーヒャラ♪
  • ニンジンいらないよ!
  • ブタのプータロー (本作のキャラクターとしてのブー太郎を指しているのではない)

……みたいな感じ。統一感?テーマ性?そんなの皆無だよ。
強いて言うなら2番で「キヨスクが駅にある」のを「有名」としているのが時代性を表しているか*4

このナンセンスさは、作詞かつ漫画の原作者・さくらももこの「幼少期にTVで見て憧れた、植木等が歌う『スーダラ節』のような曲を作りたい」という思いから生まれたもの。

そして曲の方も、陽気な曲調・加工された坪倉の平坦な歌・それに時折暑苦しく絡む近藤のソウルフルな歌・更にはオペラ調なコーラスまでブチ込まれるなど不思議な感じ。
構成も基本的に2回繰り返されるサビがたまに1回の場合もあるなど気まぐれ。
なお、Aメロの半分はアメリカのロックバンドであるレッドボーンの楽曲『カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ』を引用している。

そもそもこの曲自体が『ちびまる子ちゃん』のために作られたもので、作曲の織田によるとコンセプトは「使われ続けられる『ちびまる子ちゃん』のテーマ曲」
B面の『ゆめいっぱい』に「原作のノスタルジック・センチメンタルな一面を落とし込んだのに対し、『おどるポンポコリン』には「原作の変なところ・毒な一面が込められているという。
初代のOP映像も不思議な雰囲気を醸し出しており、まるで夢の中のよう。

インチキおじさん

何の脈略も無く、お鍋の中からボワっと出てきたおじさん。
ピエロのような服装をしており、サビのところで笛をピーヒャラ吹いているなど、上に羅列したハチャメチャな歌詞のフレーズの中でも一際存在感を放っている。


社会現象化

当初は製作側も「売れ行きもそこまでないだろう」と考えていたそうだが、CDプレイヤーの普及によるシングルブーム再燃と原作およびアニメの人気、そして曲そのもののシュールな内容も相まって大流行。
結果、当時のオリコンチャートや全国歌謡ベストテンの首位を連続で独占したり、第32回日本レコード大賞(ポップス・ロック部門)等様々な賞を受賞したりと破竹の勢いで知名度を上げていった。
このヒットに伴い、実は最初テレビ出演を考えていなかったB.B.クィーンズの面々も曲映像を思わせる愉快な格好で音楽番組に登場。1990年のNHK紅白歌合戦にも出場している。
そしてリリースされた1990年の年間売上は約130万枚、その年の年間オリコンチャートにおいては2位となった米米CLUBの『浪漫飛行』(約60万枚)の売上にダブルスコアを叩き出し見事1位に輝いた。
一方でOPの『ゆめいっぱい』は完全に影に隠れてしまい、2024年にTBSの番組「ラヴィット!」で生歌唱されるまで音楽番組からのオファーは無かったという。

この大ヒットをきっかけとして、後年のオープニングでは有名アーティストによるカバーが使用されるようになった。

  • ManaKana(1998年)
  • 木村カエラ(2010年):番組20周年バージョン
  • B.B.クィーンズ(2011年):原作25周年バージョン
  • E-girls(2014年)
  • ゴールデンボンバー(2016年)
  • ももいろクローバーZ(2019年):登場キャラクターの台詞が追加されているほか、本作の画調で描かれたももクロのメンバーがオープニング映像に登場している

2018年には同年に没した原作者・さくらの追悼として、『ミュージックステーションウルトラFES2018』にて歴代歌唱者のうち3組、B.B.クィーンズ×ゴールデンボンバー×E-girlsのコラボパフォーマンスが行われている。
また、2024年に主人公・さくらももこの初代声優・TARAKOが亡くなった際には、『お別れ会』において追悼として参列者
による『おどるポンポコリン』の大合唱が行われた。


風刺?

時折「ただの電波ソングではなくバブル期の浮かれた、深くものを考えない日本人を揶揄した風刺ソングではないか」と考察されることも。

みんな踊りを踊っている→ジュリアナ東京で熱狂して踊る人々
インチキおじさん登場→怪しい商品を売りつけて儲けようと跋扈する人達
エジソンは偉い人→偉大な発明家として知られる一方、実は本国アメリカでは盗作など問題の多い人物でもあったが、みんな漠然と「偉い人」としかとらえておらず深くは考えない
ピーヒャラピーヒャラ→みんな何も考えてはいないので後半は意味の無い擬音が続く

……といった感じ。
あくまでも解釈の一つだが、こうした角度からも考察できるのもこの曲の魅力の一部かもしれない。


ニコニコ動画

そのシュールな雰囲気はニコニコ動画にも取り込まれ、2009年前後(ββ時代)から様々なMADが作られていった。

一番有名なのはやはりアレ*5だろう。
ニコニコ動画内をその脅威のパワーで暴れまわり、以降の『おどるポンポコリン』を使ったMADに大きな影響を与え、最近では遂に500万再生を突破した。
何気に素材元の映像は初代(エンディング)のほうを採用しており、もしかしたらこのMADのおかげで『おどるポンポコリン』が元々はエンディングテーマだったことを知った人もいるかも……?


何でもかんでも項目を追記していたらPCの中からボワっと全消し冥殿が現れたことのある人は追記・修正お願いします。


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最終更新:2025年06月12日 12:37

*1 ビーイング所属アーティストによるレーベルの一つ。

*2 ただし1997年に一度だけ原作者と声優陣が歌うバージョンが放送されており、2000年には一時的に異なる曲だった時期がある。

*3 木村カエラ歌唱の2010年バージョンでは、この部分でダンディ坂野が「ゲッツ」を披露している。

*4 2000年代以降、経費削減等もあり各地で駅ナカ売店の「Kiosk」店舗は減少、または「Kiosk」の名だけ残しての既存コンビニチェーンへの置き換えが進行している。『ちびまる子ちゃん』の舞台である地域のJR東海「Kiosk」も、2024年10月以降から段階的に別ブランドに変更され完全消滅する事が決まってしまった。

*5 当時ニコニコを熱く燃え上がらせていた松岡修造が割り込んでいる