報道と「2ちゃんねる」
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houdou
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報道と「2ちゃんねる」
いまや「インターネット利用者」というのはこの項を編集をしている人間や見ている人も含めた、不特定多数の一般市民の別称であり、そこには人の数だけの悪意もワルノリも善意も当然含まれています。それを一くくりに「ネットの闇」とレッテルを貼る論旨がいかに単純なものかは、マスコミの作るネットのネガティブイメージの代名詞「2ちゃんねる(2ch)」の多面性からも伺えます。
この項の目次
「2ちゃんねる」における反マスコミ主義
東京大学社会情報研究所(現・情報学環)助教授 北田暁大
「2ちゃんねる」で、私がちょっと注目したいと思うのは、そのアンチ・マスコミ主義、反マスコミ主義の風潮です。これは非常に根強いものがあります。まあマスコミ板というアンチのために設えられたようなコーナーみたいなものですが、そこなんかで一番槍玉にあげられるのが朝日新聞です。そのほか朝日に限らず様々なマスメディアに対する、非常に何というんですかね、アンチな姿勢といったものが貫かれております。
例えば朝日新聞とかですと、投書欄に投稿されている文体を真似て文章を作ってみようなんていうスレッド―書き込みのコーナーみたいなもの―が立ちまして、そこでは、いかにも朝日好みの文章、「声」欄の文を真似した文章を書いていくんですね。一種のパロディです。
しかし実際、パロディ的に書かれたネタが朝日に実際に載ってしまい、みんなで大喜びするという「事件」がありました。これを「アカイホウドウ事件」「赤い報道事件」といいます(別に正史があるわけではないので、こういう言い方が定着しているというわけではないんですが…)。なぜ「赤い報道」なのかといえば、投稿者が「赤井邦道(アカイクニミチ)」という名前でですね、それを音読みすると「赤い報道」になり、朝日の報道姿勢に対する揶揄になる(笑)、といった、まあ下らないといえば下らない理由からなんですが、2ちゃんねるマスコミ板の住人たちは「「朝日」を釣った」として大喜びだったわけです。朝日新聞の側にとってはたまったもんじゃありませんが、どこか笑えてしまう「事件」でした。
しかし実際、パロディ的に書かれたネタが朝日に実際に載ってしまい、みんなで大喜びするという「事件」がありました。これを「アカイホウドウ事件」「赤い報道事件」といいます(別に正史があるわけではないので、こういう言い方が定着しているというわけではないんですが…)。なぜ「赤い報道」なのかといえば、投稿者が「赤井邦道(アカイクニミチ)」という名前でですね、それを音読みすると「赤い報道」になり、朝日の報道姿勢に対する揶揄になる(笑)、といった、まあ下らないといえば下らない理由からなんですが、2ちゃんねるマスコミ板の住人たちは「「朝日」を釣った」として大喜びだったわけです。朝日新聞の側にとってはたまったもんじゃありませんが、どこか笑えてしまう「事件」でした。

敵はもちろん朝日だけではありません。たとえば、あるテレビ局のワールドカップの報道姿勢に対して非常に怒りを覚えたというので、奇妙なオフ会が開かれたこともありました。フジテレビの報道に怒りを覚えた人たちが、みんなバーっとお祭り騒ぎをしまして、フジに壮大な「イタズラ」を仕掛けてみせた。フジテレビは毎年「27時間テレビ」というのをやっているんですが、そのなかで湘南の江ノ島のゴミ拾いをし、その姿を映してみんなで感動を味わおうというベタな企画があったんですが、2ちゃんねらーたちのなかで「よし、もう腹が立ったから放送前日までに全部ゴミを拾ってしまえ」ということになった。それで夜中に集まってですね、本当にゴミをきれいさっぱり全部拾ってしまったんですね(笑)。
ゴミ拾いの感動を生中継で伝える予定だったフジは大困りです。で、当の2ちゃんねらーたちは、困っているレポーターの姿とかをテレビで見てギャハハと笑う。これは本当に多くの人を動員したみたいで、2ちゃんねる的オフ会の特徴がよく現われているエピソードだと思います。下らないといえばこれほど下らないこともないのですが、私はあまり一刀両断にしてしまわないほうがいいと思います。ちょっとしたパロディ的な皮肉も込めながら、遂行される反マスコミの姿勢、それはそれで一つの現代的な「抵抗」「異議申し立て」の方法ではあるわけです。建前では偉そうなことを言っている権威主義的ジャーナリズムに対する懐疑的態度、そんなものを2ちゃんねる的な「梯子外し」のなかに見出すことも不可能ではないのでしょうか。
ゴミ拾いの感動を生中継で伝える予定だったフジは大困りです。で、当の2ちゃんねらーたちは、困っているレポーターの姿とかをテレビで見てギャハハと笑う。これは本当に多くの人を動員したみたいで、2ちゃんねる的オフ会の特徴がよく現われているエピソードだと思います。下らないといえばこれほど下らないこともないのですが、私はあまり一刀両断にしてしまわないほうがいいと思います。ちょっとしたパロディ的な皮肉も込めながら、遂行される反マスコミの姿勢、それはそれで一つの現代的な「抵抗」「異議申し立て」の方法ではあるわけです。建前では偉そうなことを言っている権威主義的ジャーナリズムに対する懐疑的態度、そんなものを2ちゃんねる的な「梯子外し」のなかに見出すことも不可能ではないのでしょうか。
ですから、とてつもないその悪ふざけを、単なるルサンチマン(権威に対する怨念)といったものに回収してしまうのも私はどうかな?というふうな感じがするんですね。実際ある放送局、これは内容の真偽がいまだ確定していませんから名前を挙げることはできないんですが、その放送局のドキュメンタリー番組に「やらせ疑惑」みたいなものがあったんですね。そのときには2ちゃんねるを拠点として、ものすごい勢いでジャーナリスティックな情報収集、情報の交換、番組の検証などが行われました。海外での医学論文をボランティアで紹介したり、医学的な知見を元手に様々な議論が展開されていった。当然、全部無償ですよ。そういったような普通の「大マスコミ」では到底考えもつかないような情報収集の場になったこともあるわけです。
そう考えると、2ちゃんねるに渦巻く不思議な反マスコミ的熱意といったものも、「非合理なものにすぎない」と批判してハイ終わりというわけにはいかないようにも思えてくるわけです。むしろですね、現代におけるマスメディア、あるいはジャーナリズム、そしてインターネット、といったものの関係性を問い返す上で貴重な試金石になるものなんじゃないかと。そんなふうに考えることもできると思います。
(中略)
実際、2ちゃんねるを見てるとですね、非常に優秀なジャーナリズムの作品に対してはものすごい共感というかリスペクトを寄せております。実際名作といわれているようなNHKのドキュメンタリーには素直に褒め讃えてますし、まあ「プロジェクトX」(名作かどうかは私には分かりませんが……)に対しても相応の評価を与えている(それをさらにちゃかしたりもするんで、どうにも食えない連中なのですが)。
だから、本当は彼らの方が「ジャーナリズムの理念」というものを、少なくとも私―そして職業人的ジャーナリスト―以上に信じていて、そしてそれが裏切られているという感覚を持っているかもしれない。その中で何か彼らの諧謔的なコミュニケーションが駆動している、と考えることもできるのではないか。マスメディア・システムの論理に覆われたジャーナリズムへの「抵抗」としてのアイロニカルな2ちゃん的コミュニケーション。武田さんはちょっとそういう話をしているわけではありませんが、こんなふうに2ちゃんとジャーナリズムの屈折した関係を捉え返すこともできるのではないか、と私は考えています。
↓続きは東京大学HPで
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/research/symposium/past_sympo_isics/2003/Kitada_web/ann_K2.html
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/research/symposium/past_sympo_isics/2003/Kitada_web/ann_K2.html
湘南ゴミ拾いオフのまとめページ
http://fuji1515.at.infoseek.co.jp/index.html
湘南ゴミ拾いオフのまとめ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2122626
http://fuji1515.at.infoseek.co.jp/index.html
湘南ゴミ拾いオフのまとめ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2122626
国内メディアが報道しない海外ニュースを「翻訳報道」する2ch記者
2chニュース系掲示板はボランティアの2ch記者が報道機関などの情報を引用・抜粋しスレッドを立てるルールがあり、基本的に元ニュースの改変は認めらずルール違反の明らかな場合は記者資格を剥奪されます。もちろん一般メディアがそうであるように記者にも多かれ少なかれ、スレッドタイトルなどや抜粋の加減で主観の影響は存在するので元ソースURLの付記が基本となっておりそちらの確認も可能です。そして記者によっては海外記事の翻訳によるスレッド作成(スレ立て)まで行われています。
翻訳記事例
【ウイグル・台湾】ラビア・カーディル議長が台湾紙の取材に答える「台湾は民主的国家と思っていたが、今は半信半疑」[10/21]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1256137665/-100
【ウイグル・台湾】ラビア・カーディル議長が台湾紙の取材に答える「台湾は民主的国家と思っていたが、今は半信半疑」[10/21]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1256137665/-100
2ch発の良識的運動例
新潟県柏崎のテーマパーク「柏崎トルコ文化村」が経営難で閉園になりトルコから寄贈された国際友好のシンボル“トルコ建国の父、ムスタファ・ケマル・アタチュルク初代大統領の銅像”までも、跡地、建物、構築物と一括で売却されました。さらに銅像は2007年の地震を機に一旦台座からはずされて以来、野ざらし枕木状態に。
これを見かねた2ch利用者が周知活動、署名や各種問い合わせその他で問題解決のため運動をおこしていました。
幸い、産経新聞等の一部メディアの報道も手伝い
これを見かねた2ch利用者が周知活動、署名や各種問い合わせその他で問題解決のため運動をおこしていました。
幸い、産経新聞等の一部メディアの報道も手伝い
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7700人を超える署名が集まり、トルコの軍艦「エルトゥールル号」が串本沖で沈没した際、地元漁師が救出活動にあたったゆかりがある和歌山県串本町に移設されることが決まりました。
http://www.shomei.tv/project/notice.php?pid=932#notice_1
こうした草の根の運動を支えているのも2ch等の大規模匿名掲示板の一面でもあります。
http://www.shomei.tv/project/notice.php?pid=932#notice_1
こうした草の根の運動を支えているのも2ch等の大規模匿名掲示板の一面でもあります。
また、まとめサイトでは移転決定後の報道だけではわからない日本とトルコの過去からの経緯等までの情報に触れられます。
報道例
ゆかりの串本町で安住へ トルコ建国の父 アタチュルク銅像
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2009年12月19日 産経
http://www.sankei-kansai.com/2009/12/19/20091219-018462.php
http://www.sankei-kansai.com/2009/12/19/20091219-018462.php
柏崎→和歌山 「安住の地」やっと
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朝日 2009年12月19日
http://megalodon.jp/2009-1220-0218-38/mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000912190005
http://megalodon.jp/2009-1220-0218-38/mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000912190005
2chによる報道検証例
入場者数:20万人(日本音楽史上最大動員)GLAY EXPO '99 SURVIVALと、普天間の県外・国外移設求める9万人大会(主催者発表)検証画像
※クリックで拡大表示
本件では2010.4.25普天間の県外・国外移設求める9万人大会が報道された直後から2chで検証が開始され主催者発表の嘘が暴かれました。
Google Earthによる同縮尺での地図と併せた9万人大会報道写真ではパッと見でGLAY EXPO '99 SURVIVALの1/6の敷地面積で、その上混雑度にも大きな差があります。
単純に同じ混雑度でも3・4万人程度にしかならないのは明らかで、実数は1・2万人前後といったところでしょう。
単純に同じ混雑度でも3・4万人程度にしかならないのは明らかで、実数は1・2万人前後といったところでしょう。
一人当たりの面積割り出し例
開催された読谷村の運動広場は敷地面積35,063㎡ 施設面積21,600㎡
http://megalodon.jp/2010-0424-1744-47/www.yomitan.jp/1/707.html
http://megalodon.jp/2010-0424-1744-47/www.yomitan.jp/1/707.html
単純計算すると
35063÷90000=0.38958889㎡ これが一人あたりの敷地スペース
35063÷90000=0.38958889㎡ これが一人あたりの敷地スペース
0.38958889㎡、これはだいたいA4の紙を6枚並べた感じ。
(210mm×297mm×6枚=0.37422㎡)
(210mm×297mm×6枚=0.37422㎡)
9万人入場なら舞台席とか来賓席とか一切含まず敷地の端から端まで
人を詰め込んでやっと一人A4六枚分のスペースが確保出来る状況。
報道写真がそれと大きくかけ離れたものなのは明らか。
人を詰め込んでやっと一人A4六枚分のスペースが確保出来る状況。
報道写真がそれと大きくかけ離れたものなのは明らか。
報道例
産経が例外的に情報関係者は「実際には3万人前後だったようだ」語った、と報道しましたがその数字すら2chの検証からするとまだ割り増し感はあります。
正確な数字はともかくこの件では普天間の「主催者発表」が全くデタラメな数字であることは明らかですが、実数を割り出した報道はなく、報道機関によっては「主催者発表」による数字であることすら伏せられています。
昨今、このような検証が日常的に行われる事で、こうした報道は、恒常的に行われていることが続々明らかになっています。
産経が例外的に情報関係者は「実際には3万人前後だったようだ」語った、と報道しましたがその数字すら2chの検証からするとまだ割り増し感はあります。
正確な数字はともかくこの件では普天間の「主催者発表」が全くデタラメな数字であることは明らかですが、実数を割り出した報道はなく、報道機関によっては「主催者発表」による数字であることすら伏せられています。
昨今、このような検証が日常的に行われる事で、こうした報道は、恒常的に行われていることが続々明らかになっています。
主催者は9万人と発表、情報関係者は「実際には3万人前後だったようだ」語った、と報道した例
「主催者発表」とまでは明記されている例
読売(大手他紙も基本的に同じ扱いです)
http://megalodon.jp/2010-0427-1136-46/news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20100425-567-OYT1T00468.html
http://megalodon.jp/2010-0427-1136-46/news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20100425-567-OYT1T00468.html
「主催者発表」との明記すらない例
TVでは大手メディアでも詳細は省きがち、「9万人」が既成事実となって報道されるケースがままあり
FNN(2010 04/26 11:47)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-04-26/2010042601_01_1.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-04-26/2010042601_01_1.html
類似先例
【集団自決問題】 報ステ古舘氏「仮に2万人だったとしても何がいけない」「人数の問題ではない」…沖縄11万人集会水増し問題で
関連サイト
2NN
http://www.2nn.jp/
2ちゃんねるのニュース速報+系掲示板の書き込みを自動解析し人気の高いニュース及び最新のニュースをリアルタイムで提供する「2NN」は主要なニュースが一目で見渡せ(掲示板の書き込みは不特定多数のユーザーによるものですが)各スレッドから公式報道機関のHPへもリンクでたどれます。
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痛いニュース
2chのまとめサイト 報道関係のスレッドのまとめもあり
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/cat_17184.html
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/cat_17184.html
(↓自動検索による外部リンクリストです。)
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