教国

概要

特徴

 正式名称、アリューカ王国。実権を教会に握られていた時代を揶揄して教国と呼ばれることもある。
 教会本部となる大聖堂がある国であり、宗教的には大陸の宗主国にあたる。そのため教国とも呼ばれる。帝国ですら不可侵と言わせしめたその影響力は計り知れない。本来、決して教会と一体ではないのだが…。
 広大な土地と人口によって辛うじて自給出来ている貧しい農業国であり、独占している魔道具の生産と獣人奴隷の貿易以外に取り柄がない。世界的にも魔素が薄い土地柄であり、そのため聖地としての地位を獲得した。魔素が薄いことで魔物による被害にもさらされていないので軍の士気は低く、兵士であってもLv10程度はザラ。
 神に祈って喜捨するばかりで発展もないのでみんな仲良く貧しい国だったが国土も人口も潜在能力は高い。
 国土が広いため帝国と隣接している地政学的なリスクを抱えている。

歴史

教会による政治

 政権を教会に奪われ、政教一体の国家となる。大聖堂によって魔素が薄く他国よりも実りは貧しく国内が悪化していく状況を受けて教義を変質させ、国民を操り、神敵認定を名目に侵略や奴隷売買を正当化してきた。首都を中央にして東西南北に聖域の門と呼ばれる交通管制都市を設けて出入を管理していて、あらゆる交通手段での出入りがその4か所で完全に管理される仕組み。政府に委任され各街の教会が司法と納税を執行する。力なき名だけの王家の指針は各派閥に捻じ曲げられて統率を取ることなどできなかった。
 王女アリーエールがディオレール王国オムイ領へ赴いたところから本編に関わってくる。王族は教会騎士団によって王宮へ押し込められ、教皇が実権を握るように。教会内部でも権力争いで忙しくまとまっていないものの”黒髪の軍師”を神敵認定して、神の名のもとに他国を扇動して王国攻めの連合軍を結成しようと画策。そうしているうちにディオレール王国の協力を得たアリーエールが反乱の狼煙を上げ、教導騎士団の離反もあってついに教会による支配は瓦解した。その裏では黒髪の軍師の工作があった。

新たな教国へ

 ディオレール王国の新法に照らし合わせて現法の見直しから始める。各街の教会によってバラバラな制度を国全体で一律化したり、「誓約の石板」を用いて神職者のすべての罪状をを明らかにしたり膿を出し切るために動き出す。正教と国政を分離した上で王家の監査機関を置き教会を常に正すことが決まり、真の教義に立ち戻って獣人の解放と奴隷制度の撤廃が宣言された。改革のアイデアが豊富な遥と、それを「整理」してくれる図書委員の働きで法律、行政、戸籍制度、農業改革、区画整備、治水工事、産業、工業、学校など各方面で課題が積み上がった。
 王国とも和解し、旧き教義と盟約に従い辺境への軍の派遣を約束。教導騎士団を主体とした精鋭に特使としてアリーエール王女を送ることに。新教皇ステカテルも教会の代表として教国の決定を全面的に支持した。旧き因習が撤廃されて世に隠れていた錬金術師が活発になり、装備や各種薬品が出回り始めた。
 帝国と隣接する西部ではにらみ合いが続いていて、教会としては決裂状態にある。帝国から見て現状の教国を占領するメリットはないが、これから発展するにあたって狙われる可能性が高い。そのため東部を中心に発展させ西部にはあまり力を割かず要塞を作るのみに留めることで、帝国が攻めてきても特に収穫がなくそのまま進めば物資の補給もできず要塞に退路を塞がれてしまうように画策する。また東部を産業特区化してしまえば、有事の際も運河を使って素早く兵員を輸送可能となる。

文化

 一般的な乗合馬車は機能的だが質素で小さくみすぼらしく、教会の馬車は豪華で目立つという貧富の差が見られる。とはいえ文化レベルから程度は知れている。教会も一部の富裕層を除いて清貧の心の教えのもとお風呂も新品の服も贅沢とされる。
 清貧を名目に、一般的に朝夕2食で昼食はは力仕事か兵隊さんのみ。そのため平均身長が低く細くて華奢な体型ばかり。

地理

ホリー・ウェスト

 教国東部の交通の要となる城塞都市。東側全ての道はここに繋がっている。手前には点々と町や村、まばらな家屋と麦畑、大草原が広がる。
 また教国の東部駐留軍を抱え、教会軍も控える軍事都市。
 (ウエストなのになぜか東部なのは誤字?)

イースト・ゲート

 教国の運輸の要所であり、教国の中枢への持ち込みを監視するために東部のあらゆる物流を監視する駐屯地。川沿いにあり、他国へ攻める船舶の拠点でもある。そのため数千の常設軍が待機している。店もなければ何もない兵隊しかいない兵舎の街。
 遥によって破壊された。

中央部(セントラル)

 聖域。加護の魔道具を持っていると力が上がり、持っていないと負荷がかかるという魔術結界が敷かれている。外縁部と比べて貧富の格差が凄まじい。

街A

 中央部にある。中央にはひときわ古く、清廉な趣の教会が建っている。
 教会には反主流派の大司教が勤めていた。

首都アリューカ/聖都

 中央部にある。人通りも多く、商店街は賑わっているものの戦争時には物資を徴収されるので商品が不足していた。

大聖堂
 首都の中心にある、純白に輝くドーム状の建築物。

ザッシモフ大性堂
 大聖堂の瓦礫を再加工して建てられた新しい大聖堂。見た目はサグラダファミリア。大迷宮で散った大賢者ザッシモフの遺志を受け継ぐ意思表示として彼の名を冠することとなった。なお看板では「聖」の字が「性」と表記されているが異世界人にはわからないので放置されている。
聖堂
 首都にある。ドーム状の造りで、魔法攻撃は無効かつ物理的に大聖堂よりも堅牢。
 ミスリル・ゴーレムが守っている。
王城
 首都にある。
 外門は「罠の門」と呼ばれ、散りばめられた魔法の罠が侵入者を殺し尽くす。
 王城の奥に王宮がある。
孤児院
 首都にある。保母騎士っ娘が運営する孤児院。
 年長組の孤児っ子達にはお好み焼きの作り方と大量の材料、屋台「ぼったくる号 孤児っ子の身長に合わせた車高調Ver」が贈られた。
最終更新:2025年05月06日 10:55