自己査定のルールって、銀行によって全く違うって知ってましたか?大きく分けて2つの流派に別れています。それは、「債務償還年数」派と、「実質長期借入金」派です。感覚的な話ですが、「債務償還年数」派が多数派で、実質長期借入金は自己査定ルール少数派だと感じています。
実質長期借入金とは、自己査定上の借入金の考え方。
- 実質長期借入金=固定資産+流動資産の中の不良資産+繰延資産 -正味自己資本-特定引当金
としてこれを何年で償還できるかで債務者区分を決定する。
(実質長期借入金返済年数)
- この考え方とは別で、一般的な銀行の自己査定は短期借入金+長期借入金=有利子負債とし、この有利子負債を何年で償還できるかで債務者区分を決定する。
- この2つの資産査定は借入金の算出方法が違うので、銀行によって債務者区分が正常先であったり要注意先になることはあり得る。
1.債務償還年数
債務償還年数とは、自己査定や融資判断の指標となるものである。
債務償還年数の定義は、各銀行でバラバラであるが、概ね3種類に分けられる。
①シンプルバージョン(総債務償還年数)
債務償還年数=(短期借入金+長期借入金+社債)÷CF
CF=当期利益+減価償却費
この場合、償還年数を15年以内を正常先としているケースが多い。
②運転資金控除バージョン(要償還債務ルール①)
要償還債務①=(短期借入金+長期借入金+社債)-所要運転資金
要償還債務年数=(短期借入金+長期借入金+社債-所要運転資金)÷CF
運転資金も控除されるため債務償還年数を10年以内を正常先としているケースが多い。
③運転資金+現預金控除バージョン(要償還債務ルール②)
要償還債務②=(短期借入金+長期借入金+社債)-所要運転資金-現預金
要償還債務年数=(短期借入金+長期借入金+社債-所要運転資金-現預金)÷CF
2.CFの定義
CFの定義も、各銀行でバラバラである。
①単純CF(償却前当期利益)=当期利益+減価償却費
②CF=償却前経常利益×60%
③CFから企業維持的投資を差引いて償還財源を計算するパターンもあり
企業維持的投資とは、たとえば運送業などは2年に一度の割合で車両の入れ替えなど頻繁に設備投資が必要となる。
企業維持するうえで必ず設備投資が必要となるので、償却前経常利益から差し引いて計算する自己査定方法もある
本稿は資産査定2級の解説を行う。
資産査定3級・2級を申込するのであれば、問題集は絶対に買わないと合格しないので購入すべき。
また、資産査定の実務についても解説を行う。一般的に知られてはいないが、銀行の自己査定は大きく分けて2つの流派に別れている。それは、「債務償還年数」派と、「実質長期借入金」派だ。感覚的な話だが、「債務償還年数」派が多数派で、実質長期借入金は自己査定ルール少数派だ。
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目次
解説編
問題編
実務編
参考文献
最終更新:2025年01月12日 22:50