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概要

 当記事では、ギールラング星域戦国軍事同盟の歴史に関する記録を纏める。

歴史

 ギールラングの歴史は戦いの歴史と称される。全史を通じて多くの犠牲を積み重ねており、何らかの軍事行動に及んでいた。同じツォルマリア文明の後継組織である文明統一機構移民船団との衝突から、建国に至るまでの間に劇的な軍事技術の発展を遂げている。シンテーア暦1375年にバジタルーナ星系に進出すると、ゴルヴェドーラ艦隊に属する有力な指導者達がギールラング国家の建設を行うことに合意し、正式な契約書を取り交わした。また、主な開発拠点として、ハピタブルゾーンに位置する第2惑星リオグレイナの開発を進めることに合意したのである。

ツォルマリア文明時代

 かつてゴルヴェドーラは、星間文明統一機構が擁する外征艦隊のひとつであった。その星間文明の盟主として栄えたのがツォルマリア文明であり、当初、多くの外交的勝利を積み重ねながら新秩序の構築に努めたのである。ゴルヴェドーラ艦隊は時に敵国を蹂躙し、諸星系における反乱を抑えつつも正規軍としての統制を保っていた。やがて1000年以上も続く長い平和が訪れ、未曾有の繁栄を謳歌していた星間文明であるが、次第に外敵に対する緊張感もなくなり、徐々に退廃の様相を深めていった。

 そして来るべき大革命の時代。極度の統制に不満を募らせた多くの加盟国が自由を求めて武力蜂起し、再び戦乱の世を迎える。ゴルヴェドーラ艦隊は求心力を失った中央政府に対して軍事クーデターを実行。大国×××の介入を招きつつも旧政権に変わる新たな統治機構の樹立を宣言した。それから、暫くの間は臨時政府による軍政が敷かれた。時は紀元前1年頃。ロフィルナ旧暦が成立する直前にまで遡る。後にエルドラームの始祖神となるラフィル人技師は、この頃にエールミトナ星系に到達し、先駆けて新天地における新人類の創造を成し遂げていた。

エールミトナ星系における始祖艦隊の聖戦

 ロフィルナ旧暦65年。エールミトナ方面に人工熱源らしきものを観測したロマクト社は、大出力プェルクマイスト・ゲートの建造に着手。臨時政府に対して調査船団の護衛を求めた。時の×××議長は直ちにこれを承認し、ツォルマリア宙軍第5機動ゴルヴェドーラ艦隊の出航を命じる。旧暦200年。長きに渡る旅路の果てにエールミトナ星系に到達したゴルヴェドーラ艦隊は、新人類が率いる防衛艦隊と交戦の末、これを壊滅させた。

 しかし、その直後に接続ゲートの崩壊が始まり、やむなく全面撤退する流れとなる。新人類による何らかの電子的工作がゲートの崩壊を齎したものと推測されたが、ついぞ原因は解明されず、永遠の謎となった。そして、このような大型ゲートを作る余力はもはやなく、エールミトナ星系とは旧暦6130年(シンテーア暦1280年)のセカンド・コンタクトに至るまで断絶状態となる。

大闘争時代

 ロフィルナ旧暦300年頃。長きに渡る星間戦争を経てようやく本来の領域を取り戻した新政権は、自由と民主主義に立脚する人道的な統治を行った。それは、かつての栄光を取り戻したかのように歓迎されたが、同時に外敵が存在しないことによる大軍縮時代の始まりでもあった。そして、長い衰退期の最中に少しずつ世界を侵食し始めた超空間生物ロムジェ・トルメレーナー(消去執行者。エミュンス語名称、宇宙怪獣ギグローノス)の侵攻を許し、今日のギールラングにおいて語り継がれる屈辱の大後退を強いられたのである。時はロフィルナ旧暦3600年頃。万策尽き果てた文明最高評議会は移民船団を編成し、順次出航させた。高まるナショナリズムを背景にゴルヴェドーラ艦隊は再び苛烈な闘争主義へと回帰する。

 ロフィルナ旧暦4386年・シンテーア暦0年。文明統一機構移民船団はケルジャーナ人との再会を果たした。

再びの接触

 あまりにも長く続きすぎた逃避行の時代。当てもなく未探査空域を彷徨っていた其々の移民船団は、時に内紛を繰り返しつつ、徐々に枝分かれしていった。中にはトルメレーナーと遭遇し、旧時代のテクノロジーを喪失した移民船団もあったが、一方のゴルヴェドーラ艦隊は幸運にも襲撃を受けることなく発展し、偉大な発明を成し遂げたのである。

 新世代ルーゼリック・Gドライブ。それは、これまでの常識を覆す新たなワープ方式を採っており、跳躍途中に介するゲートライン上のバブルレーン・ランダムワープを可能としていた。これにより、ゴルヴェドーラ艦隊は通常空間における迅速な短距離ワープを実現したのである。ここに至って、力による全移民船団の統率を志向した時の最高指導層は、断絶状態となって久しい同胞達との接触を試みた。そして、ロフィルナ旧暦6002年・シンテーア暦1185年に文明統一機構移民船団と接触。最高指揮権を巡る双方の交渉は決裂し、新たな戦争の時代を迎える。

大啓蒙時代

バジタルーナ星系進出

 時はシンテーア暦1280年。エールミトナ星系に属する第3惑星ロヴィンエルナの大戦に介入したゴルヴェドーラ艦隊は、文明統一機構移民船団と交戦し、未曾有の大敗を喫した。これまでの戦いで着実に軍事戦力を増強させてきた文明機構は、ゴルヴェドーラ本隊を滅ぼすべく更なる軍拡を行ったのである。これにより、自らの弱さを痛感したリノス・ヴィ・アルソレーム上級海将(当時)は、その後、新たに成立したロフィルナ連邦共同体を攻略するため、バジタルーナ星系の拠点化を推し進めた。

ラヴェルト時代

 時期:1400年頃 - 1525年

ギールラング成立

 1402年にリオグレイナ公国が成立。召集議会における賛成多数の決議を受け、同国の大公に就任したリノス・ヴィ・アルソレームは指揮系統が分散して久しいゴルヴェドーラ艦隊の改革を宣言し、自らの脅威となり得る全ての政敵を解任した。この混乱の最中に国外への逃亡を余儀なくされた一部の残党がエールミトナ星系を襲撃したのである(ロフィルナ側名称、第一次海賊戦争)。1410年。ギールラング星域戦国軍事同盟の建国を宣言したリノス大公は、更なる支持を得るために旧知の仲であったグラハウド上級海将(当時)と結婚する。その後、両家の契約が成立し、ゴルヴェドラス・ファミリーが形成された。

サンパルーナ征服戦争

 1452年にサンパルーナ文明共同体と接触。これにより、古代ツォルマリア文明から派生した多くの独立国家が存在していることを把握する。中でもザルトーラム星域を支配するメイディルラング人類統一連邦は強大な軍事戦力を保有し、ギールラングを警戒させたが、あらゆる情報が不足していたこともあって1502年までサンパルーナ正規軍との協力関係を保った。

 しかし、メイディルラング艦隊の多くが旧世代のテクノロジーに依存していることを把握すると、直ちに態度を翻し、サンパルーナの首都星ラーバエルに侵攻したのである。この開戦は周辺のツォルマリア諸国を警戒させ、後の対ギールラング包囲網の形成に繋がった。キメラ部隊を中核とするギールラング遠征軍の電撃的な侵攻に対し、旧文明の焼き増し程度の武装しか持たないサンパルーナ諸国は1503年に無条件降伏する。

▲1403年.サンパルーナ星系侵攻時

星間ラルティレーナ条約機構発足

 1507年。サンパルーナにおける和平交渉の決裂を受けて、更なる軍拡路線にシフトした帝政カロヴェーナは、これまで緩やかな通商関係しか持たなかった周辺3ヶ国に使節団を派遣し、一国のイデオロギーに囚われない連合軍の結成を提案した。その結果、リーティマス連合公国を始め、共和制エメラドリス開拓同盟レシェルーナ人民統一機構が交渉に応じる意向を示し、一同に介する流れとなった。1515年。惑星ゼルトダイラにおける各国首脳の調印をもって星間ラルティレーナ条約機構が発足する。この間にもギールラングの国力は増大しており、サンパルーナ星域における圧政も激しさを増していった。ラルティレーナ各国で闘争主義に対する抗議デモが頻発し、先制攻撃論が高まっていく。

▲1515年.星間ラルティレーナ条約機構成立時

帝国時代

 時期:1525年 - 1555年

バジタルーナ防衛戦争

 1526年9月8日。ギールラングに対する最後通牒が黙殺されたことを受け、サンパルーナの解放を志向したラルティレーナ諸国はゲート間通行を妨げるバジタルーナ星系への攻撃を決議し、宣戦布告を行った。その後、四ヶ国によって構成された400隻以上もの大艦隊がギールラングの首都星リオグレイナに向けて出撃。1528年14月7日。当該宙域におけるエメラドリス、リーティマス、レシェルーナ艦隊の第二次遠征軍300隻との合流をもって全面攻勢に踏み切る。対するギールラングは100隻程度の規模しか持たず、連合艦隊の油断を誘ったが、建国以前から研究開発を重視するゴルヴェドーラ艦隊のテクノロジーは旧文明に迫る勢いを見せており、特に航空宇宙分野において隔絶的な機動力の向上を成し遂げていた。

▲1528年.四ヶ国艦隊によるバジタルーナ星系侵攻時

 ここで第2世代ルーゼリック・Gドライブを搭載する最新の戦闘艦が投入され、連合艦隊の旗艦を全て撃沈せしめたのである。初戦において出鼻を挫かれた連合艦隊は指揮系統の再編に追われる流れとなり、その間にもゴルヴェドーラ艦隊の反撃を受け、大きく数を減らした。1529年7月25日。包囲網の維持に徹していたカロヴェーナの××新司令官は陽動戦術によるリオグレイナの早期制圧を志向し、各国将校の承認を取り付けた上で多くの犠牲を前提とする陸戦部隊の降下を命じる。しかし、高度なキメラ技術によって強化されているバジタルーナ地上軍の防衛網を破ることは困難を極め、リノス大公を始めとするギールラング首脳陣の拘束(または殺害)に全てを賭けるしかなかった。

 あらゆる生命を死滅させる生物兵器を頼りに多くの機甲部隊を投入するも、殆ど効果は及ばず、リオグレイナ各地の戦線は次第に泥沼の様相を呈していった。1530年1月2日。この頃の段階になると700隻以上を誇った連合艦隊は182隻にまで数を減らし、55隻を有するゴルヴェドーラ艦隊が制空権を回復させる事態となる。これを受け、時の条約機構理事会は核融合SSMによる絶滅作戦を決議し、ただちに実行するよう前線の連合艦隊に送信した。人道に悖る行為であるため、政権の転覆を覚悟しての命令だったが、時既に遅しで、同年1月6日、××最高司令官は戦時基準法に基づく撤退命令を下した。極度の消耗に恐慌をきたしたエメラドリス艦隊の離反を恐れたからだ。

 未曾有の大敗によって足並みが乱れる四ヶ国の混乱をよそに、リノス大公は更なる征服戦争を宣言する。
この年の出来事はツォルマリアの絶望と揶揄されるほど多くの連合軍兵士の戦意を喪失させた。

ロフィルナ星域偵察

 1531年。四ヶ国の監視が存在しないことを確認したリノス大公は、精鋭10隻からなるロフィルナ星域への威力偵察艦隊を派遣し、同国の戦力内容を分析させた(ロフィルナ側名称、第二次海賊戦争)。その結果、未開にも等しい弱小コミュニティとして認め、本格的な征服艦隊の編成を進めたのである。しかし、1539年にエールミトナ方面への侵攻を行おうとした矢先、メイディルラング人類統一連邦がレシェルーナ人民統一機構と開戦。先の大敗で求心力を失ったレシェルーナ政府に勝ち目はなく、早々に無条件降伏する流れとなった。この情報を受け取ったリノス大公は、メイディルラング艦隊が刷新されている可能性を危惧し、ロフィルナ侵攻作戦の中止を決断する。

リーティマス征服戦争

 1542年。リノス大公は残る艦隊を再編成する方針を固め、複数戦線に対応する新たな方面艦隊の創設を急がせた。この時点でサンパルーナの防衛艦隊はメイディルラングの脅威に直面しており、艦隊補充を急ぐ星間ラルティレーナ条約機構との停戦も現実的ではなかったからだ。しかし、1544年にメイディルラング人類統一連邦が帝政カロヴェーナに侵攻すると、リノス大公はこれを絶好の機会と見てリーティマス連合公国への侵攻を決断する。1551年にグラハウド上級海将率いる第2機動艦隊が出撃し、リーティマスの首都星オークノーラムを制圧した。

 一方、メイディルラング艦隊はカロヴェーナの首都星ゼルトダイラに侵攻する。同国との間に如何なる交渉窓口も存在せず、特に小競り合いがあったわけでもなかったが、ゲートライン上における一連の偵察行動からしてギールラングを意識しているのはほぼ確実とされた。1553年。エメラドリス星系では亡国の首脳陣が集結。開拓同盟による統制の下で新たな連合艦隊を結成することに合意した。

▲1544年.第一次リーティマス星系侵攻時

革命時代

 時期:1555年 - 1623年

ジェルビア星系進出

 時は冷戦期。リノス大公が指揮するギールラング宙軍は、一方の大国であるメイディルラング連邦への対処に追われ、極度の緊張状態に苦しめられていた。しかし、メイディルラング宙軍も条件は同じであることが予想され、ラルティレーナ艦隊と対峙する中、先に動いた勢力から付け込まれる三つ巴の構図が出来上がっていたのである。そのため、長らくパワーバランスが拮抗し、断続的な紛争こそ続くものの、ある意味において平和な時代が続いた。一方、熾烈な軍拡競争が齎すギールラング経済の停滞は、時代を下るごとに反体制派の追及をエスカレートさせていく。そうした状況の中、1585年。ロフィルナ星域から見て南西の、腕を隔てた内側のセクターに有力な植民地候補が発見されたのである。

 それは、古代ツォルマリア文明に連なる新たな人類の眷属に違いはなかったが、入植後、何らかの破滅的事象によって大きく文明を後退させていた。そこには法による支配の痕跡すら残されておらず、多くの小部族が乱立する。この旧態依然とした社会は闘争主義を掲げるギールラングにとって好都合であり、啓蒙対象として直ちに征服艦隊の出撃に至った。1604年。当該宙域に到達したゴルヴェドーラ艦隊は、先史船団の残骸を確認し、そこに残された記憶媒体の情報を元にジェルビア星系と名付けた。

▲1604年.ジェルビア星系入植時

 1607年。召集議会におけるかねてからの決定に従い、惑星ネメラジールの総督となったラノリア・ヴィ・ブラムスティ上級海将(当時)は、早期の文明化を進めるべく様々な施策を講じた。しかし、緩やかな連帯社会の中で共存する現地人との交流が進むにつれて、闘争主義に対する疑問を強めていく流れとなる。この問題意識は、後の令咏技術の完成に至るまで、信頼関係を有するごく一部の中枢メンバーの中だけで共有された。1615年。サンパルーナ・ザルトーラム星系間を結ぶ第2小ゲート(中継点)において、ギールラング・メイディルラング両国の防空隊が激突。これをもって、リノス大公はメイディルラング首都星ラマジャスへの侵攻を決断し、ゴルヴェドーラ第1機動艦隊への出撃命令を下したのである。

メイディルラング征服戦争

 1616年3月8日。メイディルラング艦隊は第2小ゲートを放棄し、本拠地であるザルトーラム星系へ後退した。一方のサンパルーナ星系軍はギールラング本国バジタルーナ星系からの増援艦隊と合流。基幹100隻からなるラマジャス遠征軍の編成を終えると、ただちにザルトーラム方面へ出撃したのである。リノス大公はメイディルラングによる陽動作戦の可能性を想定していたが、ラルティレーナ艦隊の侵攻を予想し、確認次第すぐに撤退するようリーティマスを防衛する第2機動艦隊に通達した。1618年6月7日。レシェルーナ星系にて増強されたメイディルラング艦隊がバジタルーナ星系への侵攻を開始する。

 1619年12月5日。ゴルヴェドーラ艦隊はザルトーラム方面へ通じる最後の中継ゲート(第1小ゲート)を制圧。メイディルラング本隊が防衛するザルトーラム星系へ侵攻した。ここで当初の予想通りラルティレーナ艦隊が動き出すと、リノス大公は即座にリーティマス星系からの撤退を決断したのである。1620年8月9日。グラハウド上級海将率いる第2機動艦隊の帰還をもって、レシェルーナ方面から侵攻してきたメイディルラング艦隊に対する反抗作戦へと転じた。1622年4月10日。ザルトーラム星系における戦いはゴルヴェドーラ艦隊の勝利によって幕を閉じる。また、レシェルーナ星系も多くの犠牲と引き換えに第2機動艦隊が占領した。

 同年6月2日。惑星ラマジャスにおける戦勝パレードの席上にて、リノス大公はギールラングによる新たな世界秩序を宣言。これにより、メイディルラング連邦は完全にギールラングの一部として併合された。同年9月21日に星間ラルティレーナ条約機構との講話が成立し、バジタルーナ以北の国境線が確定する。1623年1月3日。エメラドリス星系軍を主力とする条約機構軍はメイディルラング残党が立てこもるカロヴェーナ星系へ侵攻した(カロヴェーナ解放戦争)。これを受けてリノス大公は疲弊した戦力を立て直すべく、内政に注力する方針を固める。

▲1622年.メイディルラング侵攻時

連合会議時代

 時期:1623年 - 1641年

略奪事業の開始

 1623年1月5日。条約機構による講話条約の履行を受けて、当面の安全を確認したリノス大公は国内の復興政策に注力する方針を発表。首都星リオグレイナにおいて燻る現政権への不満を払拭すべく、様々な減税措置を打ち出した。一方、損失分の補填を行う必要に迫られ、失われた現政権への忠誠を取り戻す観点からゴルヴェドラス本家による莫大な支出を余儀なくされる。そこで新たに計画されたのが、近隣セクターに散らばる漂流財産の接収であった。ゲートラインにおける主要文明との戦いが続く中、これまで殆ど相手にされなかった弱小コミュニティの存在に僅かな期待が集まる。1624年6月3日。首都星リオグレイナにおいて、全ての準備を整えたゴルヴェドーラ艦隊は更なる新天地を求めて出撃した。大海賊文化の幕開けである。(ロフィルナ側名称、第三次海賊戦争)

令咏技術の発見

 1629年。度重なる実働試験の失敗により、ギールラング国外への逃亡を余儀なくされた××博士は、その長い旅路の果てにラノリア総督が指揮するジェルビア星系艦隊によって拘束される。本国のリノス大公は、見つけ次第その身柄を引き渡すようラノリア総督に命じていたが、この時点で分離独立を目論むネメラジールの総督府は、××博士を保護し、新たな兵器の開発に協力するよう説得した。

 1637年。ラノリア総督の下で様々な研究を担っていた××博士は、先住民の間で執り行われる様々な儀式に着想を得ると、専用端末から特定の科学反応を生じさせる局所的な量子テレポート実験を断行した。結果、近隣住民を含む多くの職員が謎の発火現象に悩まされる事態となったが、××博士は更なる発展を志向し、総督府に対して特別予算の編成を求めたのである。係る説明を受けて、ことの重大性を理解したラノリア総督は、一連の実験を最重要機密として取り扱うよう命じた。

ゴルギアの時代

ラルティレーナ諸国に対する外交妨害

 時期:1641年 - 1660年
 1644年。周辺星系における略奪任務の奏功により、一定の経済的安定を見たリノス大公は更なる遠征艦隊の増強を目論んでいた。これまでの戦いで失地を回復した星間ラルティレーナ諸国がロフィルナ連邦との接触を画策していたからだ。2大陣営が復興を加速させ始めたこの頃、早期衝突を望まない政財界の要求に応える形で新たな植民地の獲得を模索したのである。1651年。エールミトナ星系近傍の浮遊小惑星群においてラルティレーナの外航船を発見したゴルヴェドーラ艦隊は電撃的な奇襲作戦を実行し、これを撃沈した。この事件は先に結ばれた講和条約に違反するもので開戦事由に匹敵する暴挙とされたが、リノス大公はラルティレーナの警告をブラフと見なし、徹底的な妨害外交の継続を命令する。

 以降、ロフィルナ星域における両陣営の小競り合いが頻発したが、ジェルビア星系を基点として既にゲートラインを構築しているゴルヴェドーラ艦隊を前にラルティレーナ艦隊は速やかな後退を余儀なくされた。1657年。度重なる交渉の決裂に怒りを爆発させたラルティレーナ諸国はジェルビア星系に通じるゲートラインの破壊を計画する。そして、このことは同盟国軍情報作戦機関の知るところとなり、世論工作を終えたリノス大公に宣戦布告の口実を与えた。1659年6月4日。ギールラング星域戦国軍事同盟は星間ラルティレーナに対する最後通告を行う。一時的な独立保障と引き換えにカロヴェーナ星系の割譲を求めるその条件は到底受け入れられるものではなく、ラルティレーナ諸国の怒りを増幅させるだけであったが、リノス大公に交渉の意思はなく完全に併呑することを目的とした。

経済戦争時代

 時期:1660年 - 1693年

リーティマス星系再征服

 1660年1月8日。ナミール上級海将率いる第3ゴルヴェドーラ艦隊はリーティマス方面へ侵攻し、星間ラルティレーナ条約機構との戦端を開いた。これを受け、カロヴェーナに駐留する条約機構の本隊はバジタルーナ星系に繋がる全ての中継ゲートを破壊する。その結果、後の終戦に至るまでゴルヴェドーラ本隊の侵攻を鈍らせたが、リノス大公は事前に進めていた刷新計画を加速させルーゼリック・Gドライブの量産体制を整えていった。1664年7月25日。リーティマス星系を陥落させたゴルヴェドーラ艦隊は、実質的に条約機構を牽引するエメラドリスへ外交特使を派遣し、身分の保障を前提とする降伏勧告を行った。しかし、リーティマス国民が恐慌をきたす中、着々と反撃の準備を整えたエメラドリス政府はその要求を拒絶。ギールラング特使を拘束し、公開死刑に処したのである。

▲1664年.第二次リーティマス星系侵攻時

エメラドリス征服戦争

 1667年。リーティマス星系に駐留するゴルヴェドーラ艦隊は、人海戦術で攻めてくるラルティレーナ艦隊に対し、都市型航空要塞(オムディック)を主軸とする防御陣形を採っていた。加えて、最新のルーゼリック・ドライブを搭載する精鋭艦隊が敵の補給線を寸断。中継ポイントにおけるゲリラ作戦によって着実に敵艦隊の消耗を促したのである。1669年。長射程を誇るオムディック要塞の進撃を前にカロヴェーナ艦隊は独断撤退を決断した。放射線状に拡散するジャルトラームの光がエメラドリス本星を直撃する。1672年。基幹戦力を失ったエメラドリス政府はグラハウド上級海将による降伏勧告を受諾した。

▲1672年.エメラドリス星系侵攻時

カロヴェーナ併合

 1673年。条約機構において、最後の一国となったカロヴェーナ政府は、首都星系の守りを固めつつ一定の人権保障を条件とする停戦交渉を試みた。グラハウド上級海将は再びカロヴェーナ政府に降伏勧告を発し、1675年、首都星ゼルトダイラの武装解除をもって受諾されたのである。1676年7月12日にゴルヴェドーラ艦隊陸戦機動部隊が降下。エメラドリス星系における未曾有のカタストロフィは広く報道されており、首都圏を含む多くの主要都市において混乱が広がった。しかし、長きに渡る戦争から軍事費の増大に苦しむ本国議会の要求を受け、リノス大公は従来の絶滅計画から段階的な教化政策に転換する。能動的な攻撃を禁じる等の布告がなされたことで占領軍による略奪も控えられる流れとなり、徐々に収束していった。

▲1676年.カロヴェーナ星系侵攻時

ジェルビア総督府の誤算

 1685年2月26日。来たるべき革命戦争に向けて、ジェルビア星系を固めるラノリア総督は令咏力学を含む様々な先端技術の開発に注力していた。自然の摂理に反することなく、あらゆる環境への適応を可能とするそれらの成果は、やがて新たな共立思想の高揚に繋がるであろうことが期待されたのである。ラノリア総督は、自らが主導する独立計画を実現すべく、闘争主義に傾倒する多くの同志をその手にかけた。それは一部の側近の離反を招いたが、近い未来に訪れるであろう新時代の平和のために一族もろとも処刑したのである。この時、開拓の第2フェーズを迎えた惑星ネメラジールでは、総督府による極度の情報統制によって多くの先住民が「研究材料」として隔離されていた。それもまた本国の監視体制を欺く狂創作戦の一環であり、偉大な理想郷を築くために必要な犠牲として見なされた。

 そうした情勢の中、本国特使によってリーティマス星系征服の報告がなされる。これを受け、更なる長期戦を予想した総督府は独立計画を加速させつつ、ロフィルナ連邦に対する外交特使の派遣を決定した。ゆくゆくは同盟関係の構築を念頭に置いた上での試みであったが、これまでの戦いで幾度となく辛酸を嘗めさせられてきたロフィルナ艦隊の怒りは高揚の一途を辿っており、連邦宇宙軍を統率するツォルマール貴族もまた自らの権威を持続するためゴルヴェドーラの残骸を必要としていた。その他にもメルベルトゥルス政権による挙国一致のプロパガンダが流されるなど、以上の政治的要因が複雑に重なった結果、ラノリア総督が試みた融和外交は尽く失敗したのである。1691年。ジェルビア星系総督府はロフィルナ連邦との接触を諦め、情報共有を見送る方針を固めた。

▲1691年.戦後安定期

通信時代

 時期:1693年 - 1740年

ラノルーナ星系進出

 1695年。ジェルビア星系から見て、南東空域エリア(約165℃方向)に存在するラノルーナ星系を最有力植民地に指定。後にウビウリ方面へと繋がる、同星系内のハピタブルゾーンに新たな橋頭堡を見出し、ジェルビア総督府による編入計画が始動した。ラノリア総督は、戦後啓蒙政策を進める本国ゴルヴェドラスの命令を受け、ロフィルナ星域に対する侵攻軍の編成に取り掛かる。表面上は恭順の姿勢を貫いていたものの、国内各地で潜伏する反体制勢力を支援しており、既存の監視メカニズムに囚われない強固なネットワークを構築しつつあった。

▲1695年.作者不詳の政治ステッカー。新たなる闘争時代の始まりを予言した。(E語版)

 多くの市民がギールラングによる競争秩序を疑わなかったこの頃、社会に見捨てられ、虐げられる多くの貧困層が独立闘争の名の下に団結したのである。それは、個人のルサンチマンを扇動するもので、時には無差別殺戮をも辞さない苛烈なテロリズムに走らせた。しかし、そうした行いを非難する良識派の抵抗が弱まるにつれて、ラノリア総督はこれこそが戦いの奴隷(無能、敗北主義者)が望んだ空虚な衰退世界であることを宣伝させたのである。1715年。そのような経緯を経て、徐々に本国政府の力を侮りはじめた多くの闘争主義者*1が武力蜂起し、結果的に当時の政権内部に亀裂が生じるなどリノス大公にとって想定外の事態を招いた。

▲1715年.ラノルーナ星系植民時

アクース連合襲撃

 1724年。世論対策に追われたリノス大公は、ジェルビア星系に対する進駐軍の増強を布告し、自らによる闘争主義的統治を正当化するための新たな遠征プログラムの実行を約束した。それに伴い、中央艦隊の受け入れを迫られたジェルビア総督府は、再び外惑星文明との接触を模索する。1731年。最前線におけるロフィルナ連邦宇宙軍の抵抗が激しさを増してきたこの頃、ラノリア総督は奴隷艦隊への供給を打ち切ることを通達。最前線で消耗する支援部隊*2の撤退を命じるとともに無能な現政権の退陣を要求した。これにより、リノス大公とラノリア総督の対立が表面化し、更なる紛争を招く事態となったが、この時点において両者の支持勢力は拮抗しており、本格的な軍事衝突に至ることはなかった。

 政権交代に係る交渉が続く中、1735年4月22日、リノス大公は長期遠征に関する報告書の一部を公表し、アクース連合を始めとする諸文明国家の存在を暴露する。更に拘束したロフィルナ兵から全ての言語解析を終えていることも付け加え、新たな闘争政策の実行を約束した。一方、ラノリア総督はジェルビア星系内の軍事プロパガンダを強化し、本国政権に対する抵抗を強めていく。同年5月9日。グラハウド上級海将率いるゴルヴェドーラ艦隊に出撃命令が下されると、精鋭20隻からなる小艦隊が北上を開始した。この一連の略奪任務によって多くの技術者を獲得し、経済的リソースを得ることに成功したが、アクース領内に残っていたヴァルエルク艦隊のスクランブル発進を受け、早期に撤退する。これ以降、アクース連合政府は未知の海賊艦隊に対する報復を決意し、復興と軍拡を加速させる流れとなった。

  • アクース・ギールラング海賊戦争

第一次ジェルビア宙域戦争

 1735年4月29日。改革構想を巡る一連の権力闘争が激化する中、12時5分にラノリア総督は現ギールラング体制の打倒を命令。ジェルビア星系内主要機関の制圧を皮切りにツォラフィーナ文明統一機構の樹立を宣言する。そして、高度な転送技術を用いる謎の特殊強化部隊*3の存在が認知され、ついにその時は訪れた。同12時15分。リノス大公は独立闘争を主導する全ツォラフィーナ勢力の撃滅を宣言し、ゴルヴェドーラ全軍に出撃命令を下したのである。しかし、グラハウド上級海将を始めとする多くの高級指揮官が沈黙を保ち、リノス大公は全てを悟った。同15時30分。グラハウド上級海将は、拘束されたリノス大公に自らが全権を担うことを認めさせると、その模様を全国に向けて公表する。

 1735年5月1日にグラハウド大公を元首とする新体制が発足。これにより、機能不全の様相を呈していた同盟国軍の統制が復活し、航宙海軍による本格的な反撃が始まった。1736年2月14日。バジタルーナ星系を始めとする主要7星系の統制を取り戻したゴルヴェドーラ艦隊は、ジェルビア星系に侵攻し、以後、長きに渡る宙域戦争が勃発する(ジェルビア側名称、ツォラフィーナ独立戦争)。グラハウド新体制による予想以上の統率戦力を前に、己の読みの甘さを痛感したラノリア総督は、全ギールラング領内に点在する全ての残存艦隊に段階的撤退を命じた。1736年5月7日。ツォラフィーナ文明召集議会は同最高評議会議長を元首とする共立憲法を布告。民主制への忠誠を確約するとともにギールラングからの分離独立を宣言する。独立の英雄となったラノリア総督は統一機構軍最高指揮官(統合元帥)に就任し、ジェルビア戦線におけるギールラング部隊の駆逐を担った。

▲17XX年.ツォラフィーナ遠征時

ギールラング内戦


▲17XX年.ギールラング内戦時

タシュトヘム宙圏における不可侵合意


アンドロイド時代

 時期:1740年 - 1780年

ツーンカ星系駐留


第二次ジェルビア宙域戦争


ジェルビア冷戦


▲17XX年.ジェルビア冷戦時

連合会議加盟


▲17XX年.現在の主権領域

対スラーン・レーウス外交


アポラ侵攻


第一次スラーン宙域戦争


反動時代

 時期:1780年 - 1809年

シャグマ=ラゴン戦争


サニェーラ侵攻


スラーン宙圏における通商破壊作戦


××戦争


第三次ジェルビア宙域戦争


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最終更新:2020年03月02日 22:05

*1 正義なき力の時代は旧文明における崩壊の始まりを彷彿とさせる。現政権のやり方では初代ゴルヴェドラスの理想を実現できない。ある闘争主義者はそのように主張し、現政権の打倒を掲げた。

*2 そもそもラノリア総督にロフィルナ艦隊と戦う意思はなく、ギールラング本国において政治的主導権を握るまでの時間稼ぎをしているのが実態だった。

*3 その正体は秘密裏に訓練され完成した令咏機動部隊であり、複雑な詠唱過程を経て魔法のような現象を引き起こすことから、リズミカル・アーツ、アルゴリズム・オーダーとも形容された