化外

けがい

『又高尾張邑有土蜘蛛 其為人也 身短而手足長』
『与侏儒相類 皇軍結葛網而掩襲殺之』
『因改号其邑曰葛城』

神咒神威神楽の用語。

淡海の先、穢土の領域に棲む異形の魔性。土蜘蛛とも。
どれだけいるのか、正体は何なのか、一切不明。
分かっているのは、西の人界とはまったく別の法則下にあるということ。
非常に危険な存在だが、なぜか淡海を越えて西側に攻め込むことはしない。

穢土に住まう化外の中でも特別強力な個体を指して天魔と言う。
化外達の首魁とされる八柱の大天魔は「夜都賀波岐」と西では呼ばれる。その超常能力は言語を絶し、伝説では山をも超える巨体だったと言われている。

穢土の空に浮かぶ月(夜刀の天眼)から血の涙が降る。その一滴残らず全てが夜刀の涙であると同時に化外そのもの。一定量集まると異形の存在へと変じる。姿は大熊ほどの大きさの蜘蛛そのもので、不和之関における数は数千ほど。それらは夜刀の細胞、白血球のようなもの。ただ神の眷属としては大した力を持っておらず摩多羅夜行の結界を破れないどころか雑兵でも対処は可能。その理由は夜刀が第六天波旬との鬩ぎ合いに力を割いているから。

建国の伝説……それを記した書物には上記の一節が存在し、これが葦原中津国という国家の起源として認識されている。その原典は誰の手によるものか分からず、それを探るのが学者の間で流行らしい。しかし重要なのはそこに記された征服の歴史、土蜘蛛討伐という名の戦いである。
それを要約するなら、
『かつて土蜘蛛という存在がおり、その姿は異形で卑しく汚らわしい存在だった』
『よって、(すめらぎ)の軍勢がこれを捕え、責め苛んで誅滅した』
『この覇業によって世は平定され、土蜘蛛が生きた地を我が物として塗り替えた』
という三行で建国の起源は説明がつく。

神州以外の他国はすでに自国の化外をとうに滅ぼしている。
今は昔、異形の者が踏襲し、現在の常識では理解できない法理が存在していた。だが始祖によってそれらは討伐され、世は塗り替えられて今に至る。
というような、どこの国でも化外を斃して国を成したという建国神話が語られ、似たような伝説があり、似たような歴史を辿っている。文化的背景により、それが蛇であったり竜であったり、あるいは蜘蛛であったりと様々だが現存する総ての国家はみな化外を斃した過去を持つ。
これはの第五天から第六天へと交代劇が化外討伐の伝説として様々な形で遺されたもの。神州穢土にだけ土蜘蛛が残るのは唯一そこが波旬覇道から逃れた領域だから。

後世、第七天において化外は異民族という認識になっている。夜都賀波岐のような超常の存在とされてはいない。歪みという概念も穢土との混血児を指した蔑称に過ぎないという解釈。


  • これ作られてなかったのか -- 名無しさん (2018-12-20 17:03:57)
  • 他国の化外というのはやはり単なる異民族を指してるのかな? -- 名無しさん (2019-03-19 13:58:55)
  • 内戦で負けた側&異民族征伐の話に無意識に伝播してた波旬の所業が合わさっての纏めて化外扱いかなって、欠片でも他所に夜刀の影響が残ってたなら勝てそうもないし -- 名無しさん (2019-05-22 23:27:58)
  • 第五神座が美少女ロボットものだとしたら、化外の中には土蜘蛛系美少女ロボがいたということか -- 名無しさん (2021-01-04 14:36:27)
  • もはやナラカそのものが神座勢からすると化外でしかないな -- 名無しさん (2021-03-12 21:13:50)
  • 逆じゃね?ナラカにとって神座が化外 -- 名無しさん (2021-03-12 21:17:27)
  • こちらからみたナラカはケイ素生命っぽいのが面白い -- 名無しさん (2021-03-12 21:27:29)
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最終更新:2024年07月02日 19:01
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