ウルスラグナ
聖王領の全土を挙げて行われる祭り。毎年、
ワルフラーンの命日を挟む七日間にわたって催される。
民が心から楽しみにしている催しではあるが、その本質は政治的な欺瞞である。
劣勢にある現状を隠し、優勢な戦いを進めていると思わせるプロパガンダ。士気を保つための施策の一つとも言える。
マグサリオンは毎年この祭りの時期は聖王領に帰還しているという。その理由は不明。
(
ズルワーンは「兄貴の幻影の相手をしている」…即ち勇者という概念、それを奉じる“
みんな”という存在への挑戦と推察している)
ワルフラーンの生涯と功績を模した構成となっており、前祭、本祭、後祭でそれぞれ異なるテーマに沿って執り行われる。
霊峰の裾野で行われる、
戦士候補生達の大規模な演習。
教官が敵役となって、十五歳の
ワルフラーンが一級
魔将を討伐した逸話を再現する。
演劇的な要素を含むものの完全なヤラセでもなく、ここで活躍した候補生は正式な戦士に昇格できる。
政治的に言えば、戦士の育成は問題なく進んでいるとアピールする場でもある。
ワルフラーンによる三柱の
魔王の撃破という空前の偉業の再現。
…ではあるが、安易に模す事は憚られるとして、
ワルフラーンの愛した「
みんなの笑顔」の再現を行う。
具体的には、都をあげての無礼講、上も下もない大宴会を開くというもの。
一人一人の平和への想いが勇者という存在を生むと民は信じ、願い、祈る。
戦功のあった戦士が儀仗隊の先導する山車に乗せられ、王都の
目抜き通りを行進する。
クインは目的地は王城であり、そこで行われる凱旋式で演説をするものと予想していたが…。
山車が到着したのは先日、急遽建造された闘技場。その場で行われたのは「若き日の勇者と聖王の出会いの再現」―
マグサリオンと
スィリオスによる、
殺意をぶつけ合う
殺し合いであった。
加護でも
戒律でもない異形の歪みが解放された戦いは、スィリオスの
理想を聞き届けたマグサリオンが剣を引いたことで終幕となった。
(戦士達を含む観客は、謎の異能の事も、戦いの中で飛び交った
血生臭い発言の数々も記憶に残っていない模様)
本編における後祭は、戒律により殺意を伴わない接触を禁じられている
マグサリオンとの語らいの場を持とうとした
スィリオスの意向によりこのような形になったと思われる。本来の後祭がどのようなものかは不明。
備考
名前の由来はゾロアスター教における戦争の勝利を司る神「ウルスラグナ」。
また、「
ワルフラーン」はウルスラグナのパフラヴィー語形。
- カンピオーネってラノベで知ったなあ、ウルスラグナ -- 名無しさん (2020-02-08 09:16:43)
- むしろマグサリオンも一周回って気になるわ。スィリオスが恥知らずになりたいと言った言葉が今なら分かる -- 名無しさん (2020-06-05 22:03:58)
- 今となってはみんなでちくわを食べる祭りにすれば良くね?と思ってしまうのはここに毒されすぎてるのだろうか -- 名無しさん (2021-02-07 19:05:04)
- ちくわを咥えたフェルさん・サムルーク・クインちゃんだって? -- 名無しさん (2021-02-07 19:08:54)
- 世界各地のチーズ転がし祭りみたいなわけ分からん祭りってそんな感じでできるのかな? -- 名無しさん (2021-02-08 00:30:49)
最終更新:2021年02月08日 00:30