ダークカラテエンパイア

登録日:2025/06/10 (曜日) 13:58:18
更新日:2025/06/11 Wed 22:36:52NEW!
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「ダークカラテエンパイア」とは『ニンジャスレイヤー』第4部シーズン4における敵組織。
ニンジャの祖である「ヌンジャ」カツ・ワンソーの復活のため暗躍する古代ニンジャたちと、その配下により構成される集団。


強烈なパワーワードが冒頭から並ぶことになっているが、ニュービーの皆様は一旦気を取り直しつつご覧いただきたい。

◆概要◆

神話時代、カツ・ワンソーの派閥として成立したリアルニンジャ集団が母体。その多くは既に現世の存在ではなく、キンカク・テンプルにて眠りについていたが、第二部のザイバツによるキンカク解放、第三部アガメムノンの「再定義」、第四部シーズン2のヒャッキ・ヤギョを契機に現代へ復活。

構成員の全てが神話級リアルニンジャであり、その戦闘力は過去の敵組織のトップに匹敵、ないし凌駕する。
その代理戦士についても、神話級リアルニンジャの一番弟子・ないしそれに類する最大戦力であり、非常に強力な集団。

……が、逆に構成員同士の連携については過去最低。
目的だけ一致する敵組織複数の連合体といった状況が正しく、正確な話をするならばそもそも単一の組織ですらない。
1人の王を掲げ、その摂政の座を狙い蹴落としあう競争相手の集団であるといえる。(だが現在は王たるワンソーが未だキンカクから降臨していないため、事実上他のリアルニンジャたちの支配者としての地位に等しい)

メンバーは下記の儀式参加者が全員というわけでなく、他にもエンパイアに所属するニンジャは名鑑や予告編で何人か紹介され、南湾岸廃墟を徘徊するペイルライダーやカナダの森林に出現した巨人ガルガンチュア等、その誰もが例外なく非常に強力な存在として描かれている。

一部の者は現代に甦ってなお、彼らはニンジャ始祖カツ・ワンソーへの忠誠を誓い続けその復活のため儀式を行う。
摂政の空位を巡り、セト主催のもと、マスラダ・カイを標的とした儀式「ストラグル・オブ・カリュドーン」が開催。各ニンジャは自らの「代理戦士」狩人として差し向け、儀式ルールに則ってマスラダを討ち果たした者の主が摂政位に就く。

いずれの構成員も都市一つを消し飛ばしかねぬ戦闘力を有するため、儀式形式を取ることで無用の破壊と消耗を避ける意図があると同時に、彼らにとっては一種の遊戯・見世物としての性格も強い。

◆構成員◆

ストラグル・オブ・カリュドーン参加者

  • シャン・ロア/ムカデ・ニンジャ
……然り。規範に則るからこそカリュドーンは儀式となる

東南アジア・オセアニアを支配する国家「ボロブドゥール*1」の支配者たるニンジャ。
ダークカラテエンパイアの中では物語に参戦するのが最も早く、第4部シーズン1の時点でユカノのドラゴン・ドージョーを「レッドドラゴン/ブラド・ニンジャ*2」と後述のケイトー・ニンジャとともに襲撃。三神器……「メンポ・オブ・ドミネイション」「ヌンチャク・オブ・デストラクション」「ブレーサー・オブ・リジェクション」を奪い取った。

本人も極めて強大なカラテを誇る神話級リアルニンジャであるが、その本領は「ロウ・ワンの秘儀」などの強大かつ多彩な呪術。味方に恩寵を与え、敵を石化し、さらにモータルにムカデを飲み込ませることで「カロウシタイ」というゾンビめいた兵団を作り出すことができる。
……そして、それでさえ人間の殻を被った状態に過ぎず、「脱皮」することで真の姿である怪獣めいたムカデの姿を現すのだ。

  • ケイムショ/ドゥルジ・ニンジャ
知らぬ。くだらぬ言いがかりで愛しきベルゼブブの死を貶める事は許さん

ロンドンを支配する邪悪なリアルニンジャ。
右半身がゾンビ化し上半身に無数の腕が昆虫めいて生え、下半身は巨大な蛆となりそこからロンドン全域に根が生える、という極めて名状しがたい姿を持つ。身長10m超。両性具有。

ロンドン全域にアンデッドの軍団を使役する強大な能力を持つ。

  • ギャラルホルン/ケイトー・ニンジャ
クキキィ……!

古事記にも記されしニンジャ英雄。名前の由来は実在した戦国時代の忍者「加藤段蔵」と思われる。
特定の支配領域を持たず、世界を自由に飛び回り、遠大なスパンで陰謀を巡らせる胡乱なニンジャ。「ギャラルホルン」「スカーレット」「クローザー」「マンデイン」「マーリン*3」のように様々な名を使い分ける。

第四部初期からニンジャスレイヤーやサツバツナイトと何度も交錯するヴィラン。
緋色の稲妻を纏わせたカラテや秘宝「ボー・オブ・ザ・トラベラー」による棒術も卓越しているが、その本領はあのメフィストフェレスをも上回る...というか彼の憑依ソウルであるカルマ・ニンジャに付け込んで手に入れた人心掌握能力「タイジン・ジツ*4」による権謀術数である。
ちなみに彼がタイジン・ジツを使っている最中はほぼ必ず「クキキ」といったフレーズが入る。

  • ト・キコ/オモイ・ニンジャ
二人がかり、ズルイって?人聞きの悪い事言わないでよねェ。

極めて観念的な形而上ニンジャ。
かつてオヒガンの狭間に溺れた女性ハッカー「ト・キコ」の姿・人格を借りて現出している。
形而上存在であるため現世に介入するためには何らかの端末が必要であるが、端末さえあればあらゆるインターネットや儀式に介入可能な極めて高いハッキング能力を持つ。

  • ヴァイン/クロヤギ・ニンジャ
御身らの逃走は許可しない

ヌンジャ、カツ・ワンソーの弟子のひとりであり、シーズン2終盤のヒャッキ・ヤギョによって復活したリアルニンジャ。
ウクライナ、キーウの地を支配するオクダスカヤ社の創業者一族ディミトリにより召喚され、彼と一体化することでオクダスカヤ社を傀儡化している。

自身を黒山羊の形に分割するクロヤギ・ブンシン・ジツや生命を賦活し大量の蔦を生み出すジツなどを持つ。
さらに、ハヤシ・ニンジャに由来する古代聖遺物であるボンサイ・オブ・ハヤシの1鉢「ネツァク」を持ち、接続することでジツをさらに拡張している。

  • アイアンコブラ/ドクガ・ニンジャ
我がメイヘムが勝つ
何が起ころうが関係ない。我がメイヘムの勝利だ
我がメイヘムの敗北は万に一つもなし。最強だからだ

コブラ・ニンジャクランの神話級リアルニンジャ。
神話時代のニンジャ大戦により瀕死の状態にあり、数千年間タイのアユタヤ大森林の奥地に身を隠す。
多頭の巨大な蛇の姿をした異形のニンジャであるが、数千年を経てもなお古代の傷が癒えておらず、十全な戦闘は不可能な状態にある。そのため、自分の精神のみを外部に飛ばしたり鉄の彫像を操ることで外部に影響をもたらしている。
他の参加者が余興として陰謀を巡らす中、建前であれここぞという時には物をいう正当な摂政位を手に入れんとするカラテ思想を持つ。

一番弟子であるメイヘムを溺愛しており、口を開くたびにメイヘムの強さを誇示する発言が飛び出す親バカ気質のニンジャ。

  • セト/セト・ニンジャ
星辰の巡りは、じきに定まる。而してストラグル・オブ・カリュドーンの儀を始めるもの也

ストラグル・オブ・カリュドーンの主催者にして、ダークカラテエンパイアの(名目上の)指導者といえるニンジャ。そして事実上のシーズン4のラスボス。
かつてはカツ・ワンソー配下「ニンジャ八大将軍」の一角としてニンジャ大戦を戦った古豪であり、極めて強大なリアルニンジャ。

神話時代から魔術世界オヒガンに親しみ、ゆえにオヒガンを部分的に解釈したものであるインターネットにも極めて精通している。
存在そのものが反則のアルゴスを除けば最強のハッカーであり、さらにカラテ・ジツともに反則級。

またエジプトのメガコーポ「エネアド社」の経営権を乗っ取り、フロント企業として利用している。
当然本社の防護は強固でありデスウィングをはじめとした「ガーディアン」と呼ばれる警備ニンジャを複数配置している。

本来不可能とされていた脳のリソースをハッキングに回しながらのカラテ戦闘が可能な唯一のニンジャ。似たような戦闘を行えるヴィジランスでさえ、物理タイプでハッキングを解決することで解決しており電脳ダイブと直接戦闘の併用は(脳リソースの関係で)不可能であることを考えると、電脳戦でハッキングを行いながら、ニンジャスレイヤーを片手間であしらうカラテと神話級のジツを同時使用するマルチタスク性能は作中の頂点に位置する。

古代エジプトカラテなる魔技に精通しており、左手を高く掲げ、右手は笏を持つように握った状態からの圧倒的な連撃が持ち味。必殺技「オシリス・スプリッター」はニンジャスレイヤーの「アラシノケン」にも酷似した、全方位からの連撃を相手の体内でぶつけ内部破壊する奥義である。

さらに有するジツも2つあり、どちらも凶悪。
極めて習得難易度の高いブンシン・ジツをマスター。作中での純正分身は3人目であるが、相当な強者であった以前の使用者と比べても数、質ともに規格外であり、しかも遠隔での操作が可能。力を籠めれば本体と独立して動かすことも可能である。
さらにユニーク・ジツとして暴風を扱うアルファ・フージン・ジツを有する。アルファと付くだけあって、あらゆるフージン・ジツの中でも最大最強の使い手である。

ストラグル・オブ・カリュドーンを成立させるにあたり秘宝ヒラグモ・デーモンを有しており、儀式が失敗した際にはそのエネルギーが茶器のLANソケットから逆流し、ネオサイタマは滅亡する。

ストラグル・オブ・カリュドーン代理戦士

  • コンヴァージ
俺の力は、何処にでもある!ネオサイタマ!最高の街だ!

シャン・ロア/ムカデ・ニンジャの代理戦士。
元は石油化学系メガコーポ「リロン・ケミカル」社の企業戦士であったが、ヘッドハンティングによりムカデ・ニンジャの配下となった。
本来アカラ・ニンジャクランの「瓦礫を身に纏い操るジツ」を持っていたが、ムカデ・ニンジャの持つロウ・ワンの秘儀を掌に刻まれることでジツの効果が拡大。ビルを侵食するほどのモルタル巨体に進化する「アカラ・ムカデ・ジツ」へと拡大変容した。

  • ベルゼブブ
王の力、ドゥルジ・ニンジャの力をその身に刻んでくれよう!ブザマな"狩"の漢字の次にな!

ケイムショ/ドゥルジ・ニンジャの代理戦士。
四本腕と透明な羽を持ったガスマスク女ニンジャ。
体内から放出する殺人バエを操るほか、自身をハエに分身させるジツや、ハエにカラテを与えることで爆弾に変えるジツなど、ハエに関する多彩なジツを持つ。
ケイムショにより刻まれた王の眷属の印により呪いの力がそそがれ、ジツが強化されている。

  • マークスリー
僕の……僕の試練はシンプルだ。狩りを達成する。決闘を以て、全てを変えてみせる!

ギャラルホルン/ケイトー・ニンジャの代理戦士……という形で送り込まれた、イギリスを母体とする暗黒メガコーポ「カタナ・オブ・リバプール社」のニンジャ。
ケイトー・ニンジャとのコンサルタント契約により送り込まれたニンジャであり、その目的はカリュドーンの儀式に勝利することでケイムショからロンドンの支配権を奪取することにある。

カタナ社が騎士道精神を遺伝子レベルでエンコードしたホムンクルスニンジャ。
ニンジャスレイヤー同様の「チャドー呼吸」、それもアフタヌーンティー作法・ボクシング技法と結びつき発達した英国式チャドーの達人。
さらにネオンプラズマカタナ「トリスタン」と「イゾルデ」による二刀流も有した隙のないニンジャ。
だが、民衆のアイドルとして純粋培養で育てられたことから精神面ではやや未熟さが目立つ。
実際美少年。

兄として「マークワン」と「マークツー」なる存在がいたようだがマークワンは正式リリース前に宿舎を抜け出し、歓楽街で性的スキャンダルを起こして処分、マークツーはマークワンとは反対に心のないマシーンとして作られたが、衛星軌道上でのテスト時に何らかのトラブルを起こし処分されたらしい。



  • サロウ
俺だよ。悪いけど全力で行くからな……

オモイ・ニンジャの代理戦士。一言で言うなら悪のシルバーキー
かつてニンジャスレイヤーの仲間として戦った精神系ジツ特化ニンジャであるシルバーキーとほぼ同一の能力を持ち、同時に極めて善良であった彼と異なり邪悪な人格を持つ。その決め台詞は奇しくも彼と同じ「俺だぜ!」。
ニンジャとしては本当に最底辺のカラテと引き換えに、精神系最強格のジツであるユメミル・ジツの2人目の使い手。ニンジャにすら通用する精神破壊が可能。


  • ウーガダル
私の言葉は無駄ではない

シャン・ロア/ムカデ・ニンジャの代理戦士2人目。儀式開始前にコンヴァージが死亡してしまったため、例外的に新たな狩人として擁立された形となる。
リザーバーであるため儀式の参加順は最下位。
古風なフード装束に身を包み、「オヌシ」を二人称とする謎の多い人物。額には琥珀でできた「第三の目」が埋め込まれている。


  • アヴァリス
さあ、来い。獣よ

ヴァイン/クロヤギ・ニンジャの代理戦士。
ジツを奪うという前代未聞の能力を有するニンジャ。
同時に宿すことが出来るジツの数は八つまでであるが、シシン・ニンジャの「サモンエレメンタル・ジツ」のようなアーチ・ニンジャのユニーク・ジツまで強奪しており、その手数・能力は多彩極まりない。
一度使ったジツはしかるべき場所でザゼン儀式をしないと回復しないが、毒霧を生み出す「アシッドクラフト・ジツ」、全身を鉱石で守る「オーレフォーム・ジツ」、対象に纏わりつく炎を召喚する「オニビ・ジツ」のみならずヴァインの「クロヤギ・ブンシン・ジツ」まで得ており、その性質は反則にして未知の領域にある。

  • メイヘム
我がカラテすなわちコブラ・カラテ。我が勝利すなわちドクノキバの勝利。
貴様の死を以て、ネオサイタマをドクノキバの領土とする

アイアンコブラ/ドクガ・ニンジャの代理戦士。
リアルニンジャの下で長年カラテを鍛えてきたという自負がそうさせるのか、イサオシを重んじる武人の女性。
コブラ・カラテの卓越した使い手であり、さらに血を毒に変えるドク・ジツや目を合わせた相手を魅了するゼゲン・ジツ、アフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケン*5など、コブラ・ニンジャクランの集大成ともいえる戦い方を持つ。
単純な人型のカラテのみならず、脱皮によりダメージを回復して巨大なコブラに変化することも可能。

  • ブラックティアーズ
我がカタナは死の翼。芯にはベッピンを持つ。即ち始祖殺しの刃也……

セト/セト・ニンジャの代理戦士。
セトがストラグル・オブ・カリュドーンの主催であることから、彼は儀式のルールなどについての審判の役割を持つ。

かつてニンジャスレイヤーにより破損させられたダークニンジャの妖刀「ベッピン」の破片を有し、これを芯として呪術的にカタナを鍛造することで、ベッピンの力を有する魔剣を作り出すことが出来る。
古代エジプトカラテのケペシュ剣術を母体とした剣技の卓越した使い手であり、呪術系のジツにも長ける。ダークニンジャの奥義「カンジ・キル」さえ再現してのける実力。
さらにサツガイにまつわる呪物であるマガタマを持ち、自身に融合させることで大幅に強化することも可能。


◆余談な◆

ちなみに『ダークカラテエンパイア』の名称が最初に登場したのは2011年9月20日に投稿された「サイファー」のニンジャ名鑑である。
◆忍◆
ニンジャ名鑑#173
【サイファー】
ダークカラテエンパイアのニンジャ。オキナワ海底都市に仮死状態で幽閉されていたのをサルベージされた。
グレートオールドカラテの使い手で、敵の体を内側から破壊する。
◆殺◆
なお、このタイミングというのは第2部の最序盤のエピソードン*6投稿が行われていた時期。
そして第4部の連載が始まったのは2016年のことで、第4部の本筋の中で徐々に組織の輪郭が示されていった。
ただ、シーズン4の連載開始は2021年に入ってからである。
そのため、超長期に渡って名称だけが先行登場し、長らくその正体が不明であったという経緯を持つ。アイエエ…本編に出ないよお……
第3部の頃に「帝国」に言及するリアルニンジャが出始めるまでヘッズの多くからは、第2部で生き残ったダークニンジャが興した組織なのでは?と推測されていたりした。
さらに余談だが、このサイファーは2025年6月の現在も未だ本編に登場していない。



追記・修正の巡りは、じきに定まる。而してストラグル・オブ・カリュドーンの儀を始めるもの也

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最終更新:2025年06月11日 22:36

*1 現実のボロブドゥールはインドネシアのジャワ島にある仏教寺院の世界遺産であり、ニンジャスレイヤー世界でも実際そうだったのだが、復活したムカデ・ニンジャにより王宮へと作り替えられた。

*2 ニンジャスレイヤー世界におけるブラド・ツェペシュ本人であり、吸血鬼ニンジャ。

*3 ニンジャスレイヤー世界においてはアーサー王伝説の「マーリン」とケイトー・ニンジャは同一人物であるようだ。

*4 読んで字の如く「対人術」。一見するとふざけた字面に思えるかもしれないが、我々の世界でも忍術として伝わっている由緒正しきジツである。

*5 アフリカの少数民族ブワカ族の武器「フンガ・ムンガ」かと思われる。大型の卍手裏剣の刃の一つを握りにしたような武器。ヘビ・ニンジャ・クランやコブラ・ニンジャクランなど、爬虫類系のニンジャが多用する。

*6 「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」