零式艦上戦闘機二一型

れいしきかんじょうせんとうきにいちがた

概要

日本では「ゼロ戦」として高い知名度を誇る零式艦上戦闘機の型式の一つ。
配備を急ぐために陸上型として完成した一一型に空母への配備に必要な着艦フック等を追加したもので、零戦最初の本格量産型である。
真珠湾攻撃など太平洋戦争緒戦に投入され、当時の日本軍の快進撃と合わさりさまざまな零戦伝説を生んだ。

性能諸元

※零式艦上戦闘機二一型
全幅 12.0m
全長 9.05m
全高 3.53m
翼面積 22.4㎡
自重 1754kg
正規全備重量 2421kg
翼面荷重 107.89kg/㎡
発動機 栄一二型(離昇940馬力)
最高速度 533.4km/h(高度4700m)
上昇力 6000mまで7分27秒
降下制限速度 629.7 km/h
航続距離 巡航3,472 km(増槽あり)/巡航2,222 km(正規)
全速30分+2,530 km(増槽あり)/全速30分+1,433 km(正規
武装 翼内20㎜機銃2挺(携行弾数各60発)
機首7.7mm機銃2挺(携行弾数各700発)
爆装 30kg又は60kg爆弾2発
試作機完成 1940年7月

史実


十二試艦上戦闘機

零戦は1937年5月に原案がメーカーに渡された。
その要求性能は
1. 最大速力:高度4000mで270ノット以上
2. 上昇力:高度3000mまで3分30秒以内
3. 航続力:正規状態、公称馬力で1.2乃至1.5時間(高度3000m)/過荷重状態、落下増槽をつけて高度3000mを公称馬力で1.5時間乃至2.0時間、巡航速力で6時間以上
4. 離陸滑走距離:風速12m/秒で70m以下
5. 着陸速度:58ノット以下
6. 滑走降下率:3.5m/秒乃至4m/秒
7. 空戦性能:九六式二号艦戦一型に劣らぬこと
8. 銃装:20mm機銃2挺、7.7mm機銃2挺、九八式射爆照準器
9. 爆装:60kg爆弾又は30kg2発
10. 無線機:九六式空一号無線電話機、ク式三号無線帰投装置
11. その他の装置:酸素吸入装置、消火装置など
12. 引き起こし強度:荷重倍数7、安全率1.8
となっている。
これは零戦の生みの親である堀越二郎技師らが、「ないものねだり」と形容したほどの高さであったという。

水平最高速度500km/hを想定する戦闘機で安全率を1.8とするならば、降下制限速度は900km/h*1になる。
この速度に耐えられる強度を確保した上での軽量化だったはずだったが、フラッター対策が未熟だったため、空中分解事故を2度も引きおこしてしまう。

まず既存機には補助翼へマスバランスを追加する応急処置を施し、新造機には主翼剛性の強化を施しているものの、降下制限速度は計画値の約7割まで低下している。
予防対策として、事故当初に原因として疑われた補助翼のバランスタブも新造機から取り外してしまったため、高速での横転性能が低下し、後につけ込まれる隙になった*2

  • 支那事変
1940年、一一型が日中戦争に投入された。
1回目と2回目めの出撃は会敵しなかったものの、3度めの出撃で中国国民党軍の大編隊と会敵、機銃が故障した1機を除いて全機が1機以上を撃墜するという大戦果を挙げた。
その後も快進撃を続け、空戦での被撃墜がないまま太平洋戦争を迎えた。

太平洋戦争

二一型は低空で多用する速度域に合わせて調整された優れた操縦性、失速速度付近の安定性、背面飛行等のマイナスG状態でも停止しないエンジンのおかげで高G旋回を多用する格闘戦を得意としており、旧世代の戦闘機に対する速度の優位もあり、日本の攻勢を支える活躍を見せた。

二一型は高速での戦闘を苦手としていたが、相手を格闘戦に引き込めれば、高G旋回の応酬を繰り返すうちに低空低速での勝負になってしまうため、欠点が目立つことは少なかった。

しかし、1942年6月にアメリカ軍はアリューシャン列島のダッチハーバーに近いアクタン島の沼地に不時着した零戦の鹵獲に成功。
アメリカ軍はこの「アリューシャン·ゼロ」を徹底的に研究し、「零戦と格闘戦をしてはならない」「背後を取れない場合は時速300マイル以下で、ゼロと空戦をしてはならない」「上昇する零戦を追尾してはならない」という「3つのNever」と呼ばれる勧告を搭乗員に対して行っている。

この勧告に従って連合軍戦闘機が格闘戦を行わなくなると、二一型の欠点が目立つ様になる。
二一型が搭載する栄一二型より大馬力で高空性能に優れた栄二一型(離昇1,120馬力)の開発が開戦前から行われており、これを装備した改良型の零戦、所謂二号零戦*3系列として、昭和17年後半に三二型や二二型、翌18年中頃から五二型の配備が始まる。

主力戦闘機では無くなった二一型だが、栄二一型の不調とガダルカナル戦初期における三二型の航続距離不足問題の影響で、昭和17年12月に昭和18年度一杯の生産継続が決定される。
新人でも操縦しやすい素直な飛行特性を持つ事と航空機の消耗が激しい戦況もあって、数の少ない新型零戦を補う貴重な戦力として戦い続けた*4
苦戦続きながらも、昭和18年春〜夏に行われたオーストラリアのポートダーヴィン攻撃では英豪軍のスピットファイアを相手に撃墜比2:17を記録したり、昭和19年1月17日のラバウル防空戦ではF6FやF4U、P-38等の新型機を相手に損失無しで10数機の撃墜を記録する等、各地で奮戦を続けた。

登場時は無類の強さを誇った零戦だが、昭和17年頃から性能の頭打ちが予測される様になる*5
昭和18年に入ると、零戦の相対的な性能低下の対策として日本海軍が零戦自体の改良よりも後継機への更新を優先した*6事と、丁度この頃からアメリカ軍がF6Fを始めとする新型機を大量投入し始めた事が重なって、零戦は急速に性能的優位を失っていく*7
このため日本海軍航空隊は性能でも数量でも劣勢な条件で戦うことを余儀なくされ、機体とパイロットの消耗が戦況の悪化を加速させる悪循環から抜け出すことが出来なくなった。

日本海軍も雷電や紫電、紫電改、烈風等の1,800〜2,000馬力級の新型機の開発を進めていたが、昭和18年末になると、初期故障の対応による生産遅延や開発そのものの遅延等がおき、これらの新型機の実線配備までもう少し時間を稼ぐ必要ができた。
そのため、昭和19年に入ると再び零戦の増産と改良が始まる。
零戦の改良では性能的な優位を得るのは難しいため、とりあえずF6Fに対抗できるだけ武装と防弾を強化し、改修による速度や上昇力の低下をエンジンの馬力向上で抑制する事を目標として、零戦五三型とその搭載エンジンの栄三一型(離昇1,300馬力)の開発が進められた*8

しかし、レイテ決戦直前の昭和19年夏に発生した栄エンジンの生産トラブルへの対応の影響で、栄三一型の実用試験が中断*9されたため、武装と防弾のみ強化し、栄二一型と出力が変わらない栄三一甲型*10を搭載した五二丙型が大量生産され、前線に送り込まれた。

五二丙型に増槽と大型爆弾兼用のハードポイントを取り付け、急降下制限速度向上のために機体を補強した六二型が零戦の最終量産型になった。
大戦末期には特攻機としても使用されることになる。

劇中での活躍


本編は既に平成末期であり、過去のものと思われていたが、エルフ達の聖地リーン・ノウの森にて、「神の船」として本機と思われる機体が保管されていた。このとき、時間遅延式魔法のおかげで、ほとんど劣化していない状態だった。
伝説では、1万2千年前に太陽神の使いがこれによって魔王軍を「空爆」してグラメウス大陸にまで押し返したとされている。

関連項目
兵器太陽神の使い加賀赤城

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過去のコメント
  • 機動性に難があったペロ八、シコルスキーよりも性能のバランスが取れたF6Fが強敵だったとか。 - 名無しさん (2018-12-25 00:16:59)
    • そもそも、倍の馬力の戦闘機ぶつけて互角って時点でもうね… - ハインフェッツ (2018-12-25 22:56:30)
  • 栄二一型の実用化で零戦21型は新型のいわゆる二号零戦と交代するとか描写がないと思ったらエンジンが栄一二型でなく二一型になってる。零戦全般の解説と二一型の解説が変に混ざっている気がする - 名無しさん (2018-12-27 19:37:41)
  • 日本海軍としては、52型が本命だったらしいな。21型は速度やら横転性能やら急降下性能やらで不満がでてたとか。 - 名無しさん (2019-08-26 12:34:53)
    • まさに「我、過てり。」 ・・・設計段階から素直に金星積んでおけばこんな苦労せずとも済んだのに。 - ハインフェッツ (2019-08-26 18:47:55)
    • 別に金星載せんでも、52型1130hpで完成形って呼ばれてるんだから金星どうとかは通用しなくないか? - 名無しさん (2019-08-26 21:56:54)
      • いんや、”設計段階で金星乗せる前提”だと史実でいちばんの弱点だったエアフレームの剛性が確保できるのよ。・・・しかも史実じゃ結局金星乗せざるを得ない状況へ追い込まれてるわけだからな。 少なくとも用兵側がやったような”あくまでも零戦をベース”にして、改良改良を繰り返す場合、拡張性が乏しいというのは本当に困る。 - ハインフェッツ (2019-08-26 22:29:48)
      • 金星搭載とエアフレームにはどの様な関係性があるんですか?52型は栄の間まで外板増強に成功して高評価を得てますし、既存機体をベースに改造がダメだと言うならスピット、メッサーシュミット、f4f-3、MC202はどうなるんですかね? - 名無しさん (2019-08-27 00:23:27)
        • まさにおまいさんが今挙げたケースが見事に”航続距離とかあんま考えずに開発された”機体。 ・・・欧州機に多いんだけどさ、そもそもの設計段階で安全係数がタップリ取られてるもんだから、発動機の自重と推力を受け止める前部胴体とかエンジン架とか主脚廻りとか、最初っから強度的にかなり余裕があるもんだから、後になって出て来るより重く強力なエンジンにも普通に小改修で対応出来てるのよ。 更に世代交代も比較的緩やかになる結果、設計する方も製造する方も割と楽って副産物まで出て来る。 - ハインフェッツ (2019-08-27 21:39:04)
        • 自分がこの機体を上げた理由はエンジンを変えずに高性能化できたと言う意味で上げたのです。理由は貴方が既存機体をベースにするのがダメだと申した事についての反論ですね。欧米機体が余裕を持たせた伝々はどう言う例を取ったので?日本だって余裕を持たせて作られてますよ?飛行機界で余裕を持たせるのは当然ですし。 - 名無しさん (2019-08-27 22:02:55)
          • いや、初期型のユモが載せ替え載せ替えで末期のDB605になる過程でエンジン本体の重量は約二倍、出力はほぼ三倍になってるメッサー出してる時点で、そいつはまず喩えとしておかしいですね。スピットファイアに至っては、マーリンⅡがマーリン6X系に進化する過程とタメ貼れる性能アップを栄でやってから来てくださいレベルの化け物エンジンに恵まれたおかげだしな。 ・・・しかも、こいつら基本がバッタ機なもんで、日本だと燃料に割くリソースを設計段階から遠慮なく構造や防弾に回せるのよ。・・・バッタ航続力を許容する地理的条件のお陰で。 - ハインフェッツ (2019-08-28 21:39:01)
      • 栄21型は1130馬力としては妥当な最高速度出ているが6000m980馬力だとなんか計算合わない二速過給器の馬力計算間違えて額面割れしてる気がする。実際は917馬力ぐらいで零戦32型は980馬力と比較して約11km/hぐらい遅くなってる気がする。栄三一型甲1210馬力は6000mで981馬力ぐらい出てると思う。この前提で予想すると金星62の6000mでの出力は1031馬力ぐらいになりそうで額面通り1200馬力出ていたら零戦64型は602km/hぐらい出ていたかも - 名無しさん (2020-05-31 22:29:17)
        • 零戦52丙を917→981馬力の速度を予想すると62型より10km/h早くなるため重量増加で遅くなったと仮定すると、64型は6000mで1077馬力、額面どおり1200馬力で593.3km/h。53は水メタノール噴射で5%強化されても重量増加で早くならない。ただし52型→52丙の重量増加の方が変化量が大きいのに4.4km/hぐらいしか遅くなっていないため重量増加の速度減少予測値が一致しないためどこかが間違っていそう。 - 名無しさん (2020-06-01 02:36:52)
        • 三ニ型の栄二一型がニ速全開できず、定格割れを起こしていたのは、日本のエンジン関係者の手記や米軍の捕獲機レポートで確認できます。直ったのは昭和18年に入ってからの様です。 - 名無しさん (2020-06-01 19:19:47)
          • 全開できない場合は1130馬力として期待する速度より遅くなるはずだから544.5km/hより遅かったかもしれないな - 名無しさん (2020-06-01 22:20:21)
            • 全開できない状態での三ニ型の最高速度が544km/hです。全開できない誉を積んだ紫電改や疾風の速度が594km/hや624km/hになっているのと同じです。 - 名無しさん (2020-06-03 07:52:31)
              • 32型の544km/hは初期計測だったか、設計者の予測値が551km/hで - 名無しさん (2020-06-04 04:20:18)
        • 栄31を1150馬力とすると、零戦52丙と比較して離昇で20馬力強化されて563.89km/h、ここから重量増加で速度低下0.89km/hとなるはうず。このとき高度6000mで933馬力ぐらい出ているはず、ここから水メタノール噴射の冷却効果で5%強化されたらほぼ980馬力なので1210馬力は栄31の中間目標として有りそうな数字かも、ここからブースト上げて1300馬力目指す計画とかで。この想定だと金星62の6000mでだいたい980馬力となって栄1210馬力で期待した程度の性能になる。 - 名無しさん (2020-06-01 22:17:50)
    • 当時の燃費が良くてマトモなエンジンが栄ぐらいだし、金星うんぬんは栄減らすから金星載せようぜとか、同じ三菱製の金星のせて量産性高めようとかの話だからなぁ。別に海軍が過信してた訳じゃ無かろう、だって零戦で慢心してた筈の「日本海軍」が零戦21型に批評与えてるんだし。 - 名無しさん (2019-08-26 21:59:31)
      • ちゃうで、堀越技師は”金星か瑞星か”で悩んどったんや。で、結局瑞星で開発したモノが栄に換装されて、半ば副産物みたいにあの航続距離が可能になったんや。 ・・・でも、結局後から翼内タンクを増設しまくって、よく炎上するようになったんだけどな。 - ハインフェッツ (2019-08-26 22:34:52)
      • 貴方は零戦52型の防弾タンクと自動消火装置を知らないのですか?それに燃費の悪い金星を積むとより一層燃料タンク広げなければならなくなりますよ。 - 名無しさん (2019-08-27 00:25:59)
        • 申し訳ないが、そいつはやっぱ搭乗員が戦死しちゃう前に実用化するべきだった。もっと言うと、金星じゃ燃費が悪いつってもグラマンの航続距離考えりゃ、アレは逆に栄が異常だったと考えた方が正解。 ・・・どのみち、栄でも高出力化に伴って燃費の悪化を抑えきれなくなった結果タンクを増設せざるを得なくなったわけだしな。 - ハインフェッツ (2019-08-27 21:51:24)
  • 零戦開発計画着手時(昭和12年夏の計画要求書)に、栄か瑞星かで考えられており、金星は影も形もありませんよ。公式記録では昭和14年後半に32型へ金星載せるかどうかとの話になったかと。金星載せる理由は当時中島で生産され始めた誉に注力する為に金星にしようと言う意図ですが。それと個人の回想などで海軍の慢心がぁはおかしいのでは?それに個人の回想なので記憶違いもあるし、本気で金星にするつもりなら彼自信の手で金星にしてるかと。 - 名無しさん (2019-08-27 00:19:31)
    • それが、前年の「昭和十一年度 航空機種及性能標準」というのを元に前もってある程度仕様を固めて開発に入ってるんだな。 で、この時海軍への受け狙いで安易に瑞星を選んでしまった為に、戦中になって馬力が足りない事を後悔して「我、誤てり」という発言になるんだな。 - ハインフェッツ (2019-08-27 21:59:41)
    • 何で金星どうとかの話になったんだろう。誰か54型の話でもしたか? - 名無しさん (2019-08-27 22:34:20)
      • だから、戦史とか考える限り栄で活躍できるのはせいぜい昭和18年までってのは動かせんのよ。本来はあくまでも烈風が出るまでの繋ぎで、区間賞取れればそれでいいエアフレームだったわけだしな。 ・・・でも、本来の意図に反して結局末期までやらざるを得なかった史実考えりゃ、金星を前提にしたもう少し余裕のある設計だった方がより重く強力なエンジンにも対応し易かっただろうから、そりゃ堀越技師も後悔するわという話なんよ。 - ハインフェッツ (2019-08-28 21:46:12)
      • 零戦52型が完成形って呼ばれてたねって言う話が発端じゃなかったっけ?そんなifの話じゃなくて。 - 名無しさん (2019-08-29 10:09:43)
        • それにしたってスピットファイアやメッサーの完成の仕方と比べると、あまりにも微妙過ぎて目から変な汁が出過ぎる。 …本来なら遅くとも昭和18年頃には終わらせとくべき仕事だったしな。 - ハインフェッツ (2019-08-29 22:33:23)
  • 52型が金星搭載だったんだろ(鼻ホジ) - 名無しさん (2019-08-27 22:57:13)
  • 当時の海軍上層部が俺ら素人の金星搭載案位思い付かない訳がないし、金星ではなく栄じゃないと駄目な理由があったんだろ。 - 名無しさん (2019-08-31 18:36:29)
    • いや、思い付いたからこそ、ああやって度々金星への換装が俎上に上っているんじゃないですかね? …そもそも、ほぼ毎年新型出してた陸軍機との開発スピードの差を考えると、どうも技術者の頭数的な意味でのマンパワーとそれをを支える予算が残念な事になってた臭いし。 - ハインフェッツ (2019-08-31 23:25:15)
      • 雷電の騒動(ペラ周りのトラブル)と誉の無秩序採用が無ければ…… - 名無しさん (2019-09-01 00:32:17)
        • だから、そもそも誉の生産が始まった時点で烈風に更新されているべきだったんよねぇ。史実じゃそれが叶わんかった以上、技術史的にあの状況でより有利に戦えるifと言ったら、件の零戦が最初から金星前提の機体だったら、火星や誉に換装できる余裕があったかもしれんという事くらいなんよ。 - ハインフェッツ (2019-09-01 21:39:28)
    • 金星の限界が予想より早かったのと、誉の試作は順調で採用機も多かったりしたので金星の改良より18気筒にした新エンジンの開発に切り替わったので、金星に換装しても先がなくなってしまったから手間をかけて零戦に金星積むのは効率悪くなったのだと思う - 名無しさん (2019-09-04 07:49:54)
      • だから、それは栄や瑞星を前提にした史実通りの零戦の場合の話な。 ・・・仕様策定の段階で金星が前提だったら、更に一回り大きい火星や誉への換装が可能になり得る筈、そうすると史実の雷電や紫電改の役目も零戦のアップデートで可能になっていた可能性が高いという事なんよ。 - ハインフェッツ (2019-09-04 22:58:15)
  • 劇中ではアンタレスはよく出てくるが、零戦が登場するのは太陽神の使いと特攻隊の映像に映っているくらいか。 - 名無しさん (2022-02-05 00:55:11)
  • 零戦の設計段階で金星を…と言うのは、古峰文三氏の調査によると「当時金星は震天と共にやや大型の発動機なので爆撃機用と見做されて候補にすらならなかった」そうです。堀越技師が金星採用を悔いたのはもしかすると戦後に著書「零戦」を書いた時に後知恵で思い付いたのかも知れませんね。 - 猫の人 (2022-02-05 23:50:59)

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〔最終更新日:2023年08月20日〕

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最終更新:2023年08月20日 17:58

*1 後知恵ではあるが、この数値は初期ジェット戦闘機の制限速度に匹敵するものであり、プロペラ機に想定する速度としては過剰な性能である事が分かる

*2 後の調査で無関係であることが判明し、二二型では補助翼のバランスタブが復活している。三二型や五二型では主翼の短縮によって同様の効果を得ている

*3 二一型や三二型という型式は昭和17年に命名基準が変更された以降のもので、それまで二一型は「零式一号艦上戦闘機二型」であり、開発中だった三ニ型は「仮称零式二号艦上戦闘機」と呼ばれていた

*4 三二型や二二型は苦戦続きの基地航空隊に優先配備され、艦隊には南太平洋海戦時に三二型が配備されたものの、その後は二一型が配備された。五二型も当初は生産される端から基地航空隊に配備され、艦隊に配備されたのは中島飛行機でのライセンス生産が開始された昭和18年末以降の事である。つまり昭和19年6月のマリアナ沖海戦の時点で、艦隊では五二型は配備間もない新型機という位置付けになる

*5 14気筒の栄の18気筒版である新型エンジンの誉はこの時点では順調に開発が進んでいた事から、栄の生産ラインを誉に切り替える計画が立てられていた。もう一つの零戦のエンジン候補だった金星も、構造上の問題でこれ以上の性能向上は難しかった。それならば栄と同様に金星を18気筒化した新型エンジン(後のハ四三)を開発した方が良いとの判断から、栄も金星も性能向上より安定生産が優先される事になった

*6 五四型試作機のスペックを見れば分かる様に、零戦に金星を搭載すると雷電より幾らか運動性は良いが速度は少し遅く、航続距離は大差ない機体になってしまう。それならば既に試作機が完成している雷電の実用化に集中したほうが良く、開発チームへの負担も少ない、というこの時の日本海軍の判断は現在の視点から見ても合理的であり、批判する事は難しい。また、金星搭載型零戦の開発開始から生産開始までには、約1年もの時間がかかると予想されていた事も金星換装の不採用の理由になっている

*7 これを日本の奢り、怠慢と取る向きがあるが、エンジン出力上の同クラス機であるBf109や『スピットファイア』と比べても機体は一回り大きく、異母弟とも言える陸軍キ-43 一式戦闘機『隼』とともに無茶な改修や運用をよく吸収している方である。まぁ、実際に戦争やりながら「血の入れ替え」ができるような無体な国を相手にした結果、としか言いようがないが、その米軍新型機にしても「3つのNever」は終戦までゼロとオスカーを対処する上での鉄則であり、中高度で出くわしたらB-29でも死を覚悟させられる存在であった。

*8 この改修のために、三菱で開発中だった新型局地戦闘機「閃電」の開発を中止し、それで手の空いた開発チームを主翼の改修作業に投入するという荒技が用いられている

*9 審査はトラブルが治まった後に再開され、終戦までに数機生産するところまでこぎ着けている。陸軍は生産工場が異なるため海軍の様な混乱が起きず、陸軍版の栄三一型であるハ115-Ⅱを搭載した一式戦闘機三型を昭和19年に戦力化している

*10 栄三一型は栄二一型に水メタノール噴射装置を追加することで馬力向上を図ったものだが、その水メタノール噴射装置を省略したもの