具象化鏡

登録日:2025/6/10 Tue 23:29:47
更新日:2025/06/12 Thu 09:42:56NEW!
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具象化鏡(ぐしょうかきょう)とは、漫画ドラえもん』に登場するひみつ道具。

【概要】

頭部がラグビーボール型をしたハンマーのような形状の道具。名前に反して外観に鏡やレンズの要素はない
色は大山版では青、水田版では赤基調。
スイッチを押して起動させると、「時の流れ」とか「暗い人」といった言葉の上での表現が、本当に見えるようになる。
例えば、嘘をついていると赤くなったり、「キツネにつままれたような」という表現だと本当にキツネが出て口をつままれる。
効果はそれだけであり、実益をもたらすわけではない微妙なひみつ道具の一つ。
それどころか「首を切られる・飛ぶ」「断腸の思い」とかの表現をしたらどうなるか...。
実際作中で「胸もはりさけそうな悲しみ」となったのび太をドラえもんが慌てて止めに入っているし。
一応真っ赤な嘘をつくと文字通り体が真っ赤になるので、嘘発見器としての使い道はあるかも知れないが、こちらの用途でも「○×占い」というひみつ道具がある。


【作中での活躍】

  • のび太がいつものように昼間からゴロゴロしているのを見かねたドラえもんはこの道具を取り出して時間の流れをのび太に見せるが、のび太は珍しくテストに備えて勉強したというがどうせ0点だと嘆くと「モヤ~」と暗い人になる。
  • なんだかよく分からずにスイッチを押すとどこからともなくキツネが現れて顔をつねられる。
  • 面白くなったのび太がスイッチを入れっぱなしにして出掛けようとすると、ママから「勉強もしないで!今学期の成績が楽しみね」と言われると、急にのび太の耳がガンガンし出す。これが「耳に痛い言葉」。
  • 外に出ると、スネ夫が「きょうもアイドルスター二人からデートにさそわれて、どっちへ…」と言いかけると、スネ夫の体は真っ赤になってしまった。これは「真っ赤な嘘」。
  • 出木杉しずかの会話を聞いてのび太が「嫉妬の炎」を上げ、火事だと勘違いした近隣住民に水をかけられる。
  • その後一気に暗い気持ちになり「しずちゃんが出木杉をすきになるのもむりないや。頭がよくてスポーツマンでやさしくて……。ぼくなんかとても…」と考えて歩いていると、ドーンと穴に墜落してしまった。これが「絶望のどん底」であった。近くにいた通行人により助けだされる。
  • なんとか這い出るが体だけじゃなく心も重くなってしまった。これが「重い心」、「重い足どり」であった。「世の中まっ暗だァ!!」と空き地の土管の上で叫び、さらに「胸もはりさけそうな悲しみ」と口にすると、「ビリ」とほんとに張り裂けそうになってしまう。
  • そこに先生が通りがかり、テストの点数で怒りに来たと思ったら65点であり、珍しく勉強したと褒められ、「希望の光」、「天にのぼるここち」、「はずむ足どり」を実感する。
  • 街の梅の木が満開になっていて、もうすぐ春だと言うと「ズシン… ズシン… 」と大きな足音が近づいてくる。「あれは春の足音だね」というオチとなった。



【アニメにおける登場回】

大山版「具象化鏡」

1986年7月11日に初放送。
ほぼ原作通りの流れだが、ドラえもんをうまく言いくるめて道具を貸してもらう流れになっている。嫉妬の炎で本当に熱がるのび太、母ちゃんから逃げているが捕まるかもしれないと「背筋が凍る」で本当に凍るが走り去っていくジャイアン、空き地で土管の中に閉じこもって泣くのび太、65点を取って周りに自慢しに行くのび太の展開が追加・変更されている。
またその時に胸を張ったり喜びを隠せないのび太、驚いて声が出ないスネ夫の展開も追加されている。
また夏の時期に放送されたため「明るい明日」が具現化され向かって走り、「明日は、65点だー」と張り切るのび太に対して、満面の笑顔で「明日はいいけど、明後日が心配だ」と心の中で思うドラえもんのオチとなっている。

わさドラ版「のび太の耳にタコができる話」

2010年3月12日に初放送。
時の流れを見せると同時に「時は金なり」と言ってお札や小判が出現したり(掴むことは不可)、勉強しなさいと「口が酸っぱくなる」と言って本当に酸っぱいと感じるママ、ママのお説教は「耳にタコができる」で両耳に小さいタコができるのび太、その後ドラえもんはのび太と同行するがスネ夫とともにジャイアンにシュート練習に誘われスネ夫まで気が暗くなりそれに対して「借りてきた猫のよう」となって本当に猫になり逃げ出すスネ夫、のび太同様キツネにつままれたり、シュートを空振りして転んでしまい「猿も木から落ちる」と木から落ちてきた猿と喧嘩になるジャイアンの展開が追加されている。


わさドラ版「きつねにつままれた話」(2回目)

2017年7月に行われたリニューアルに合わせた歴代の名作・迷作のアニメ化および再アニメ化の一環として、2018年2月16日にまさかの再アニメ化。

2010年版同様ドラえもんがのび太に同行し、ジャイアンに野球の特訓に誘われるも上手くいかないためスネ夫がいつものように「ゴマをすり」初め、ジャイアンは煽てられて「天狗になる」が、ドラえもん「心にもなないこと」という発言とともに元に戻り、おべっかを言い続けるも再度体が真っ赤になったため見抜かれてジャイアンにボコボコにされる、穴から落ちて這い出したあと、「ボクの歩む道は茨の道だ」と言ったとたん荊がでてドラえもんが刺されてしまう展開が追加されている。

【関連道具】

〇タイムライト
点灯すると、時の流れが凄まじい暴風のように目に見えるようになる。「時間を無駄にしてはならない」という教訓を人に教える。
作中の具象化鏡と同じ使われ方をしているが、効果はそれだけのため具象化鏡の完全下位互換である。
非公式ファンブック『野比家の真実』でも「うそつき鏡」ともども「使い物にならない道具」の典型例に挙げられている。
なおこの道具の登場エピソードの掲載時期は1983年5月であり、具象化鏡(1986年3月)の約3年前である。

〇オノマトペホーン
わさドラオリジナルのひみつ道具。該当エピソードは2022年10月8日放送。
これを変えたいものに向けて、ギザギザやニャーニャーなど、物質の状態や動物の泣き声などを表すオノマトペを言うと、その言葉通りの状態にできる。




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最終更新:2025年06月12日 09:42