SW2.0とは


はじめに

このページを閲覧した方であれば、ソード・ワールド2.0(以外SW2.0)に多少なりとも興味をお持ちの事でしょう。
ここでは様々な観点から筆者の主観を交えて、SW2.0を簡単に紹介していきます。

作品としてのSW2.0

SW2.0を一言で表すと『剣と魔法のファンタジーTRPG』です。
システム的にも世界観的にも極端に特徴的な要素こそ目立ちませんが、ファンタジーとしてもTRPGとしてもまさに王道と言った内容になります。
それに加え世界観の掘り下げや、安定した基本システムを基盤とした色とりどりの追加要素等が充実しているため、取っ付きやすく長く遊べる作品と言えるでしょう。
では、以下の項目ではそれぞれの観点から解説していきます。

作品の歴史

SW2.0と銘打たれていると言うことは、当然前身1.0にあたる作品があります。
それが1989年にリリースされた『ソード・ワールドRPG』です。
日本で輸入TRPGが広がり始めたのが1970年代と考えると、このシステムは決して草分けに位置する作品ではありません。
しかしながら、文庫本媒体での安価な供給やメディアミックスなどのPR戦略により、日本における1990年代前半のTRPGブームの火付け役となり、関連書籍も含めると1000万部以上の大ヒットとなりました。
しかし、TRPGブームはそう長く続かず、1990年代後半にはコンシューマのビデオゲームや各種カードゲームの勢いに押され、『TRPG冬の時代』と呼ばれる氷河期に入ります。
その後2000年代に入ると、以前のブーム程ではないものの、少しずつですがTRPG市場も賑わいを取り戻します。
そして『ソード・ワールドRPG』リリースから約20年後の2008年に、大幅に内容を改訂、追加した(と言うより一部システム以外ほぼ別物の)『ソード・ワールド2.0』がリリースされ、そこから10年間に渡って関連書籍や関連商品を展開していったのです。
(ルルブとサプリにもある程度の情報を記載しています。)
そして、2018年に新版である『ソード・ワールド2.5』がリリースされ、SW2.0の商品展開はひとまず終わりを迎えましたが、未だに根強いユーザーは一定数存在します。

SW2.0の世界観

その名の通り、SW2.0の世界である《ラクシア》は《始まりの剣》と呼ばれる3本の剣によって創造されたとされています。
始まりの剣》は誰かに所有される事を望んだため、《ラクシア》には命が生まれたのです。
そして《始まりの剣》に触れた《人族》や《蛮族》は古の神となり、また彼らに関わるキャラクター達が神格を得たりする事もありました。
いつしか、神々をも交えた《人族》と《蛮族》の争いが始まり、長く続いた戦いの末、神々は眠りに就いたのです。
神々が眠りに就いた後も、《人族》と《蛮族》の争いは収まらず、3つの《古代文明》を経て10000年以上経った現在(PCの存在する時間)まで、その争いは続いています。
また、SW2.0の舞台は《テラスティア大陸》と呼ばれる大陸になります。
各種ルルブにも情報は掲載されていますが、より深く世界観を知りたいのであれば、『プレイヤーズハンドブック(博物誌シリーズ)』や『ツアーサプリメント』等の関連書籍を読んでみるといいでしょう。

始まりの剣

《ラクシア》の世界を創造したと言われる3本の剣の事です。
第1の剣《ルミエル》は《ライフォス》に神格を与え、始祖神としました。
一方第2の剣《イグニス》は《ダルクレム》に神格を与え、戦神としました。
両者は第3の剣である《カルディア》を巡り争い、いつしか《ライフォス》の勢力は《人族》と呼ばれ、《怠くれ》の勢力は《蛮族》と呼ばれます。
そして、激しい争いの中、《カルディア》は自ら砕け散る事を選択し、その破片は《剣のかけら》として各地に散りました。
神々が眠りに就いた今も、《ラクシア》のどこかに砕けていない2本の剣が眠っているとも噂されています。

人族

前述の通り、《ライフォス》に与した者とその末裔たちを《人族》と呼びます。
特殊なレギュレーション以外の場合は、PCは《人族》である事がほとんどでしょう。
最も数の多い《人間》や、ファンタジーでお馴染みの《エルフ》や《ドワーフ》などが《人族》に属します。

蛮族

一方、《ダルクレム》に与した者とその末裔を《蛮族》と呼びます。
基本的に《人族》とは敵対しており、PC達が直接戦闘する事も少なくありません。
ファンタジーでおなじみの《ゴブリン》や《ダークトロール》から、強い力を持つ《ヴァンパイア》の様な者まで多岐に渡る種族が《蛮族》に属します。

3つの古代文明

《ラクシア》の歴史上、3つの古代文明が存在していたことが明らかになっています。
1つ目は《神紀文明シュネルア》です。
《ライフォス》が仲間の神々と創り上げた最初の文明で、《ダルクレム》との戦争により滅びました。
2つ目は《魔法文明デュランディル》です。
神々の戦いの後《人族》が興した文明で、魔法に関しては今より遥かに優れていたと言われておりますが、約3000年前に原因不明で急に滅亡しました。
3つ目は《魔動機文明アル・メナス》です。
平たく言えば、魔法と機械を使って一時期は《蛮族》を全滅寸前まで追い詰めた強い文明です。
しかし、約300年前に起きた後述の《大破局》によってあっけなく滅亡しました。
これらの文明に対して、PCは遺跡探索やオーパーツである魔法のアイテムの発見などを経て、謎を解明していくのかもしれません。

大破局

300年ほど前に起きた、当時の《蛮族》の王主導による大規模な《人族》への襲撃です。
当時の《蛮族》の王は、第2の剣《イグニス》を手にしていたとも言われ、剣の力で天変地異を起こし強力な《蛮族》の襲撃も相まって、《魔動機文明アル・メナス》を滅ぼすなど《人族》を追い詰めました。
しかし、とある謎の人物が当時の《蛮族》の王を討ち取り、《大破局》は終焉を迎えました。
なお現在も《大破局》の影響は大きく、巨大な文明などは形成されていません。

PCの立ち位置

そんな世界観を前提に、PLの分身であるPCの立場を説明していきます。
特殊なレギュレーションの卓以外は、PCの身分は《冒険者》になります。
《冒険者》は特定の国家や権力に属さず、それぞれが自らの目的や信念に則り活動しています。
《冒険者の店》と言うギルドのような物に所属し、多種多様な《依頼》をこなすことで、名を上げていくのが基本的な《冒険者》のスタンスになります。
《人族》と《蛮族》の小競り合いが続く世界で、《冒険者》は自らの手で栄光や財産、古代の叡智や伝説の宝物などを手にしていく事でしょう。
PLの分身であるPCもそんなヒーローのような《冒険者》を目指して、無限の選択肢が待つSW2.0の世界に漕ぎ出しましょう。

TRPGシステムとしてのSW2.0

前述の通り、TRPGシステムとしても非常にオーソドックスです。
悪く言えば、システム的にできる事が限られています(サプリの導入である程度解消可能)が、良く言えばシステムの縛りが薄いので、RPやアイデアによる無限の可能性が生まれます。
特にこれと言った特徴が無いのが、最大の長所かもしれません。

判定について

SW2.0の判定はほとんどの場合2D6(6面ダイスを2つ)で判定します。
具体的にはPCの《能力ボーナス》や《技能レベル》を基本値としてそれに2D6の結果を加算して達成値とします。
特徴的な事としては1のゾロ目は自動失敗(ファンブル)、6のゾロ目は自動成功(クリティカル)になると言うことくらいでしょうか。
ほとんどの判定が数字を当てはめて、2D6を振るだけなので、一度覚えてしまえば判定に迷う事はほぼ無くなります。

キャラクターの能力について

端的に言えば、6種類の《能力値》と職業にあたる《技能》が、そのキャラクターの基本的な強さです。
それに《種族特性》《戦闘技能》《装備》などが加わり、キャラクターの最終的な強さになります。
これらは組み合わせる事により、文字通り無限大の可能性を有しています。
また、SW2.0をプレイするのであれば、是非キャンペーンでPCの成長を実感し、楽しんでください。
成長により出来ることが増えたり、能力が強化されたりする為、PCの成長はセッション毎にひしひしと感じられる事でしょう。
※何がやりたいかを明確にしておくと、キャラの作成や成長の大きな指針になります。

パーティについて

SW2.0はオーソドックスなファンタジーRPGだと前述しましたが、ほとんどのPCには得意分野と苦手分野が存在します。
それぞれの役割を理解した上でPC同士で補い合えば、TRPGの醍醐味の1つである協力の成果をはっきりと実感できます。
時にはダイス目に泣いたり、探索を失敗するかもしれません。
しかし、パーティ単位で大きな目標を達成する事は、ビデオゲームやソシャゲでは味わえない快感です。
是非PL同士協力して、その景色を味わってください。

おわりに

多岐に渡る項目を長々と解説したため、情報量が多すぎるのは申し訳御座いません。
しかし、最後にこれだけは言わせてください。
SW2.0を実際にプレイして、あなたも王道の世界観とシステムを前提に、仲間と協力して目的を達成する喜びを感じてください。

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最終更新:2019年10月22日 02:55