【Scene.9
スクアーロ】
pm0:26 ~DIOの館-一階 玄関~
数分前。
館に現れた男は、開口一番に彼の名を呼んだ。
【記憶】を遡っても、琢馬の記憶に目の前の男の情報はない。
初対面のはずだが、この男はどこからか自分の情報を得ている。
(くそ…… ミキタカたちもまだ見つかっていないというのに、この時点で館に来訪者とは―――)
そもそも、この隠れんぼがここまで長引くのは予想外だった。
自分は【本】を用いて常に自分の視覚情報を分析しつつ探索していた。
相手は荷物(ミスタ)を抱えており、脚も負傷している。
来る途中に見た屋敷の外観と少々の探索から、この館は玄関の扉以外、窓は全て塞がっており、出入り口はない。
玄関さえ気に掛けていれば、逃げ道はない。
そうやって館の隅々まで探索をしているというのに、一向に見つからなかった。
次第に焦りが生まれる琢馬が時間を浪費するうちに、新たに館に現れた男、スクアーロと出食わした。
(何者だ……この男は? 何故この俺の名を知っている?)
琢馬はスクアーロの姿を観察する。
身長は琢馬と同じくらいの中肉中背。頭に大きなバンダナを巻いた白人。デイパックは一つ、さらに腰には長さ5尺はあろう西洋刀。
(―――迷うことはない。今優先すべきは、ミキタカとミスタ。この男は、殺してしまって問題ない)
考えを払い、琢馬は拳銃を構える。しかし―――
バシィッ―――
スクアーロの手から弧を描くように『何か』が飛び出し、拳銃を叩き落とした。
(速い―――ッ!)
「オレは敵じゃあない。妙な考えは起こすな。着いて来い」
琢馬の敵意を無視し、そのまま彼の横を通り過ぎて、階段を上っていく。
弾き落とした琢馬の拳銃すら拾わない。
それを琢馬に拾われても、決して二度と銃口を向けられないと言う自信の表れだ。
事実、琢馬はそんな気は起こせない。
攻撃するまでの間合い、隙、スピード。
口で言い負かしたミスタとは違い、この男は問答無用だ。
戦闘経験に差がありすぎる。修羅場の数が違う。
(なんだと!? この男、今なんと言った?)
スクアーロは、ミスタとミキタカの事まで知っている
琢馬のことを知っているだけの何者かではない。この『DIOの館』で起こった一部始終を知っているというのか?
拳銃を拾いながら、琢馬はそんなことを考える。
そして、スクアーロの後ろを着いていく事にした。
拳銃は、向けられない。今度は拳銃を叩き落されるだけでは済まないかもしれない。
【本】で確認すると、飛び出したのは鮫の形をした『スタンド』だった。
☆
塔の最上階は閑散としていた。
部屋の中央には、シンプルな装飾に『D』とだけ書かれた棺桶が一つ。
まわりには2体の人間の死体。ゲームが始まり、誰と出会うこともなく勝手に死んだ男たち。
スティール・ボール・ラン・レースの上位入賞者、
ポコロコと
スループ・ジョン・Bだ。
もし琢馬が新世界に住む人間だったとしたら、世界的に名を挙げた彼らの名や顔も知っていたかもしれないが、レースなどない世界線から来た琢馬には知る由もない。
(妙だ。この部屋もちゃんと調べた。棺桶の中もだ。この部屋に隠れているのだとしたら、2人は一体どこへ?)
死体の事などはどうでもいい。ミスタに聞いていたし、一度この部屋も調べているので特に驚くようなものでもない。
だが、ミキタカたちがこの部屋に隠れているというならば、どこだ?
その疑問に答えるかのようにスクアーロはまっすぐ部屋の真ん中へ向かって歩き、棺桶の前で立ち止まる。
そして、腰に差した西洋刀『アヌビス神』を鞘から抜き、そのまま一閃、振り切る。
時代劇で見た里見浩太朗の殺陣のように美しい太刀筋が目の前の棺桶を真っ二つに――――――
否。
棺桶は切れていない。
スクアーロは静かに『アヌビス神』を納刀する。刀身には血が付いてた。
(なんだと? まさか―――――)
琢馬は棺桶に駆け寄り、力いっぱいその蓋を開く。
中には、断末魔を上げることすら出来ず即死したグイード・ミスタと
ヌ・ミキタカゾ・ンシの死体が重なって収められていた。
(馬鹿な!? 一体どうやってここに―――!?)
ミキタカとミスタが隠れていたのは、DIOの棺桶の中だった。
だが、そんな目立つ場所……。琢馬も一度、中を調べて見ている。
見つけられなかった理由は、ミキタカの変身による偽装のせいだった。
琢馬は、ミキタカの変身能力『アース・ウインド・アンド・ファイアー』を知らなかった。
先程もその変身によるミキタカの擬死行為に気が付かずに逃げる隙を与えてしまった。
ミキタカは棺桶の中にミスタを寝かせ、そしてミキタカが上から偽の底面を作り隠れていた。
つまり、二重底の要領だ。
変身能力の知らない琢馬から隠れ切ることに、ミキタカが選んだ手段はベストだった。
ただ唯一の誤算は、その小細工を仕組む一部始終を『ウォッチタワー』の一枚に目撃されていたことだ。
(何なんだ一体―――? 何が起こっている?)
琢馬にはわからないことだらけだ。
棺桶の中から出てきたミキタカたちも、それを容易に発見したスクアーロも、棺桶を傷つけず中のミキタカたちだけを切り裂いた攻撃の謎も。
つい5分前まで最大の不安材料だったミスタとミキタカがあっさり死んだというのに、琢馬の立場は何一つ改善されなかった。
「貴様――― 一体何者だ?」
琢馬のすべての疑問を払うシンプルな問いで聞く。
普段とは違い、現状においての情報弱者は琢馬の方だ。
向こうが「敵ではない」というのであれば、それを信用し、少しでも情報を得る。
それくらいしか、今の琢馬にできることはなかった。
だが、今度もスクアーロは琢馬の言葉に答えず、代わりにデイパックから何かを取り出す。
スクアーロの動きに警戒し、琢馬は一歩下がって拳銃に手を掛ける。
銃口は向けられないまでも拳銃を握り締め、そしていつでも【本】を取り出せるよう臨戦態勢に入った。
スクアーロが取り出したのは、石の塊のような何か。
「―――こいつに聞け」
スクアーロは解答と共に、その何かを琢馬に投げつけた。
石? 爆弾? いや、違う。
「亀!?」
琢馬が投げつけられた陸亀の甲羅を咄嗟にキャッチする。
と同時に、琢馬の身体は亀の背中に吸い込まれ、姿を消した。
☆
「ようこそ、ホテル『ミスター・プレジデント』へ」
感覚としては、バトル・ロワイアルのゲームに呼び出された瞬間に近い。
一瞬で異世界に飛ばされる感覚。DIOの屋敷の塔にいたはずの蓮見琢馬は、いつのまにかどこかの『部屋』に飛ばされていた。
部屋は一見どこにでもある安ホテルの一室のような造りであるが、出入り口や窓の類のない閉鎖された空間だった。
さすがに超常現象にも驚かなくなってきた琢馬は、冷静に考えを進める。
「なるほど、あんたが一枚噛んでいたのか」
部屋にいた男は、ボルサリーノ帽で派手に決めた中年の伊達男だった。
琢馬にとっても初対面の男だが、声と亀、そして状況からこの男の正体は想像できた。
つまりは、あのトランプの能力の本体だ。
あのトランプの能力ならば、どこで自分を見られていても不思議ではないし、ミキタカたちの隠れ場所も探し出して当然だ。
「ほう、察しがいいな。ならば次に知りたいのはオレたちの目的といったところか?」
「―――まあ、そんな所だな」
「ふふふ、まあ、そう焦るな。少し待て。おい、スクアーロ!」
突然、ムーロロが天井に向かって声をかける。
琢馬も釣られて上を見る。天井は至って普通、何もないが、この天井が外の世界とつながっているのだろうか?
外にいるスクアーロ(琢馬はこの時初めて名前を知る)からの返事はないが、ムーロロは構わず言葉を続けた。
「まずはDIOから伝言だ。『よくやった』。そして、許可が下りた。」
「……で、誰なんだ? オレはどこへ行けばいい?」
「殺ったのは
プロシュート。オレたちと同じ組織の構成員だが裏切り者だ。現在位置はD-7南西部、同行者一名と行動している」
「―――プロシュート、か。………グラッツェ、感謝する」
簡潔なやり取りを済ませ、それ以降スクアーロの声は聞こえなくなった。
ムーロロは琢馬に向き直り、そして余裕のある笑みを浮かべて話を始めた。
「さて蓮見琢馬よ、まずはオレの自己紹介から始めようか」
☆
亀をデイパックの中へ放り込み、スクアーロは行動を始めた。
D-7エリアはここから遠いが、ムーロロの能力で追跡してる以上、移動されたところで逃しはしない。
スクアーロはこの情報を得ることと引き換えに、今回の任務を遂行した。
DIOの配下に甘んじたものの、スクアーロの立場は他の者とは少し違っていた。
サーレーや
ディ・ス・コ、それに花京院たちのように肉の芽に精神を支配されるでもなく、ヴァニラや
ンドゥールのようにDIOを崇拝しているわけでもない。
ヴォルペやプッチのような友人関係もなければ、
ラバーソールや鋼入りのダンのように金の繋がりがあるわけでもない。
DIOとスクアーロの間にあるのは、利害関係だった。
スクアーロがDIOに仕え命令に従う代わりに、スクアーロの復讐をDIOが支援するという契約を結んだ。
スクアーロの強い復讐心を肉の芽や恐怖で奪ってしまうのはもったいないとDIOは判断した。
DIOがムーロロとの繋がりを持ったことでスクアーロの仇とする人物を割り出すことができたので、DIOはひとつ仕事を与え、その代償に復讐の機会を与えたのだ。
DIOがスクアーロに与えた仕事は、蓮見琢馬の確保。そしてミスタ、ミキタカ両名の始末である。
ムーロロから琢馬の情報を得たDIOは、彼に興味を持った。
すぐにとはいかないが、そのうち接触を図りたいと思ったDIOは、彼を確保したいと考えた。
ミスタとミキタカは、DIOにとっての利益も少なく、生かしても邪魔になるであろうと判断され、始末された。
スクアーロに亀を預けその中にムーロロを同行させたのは、琢馬をムーロロに見張らせると同時に、スクアーロとムーロロにお互いを見張らせるという理由がある。
どちらもまだDIOから100パーセントの信頼を得ているとは言い難く、どちらかが妙な気を起こした場合はもう片方に始末される。
DIOの見立てではスクアーロとムーロロの戦闘能力は拮抗しており、戦闘になればどちらも無傷ではいられないだろうという読みである。
もっとも、スクアーロにDIOへ反抗する意思は今のところ無い。
今スクアーロにあるのは、
ティッツァーノの仇であるプロシュートへの復讐、それだけだ。
情報を与えてくれたDIOに感謝こそあれ、敵意を持つ理由はどこにもなかった。
「待っていろプロシュート…… ティッツァを殺した事を、地獄で後悔させてやる―――!!」
【C-3 DIOの館 / 一日目 日中】
【スクアーロ】
[スタンド]:『クラッシュ』
[時間軸]:ブチャラティチーム襲撃前
[状態]:健康
[装備]:アヌビス神
[道具]:
基本支給品一式、ココ・ジャンボ(中にムーロロと琢馬)、『オール・アロング・ウォッチタワー』 のハートのJ
[思考・状況]
基本行動方針:プロシュートをぶっ殺した、と言い切れるまで戦う
0:とりあえずDIOの手下として行動する。
1:D-7エリアへ向かい、プロシュートに復讐する。
2:ムーロロが妙な気を起こした場合、始末する。
3:復讐を果たしたあと、DIOに従い続けるかは未定。
※スクアーロに課されたDIOの命令は、蓮見琢馬を確保すること、ミスタとミキタカを始末することです。
命令は果たしたので、スクアーロは私怨である復讐の機会を与えられました。
同時にムーロロとお互いを見張り合っています。
☆ ☆ ☆
「止まれ」
タルカスを先頭に東へ進路を取ったジョルノたちは、ティベレ川に掛かる橋の上で待ち構える男と出会った。
目の前の人物に対してか、それとも後ろのジョルノたちに対してか、タルカスの言葉で彼らはお互いの存在をその目に捉える。
「ジョルノ・ジョバァーナだな?」
彼らを待ち構えていたのは、
ヴァニラ・アイス。
タルカスはヴァニラの出で立ちを観察する。自分に匹敵する鍛え抜かれた肉体に、鋭い殺意を放つ目付き。
直感で気が付いた。こいつはヤバイ奴だと。
「僕がジョルノですが、あなたは? 失礼ですが、何故僕の名を?」
「私のことなどどうでもいい。DIO様が貴様をお呼びだ。一緒に来てもらおう」
余計なことは喋らず、端的に目的を告げるヴァニラ。
ヴァニラの告げたその名に
イギーはここに来て初めて動揺を見せ、ジョルノも表情を固くした。
DIOというのは母親に聞いたことがある、ジョルノの実の父親の名前だ。
写真だけは持っているが、ジョルノは実際に会ったことはない。
母親とは父親の話どころか日常会話すらほとんどなかったため、ジョルノは父親のことをほとんど知らないのだ。
地図上に存在するDIOの館、そして名簿に記されたDIOの名前。
そこまで珍しい名前でもないため、別人かもしれない。しかし、予感はしていた。
それが今、確信に変わる。DIOがジョルノ・ジョバァーナを呼んでいるという事実により。
「突然現れて、貴様はいったい何を言うか? 貴様もDIOとやらも、一体何者だ?」
「………貴様の名は聞かされていないな。私の目的はジョルノ・ジョバァーナのみ。だが、邪魔するというのならば―――」
ヴァニラ・アイスに課された命令は、ジョルノ・ジョバァーナをDIOの元まで連行することだ。
ムーロロの所持していた『ジョースター家とそのルーツ』の資料によってジョルノが自分の未来の息子であることを理解し、DIOは自分の元へ招き入れようと考えた。
本来ならばDIO自ら出向きたいところでもあったが、あいにくジョルノの現在地は地下道の通じていない会場の外れ、双首竜の間であった。
同行者にはタルカスとイギーもおり、非常に厄介だった。
ゆえにDIOは配下の中で最も戦闘能力が高く、また信頼のおけるヴァニラ・アイスに、ジョルノ・ジョバァーナを迎えに行かせた。
「始末させてもらおうか?」
「貴様ッ!!」
「―――大丈夫です」
ヴァニラの挑発に乗りかけるタルカスであったが、それをジョルノが制する。
タルカスに対し戦意を隠そうともしないヴァニラの様子から、穏やかな話とは行きそうにない。
だが、ジョルノは興味があった。自分の父親がどんな人物なのか、実際に会って確かめたかった。
「―――いいのか? ジョルノ」
「はい。ですが、どうやらこれは僕一人の問題のようです。無理強いはしません。ここで別れるというのも、選択肢としてありますが……」
「ふっ それこそ何を言うか。乗りかかった船だ。どうせオレにもこれといって目的があるわけではない。
それに、ここで貴様のようなまっすぐな男をみすみす一人で行かせてしまっては、それこそ騎士道に反するというもの。着いて行かせてもらうぞ」
「―――ありがとうございます」
危険な決断かもしれないが、2人は覚悟を決めた。
そんな2人の輪から離れ、こそりこそりと逃げていくイギーの姿があった。
(DIOに会うだと? 冗談じゃねえ! 付き合ってられるか!!)
イギーもDIOのことはよく知らないが、ジョースターの連中が追っている化け物で、ヤバい奴だということは聞いている。
そんな奴と関わるのははっきり言ってゴメンなのだ。
イギーの目的は気ままにちょっと贅沢して、いい女と恋をして、何のトラブルもない平和な一生を送りたい、それだけなのだ。
(悪いが、オレはここでオサラバさせてもらうぜ。アバヨ)
と、逃げようとしていた矢先………
「何をしている犬公? 行くぞ」
イギーはタルカスに首根っこを掴まれた
(にゃ!? にゃにィいいい~~~!!?)
失敗した。タルカスに捕まってしまった。
「ワン!ワンワン!」(おい!ばかやめろ!!)
「まったく、何を勝手にこそこそしている。置いていくぞ?」
「ワンワンワン!ワンワン!!ワォーン!!」(置いていかれたいんだよ! 放せこのボケ!!チクショ―――!!)
タルカスには、イギーと意思疎通する気など初めから無い。
残念ながら、当然である。
「ムーロロ、ジョルノ・ジョバァーナを確保した。DIO様に伝えろ……」
持たされたトランプに向かって、ヴァニラは小声で話しかける。
そして、ジョルノたち3人に背中を向け、歩き始めた。
「着いて来い、こっちだ」
「はい。よろしくお願いします。え~っと………」
「―――ヴァニラ・アイスだ」
斯くして、奇妙な3人と1匹は、南へ向かって歩き始めた。
こういう時が来るのを、待っていたような――――――
DIOとジョルノ、親子対面の時が迫る。
【A-3 ピエトロ・ネンニ橋の西側 / 一日目 日中】
【ヴァニラ・アイス】
[スタンド]:『クリーム』
[時間軸]:自分の首をはねる直前
[状態]:健康
[装備]:リー・エンフィールド(10/10)、予備弾薬30発
[道具]:基本支給品一式、点滴、ランダム支給品1(確認済み)、『オール・アロング・ウォッチタワー』 のダイ
ヤのK
[思考・状況]
基本的行動方針:DIO様のために行動する。
1.ジョルノ・ジョバァーナとその他をDIOの元へ連れて行く。
※ヴァニラ・アイスに課されたDIOの命令は、ジョルノをDIOの元へ連行することです。
タルカスとイギーに関しては特に指示は受けておらず、また邪魔者がいれば始末する許可も得ています。
【ジョルノ・ジョバァーナ】
[スタンド]:『ゴールド・エクスペリエンス』
[時間軸]:JC63巻ラスト、第五部終了直後
[状態]:体力消耗(小)
[装備]:閃光弾×3
[道具]:基本支給品一式、エイジャの赤石、不明支給品1~2(確認済み/
ブラックモア) 地下地図、トランシーバー二つ
[思考・状況]
基本的思考:主催者を打倒し『夢』を叶える。
1.ヴァニラ・アイスに従い、DIOに会う。
2.ミスタ、ミキタカと合流したい。
3.
第3回放送時にサン・ジョルジョ・マジョーレ教会、第4回放送時に悲劇詩人の家を指す
4.ブチャラティ…… アバッキオ……
[参考]
※時間軸の違いに気付きましたが、まだ誰にも話していません。
※ミキタカの知り合いについて名前、容姿、スタンド能力を聞きました。
【タルカス】
[時間軸]:刑台で何発も斧を受け絶命する少し前
[状態]:健康、強い決意?(覚悟はできたものの、やや不安定)
[装備]:ジョースター家の甲冑の鉄槍
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:
スミレの分まで戦い抜き、主催者を倒す。
1.ジョルノの意思に従い、DIOとやらに会う。
2.
ブラフォードを殺す。(出来る事なら救いたいと考えている
3.主催者を殺す。
4.育朗を探して、スミレのことを伝える
5.なぜジョルノは自分の身分などを知っていたのか?
※スタンドについての詳細な情報を把握していません。(ジョルノにざっくばらんに教えてもらいました)
【イギー】
[時間軸]:JC23巻 ダービー戦前
[スタンド]:『ザ・フール』
[状態]:首周りを僅かに噛み千切られた、前足に裂傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(未確認)
[思考・状況]
基本行動方針:ここから脱出する。
1.放せ! やめろぉぉぉお!!
2.ちょっとオリコーなただの犬のフリをしておっさん(タルカス)を利用する。
3.花京院に違和感。
4.煙突(ジョルノ)が気に喰わない
※ジョルノとタルカスが情報交換を行いました。
☆ ☆ ☆
【Scene.11 蓮見琢馬】
pm0:40 ~亀の中~
「はい。ジョルノは素直に従ったそうです。ヴァニラ・アイスと共に、そちらへ向かっているかと―――
それともう一つ。
セッコが
チョコラータと
ホル・ホースを殺害しました。奴は肉の芽を埋められていなかったようです。―――――はい」
「随分と忙しいんだな?」
琢馬との会話中も、ムーロロは絶えずDIOとの連絡を取り合っていた。
『ウォッチタワー』を用いて連絡を取り合うにも、全て本体であるムーロロを介する必要がある。
ムーロロは言うなれば、ネットワークの管理者というわけだ。
「まあ、な。さて、どこまで説明したかな?」
「俺がDIOにとって興味がある。ただし優先度ではジョルノには劣る、という所だ」
「そう邪険になるんじゃあない。お前にとっても、ジョルノとの再会は避けたいところだろう。オレも、スクアーロも同じだ。だからこそのDIOの采配でもある」
蓮見琢馬との接触を図りたいDIOであったが、まず優先すべきはジョルノだった。
その間、蓮見琢馬を捕らえてしまい、逃げられぬように見張るのがムーロロに与えられた指示だった。
同時に、ジョルノとの接触を避けるべきムーロロ、スクアーロ、蓮見琢馬をDIOの元から離れさせるという目的もあった。
スクアーロにジョルノの仲間であるミスタとミキタカを始末させたのも、同じような理由である。
「ま、元々オレもお前と会う約束をしていたわけだし、諦めてくれねえか? DIOも悪いようには扱わねえと思うぜ、多分」
「一度約束を反故にしておいてよくも言ったものだ。それに、行動の自由が奪われるとも聞いていなかったが?」
「だが、身の安全は保証してやれるぜ。この亀の中じゃあ、そうそう危険なんて無い。生き残るためには、DIOに従うのも正解の一つだとオレは思うがね」
琢馬は悩む。
この男、
カンノーロ・ムーロロと、その黒幕であるDIOという男、どこまで信用なるものか。
トランプのカードで見られていただけだというのならば、ムーロロは【本】の能力をおそらく知らない。
カードに着けられ始めたのは、カフェを去ったあたりからだ。
エリザベスを殺した時も能力は使わなかったし、ミスタたちに記憶を読ませた時も行動の中に偽装したため『見ていただけ』では分からないだろう。
ここでムーロロと戦うのも、悪くないかもしれない。だが―――
「おっと、妙な気は起こすんじゃあねえぜ。黙って殺られるほど、オレも優しくないんでね」
琢馬の心中を読み、ムーロロは周りに26枚のトランプの兵隊を並べる。劇団<見張りの塔>という仮初の姿を隠し、本来の『暗殺団』の姿を現した『オール・アロング・ウォッチタワー』だ。
全体の半数、スペードとクラブのみで編成された部隊ではあるが、この亀の中という狭い空間では、十分な戦闘能力が期待できる数だ。
残りの半数は、これまでと同様に会場中に散らばり情報収集をしている。
探索能力は今までの半分になるが、ムーロロが琢馬から身を守るためには、最低限これくらいは残す必要があった。
「…………」
ムーロロの威圧が、琢馬を冷静さを取り戻させる。
琢馬としても、千帆に会う以外に明確な行動目的があるわけでもない。
亀の外にスクアーロがいるという事実もまた、琢馬の行動に制限をかけている。
最後まで従うつもりもないが、動くべき時は、今では無いかもしれない。
ムーロロの向かいのソファに腰を落とす。
琢馬にもかなりの疲労があった。身体を休めるいい機会だ。
ムーロロと琢馬を亀の中に隠したまま、スクアーロは東へ向かっていた。
スクアーロと、そしてムーロロには一つの誤算があった。
スクアーロのターゲットである、プロシュートと同行している娘、
双葉千帆の存在だ。
ムーロロは、蓮見琢馬と双葉千帆の関係を読みきれていなかった。
スクアーロは復讐のために障害となるのなら、容易く他者の命を奪うであろう。
そんなスクアーロが、プロシュートと同行している双葉千帆と出会った時、どんな行動をとるか。
そして、その時蓮見琢馬がどう出るのか。
波乱を呼ぶ、スクアーロの復讐の時。
そして、琢馬と千帆の再会の時が迫る。
【亀の中 / 一日目 日中】
【蓮見琢馬】
[スタンド]:『記憶を本に記録するスタンド能力』
[時間軸]:千帆の書いた小説を図書館で読んでいた途中。
[状態]:健康
[装備]:自動拳銃
[道具]:基本支給品×2(食料1、水ボトル半分消費)、双葉家の包丁、承太郎のタバコ(17/20)&ライター、SPWの杖、不明支給品2~3(
リサリサ1/照彦1or2:確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:他人に頼ることなく生き残る。千帆に会って、『決着』をつける。
0.双葉千帆を探したい。(ムーロロに従っているので今は無理)
1.ムーロロに従い、待機。
2.隙があれば、ムーロロを始末する?スクアーロの存在も厄介。
3.ムーロロの黒幕というDIOを警戒。
4.千帆に対する感情は複雑だが、誰かに殺されることは望まない。 どのように決着付けるかは、千帆に会ってから考える。
[参考]
※参戦時期の関係上、琢馬のスタンドには未だ名前がありません。
※琢馬はホール内で
岸辺露伴、
トニオ・トラサルディー、虹村形兆、
ウィルソン・フィリップスの顔を確認しました。
※また、その他の名前を知らない周囲の人物の顔も全て記憶しているため、出会ったら思い出すと思われます。
※また杜王町に滞在したことがある者や著名人ならば、直接接触したことが無くとも琢馬が知っている可能性はあります。
※ミスタ、ミキタカから彼らの仲間の情報を聞き出しました。
※拳銃はポコロコに支給された「紙化された拳銃」です。ミスタの手を経て、琢馬が所持しています。
【カンノーロ・ムーロロ】
[スタンド]:『オール・アロング・ウォッチタワー』(手元には半分のみ)
[時間軸]:『恥知らずのパープルヘイズ』開始以前、第5部終了以降。
[状態]:健康
[装備]:トランプセット
[道具]:基本支給品、ココ・ジャンボ、無数の紙、図画工作セット、
川尻家のコーヒーメーカーセット、地下地図、不明支給品(5~15)
[思考・状況]
基本行動方針:DIOに従い、自分が有利になるよう動く。
1.琢馬を監視しつつ、DIOと手下たちのネットワークを管理する。
2.スタンドを用いた情報収集を続ける。
[参考]
※現在、亀の中に残っているカードはスペード、クラブのみの計26枚です。
会場内の探索とDIOの手下たちへの連絡員はハートとダイヤのみで行っています。
それゆえに探索能力はこれまでの半分程に落ちています。
※ムーロロに課されたDIOの命令は、蓮見琢馬の監視と、DIOと手下たちの連絡員を行うことです。
同時にスクアーロとお互いを見張り合っています。
☆ ☆ ☆
【Scene.12 DIO】
pm0:41 ~サン・ジョルジョ・マジョーレ教会-地下納骨堂~
「わかった、よくやったぞムーロロ。そのまま蓮見琢馬の監視を続けろ」
ムーロロとの通信を終える。
いい調子だと、DIOは笑った。
命令を下した配下たちが、各々のターゲットとの接触に成功している。
ここまで采配がうまく立ち回ると、指揮官としては楽しみを感じずにはいられない。
特に、もっとも重要視していたジョルノ・ジョバァーナの確保を、ヴァニラ・アイスが成功したのは大きかった。
スクアーロの復讐は後々何らかの役に立つだろうし、形兆とシーザーの結末というのも見ものだ。
チョコラータが肉の芽から逃れていたことは誤算であったが、その代わりセッコの更なる成長の糧になったようで、DIOにとってのマイナスは無い。
ホル・ホースはどうせDIOの駒には戻り得ないだろうし、どうでもいい。
ムーロロから受け取った『ジョースター家とそのルーツ』を眺める。
ここは大いに気に入らない。
だが、事実なのだろう。未来の空条承太郎の言葉とも一致する。
相手はジョースターの血統だ。油断するわけにはいかない。
そう言った未来も、ありえるのだ。それを避けるためには、DIOの肉体を完全に馴染ませることが不可欠だろう。
そこで目を付けたのが、『ルーツ』にも記されたDIOの息子、ジョルノ・ジョバァーナだった。
(私の子が、未来でまだ生き残っているとはな。そして、同じようにスタンドに目覚め、このゲームに参戦しているとは興味深い)
DIOの意思を受け継ぎ、DIOの子として従うのならそれも面白いだろう。
だがムーロロからの話を聞く限り、それは難しそうだ。
エンリコ・プッチを殺したということからも、ジョルノはおそらく「あっち側」の人間だろう。
実際に話をするまで判断はできないが、おそらくジョルノは「こちら側」には来ないだろう。
だが考え方を変えれば、ジョルノ・ジョバァーナはジョースターの血統でもある。さらに、それと同時にDIOの血を受け継いでいる唯一の人間でもある。
つまり、ジョルノ・ジョバァーナほどDIOの身体に馴染む血を持っているものはいないということだ。
空条承太郎は強かった。
カーズも危険な存在だ。
過去にディオに勝利したジョナサンや、全盛期のジョセフも侮ってはならない。
ムーロロの報告によれば、カーズに近い能力を持つ
ワムウという男も厄介である。
そして、未知の戦闘力を持つバオーこと
橋沢育朗もまた、驚異となり得る。
だが、それも
ジョナサン・ジョースターの肉体が完璧にDIOに馴染むまでだ。
ジョルノの血を吸ったとき、DIOの肉体は完璧を超えた存在へとパワーアップするだろう。
「認めてやるぞ、承太郎、そしてカーズ。貴様らは我が天国への道の最大の難関であるとな。
待っておれ。このDIOの手で、直々に始末してやろう。」
暗く澱んだ教会の地下で、DIOは静かに笑った。
【DIO】
[時間軸]:JC27巻 承太郎の磁石のブラフに引っ掛かり、心臓をぶちぬかれかけた瞬間。
[スタンド]:『世界(ザ・ワールド)』
[状態]:全身ダメージ(大)疲労(大)
[装備]:シュトロハイムの足を断ち切った斧、携帯電話、ミスタの拳銃(0/6)
[道具]:基本支給品、
スポーツ・マックスの首輪、麻薬チームの資料、地下地図、石仮面、
リンプ・ビズキットのDISC、スポーツ・マックスの記憶DISC、予備弾薬18発、『ジョースター家とそのルーツ』
『オール・アロング・ウォッチタワー』 のジョーカー、シュトロハイムの
[思考・状況]
基本行動方針:『天国』に向かう方法について考える。
1.ジョルノ・ジョバァーナと会う。おそらく配下にはできないだろうから、血を吸って身体に馴染ませたい。
2.承太郎、カーズらをこの手で始末する。
3.蓮見琢馬を会う。こちらは純粋な興味から。
4.セッコ、ヴォルペとも一度合流しておきたい。
【残り 52人】
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最終更新:2014年08月08日 12:29