D&D独自のルール
D&Dでは他のTRPGではあまり聞くことがない用語があります。この記事ではそれらを解説します。
アーマー・クラス(AC)
敵の攻撃から回避する能力を表します。鎧や盾を装備することによってアーマー・クラス(以降AC)の値が大きくなり、これにより敵からの攻撃を避けやすくなります。敵から攻撃された時の攻撃ロールの目標値として反映します。
「攻撃ロール」の項目にて後述しますが、D&Dは鎧や盾を付けてもACの値が上昇するだけで、他のTRPGのようにダメージ軽減効果が全くありません。
機会攻撃
PCが敵の間合いから離れた時、又は敵がPCの間合いから離れた時に相手の移動に割り込んで攻撃できるルールです。使用する時はリアクション(後述)で宣言します。
なお、アクションを使って「離脱」宣言して離れた場合は間合いから離れてもこの攻撃は出来ません。
休憩
いくら屈強な冒険者とはいえ、24時間ぶっ通しで探検や交渉、戦闘を行うことは出来ません。そんな事したら過労死待ったなし
休憩には、小休憩と大休憩の2種類があります。
小休憩
1時間休憩する行動です。1日で1回又は複数回行うことがあります。
小休憩終了時にヒット・ダイス(後述)を使ってHPを回復することができます。消費するヒット・ダイスの数は1回につき回復量は「ヒット・ダイスの出目の合計+【耐久力】修正値」となります。回復した後にまだヒット・ダイスが残っているなら、その都度もう一度ヒット・ダイスを使ってHP回復をすることが出来ます。なお、PCが有するヒット・ダイスの数はPCのレベルの値に等しいです。
大休憩
8時間休憩する行動です。1日に1回行い、これを行うと冒険の一日が終わります。
大休憩終了後は「HP全回復、使用した呪文スロット全回復、消費したヒット・ダイスをPCが有するヒット・ダイスの最大値の半分を回復(端数切り捨て、最低1個)」します。
攻撃ロールとダメージ
攻撃ロール
他のシステムでいう命中判定です。
判定方法は以下となります。
『1d20+※能力修正値+使用した武器の習熟ボーナス≧相手のAC』(≧は『以上』を表します。)
※近接武器または『投擲』の特性を持つ遠隔武器なら【筋力】修正値、遠隔武器または『妙技』の特性を持つ近接武器なら【敏捷力】修正値を使用します。
また、習熟ボーナスはクラスごとに設定された習熟している武器を使う時に使用できます。
また、呪文による攻撃ロールの場合は『1d20+※呪文発動能力修正値+習熟ボーナス≧相手のAC』となります。
なおD&Dには回避判定はなく、鎧や盾にダメージ軽減効果がないので、攻撃ロールの結果はオール・オア・ナッシング(成功してダメージを与えるか、失敗してノーダメージになるか)となっています。故にHP回復手段は何よりも最重要項目です。
ダメージロール
攻撃ロールが成功したらダメージロールを出します。
武器によるダメージロールの場合は「武器で使うダメージダイス+攻撃ロールで使用した能力修正値」となります。
呪文によるダメージロールは武器によるダメージロールとは違い、「呪文ごとに指定したダメージダイス」のみ使います。
ダメージ種別
これは他のTRPGやCRPGで言う「属性ダメージ」のことです。D&Dでは以下の13種類に分けられます。表現としては「○○(種別名)ダメージ」となります。
ハンマーやメイスなどの打撃武器、素手での攻撃などの鋭利な部分はなく純粋な力による攻撃は殴打ダメージに該当します。高いところから落下したときのダメージもこれに該当します。
ランスやスピアのような槍、弓矢、モンスターの牙等によって突き刺す攻撃は刺突ダメージに該当します。
剣や斧による斬撃武器、モンスターの爪など相手を切り裂く攻撃は斬撃ダメージに該当します。
レッド・ドラゴンの炎ブレスや発火させる攻撃呪文など炎によってダメージを与える攻撃は火ダメージに該当します。
イエティの凍てつく視線や冷気のブレス、氷や冷気を発生させる攻撃呪文など氷や冷気によってダメージを与える攻撃は冷気ダメージに該当します。
ブルー・ドラゴンの電撃ブレスや電撃を扱う攻撃呪文など、高電圧の電撃によってダメージを与える攻撃は電撃ダメージに該当します。
名前的には電撃ダメージに似たようなものと思われますが、実は落雷時の轟音のように音によるダメージを与える攻撃は雷鳴ダメージに該当します。例として轟音を炸裂する攻撃呪文等があります。
スライム系モンスターの攻撃や酸性の液体を扱う攻撃呪文など酸性の液体やモンスターの消化酵素を利用し腐食させる攻撃は酸ダメージに該当します。
モンスターの毒針や毒または病気を引き起こす攻撃呪文など生物に不調を与える攻撃は毒ダメージに該当します。
攻撃呪文であるマジック・ミサイルやスピリチュアル・ウェポンなど純粋な魔法のエネルギーを攻撃に使える程までに濃縮した攻撃は力場ダメージに該当します。
他のRPGでの光属性にあたる攻撃で、エンジェルの攻撃や太陽光や月光、聖なる光を扱う攻撃呪文は光輝ダメージに該当します。
他のRPGでの闇属性にあたる攻撃で、アンデッドモンスターの攻撃や死霊術の攻撃呪文など負のエネルギーを扱う攻撃は死霊ダメージに該当します。
特定のモンスターが持つサイオニック(超能力)攻撃や心術の攻撃呪文など相手の精神を掻き乱す攻撃は精神ダメージに該当します。
クリティカル・ヒット
攻撃ロールの結果「20」の出目が出た時のクリティカル処理を「クリティカル・ヒット」と呼びます。
クリティカル・ヒット時のダメージは以下になります。
「ダメージロールに使用した全てのダイスを2倍にして使用した能力修正値を加える」
文字にすると理解しにくいので、例を3つ挙げます。
例①:【筋力】18(【筋力】修正値+4)の1レベルのファイターがロングソード(1d8)で攻撃してクリティカルした場合のダメージロール
「2d8(2倍になったロングソードのダメージダイス)+4(【筋力】修正値)」
参考:例①の条件で通常のダメージロールの場合
「1d8(ロングソードのダメージダイス)+4(【筋力】修正値)」
例②:【敏捷力】18(【敏捷力】修正値+4)の1レベルのローグが妙技特性武器「レイピア」(1d8)で攻撃し、さらにローグ共通の特徴『急所攻撃』(1d6)の効果を受けた状態でクリティカルした場合のダメージロール
「2d8(2倍になったレイピアのダメージダイス)+2d6(2倍になった『急所攻撃』のダメージダイス)+4(妙技特性の効果で参照した【敏捷力】修正値)」
参考:例②の条件で通常のダメージロールの場合
「1d8(レイピアのダメージダイス)+1d6(『急所攻撃』のダメージダイス)+4(妙技特性の効果で参照した【敏捷力】修正値)」
例③:1レベルのウィザードが攻撃呪文「ファイヤー・ボルト」(1d10)を唱えて攻撃ロールにクリティカルした時のダメージロール
(注:呪文ダメージは武器ダメージとは違い能力修正値によるダメージ追加はありません)
「2d10(2倍になった『ファイヤー・ボルト』のダメージダイス)」
参考:例③の条件で通常のダメージロールの場合
「1d10(『ファイヤー・ボルト』のダメージダイス)」
ダメージ抵抗と脆弱性
ダメージや状態異常を受ける時に使われるワードです。これは特定のダメージ種別に対してダメージ2倍や、半減、ダメージ無効と計算されます。
全てのダメージを出した後、特定のダメージ種別の値を半分(端数切り捨て)にします。一般的なRPGでいう『半減』です。こうかは いまひとつ のようだ…
全てのダメージを出した後、特定のダメージ種別の値を2倍にします。一般的なRPGでいう『弱点』です。こうかは ばつぐんだ!
全てのダメージを出した後、特定のダメージ種別の値を0点、すなわち無効化します。一般的なRPGでいう『無効』です。こうかが ないみたいだ…
また、状態異常でこれが設定されている場合はその状態異常は無効化されます。
なおこの完全耐性はルールブックには詳しく書いてありませんが、『完全耐性』の言葉の意味やMM(モンスター・マニュアル)のモンスターの説明から推測してほとんどのDMやPLが上記のように解釈しています。
セーヴィング・スロー(セーヴ)
呪文や罠、毒、病気等の脅威から耐える、又は逃れる判定です。
判定方法は「1d20+状況に対応した能力修正値+能力値セーヴの習熟」となっています。
能力値セーヴはクラスごとに異なり、例えばクレリックでは【判断力】と【魅力】を使ったセーヴに習熟しているので、【判断力】セーヴや【魅力】セーヴの時には習熟ボーナスが使用できます。
呪文によるセーヴをする時は呪文ごとに設定されているのでそれに従ってセーヴを振ります。
戦闘時の行動
戦闘中に各PCのターン中に取れる行動は以下の4つとなります。
アクション
アクションは1ターンに1回まで行動が出来ます。アクションで出来る行動はいくつもありますが、主に使われる行動を4つ紹介します。詳細はフィフスエディションRPGの6〜7ページ、PHBは192~193ページに記載しています。
また、クラス特徴によってアクションで行える行動が増えることがあります。
最もよく行われるアクションで、武器を使って攻撃し、相手に攻撃ロールを行います。クラス特徴によっては1回のアクションで2回以上の攻撃が可能です。
呪文発動出来るクラスは攻撃の代わりにこのアクションを使う事があります。このアクションで使用出来る呪文は発動時間が『1アクション』と明記しているものに限ります。
アクションのひとつで、早足を宣言すると、移動距離が通常の2倍になります。
例えばヒューマンの移動距離は9メートルですが、早足を宣言すると18メートルも移動できます。
自分と敵の間合い(武器が届く範囲)に入っている時にいずれか一方がそのまま移動するとリアクション(後述)で機会攻撃を受けます。
しかし移動する前に『離脱』を宣言すると例えば間合いから離れても機会攻撃を受けることがなくなります。
ボーナス・アクション
ボーナス・アクションは1ターンに1回まで行動が出来ます。ボーナス・アクションは指定したタイミングでなければアクションの前後を問いませんが、『二刀流』等のように指定がある場合はそれに従います。
ボーナス・アクションはクラス特徴によって出来るようになる行動と、共通で取れる行動あります。共通で取れる行動は以下になります。
『軽武器』の特性を持つ武器をそれぞれ両手に1つずつ装備している場合は、1つの武器をアクションで『攻撃』した後、もう1つの武器をボーナス・アクションで『攻撃』出来ます。
このボーナス・アクションでの攻撃ロールは通常時と同じですが、ダメージロール時は能力値修正値を加算することが出来ません。(ただし修正値がマイナスの場合は適用します。)
呪文によってはボーナス・アクションで行える事があります。このボーナス・アクションで使用出来る呪文は発動時間が『1ボーナス・アクション』と明記しているものに限ります。
リアクション
自身のターン内に関係なく(他のキャラクターが行動している時でも)、特殊な条件で行える行動はリアクションで行動できます。リアクションは1ラウンド(全員のターン行動後にラウンド進行します)に1回まで行動が出来ます。
リアクションで取れる行動は共通で取れる行動と、クラス特徴によって追加される行動の2種類あります。共通で取れる行動のリアクションは以下の2種類です。
前述した機会攻撃の項目の通り、自分や敵の間合いの範囲から『離脱』アクションを行わずに移動するとリアクションを使って機会攻撃を行えます。
呪文によってはリアクションで行える事があります。このリアクションで使用出来る呪文は発動時間が『1リアクション』と明記しているものに限ります。
移動
戦闘時の移動はグリッド・マップを使った戦い方をします。
図1の記号は〇はヒューマンPC、★と●は敵のモンスターを表します。
図1
移動は縦横斜めに1マス移動できます。1マスは1.5mの移動と扱います。
自分のターンに自身の移動速度の値だけマスを動かす事ができます。例えば移動速度が9メートルのキャラクターは6マスまで移動できます。
図2
図2は図1から3マス進めたグリッド・マップです。右上斜めに1マス、上に2マス進めています。
なお、移動は分割が可能で、移動してアクションを行なった後、残り移動分があればまた移動するという事が可能です。
図3
図3は図2からヒューマンPC『〇』(移動速度30フィート)がアクションを使ってモンスター『★』に攻撃し、ダメージを与えて『★』を倒して『●』に近づく為に移動した時、既に3マス(4.5m)移動してますが残り3マス(4.5m)あるので、右に1マス進めてPCとモンスターがお互い間合いに入った状態です。
以上をまとめますと以下になります。
1.縦横斜めに移動出来て、「1マス=1.5m」として扱う。
2.移動を分割して「移動→アクション→移動」という事が可能。
データ・ブロックについて
他のシステム、例としてソード・ワールド2.0/2.5では敵の情報を公開する「魔物知識判定」を行い、判定に成功すればデータ公開しますが、D&D第5版はPCがモンスターのデータ・ブロック(データの内容)を参照するルールは存在しません。
この部分はDMによって対応が変わり、冒険者だからという事である程度のモンスターの特徴(攻撃パターンや最大HP)を教えたり、【知力】を使った能力値判定に成功したらデータ・ブロックを公開するなど、人によって対応が違うので参加時にDMにこの部分を質問してみると良いかと思います。
能力値判定
戦闘以外の探索で、能力値を使った判定を「能力値判定」と言います。能力値判定を行うタイミングは以下の3つとなります。
技能判定
特定の行動を判定する時は『技能』を使って判定する事があります。技能は以下の通りです。(技能の詳細はPHB:p.174~179に記載しています。)
・【筋力】を使った技能
《運動》
・【敏捷力】を使った技能
《隠密》《軽業》《手先の早業》
・【知力】を使った技能
《自然》《宗教》《捜査》《魔法学》《歴史》
・【判断力】を使った技能
《医術》《看破》《生存》《知覚》《動物使い》
・【魅力】を使った技能
《威圧》《芸能》《説得》《ペテン》
技能判定の判定方法は「1d20+技能に関わる能力修正値+習熟ボーナス」となります。習熟していない技能で判定する場合は習熟ボーナスを受らけれません。
技能の習熟は、種族特徴、クラス特徴、選んだ背景で習得します。
道具を使う能力値判定
『盗賊道具』を使って罠や鍵を外したり、『偽造用具』を使って文書を偽造して敵を撹乱させたりするなど習熟した道具と特定の能力修正値を使って判定する事が出来ます。
判定方法は「1d20+使用する能力修正値+習熟した道具による習熟ボーナス」となります。道具に習熟してない場合はこの方法を使うことが出来ません。
それ以外の能力値判定
この方法は上記2つと比較して稀な状況ですが、大ジョッキ1杯のエール酒を一気飲みした時に酔うかどうか、鍵がかかった扉を道具を使わずに物理で開けるなど特殊な状況になった時にこの方法を使います。上記2つとの違いとして、技能も道具も用いないので習熟ボーナスを受らけれません。
判定方法は「1d20+使用する能力修正値」となります。
ヒット・ダイス
クラスごとに決められたダイスです。(例:ファイターのヒット・ダイスは1d10)
使うタイミングは2つあります。
1つ目は小休憩の時のHP回復に使うヒットダイスです。回復量は前述した小休憩の項目にありますが、1人のPCが使用出来るヒット・ダイスの回数はPCのレベル分までです。
2つ目はレベルアップ時の最大HP上昇量を決めるヒット・ダイスです。レベルアップ時の最大HP上昇量は「ヒット・ダイスの出目+【耐久力】修正値」となります。
HP0の時の処理
D&DはPCが敵の攻撃を受けてHPが0になったとしても必ずしも死亡するとは限りません。HPが0になった時のルールは下記のようになります。
即死
敵から受けたダメージが現在のHPを0にしてなお値が余った場合、その余りが最大HP以上なら即死します。
例として最大HP10現在HP5のウィザードが1回の攻撃を受けて15ダメージを受けた場合、「15(受けたダメージ)-5(現在HP)=10(余り分)」となります。この余り分10点分が最大HP以上なので『即死』します。
気絶
PCがHP0になっても即死しなかった場合はこの状態になります。この状態の時は回復呪文やポーション等でHP1点以上回復した場合は即座に気絶は終了します。
なお、後述する死亡セーヴや容体安定化している時にHP1点以上回復すると即座に終了して目を覚まします。
死亡セーヴィング・スロー(死亡セーヴ)
HPが0になり、即死せずに気絶した場合は『死亡セーヴィング・スロー』という特殊なセーヴを行います。
自分のターンが回ってきたら1d20を振ります。出目が10以上なら成功、10未満なら失敗となります。また、死亡セーヴ中にダメージを受けると1回失敗したという扱いになります。
これを成功を3回すれば容体安定化(後述)になり、もう一度ダメージを受けない限り死亡セーヴは振りません。一方で失敗を3回してしまうと『死亡』します。なお成功回数と失敗回数は独立しており、互いに打ち消し合うことはありません。
ちなみに「1」の出目が出る、又は死亡セーヴ中にクリティカル・ヒットのダメージを受けると2回失敗したという扱いになり、「20」の出目が出た場合は即座HP1点回復し、死亡セーヴは終了します。
死亡セーヴの成功と失敗の回数は死亡セーヴ中にHPを回復するか容体安定化した時点でリセットされて0になります。
なお、このセーヴはPCが行える特権みたいなルールで、敵を含むNPCはHPが0点になった時点で基本的には死亡します。(ただしDMがNPCにも適用と明言した場合は除きます)
容体安定化
死亡セーヴ中に目標値10の【判断力】《医術》に成功すると即座に容体安定化します。この状態はHP0でも死亡セーヴは振らなくなりますが、気絶状態は継続しているので、この状態でダメージを受けてしまうと再度死亡セーヴを振ることになります。容体安定化のままHP回復が受けられない場合、1d4時間後にHP1点回復します。
一部の魔法や敵の特殊能力による死亡
基本的には攻撃を受けてHPが0点になっても即死するか死亡セーヴを3回失敗しなければ死亡しませんが、一部の魔法や敵の特殊効果によってはそれ以外の方法で死亡する場合があります。
魔法の場合は「パワーワード・キル」のように特定条件に該当する目標は即死すると言う効果などが該当します。
敵の場合は、敵の特殊効果により特定の攻撃にヒットし、ダメージを受けた結果HPが0点になったら即座に死亡すると明記している攻撃が該当します。モンスターの特殊能力の詳細は「モンスター・マニュアル」に記載されています。
魔法に関するルール
修得呪文
修得呪文とは、クラスごとに修得できる呪文のうち、そのキャラクターが扱える呪文の事です。多くの魔法が使えるクラスはレベルごとに呪文修得数が限られるのでクラスごとに扱える呪文リストから呪文修得数までしか修得出来ません。ただし後述する準備呪文が扱えるクラスは修得呪文のルールは参照しません。
準備呪文
準備呪文とは、ウィザード、クレリック、ドルイド、パラディンが扱える呪文のうち、事前に準備して戦闘中で唱えられるようにする呪文の事です。これら4つのクラスは実質的に呪文リストの全てが修得呪文のような扱いとなっている為、それを制限するために「準備呪文」としてセッション中に使う呪文を選びます。
準備呪文として選択出来る呪文の数は『クラスレベル+呪文発動能力修正値」となっています。
例としてレベル5、呪文発動能力【判断力】18(【判断力】修正値+4)のクレリックが準備呪文として設定できる呪文の数は「5(クレリックレベル)+4(呪文発動能力修正値)=9(準備呪文の数)」
となる為、準備呪文の数は9つとなります。
呪文スロット
呪文スロットはいわゆるMPに該当しますが、ドラクエやFFのような数量制ではなく、ウィザードリィのような回数制となっています。
呪文のレベル
呪文には0~9レベルに設定されており、呪文スロットを使って唱えられる呪文は1レベル以上の呪文です。呪文スロットもそれに対応するように呪文レベルごとに回数がクラスレベルごとに決められています。クラスごとの呪文スロットの数はPBRでは22~29ページ、PHBでは46~119ページのクラスごとのスロット数を確認してください。
呪文スロットは基本的には大休憩を行うと呪文スロットを全回復できますが、クラス特徴によっては小休憩でも一部のの呪文スロットを回復することが出来ます。
初級呪文
0レベルの呪文の事を『初級呪文』と呼びます。初級呪文は1レベル以上の呪文とは違い、呪文スロットというリソースを全く使わずに発動出来るという特徴があります。
初級呪文に回復呪文はありませんが、補助呪文や攻撃呪文はあるので、ウィザードやソーサラーのような武器がまともに扱えないクラスが初級呪文の攻撃呪文で戦うことがよくあります。
また初級呪文は呪文を扱えるほとんどクラスが修得できますが、パラディンとレンジャーだけは修得出来ません。
儀式
1レベル以上の呪文でも初級呪文と同じように呪文スロットを使わずに発動出来る方法があります。それが『儀式』です。
儀式として呪文発動出来る呪文はルルブの呪文説明欄に 『(儀式)」と記載のある呪文だけです。発動に追加で10分の時間を要しますが、レベルに関係なく呪文スロットを消費せずに発動出来ます。
なお、緊急時のように儀式として呪文発動する時間がない場合は通常通り呪文スロットを消費して発動することも可能です。
精神集中
呪文によっては効果時間中は『精神集中』を要する呪文があります。精神集中するとはいえ、自身のターンの時に攻撃アクションやほかの呪文を唱えるのは問題なくできますが、精神集中を途切れてしまうと精神集中を要する呪文の効果は即座に終了します。
精神集中を途切れさせる要素は以下の3つとなります。
1.別の精神集中を要する呪文を発動した場合
2.精神集中にダメージを受け、【耐久力】セーヴに失敗した場合
3.気絶状態、又は死亡した場合
有利と不利
呪文や特殊能力などによって能力値判定や攻撃ロールにボーナスやペナルティを受けることがあります。判定にボーナスを受ける場合は『有利』ペナルティを受ける場合は『不利』と呼びます。
判定に有利又は不利になった時の判定方法は以下のようになります。
有利・・・判定に使う1d20を2つ振り、出目が高い方を採用する。
不利・・・判定に使う1d20を2つ振り、出目が低い方を採用する。
なお有利と不利が同時に受ける状況になった時は互いに打ち消し合います。
最後に
今回の記事はD&Dのルルブに頻出する単語や魔法に関するシステムを簡易的にまとめました。この記事でルルブが読みやすくなれば幸いです。
最終更新:2024年07月14日 21:53