シリーズ最新作『宴』では、待望のプレイヤー武将として登場した松永久秀。
今回は、そんな松永のアレコレをお聞きしてみた!
以上がタイトル及び導入部。
--松永がシリーズに登場したのは、『英雄外伝(HEROES)』からでしたね。
山本:そうですね。同作を製作するとき、新キャラをひとりしか作る余裕がなかったんです。
じゃあ誰を作ろうか……と、すごく悩んで選んだのが松永でした。
史実の松永って、あくまで自分の価値観の上に生きた人物ですよね。
それが、「まるで子どもだな」と感じたんです。
子どもがそのまま大きくなったような、純粋さ故の怖さ。
何を言っても通じないような彼の空恐ろしさが、新たな敵役にふさわしいと考えたんです。
『英雄外伝(HEROES)』は、B2のアペンドディスクに該当するものである。
要は、B2版『猛将伝』であるが、この件に関しては悪質な商法を真似るなとの声が、
ファン層の間からも出ているようである。
当然の話であるが、相手の商法の悪質さを批判したのであれば、
その商法を踏襲することはビジネス面では兎も角、道義的には否定されねばなるまい。
しかし、そのような声は少なく、被害者面をする場合の方が遥かに多いというのはどういうことであろうか。
話を本題に戻そう。
注目すべきなのは、「ひとりしか作る余裕がなかった」との発言であろう。
比較対象とすべき『戦国無双2 猛将伝』では、六名の追加があったことを考えると、
この内実は相当お寒いものがある。
ましてや、後発のリリースである以上は、当然ながら先行作を越えねばなるまい。
既にこの時点で、カプコン側はBへ割くリソースを相当渋っていたのではなかろうか。
それは、上層部からの評価の低さの表れでもある。
続けよう。
「悩んで選んだ」とあるが、何故ここで松永久秀なのか。
御存知の通り、B2の時点(これはB3の時点でもだが)で、松永久秀に関する武将は極限られる。
容易に挙げられるであろう足利将軍家や三好家の面々、筒井家の面々や島左近も存在しない。
精々が織田信長くらいであろうが、「敵役」と言う意味では重複の印象を免れ得まい。
それ以上に問題となるのは、そもそも歴史物を製作する、或いは考える上において、
「敵役」の概念を設定することそれ自体であろう。
敵役を設定すること自体は物語全体を設計するうえで選択肢の一つとなるのは確かであるが、
それは弊害がかなり伴われるものであることもまた論を俟たない。
第一に、物語の展開が単調になりがちであること。
第二に、物語内部の価値観の多様性が喪失されがちであること。
特に後者の問題は致命的であろう。
歴史物においては複数以上の勢力や立場があるのは大前提であり、
その内実を考え、説得的に描写しなければならないからである。
だが、「敵役」を設定すること自体が、そのような多様性を根本的に喪失させしまう。
それ以上に、この様な安易な設定を作ること自体が、公式の側の素養や蓄積を疑わせるものであると言えよう。
--シリーズ定番の悪役になりましたね。
山本:ものすごく欲深く悪い部分と、かっこいい部分を両立できたんじゃないかと思っています。
ただ欲望を持っただけのキャラだと普通の悪者に終わってしまいますから(笑)。
定番と言う割には、まだ二~三作にしか登場していないという現実を忘却しているらしい。
事実、本インタビューは、従来の物に比べて半分程度の分量しかない=それだけ語る内容が無いのだから。
それ以上に、自画自賛は止めておいた方が良かろう。
--史実の松永についてはほかにどのような印象を受けましたか?
山本:すごい才能の持ち主。
堺奉行を務めていたりと、ものすごく頭もいい。
最後の爆発も強烈ですが……平蜘蛛は遺してほしかったですね。
実物をすごく見たかった(笑)。
ここはある意味では素朴な感想の羅列であろうし、引用者自身は特筆すべきことはないと感じる。
--彼のアクションは爆発が多いですね!
山本:当然、爆発を使うキャラにはしたかったんです。
でも、慌てて火薬をつけるんじゃなくて、あくまで雅に、凛とした態度を崩さないようにしています。
『宴』での松永のBASARA技は、彼が通り過ぎた場所をすべて火の海にするというものですが、
それは彼の「通り過ぎたことには興味がない」という性格とアクションを融合させたものなんです。
松永久秀が爆発を使うのは、史実での彼の最期が爆死であったことから、ある意味では当然の発想といえる。
ところで、本インタビューの頁は、テーマとなった人物のCGイラストが背景を飾っているのが通例である。
そこに描かれている松永の姿は、異常に太い豊齢線のために不気味なまでのにやけ顔である。
そこには、凛とした=凛々しくも引き締まった態度はどうにも看取出来ない。
なお、後半に挙げられているBASARA技の内容は、既に『戦国無双3』の北条氏康の無双奥義・皆伝との類似が指摘されている。
--『宴』でのストーリー面でのポイントは?
山本:松永の物語では、松永の価値観に焦点を当てています。
今までは物を欲しがっていましたが、今回は彼の風流な面や物以外への価値観が出ていると思います。
彼本人の物語もそうですが、天海シナリオでもかなり活躍していますので、是非確認してみてください。
物を欲しがるような価値観の人間が、風流を説いても説得力は絶無であろう。
風流とは、およそ俗世の物欲を遠ざけた趣を愛好するところにあるのだから。
一応、風流(ふりゅう)という古典的な意味合いでならばまだ分かるのだが…
ところで、小十郎と言い、天海といい、どうして理解しやすい人間関係を作れないのであろうか。
『戦国BASARA』の松永久秀はこんな武将!
- 己の欲望に忠実
- お宝大好き
- 片倉小十郎と因縁あり
- 『宴』で初のプレイヤー武将に!
特に付言するところは無い事実の羅列である。
反面、それ故に創作上のいい加減さが露呈してしまっていると言える。
「悪いけどかっこいいって、すごいことですよね。
その悪とかっこよさの両立ができたキャラだと思っています」
頁中央に配置されたコメント。
ここでもやはり自画自賛である。
山本Dのお気に入りとの話はどうやら本当の事であるらしい。
最終更新:2013年01月29日 21:08