セッションの流れ③:冒険フェイズ②「戦闘」


戦闘とは

 ここでは「迷宮キングダム」のセッション進行において冒険フェイズの迷宮探索の遭遇の結果、敵対的なモンスターとの『戦闘』について紹介します。
本記事は『セッションの流れ②:冒険フェイズ①「迷宮探索」』の続きとなっていますので、こちらを参照してから本記事を読む事をオススメします。

戦闘の準備

 戦闘に入る前に、戦闘シート(リンク先の上側の色が濃いエリアを敵側の陣営、下側の色が薄いエリアをPC側陣営となります。)を用意し、ランドメイカー達は冒険フェイズの時点で既に配置を決めていますので、それに従います。これが戦闘に入った時の陣形です。もし戦闘終了時にランドメイカー達が相手の陣営に入っていたとしてもそのままの陣形で固定されるので、キャンプ時に陣形変更(ランドメイカーの行動を消費しない。)しないと奇襲(後述)を受ける恐れがあります。戦闘が終わりキャンプが始まったら陣形変更することを心掛けましょう。

戦闘の流れ

 「戦闘」は遭遇の結果敵対的モンスターと出会い戦闘を行うルールです。
 戦闘中のサイクルは「ラウンド」を使用します。
 1ラウンドの流れは以下のようになります。なお後述しますが、作戦立案での判定の結果次第では1ラウンドの処理が変わります。青色は判定に成功した時、赤色は判定に失敗した時の処理となります。

①ラウンドの開始 ②作戦立案 判定成功 (そのまま③先攻フェイズへ) ③先攻フェイズ ④後攻フェイズ ⑤ラウンドの終了 ラウンド経過し①へ戻る
判定失敗    ③混乱フェイズ ④先攻フェイズ ⑤後攻フェイズ ⑥ラウンドの終了 ラウンド経過し①へ戻る

ラウンドの開始

 戦闘の準備やラウンドの終了の処理が終わったら、ラウンドが開始されます。このタイミングでは死亡又は行動不能(後述)以外で戦闘に参加しているキャラクター全員は未行動となります。

作戦立案

 基本的に「迷宮キングダム」の戦闘はプレイヤー側から先に攻撃が出来ます。作戦立案とは、そんなプレイヤー側のイニシアチブを守れるかどうかの判定をする処理です。これは毎ラウンド行います。判定の難易度等の詳細はp.74にあります
 宮廷(プレイヤー)側の代表は、「才覚」の行為判定で判定を行います。これを作戦判定と呼びます。
 作戦判定に成功すると先攻フェイズ(後述)に移行し、プレイヤー側から攻撃を開始します。逆に作戦判定に失敗した場合は混乱フェイズ(後述)に移行し、敵側の一部のキャラクターから攻撃を開始します。
 この事から分かりますが「才覚」の値が高い国王や大臣はいかにイニシアチブを死守出来るか否かが宮廷の存亡に関わる鍵となります。故に彼らは極めて責任重大な役割なのです。
 また、以下の3つの状況が発生した場合は、作戦判定の達成値が修正されます。(具体的な達成値の補正はp.74参照)
  • 奇襲
 モンスターがランドメイカー達を待ち伏せして不意打ちする行為です。奇襲が発生した場合、最初のラウンドの作戦判定の達成値が大幅に減少します。奇襲の条件は以下の2つです。

情報不足
 その部屋にいるモンスターの数が判明していない状態で敵対的なモンスターと遭遇すると奇襲が発生します。

背後をとられる
 事前に陣形変更をしなかった状態でモンスターに遭遇し戦闘に入った時、1人でも宮廷側のキャラクターが敵陣営エリアの中に居たら奇襲が発生します。
  • 采配
 作戦判定を行うキャラクターが自軍(プレイヤー側)の「本陣」エリアにいる場合は作戦判定の達成値が上昇します。
  • 大軍の混乱
行動不能や行動済みではない自軍キャラクターの数が5体以上いる場合、作戦判定の達成値が減少します。

行動フェイズと戦闘行動

 作戦立案が終了したらフェイズ事の動きとキャラクター事に行える行動を紹介します。
 原則として1人のキャラクターにつきそれぞれ1回の「移動」(後述)と「戦闘行動」(後述)が出来ますが、移動と戦闘行動は1組の処理となっています。なので移動の処理を行ってから戦闘行動する必要があり、あるキャラクターが行動終了するまでは他のキャラクターは行動出来ません(使用するタイミングが「割り込み」のスキルやアイテムの使用は除く)。
 なお移動をパスして戦闘行動を行ったり、移動だけして戦闘行動をパスすることは可能ですが、戦闘行動をしてから移動は不可能です。

混乱・先攻・後攻フェイズ

  • 混乱フェイズ
 作戦判定に失敗すると混乱フェイズに移行します。混乱フェイズには敵陣営の中から「宮廷の平均レベル」体までキャラクターを行動させることが出来ます。混乱フェイズでどのキャラクターが行動するのかはGMが自由に決定できます
 混乱フェイズで行動できるキャラクターが全員行動するか、パスしたら先攻フェイズに移行します。
  • 先攻フェイズ
 先攻フェイズはプレイヤー陣営のキャラクターが行動するフェイズです。誰がどの順番で行動するのかはPL同士で相談してください。プレイヤー全員が行動済みか、パスしたら「後攻フェイズ」に移行します。
  • 後攻フェイズ
 後攻フェイズは敵陣営のキャラクターが行動するフェイズです。どのキャラクターがどの順番で行動するかはGMが自由に決めれますが、「混乱フェイズ」で先に行動したキャラクターがいる場合は、そのキャラクターはこのフェイズでは行動出来ません。敵陣営の全キャラクターが行動済みかパスしたら、そのラウンドが終了し、次のラウンドのラウンド開始に移行します。

移動

簡易戦場シート表(図1)
自軍本陣 自軍後衛 自軍前衛 敵軍前衛 敵軍後衛 敵軍本陣
   ←
   ←    ←
※〇と●は別々のキャラクターで、●は「騎乗」というアイテムを装備している為、2マス移動が可能である。

 戦闘中に移動するキャラクターは戦場シートの現在いるエリアから敵陣営の方向へ1マス進む(前進)か、プレイヤー陣営の方向へ1マス戻ること(後退)ができます。なお「騎乗」等のアイテムや「早足」等のスキルの効果で2マス移動できる場合があります。移動の処理を行ったか、パスした場合は「戦闘行動」の処理をします。

例としてキャラクター「〇」は上記の『図1』上では「自軍前衛」エリアにおり、前進する場合は「敵軍前衛」エリアへ、後退する場合は「自軍後衛」へ移動できます。
アイテム「騎乗」の効果で2マス進めれるキャラクター「●」は上記の表で「自軍前衛」エリアにいる場合、前衛なら「敵軍前衛」エリアか「敵軍後衛」エリア、後退なら「自軍後衛」エリアか「自軍本陣」まで戻れます。

 また、移動時には以下の状態が発生することがあります。詳細はp.75を参照してください。
  • 進軍妨害
 誰かが戦闘中に前進しようとした際に、今いるエリアに敵陣営のキャラクターの合計人数がプレイヤー陣営のキャラクターの合計人数以上なら前進出来なくなります。この状況を「進軍妨害」と言います。
  • 突破
 上記の進軍妨害を受けていて、どうしても進軍したい場合は「配下」を消費すれば無理矢理前進することが可能です。このオプションを「突破」と言います。
  • 強制移動
 スキルやアイテム、トラップの効果により、自身の出番ではないのに強制的に移動することがあります。この効果を「強制移動」と言います。これによって引き起こされる移動の処理は、「進軍妨害」が発生しないことを除けば通常の移動と同じです。
  • 再配置
 スキルの効果によって現在の位置は関係なく別のエリアに配置し直す事があります。この効果を「再配置」と呼び、移動の扱いにならないので「進軍妨害」は起きません。

戦闘行動

 移動の処理が終わったら続けて「戦闘行動」の処理をします。戦闘行動には「攻撃」、「支援行動」、「特殊行動」の3種類があります。詳細はp.76、77を参照してください。
  • 攻撃
 武器などを使って他のキャラクターにダメージを与える処理です。処理を行う順番は以下の通りです。武器の射程やダメージ量はp.98・99(コモン武具アイテム)、p.109~111(レア武具アイテム)を参照してください。

①使用する武器の決定
 自分の装備しているアイテムから、使用する武器を1つ選択します。武器には近接武器である「肉弾戦用武器」と遠距離武器である「射撃戦用武器」の2種類があります。
 なお、その2種類以外にも全てのアイテムは極めて低威力でありながら「武器」としても扱えます。このような武器を「粗末な武器」と呼びます。

②目標の決定
簡易戦場シート(図2)
自軍本陣 自軍後衛 自軍前衛 敵軍前衛 敵軍後衛 敵軍本陣
射程2 射程1 射程0 射程1 射程2 射程3
※○は射撃戦用武器を使うキャラクター、●は目標を表し、条件として武器の射程は「3」、光量は「2」である。

 使用する武器の射程の範囲で攻撃の目標となるキャラクターを1人選択します。射程は自分がいるエリアから何マス離れた目標まで攻撃可能であるかを表す数字です。射程が0の場合は同じエリアのキャラクターのみを目標にできます。
 射撃戦用武器を使う場合はそれに加え「光量」を持つアイテムが必要となります。光量とはそのアイテムの持ち主がいるエリアから何マス分離れた目標まで攻撃できるかを表す数字です。もし光量が射程より下回った場合、光量の範囲までの目標でしか攻撃ができません

例として『図2』を見ると、武器の射程は「3」なので図の様子だと全てのエリアに攻撃出来ますが、光量が「2」なので、「射程」の部分が赤文字の所までしか攻撃が届きません。

③命中判定
 使用した武器の攻撃が成功したか否かを決める判定です。「武勇」の行為判定で目標の「回避値」を難易度として判定します。
 成功したら即座にダメージを算出します。他のTRPGとは違い命中判定後に「回避判定」にあたる判定はなく、そのままダメージを受けます。絶対成功だった場合はダメージ算出の前に「痛打表」を1回使用し、表の処理を加えて最終的なダメージ算出をします。
 失敗したら何も起こりません。絶対失敗の場合は「戦闘ファンブル表」を1回使用し、表の処理をした後に最終的に算出したダメージを受けます。

④ダメージの決定
 ダメージは「使用した武器の威力+目標への『敵意』の値」と等しいダメージを目標に与えます。
 なおこの時にランドメイカー個人リソースの「気力」か、宮廷共有リソースの「民の声」を1点消費するごとに追加で1d6のダメージを与えることができます。
  • 支援行動
 支援行動の詳細はp.77に掲載されてます。ここではその一部を紹介します。

①号令
 自分の「配下」に敵を攻撃させる行動です。配下を何人使用するか決めて、「才覚」か「魅力」の行為判定で成功すると使用した配下に応じてダメージを与えます。失敗なら使用した配下は消費されます。武勇の値が低いキャラクターでも攻撃できる数少ない手段であり、ボスは難しいかもしれませんが、雑魚敵ならこの方法で倒すことが出来ます。

②集中
 深呼吸し、戦いに集中する行動です。「武勇」の行為判定を行い、成功すれば「気力」1点を獲得します。

③捜索
 前記事であるセッションの流れ②:冒険フェイズ①「迷宮探索」のキャンプ項目の捜索と同じ処理ですが、捜索できるのは遭遇でGMから説明されたイベントのみで、部屋や通路に捜索することは出来ません。

④解除
 前記事であるセッションの流れ②:冒険フェイズ①「迷宮探索」のキャンプ項目の解除と同じ処理ですが、戦闘中にのみ発動する「戦闘トラップ」を解除できるのは自分がいるエリアかその前後1マスまでです。それ以外は敵本陣エリアにいる必要があります。

  • 特殊行動
 以下の2つの特殊行動を行えます。
①追加移動
 もう一度移動を行えます。進軍妨害は通常通り発生します。

②逃走
 プレイヤー陣営のキャラクター全員が自軍本陣にいる時に行えます。「探索」の行為判定を行い、判定に成功すれば戦闘終了となり、1つ前の部屋に戻されます。
 敵陣営が逃走に成功した場合、GMはそのモンスターを好きな部屋に再配置し直す事が可能です。

ダメージと戦闘終了

 表の内容等の詳細はp.78・79にあります。

ダメージ

 ダメージを受けたキャラクターは現在のHPから受けたダメージ分減らします。アイテムやスキルの効果で「ダメージ軽減」がある場合は受けたダメージから軽減分を減らしてダメージ処理を行います。なおダメージ軽減によって受けるダメージが0以下になることはありません。(最低でも1ダメージは受けます)
 飢えや疲労など「HPの減少」とある場合は直接HPを減らすのであってダメージ処理ではないので、ダメージ軽減の効果を受ける事が出来ません。

致命傷表

 ランドメイカーや重要NPCの「HP」が0以下になると、「致命傷表」を1回使用します。表の結果次第では「死亡」(後述)したり、「行動不能」(後述)になります。非常に運が良ければHPが1点又はノーダメージで済むこともあります。

行動不能と死亡の違い

  • 行動不能
 手加減(後述)でHPを0にしたり、致命傷表の結果で「行動不能」になったキャラクターは戦闘終了まで行動済みとなります。死亡とは違い「死亡」扱いではありません。
 トラップやスキル、アイテムの目標になり、それによって1点以上のダメージを受けると「死亡」します。行動不能のキャラクターがHPを1点以上になると行動不能から回復します。
  • 死亡
 攻撃した相手から手加減を宣言せずにHP0にされたら死亡します。死亡したキャラクターはスキルやトラップ、アイテムの目標になりません。(死亡したキャラクターにのみ目標にする効果のものを除く)
 死亡したキャラクターは普通の手段では「HP」が回復出来ず、「復活薬」や「聖杯」といった蘇生効果のあるアイテムでのみ回復できます。なおそのアイテムが効くのはそのセッションの間だけなので死亡状態のままセッション終了すると完全にロストします。

戦闘終了

 プレイヤー陣営、又は敵陣営のキャラクター全員が行動不能・死亡するか、降伏すると戦闘終了です。
 敵キャラクターが降伏した場合、生き残った相手に対して取引が出来るようになります。その場合の取引判定の難易度が減少します。

お宝表

 プレイヤー陣営が勝利すると、降伏したモンスターを含めて倒したモンスター1体ごとに「お宝表」を1回使用します。レベルごとにランク付けされており、それによって参照するお宝表が変わります。
 同じモンスターが複数体いる場合はレベルを合計することができ、場合によっては1体ごとのお宝表の結果よりもより良いランクでお宝表を振ることが可能になることもあります。詳細はp.79を参照してください。

その他

戦闘中に起きる特殊なルールを紹介します。p.79に掲載されていますが、その中の一部を紹介します。
  • 手加減
 取引をしてもらう目的や、心情的に死なせたくない場合、攻撃を行う時に手加減を行うことが出来ます。命中判定の達成値とダメージが減少する代わりに、HPが0になっても死亡はせずに行動不能になります。
  • 誤射
 射撃戦用武器の中には、「狙った目標のいるエリアに目標以外のキャラクターがいる場合はランダムに1体選択してそのキャラクターに変更される」という効果のある武器があり、この効果を誤射と呼びます。スキルによってこの効果を無視することができます。

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最終更新:2021年06月09日 17:13