指鳴(ゆびなき)
基本情報
仮想全高 | 約180cm |
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仮想質量 | 80~100kg |
存在規模 | 一号級 |
穢装等級 | I |
脅威情報
存在強度 | E(個人装備で対処可能) |
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疑似知覚 | F(聴覚及び視覚の有無並びにその他特殊な知覚能力の有無は不明) |
穢装出力 | E(基本的な祭具で防護可能) |
空間機動力 | F(一般的な人間の歩行速度と同等程度) |
※基本情報及び脅威情報はいずれも境界異常事案第15432号の報告書から得られた推計値です。当該界異が複数体存在した場合、個体差がある可能性があります。
分析結果
概要
当該界異は■■県■■市■■町にて発生した境界異常事案第15432号において確認された界異です。■■■■年■■月■■日、午後6時20分頃、当該界異を目撃した住民の通報により発見されました。当該界異はその後、市街地を徘徊しながら民間人を無差別に穢し、これに伴う失明による事故で3名死亡、2名負傷、窒息により2名死亡の被害を出した後、午後7時35分、現場に到着した境界対策課祓魔隊第3班により祓滅されました。
特徴
当該界異の外見は、上半身が腰の曲がった高齢の男性のようであり、下半身からは人間の手の指を巨大にしたような脚が大量に生えています。また、口腔内から手と思しき組織が二本生えており、その間には巨大な眼球の様な器官(以下、「穢眼球」と呼称。)が存在します。眼窩は通常時、手のような形状の瞼に覆われていますが、なんらかの要因で瞼を開けた場合、穢眼球が18個露出します。これらの穢眼球が感覚器官としての機能を有しているのかは不明です。左手に数珠のような物、右手には錫杖様の物体(以下、「錫杖」と呼称。)を握っており、穢眼球を対象に指向し、錫杖を鳴らすことで穢れを発現しているものと推測されます。またこの音は、通信障害、停電等の他、幻聴を引き起こす可能性が指摘されています。この穢れの有効射程は不明ですが、類似する穢れを有する他の界異から推測すると、当該界異も視界内であれば距離を問わず対象を穢すことが可能であると推測されます。
脅威
防護されていない人員が当該界異の穢れに曝露した場合、眼窩と口腔及び気道内部に大量の指状の有機物が出現し、眼球の圧潰および気道閉塞を引き起こします。これらにより被害者は、窒息もしくは、視力の喪失に伴う副次的な事故等によって負傷または死亡します。気道異物除去を迅速かつ適切に行えば生存できますが、その場合も失明は免れません。穢れによるその他の後遺症は現在のところ確認されていません。負傷者2名の容態は■■日現在、意識不明の状態ですが、これは副次的な事故による頭部の負傷が原因であり、当該界異の穢れとは関連付けられていません。
多くの低級界異と同じく、住宅等の基礎的な結界を突破する能力は有していないものと思われます。被害者は全て、屋外等の加護のない結界外部で界異と遭遇したか、屋内にいたものの、何らかの理由で自主的に屋外に繋がる空間を開き、結界内部に界異を招いたもののいずれかでした。屋内退避を徹底した者で被害を受けた事例は確認されていません。この点から、当該怪異の穢れは狩衣で防護可能と考えられます。また、当該界異の体格と対応にあたった職員の証言等から推測される質量、及び移動速度から推定した筋力等を鑑みると、建造物を物理的に破壊する能力も有していないものと思われます。
懸念すべき特徴として、当該界異の発見が非常に困難である点が挙げられます。通常、多くの界異は穢れが常に漏出しており、界異警戒装置や境界ゆらぎ監視装置(モニタリングポスト)等により早期に発見されます。しかし当該怪異は、穢装出力の低さと穢れの高い指向性から、当該界異による被害発生前に、穢れを利用した観測装置で発見することが困難です。本事案では、境界異常の第一報はモニタリングポストによるものではなく住民からの通報でした。また、対応にあたった職員によれば、当該界異にかなり接近した状況でも界異警戒装置が反応せず、当該界異が錫杖を鳴らすまで本装置が作動しませんでした。その上、可視光増幅式暗視装置や赤外線監視装置等に映らず、肉眼でのみ視認することができたとの証言もあり、職員の装備したビデオカメラにも当該界異は記録されていません。このことから、当該界異の自動監視システムによる発見は困難と考えられます。
多くの低級界異と同じく、住宅等の基礎的な結界を突破する能力は有していないものと思われます。被害者は全て、屋外等の加護のない結界外部で界異と遭遇したか、屋内にいたものの、何らかの理由で自主的に屋外に繋がる空間を開き、結界内部に界異を招いたもののいずれかでした。屋内退避を徹底した者で被害を受けた事例は確認されていません。この点から、当該怪異の穢れは狩衣で防護可能と考えられます。また、当該界異の体格と対応にあたった職員の証言等から推測される質量、及び移動速度から推定した筋力等を鑑みると、建造物を物理的に破壊する能力も有していないものと思われます。
懸念すべき特徴として、当該界異の発見が非常に困難である点が挙げられます。通常、多くの界異は穢れが常に漏出しており、界異警戒装置や境界ゆらぎ監視装置(モニタリングポスト)等により早期に発見されます。しかし当該怪異は、穢装出力の低さと穢れの高い指向性から、当該界異による被害発生前に、穢れを利用した観測装置で発見することが困難です。本事案では、境界異常の第一報はモニタリングポストによるものではなく住民からの通報でした。また、対応にあたった職員によれば、当該界異にかなり接近した状況でも界異警戒装置が反応せず、当該界異が錫杖を鳴らすまで本装置が作動しませんでした。その上、可視光増幅式暗視装置や赤外線監視装置等に映らず、肉眼でのみ視認することができたとの証言もあり、職員の装備したビデオカメラにも当該界異は記録されていません。このことから、当該界異の自動監視システムによる発見は困難と考えられます。
結論
本事案の被害者数は少ないものの、これは現場が人口密度の低い地域であり、境界異常警報により迅速に屋内退避が完了したこと、祓魔隊が比較的早期に現場に到着したこと等が要因と考えられます。本事案の被害の少なさを根拠に、当該界異の脅威を過小評価するべきではありません。報告では、囮として当該界異に3分間見つめられ続けた職員は、この間に15枚もの形代紙を消費しており、当該界異が瞼を開けた際に正面にいた職員は、約3秒の間に19枚の形代紙を消費したとの記録があることから、当該界異は眼球一つにつき12秒間隔で一人を穢す事ができるものと推測されます。よって、当該界異が瞼を開けた場合、祓魔隊の現場への平均到着時間である3時間の内に、17,100人もの防護されていない人員を穢す事が理論上は可能であり、人口密集地に出現した場合、交通事故、特に公共交通機関等による二次災害が発生する可能性も考慮すると、深刻な被害を発生させる恐れがあります。また、その隠密性による早期発見の難しさから、発生から発見、対応までに時間がかかり、その間に一定程度の被害が出る可能性が高いと思われます。
幸い、形代紙などの初歩的な祭具で防護できる点や、存在強度の低さ、更に、基礎的な結界突破能力と物理的な破壊能力の欠如などの理由から、当該界異への対処は困難ではありません。被害低減には、御守り等を用いた民間人への形代紙の配布、境界異常発生時を想定した屋内退避訓練の実施、民間の祓魔事業者との緊密な連携による初期対応の迅速化などの対策が有効と思われます。
幸い、形代紙などの初歩的な祭具で防護できる点や、存在強度の低さ、更に、基礎的な結界突破能力と物理的な破壊能力の欠如などの理由から、当該界異への対処は困難ではありません。被害低減には、御守り等を用いた民間人への形代紙の配布、境界異常発生時を想定した屋内退避訓練の実施、民間の祓魔事業者との緊密な連携による初期対応の迅速化などの対策が有効と思われます。
関連ページ
権利情報
権利者 | tka |
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コンタクト先 | https://twitter.com/63Jpg |
他作品での使用範囲 | ご自由にお使い下さい。能力の変更も可能です。 |
登場作品 | 境界異常事案第15432号 |