サリア・レダ両国における戦争はレダ王が戒めを破ってまで呼び起こした魔竜クラニオンの暴走により両王国が壊滅的な打 撃を受けた。特にレダ王国はクラニオンによって荒廃した大地が広がり、それにより荒れた土の神殿からは魔獣が溢れた。それはガーゼル教国の発展も促すこと とにも繋がり、王家の者もそのほとんどが死んでいった。だが対照的にサリア王国はクラニオンの攻撃がレダへのものより軽かったためか、レダほど国土が荒廃 することはなく王族も火の神官家の人間も生存していた。レダ解放戦争中はそのほとんどが国土の復興に力を傾け、ブラードやセルバを中心に古の栄光を取り戻 しつつあった。その一方で火の神殿付近にある霧の沼には魔獣で溢れ、サリア王国はその近辺を封鎖することを決定し、後の封印の谷と名付けられる所以(ゆえ ん)となった。これによりサリア王国はとりあえず安定を取り戻し、もう戦火はしばらく訪れないものと多くの人間は見ていた。だがここにも権力を求める暗愚 な人間がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終更新:2011年07月03日 02:27