「またアルシーの奴が『へんなの』を作ったって?勘弁してくれよ…」―エステクトラ機関研究局局長
リーア・ヴォルフル、エステクトラ機関研究第6施設で数百人規模の負傷者を出す事件が発生する3時間前の発言
加工品表 |
名称 |
概念 |
原材料名 |
感覚想起性合成コール,あらゆる「食品」を摂取した際にラヒュスの精神に発現する感覚波の波形データ,アマランス,エリスロシン,アルラレッドAC,ニューコクシン,フロキシン,ローズベンガル,アシッドレッド,タートラジン,サンセットイエローFCF,ファストグリーンFCF,ブリリアントブルーFCF,インジゴカルミン |
内容量 |
想起により無限 |
賞味期限 |
想起により無限 |
保存方法 |
ステイシス・フィールド機能のついたクラスAの密封容器に封印 |
製造者 |
エステクトラ機関 |
成分表示 |
熱量 |
想起により無限 |
たんぱく質 |
想起により無限 |
脂質 |
想起により無限 |
食塩相当量 |
想起により無限 |
たんぱく質 |
想起により無限 |
コレステロール |
想起により無限 |
糖質(糖類) |
想起により無限 |
食物繊維 |
想起により無限 |
カルシウム |
想起により無限 |
ビタミンA |
想起により無限 |
コラーゲン |
想起により無限 |
β-カロテン |
想起により無限 |
ポリフェノール |
想起により無限 |
その他 |
あらゆるすべてのもの |
概念(食品)とは食品という概念を食品にした料理である。
1750年代の
レセスティアで開発されたが、後述の事案以降、特級の危険物であることが判明したため
エステクトラ機関により永久に封印されている。
概要
1750年代、レセスティアでは食品を摂取した際に
ラヒュスの精神に現れる感覚(有り体に言えば味覚である)と同じ感覚をもたらす感覚想起性物質を用いた食品がブームになっていたが、アルシー博士は何を思ったのかこれを利用して「食品」という概念そのものを模した疑似食品を製造してしまう。こうして出来上がった「ナニか」をアルシー博士は「概念」と名付けた。
製造方法
材料(1人前)
- 概念製造のために違法改造されたフードプリンター
- 感覚想起性合成コール…50g
- 死亡したラヒュスの精神コア…1体(死刑執行された重犯罪者の物を推奨、1体で約500回まで使い回しが可能)
- あらゆる「食品」を摂取した際にラヒュスの精神に発現する感覚波の波形データ…適量(100人分以上を推奨)
- 【A】(以下を適量)
- アマランス
- エリスロシン
- アルラレッドAC
- ニューコクシン
- フロキシン
- ローズベンガル
- アシッドレッド
- タートラジン
- サンセットイエローFCF
- ファストグリーンFCF
- ブリリアントブルーFCF
- インジゴカルミン
工程
1.死亡したラヒュスの精神コアをフードプリンターに接続し、精神コア経由であらゆる「食品」を摂取した際にアルターの精神に発現する感覚波の波形データをフードプリンターに適量流し込む。
2.フードプリンターの投入口に感覚想起性合成コール50gを入れ、3分待つ
3.その間に【A】を適量混ぜ合わせる
4.3分後、フードプリンターから加工済みの感覚想起性合成コールを取り出し、表面に混ぜ合わせた【A】を塗る。
【A】を塗った加工済みの感覚想起性合成コールが[削除済]色に輝きだしたらお皿に盛り付けて完成。
結末
開発に成功し、完成した概念(食品)はその日の夜にエステクトラ機関研究第6施設で催されたパーティーで余興として参加した職員に振る舞われたが、参加者の15%がテーブルの上に並べられた概念(食品)を視認した直後に精神、あるいは義体の不調を訴えはじめ、80%は摂取した5分以内に同様の症状に見舞われ、3%が完食後同じ状態に至る。
1時間経過するころには多くの参加者が義体の機能停止もしくは重篤な精神異常、あるいはその両方を発症し、さらに会場が概念(食品)から発せられる光によって汚染されたことによって会場内は大混乱に陥った。研究第6施設内の資産のみでは事態の収拾が不可能になったため、近隣の機関施設から医療、保安、対空間異常チームが集結したがそれでも事態は収まらず、管理委員会命令による緊急対応部隊の出動まで実行され、緊急対応部隊が出動してから約47時間で事態は収拾された。
この事件で概念(食品)の危険性が発覚し、概念(食品)とその製造方法はエステクトラ機関によって永久に封印されることが決定した。概念(食品)を開発したアルシー博士は監督委員会による懲戒審査で訴えられたが、提出した実験報告書と口頭での尋問により、開発段階での安全性の確認のためアルシー博士を含む研究第2部の人員数十名がが概念(食品)を摂取したが、全員に心体両方への不調が一切起こらなかったことが判明。事件は防げなかったものとしてアルシー博士への懲戒はは4か月の減給処分で済まされた。(更に機関内の実験の規約に「研究第2部の人員を使っての食品安全性試験は行わないこと」が加えられた。)
「この世の全ての食べ物を同時に口の中に押し込まれるということは、禍々しい冒涜的な『
アレ』に濃厚なキスをされるようなものだということがよく分かりました。」―メルフ博士
「私は理解した私は理解した私は理解した私は理解した私は理解した私は理解した私は理解した…へうっ!…すみません…あれを目にしてから50時間の記憶を3回ほど消してもらいましたが、その度に記憶が甦ってくるのです。今は4回目の記憶滅却を医療部に要請しているところです。」―R-11-TA研究員
「私は幸いにも影響を受けませんでしたが、代わりに会場内の阿鼻叫喚を目にすることになりました。あの光景は間違いなく、伝説に語られるあの忌々しい
大災厄の次に酷いものです。」―シュワルツァー博士
余波
17XX年、レセスティアに訪れた-国の-氏が、ウェルトミェー外交施設の迎賓室でラフライヤー外務長官との会食に臨んでいた所、突然昏倒するという事件が起こった。
その場に居合わせた外務省の職員が-氏に駆け寄り、介抱しようとした瞬間、彼の体が突然虹色に光りだし、その光による汚染で室内にいた者はもれなく一時的狂気あるいは義体の停止に陥ったことにより、外交施設は記念パーティー同様の混乱に見舞われた。
汚染を受けた部屋は小規模だったため、対応部隊が到着してから数時間で被害を受けた人々は救出されたが、-氏が部屋から運び出された時には既に死亡していた。
後の調査でこの事件がエステクトラ機関から流出した概念(食品)が-氏に供された食事に混入したことによって引き起こされたことが判明し、レセスティア史上最悪の外交スキャンダルとなった。ただし概念(食品)がなぜ流出し、食事に混入したのかは現在も分かっていない。
また、この事件によって生身の肉体には概念(食品)の光は直接的な影響がないこと(但し室内にいた-国側の要員は概念(食品)から発せられた光で知覚麻痺を起こしていた)が実証された。
なお-氏の死因は概念(食品)に含まれる合成コールを致死量摂取したことによる中毒死であった。
関連項目
最終更新:2021年07月31日 00:46