セッションの流れ②:冒険フェイズ①「迷宮探索」


冒険フェイズとは

 『冒険フェイズ』とは、王国フェイズ終了後に行う迷宮探索のシーンです。
王国フェイズの内容は『セッションの流れ①:王国フェイズ』を参照してください。
冒険フェイズは、ランドメイカー達がモンスターと罠に溢れた百万迷宮に挑み、様々な能力を駆使して踏破する場面です。
当然ながら冒険には危険が伴います。配下を失ったり、キャラクターが大きなダメージを受けてロスト(死亡)する事もあるので、慎重に取り組みましょう。

王国フェイズ 冒険フェイズ 終了フェイズ
プロローグ 移動 王国変動
円卓会議 遭遇 エピローグ
準備行動 キャンプ 円卓会議
出発 時間経過
帰り道

冒険フェイズにおけるサイクルの流れ

 冒険フェイズの時間経過は、基本的に「クォーター」というサイクルで管理されます(戦闘中はまた種類の異なるサイクルで管理されます)。
 1クォーターは「移動」「遭遇」「キャンプ」「時間経過」の順番で処理します。時間経過の処理が終わると、次のクォーターとなり、移動の処理からスタートします。
 これを繰り返し、4クォーター分の処理を終えると「1ターン」が経過したことになります。

例として現在が3クォーター目では「3クォーター目」、4クォーター目では「1ターン目」、5クォーター目では「1ターン、1クォーター目」、8クォーター目では「2ターン目」となります。要は4の倍数のクォーター数はターンの区切りとなります。

 なお、3ターン(すなわち12クォーター)が経過すると、宮廷全員に疲労が発動し、以降王国に帰還するまで1クォーターが終了するたびに宮廷全員のHPが1d6減少します。
 また、ローグライクゲームのように「飢え」の概念があり、ターンが経過するまでに1回でも食事系のアイテム(お弁当、フルコース等)を使用しなければ、新たに食事をとるまでに1クォーターが終了するたびに宮廷全員のHPが1d6減少します。逆にターン経過するまでに1人が3回以上食事系アイテムを使用すると、「肥満(戦闘中、移動する度にHPが減少する。詳細はp.84)」になります。

陣形の設定

 移動を開始する前に陣形を決めます。陣形とは戦闘中のランドメイカー達の立ち位置決めです。詳しくは『セッションの流れ③:冒険フェイズ②「戦闘」』を参照してください。

移動

 部屋から部屋への移動のことです。迷宮に入る時は3×3マスのマップの中から入口のある部屋に強制移動します。
  • 連続移動
 ある部屋で時間の経過の処理が終わるとその部屋は「探索済み(後述)」となります。
探索済みの部屋しか通らずに別の探索済みの部屋まで移動する場合、1回の移動で何部屋分でも移動が可能になります。(連続移動)
ただし連続移動を行うと、「特殊遭遇(後述)」が発生します。

遭遇

 部屋の移動が終わると、遭遇が発生します。部屋の中の様子やそこから繋がっている通路、モンスター、トラップが仕掛けられているオブジェクト(アイテムや情景、人物など)を描写します。
  • 特殊遭遇
 誰もいない探索済みの部屋に到着するか、今いる部屋が探索済みになってそこから移動しなかった場合は「特殊遭遇」が発生します。
2d6を振り、出目が特定の値以下(詳しくはp.67参照。宮廷の数や連続移動した部屋により変化する。)なら特殊遭遇が発生し、「特殊遭遇表(p.67)」を1回使用します。
特殊遭遇はほとんどの場合、厄介なトラブルが発生します。判定が要求される場合、成功する事で危機を回避することが可能です。また、確率は低いながらも逸材の獲得などのメリットが発生する場合もあります。

 また、モンスターと遭遇した場合、敵対的中立的友好的の3種類のうちいずれかの反応を示します。

敵対的なモンスター
 この反応を示すモンスターは、腹を空かせている、縄張りに侵入されて怒っているなど、宮廷や侵入者に敵意を持ち、徹底的に排除しようとしてきます。元々は中立的、又は友好的なモンスターであっても。同じ迷宮の仲間のモンスターを宮廷が殺していた場合はこの反応を示すことがあります。
 敵対的なモンスターは「戦闘」が発生します。詳しくは『セッションの流れ③:冒険フェイズ②「戦闘」』を参照してください。

中立的なモンスター
 この反応を示すモンスターは、余所者を警戒していたり、様子をうかがっていたり、あるいは侵入者に無関心な状態です。決して友好的ではありませんが、ひとまず敵対はしていません。
 中立的なモンスターに遭遇した場合、戦闘を行う、あるいは交渉を持ちかけるという選択肢があります。
 交渉を行う場合は宮廷の代表が「交渉表」(詳細はp.68)を1回使用し、表の結果を処理します。内容次第では戦闘となりますが、条件を満たせば友好的な反応を示すようになります。

友好的なモンスター
 この反応を示すモンスターは、宮廷や人間を温かく迎え入れ、敵意を示しません。彼らと遭遇した場合、戦闘をするか、取引(後述)をするか選びます。

  • 先を急ぐ
 遭遇が終了した時、もしも時間が惜しいなら、キャンプ(後述)を行わずに次の部屋へ移動することが出来ます。これを「先を急ぐ」と呼びます。
 魅力の行為判定に成功すれば、キャンプを行わずに次の部屋へ移動出来ます。この時クォーターの経過は発生しません。失敗ならキャンプ処理をします。

※「連続移動」と「先を急ぐ」の使い分け
 「連続移動」と「先を急ぐ」はいずれもクォーターの経過なしで複数の部屋を移動出来る移動ルールですが、「連続移動」は「探索済みの部屋(後述)」しか通れないのに対し、「先を急ぐ」は部屋の制限がないので「探索済みでない部屋」も使えます
 いずれも通常の移動ではクォーターが経過し、3ターン目(12クォーター)からは疲労によるダメージが1クォーター終了ごとに発生しますのでそれらを防ぐ為の移動ルールのオプションです。特にキャンペーンプレイでの高レベル帯で、迷宮探索する部屋が多い時は重宝します。

キャンプ

 遭遇の処理が完了するとキャンプになります。キャンプでは各ランドメイカーはそれぞれ1人1回、以下の7つの行動のうち1つ選んで行動します。
 キャンプ時の行動は各ランドメイカーの好きな順番で行動し、行動の処理が終了したランドメイカーは行動済みになります。
 行動によっては要求される判定の難易度や表の詳細はp.69~72に記載されています。

①捜索
 迷宮の部屋の中を調査する行動です。捜索を行うキャラクターは以下の3つから捜索の目標を決めます。
  • 部屋
 現在宮廷がいる部屋全体を捜索します。
  • 通路
 現在宮廷がいる部屋から延びている通路1本を選び、その通路を捜索します。
  • イベント
 遭遇時、GMが描写したキャラクターやアイテム、情景などのオブジェクトを1つを選び、それを捜索します。

 捜索の目標が決まったら「才覚」か「探索」の行為判定をし、判定に成功したら目標に隠されたトラップや情報を開示します。トラップの解除方法が「発見」のタイプのトラップは即座に解除されます。
 部屋によってはトラップやシナリオ上必要な情報がない場合は代わりに拾い物が発生し、「素材表」を1回使用し、表の結果出てきた素材を1つ獲得します。

②解除
 捜索判定によって判定したトラップを無効化する行動です。トラップによっては無効化出来ないものもありますが、「判定」のタイプで解除出来るものは指定された判定で成功すると解除出来ます。なお失敗すればトラップによっては発動することがあります。詳細はp.148、149(トラップ全般のルール)とp.151~161(トラップ表)を参照してください。

③休憩
 部屋の中で体を休めたり、自由時間を楽しむ行動です。休憩には以下の4種類があります。それぞれの休憩をする場合はそれに対応する「休憩表」を使用します。
  • 才覚休憩
 「才覚休憩表」を使用します。表の結果によっては「才覚」の行為判定を要求することがあります。
 傾向として《民の声》が回復する結果が多いです。
  • 魅力休憩
 「魅力休憩表」を使用します。表の結果によっては「魅力」の行為判定を要求することがあります。
 傾向として《好意》の《感情値》が上がりやすいです。
  • 探索休憩
 「探索休憩表」を使用します。表の結果によっては「探索」の行為判定を要求することがあります。
 傾向として素材やアイテム、トラップやモンスターの情報が獲得しやすいです。
  • 武勇休憩
 「武勇休憩表」を使用します。表の結果によっては「武勇」の行為判定を要求することがあります。
 傾向として《敵意》の《感情値》が上がりやすいです。

④取引
 友好的なモンスターと取引します。取引を行う内容は以下の3つの中から1つを選びます。いずれも「魅力」の行為判定を行い(取引判定)、成功なら取引の結果を処理します。失敗の場合は何もメリットを受けられずそのまま行動済みになります。
 判定の難易度の高さは「自国の民として迎え入れる>情報提供>素材交換」となっています。

  • 素材交換
 取引相手のモンスターがドロップする素材と、ドロップしない種類の素材を交換できます。
 取引判定に成功するとモンスターのレベルの値までランドメイカーの持っている素材を好きなだけ消費し、モンスターから消費した数だけ受け取れます。なおモンスターのドロップする素材が複数ある場合は、消費した素材の数の範囲なら、複数の素材を組み合わせて獲得できます。
 セッション中に1度素材交換を行ったモンスターとは再び素材交換の取引を行う事はできません。

  • 情報提供
 他の部屋の情報を教えて貰えます。部屋1つと教えてもらうモンスターを指定し、取引判定に成功すると指定した部屋にいるモンスターの数「取引したモンスターのレベル」以下のレベルのモンスターの種類を教えて貰うことができます。

  • 自国の民として迎え入れる
 自国の「民」になるよう勧誘します。勧誘するモンスター1体を選び取引判定に成功するとそのモンスターを勧誘したランドメイカーの「配下」に加わります。その配下を王国に連れ帰る事が出来れば自国の「モンスターの民」になります。

なお、取引判定の難易度の修正は主に4つあります。

  • 好意と敵意
 取引を行うランドメイカーに対して「好意」を持っていれば好意の値だけ難易度が減少し、「敵意」を持っていれば敵意の値だけ難易度が上昇します。

  • 特殊なモンスタースキル
 遭遇したモンスターの中にモンスタースキル「策士」「人類の敵」(詳細はp.165参照)を持つモンスターが1種類いるごとに難易度が2点ずつ上昇します。

  • ロールプレイボーナス
 PLが実際に取引内容を考えて、ロールプレイに反映した場合はGMの裁量次第ですが難易度を0~3点減少します。

  • 降伏
 戦闘の結果モンスター側が降伏した場合、難易度が-2点となります。

⑤アイテムの作成
 基本的には『セッションの流れ①:王国フェイズ」の準備行動の項目にある「アイテムの作成」と同じですが、必要な素材は宮廷が持っているものに限定され、アイテム作成時の判定は「探索」の行為判定に変更されます。(レアアイテム作成する時は難易度が+2点となります。)

⑥情報収集
 基本的には『セッションの流れ①:王国フェイズ」の準備行動の項目にある「情報収集」と同じですが、指揮判定を行う前に現在の部屋に通路で繋がっている部屋1つを目標に選び、「情報収集表」で入手出来る情報は「目標に関係する情報」に変更されます。(詳細はp.69にあるTIPSを参照)

⑦その他の行動
 基本的には『セッションの流れ①:王国フェイズ」の準備行動の項目にある「その他の行動」のうち王国にある施設の一部が使えないという点を除けば同じです。

時間経過

 キャンプの処理が終わったら時間経過の処理を行います。その部屋が未探索だった場合は「探索済み」になります。その処理が終えると1クォーター経過します。

帰り道

 入り口から出て王国へ戻る処理です。基本的には『セッションの流れ①:王国フェイズ』の出発の項目を参照して貰えると分かりますが、出発は王国フェイズとして扱うのでクォーターの経過が発生しませんが、帰り道は冒険フェイズとして扱うので土地の移動ごとにクォーター経過が発生します。
 王国に帰還したら「終了フェイズ」に突入します。詳しくは『セッションの流れ④:終了フェイズ』を参照してください。

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最終更新:2021年03月07日 01:24