西洋音楽における音の高さの書き表し方のこと。その言い表し方は国ごとに異なる。
西洋音楽において、
全音階上の各音に、主音との音程に従って、番号を振ったもの。
主音 |
i度音 |
長調ではド |
短調ではラ |
主音の2度上の音 |
ii度音 |
長調ではレ |
短調ではシ |
主音の3度上の音 |
iii度音 |
長調ではミ |
短調ではド |
主音の4度上の音 |
iv度音 |
長調ではファ |
短調ではレ |
主音の5度上の音 |
v度音 |
長調ではソ |
短調ではミ |
主音の6度上の音 |
vi度音 |
長調ではラ |
短調ではファ |
主音の7度上の音 |
vii度音 |
長調ではシ |
短調ではソ |
ポピュラーでは、音度をコードではローマ数字、スケールではアラビア数字として使う。
これらの数字は、和音を呼ぶのによく使われ、これらのローマ数字による和音の表記を和音記号と呼ぶ。
(i度音を根音とする和音をI度の和音と呼び、v度音を根音とする和音をV度の和音と呼ぶなど)
ポピュラー音楽理論においては、主音との半音関係をも織り込んで呼ぶことがある。
(例えば、主音の長3度上の音であるならばmajor 3rd(英語の長3度に当たる)と呼び、短3度上の音であるならばminor 3rd(英語の短3度に当たる)と呼ぶなど)
絶対的な音の高さのこと。
異なるオクターブに属する同じ音は同じ音名であり、ちょうど1オクターブ異なる音には同じ名前が与えられる。
ただし、音名は楽譜の書き方に依存するので、楽譜の書き方が異なれば、同じ高さの音が出る場合でも、異なる音名となる。
7つの幹音(楽譜上、♯や♭を付けずに書き表せる音)には、独立した名前が与えられる。
派生音(♯や♭の付く音)には、幹音の音名に♯や♭を表す言葉を付け加える。オクターブを示す言葉を添える場合もある。
音名は、クラシックではドイツ式、ポピュラーではアメリカ式、学校教育や放送では日本式が主に使われる。
音名は、異なるオクターブの音も同じに呼ぶので、それらを区別する必要がある。
オクターブ表記には定まったものがなく、共通するのはハから上に1オクターブ(厳密には重変ハから半音15個上の重嬰ロ)ごとに区切ることである。
(日本でよく使われる呼び方)
MIDIにおけるノートナンバー,音の範囲,日本語式,独語式,国際式
現在では、日本でも日本語式より国際式の方が一般的に使われている。
(ハ音を基準としないオクターブ表記)
イから上に1オクターブ(厳密には重変イから半音14個上の重嬰ト)ごとに区切る表記法。
接頭語にhi (high) / mid (middle) / lowを用いる。
特にインターネット上で使われている。
歌唱で頻繁に使われるlow - hi辺りまでの音域は分かり易い反面、それより高い音域や低い音域になると長い表記になり分かりづらい。
そのため、楽器等人声以外の音域を表記するのには向かない。
また、hi (high) (高い)、low(低い)といった表記は多くの変声後の男性の感覚には合っているが、多くの女性や変声前の男性の感覚には合わない。
(教育音楽における音名)
西塚智光が、1つの音には1つの音名があるべきとして、イタリア式音名を元に提唱した音名。
異名同音がなくなり、西塚式の音名は、階名としても用いられる。
「Cis/Des=デ(De)」「Dis/Es=リ(Ri)」「Fis/Ges=フィ(Fi)」「Gis/As=サ(Sa)」「Ais/B=チ(Chi)」とする。
「E♯/Eis=ファ」「F♭/Fes=ミ」「C♯♯/Cisis=レ」「F♭♭/Feses=リ」となる。
白鍵の音はイタリア式音名をそのまま用いる(Gは「ソ (So) 」)。
黒鍵の音は半音下の音名の子音と半音上の音名の母音を組み合わせる(「フィ」、「チ」は例外)。
主音に対する相対的な高さのこと。
一般にイタリア語が用いられ、調にかかわらず主音は常にDoであが、短調の場合には主音をLaとすることが多い。
また、数字(ローマ数字)を用いることもあるが、この場合、主音は常にiである。
一般に階名はイタリア式幹音+アメリカ式変化記号接尾語(Do sharp等)で表すことが多い。
音楽理論では音度に変化記号を付けて表し、また調号は前につける。
日本式表記での「嬰」「重嬰」「変」「重変」は、「♯」「

」「♭」「
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」である。
階名で歌うことを階名唱法と呼び、ドが音名に対して移動するので移動ド唱法と呼ぶことがある。
音名で歌うことを音名唱法、固定ド唱法と呼ぶ。
移動ドの方が理論的であると言われながら、実際には固定ドの方が多く使われているのが現状である。
歌唱や弦楽器には移動ドが、ピアノなどの楽器演奏には固定ドが適している。
- 異名同音(エンハーモニックenharmonic/仏:enharmonique)とは
西洋音楽において、音名が異なっても実質演奏される音が同じ音となる複数(一組だけ2つ、他は3つ)の音のこと。
平均律(やそれに類似した音律)にあって初めて出現する概念(
純正律では異名異音となる)である。
次の12の組み合わせである。□はピアノの白鍵、■は同じく黒鍵の音であり、#、bはそれぞれ♯、♭を意味する。
英語音名 |
日本語音名 |
備考 |
B# C D |
嬰ロ ハ 重変ニ |
|
B C# Db |
重嬰ロ 嬰ハ 変ニ |
|
C D E |
重嬰ハ ニ 重変ホ |
|
D# Eb F |
嬰ニ 変ホ 重変ヘ |
|
D E Fb |
重嬰ニ ホ 変ヘ |
|
E# F G |
嬰ホ ヘ 重変ト |
|
E F# Gb |
重嬰ホ 嬰ヘ 変ト |
|
F G A |
重嬰ヘ ト 重変イ |
|
G# Ab |
嬰ト 変イ |
唯一の2つだけの組み合わせ |
G A B |
重嬰ト イ 重変ロ |
|
A# Bb C |
嬰イ 変ロ 重変ハ |
|
A B Cb |
重嬰イ ロ 変ハ |
|
調としての異名同音(異名同音調)は、調号の制約の関係でシャープやフラットが5個以上の調となる次の6組に限られる。
短調 |
長調 |
♯ |
♭ |
長調 |
短調 |
嬰ト短調 |
ロ長調 |
5 |
7 |
変ハ長調 |
変イ短調 |
嬰ニ短調 |
嬰ヘ長調 |
6 |
6 |
変ト長調 |
変ホ短調 |
嬰イ短調 |
嬰ハ長調 |
7 |
5 |
変ニ長調 |
変ロ短調 |
最終更新:2009年08月09日 13:13