彼の3度目の命が途絶えかけた刹那。
何かが弾けた。
一瞬で吹雪が吹き飛ばされ、無数の氷塊が砕かれた。
佩狼の長い腕で、これまた長い刀を外側に大きく振り回し、マヒャドから身を護る。
それは土方歳三の太刀筋に非ず。
何かが弾けた。
一瞬で吹雪が吹き飛ばされ、無数の氷塊が砕かれた。
佩狼の長い腕で、これまた長い刀を外側に大きく振り回し、マヒャドから身を護る。
それは土方歳三の太刀筋に非ず。
(煉獄よ。技を貸してもらうぞ。)
その動きは、かつて自分を討った者の技。鬼だった時の自分が放った銃弾を、吹き飛ばした技。
彼はその技を、『肆の型 盛炎のうねり』と呼んでいた。
彼はその技を、『肆の型 盛炎のうねり』と呼んでいた。
「ほう……足掻くか……」
確かに彼が時代を渡る剣豪、土方歳三の肉体を持っている。
だが、それだけで炎の呼吸の技は使いこなせる代物ではない。
それでも、煉獄杏寿郎は持っていないもの、彼の世界には無かったものがそこにはあった。即ち、真希が放った炎魔法を剣に纏わせて、違う形で『炎』の呼吸の技を撃ったのだ。
日輪刀が魔法の炎を纏ったのも、なんらおかしい話ではない。
ある鬼狩りは、鬼になった妹の、燃え盛る血を刀に付けて鬼の首を焼き切ったことがある。
だが、それだけで炎の呼吸の技は使いこなせる代物ではない。
それでも、煉獄杏寿郎は持っていないもの、彼の世界には無かったものがそこにはあった。即ち、真希が放った炎魔法を剣に纏わせて、違う形で『炎』の呼吸の技を撃ったのだ。
日輪刀が魔法の炎を纏ったのも、なんらおかしい話ではない。
ある鬼狩りは、鬼になった妹の、燃え盛る血を刀に付けて鬼の首を焼き切ったことがある。
「ありがたい!!行くぜ!!」
今度に攻撃を仕掛けるのは真希の方だ。
邪魔な氷と吹雪が無くなった瞬間、槍を右手で前面に番えて、真っすぐピッコロ目掛けて突進する。
とにかく、捕まっているナギをどうにか助けないと、勝負にもならない。
邪魔な氷と吹雪が無くなった瞬間、槍を右手で前面に番えて、真っすぐピッコロ目掛けて突進する。
とにかく、捕まっているナギをどうにか助けないと、勝負にもならない。
「いい動きだ。だが人間が正面から魔王に勝てると思っているのか。」
「強いけど浅はかなのは分かったよ。」
「何!?」
「強いけど浅はかなのは分かったよ。」
「何!?」
ピッコロの右腕には、矢が刺さっていた。
さしもの魔王も、僅かながら痛みを感じ、ナギを手放す。
槍を前面に構えていたのは、またもブラフ。
ナギが撃ち損ね、地面に転がった矢を拾い、魔王の腕目掛けて投げつけたのだ。
さしもの魔王も、僅かながら痛みを感じ、ナギを手放す。
槍を前面に構えていたのは、またもブラフ。
ナギが撃ち損ね、地面に転がった矢を拾い、魔王の腕目掛けて投げつけたのだ。
「よくやったぞ!!」
佩狼はザックに手を突っ込み、ピッコロ目掛けて黒いボールのような物を投げる。
こんなものなど襲るるに足らんと笑みを浮かべる魔王だが、それが間違いだったと気付いた。
とある国の集団の総長が愛用していた、鉄の扉をも壊す爆弾だ。
彼が鬼だった時は、刀のみならず重火器を使って人間を殺していた。
耳をつんざくような轟音と、派手に上がった爆風が、魔王の身体を焼く。
こんなものなど襲るるに足らんと笑みを浮かべる魔王だが、それが間違いだったと気付いた。
とある国の集団の総長が愛用していた、鉄の扉をも壊す爆弾だ。
彼が鬼だった時は、刀のみならず重火器を使って人間を殺していた。
耳をつんざくような轟音と、派手に上がった爆風が、魔王の身体を焼く。
まだ攻撃が終わりではない。
爆風で視界が悪くなっている中、真希が突っ込んでくる。
それに続くように、佩狼も剣を持って斬りかかる。
爆風で視界が悪くなっている中、真希が突っ込んでくる。
それに続くように、佩狼も剣を持って斬りかかる。
「黄泉送り!!」
――炎の呼吸 壱の型 不知火
――炎の呼吸 壱の型 不知火
疾風迅雷の斬撃と刺突が、魔王の腹に刺さる。
「おのれぇ………。」
殺せないにしろ、初めて攻撃が魔王に当たった瞬間だった。
ゆえに3人は考えてしまった。
これはもしかすれば、勝てるのではないかと。
ゆえに3人は考えてしまった。
これはもしかすれば、勝てるのではないかと。
「まだだ!!畳みかけろ!!」
「言われなくても分かってるよ!!」
(ぼやぼやするな!おれも戦え!!)
「言われなくても分かってるよ!!」
(ぼやぼやするな!おれも戦え!!)
解放されたナギも、矢を手に握りしめ、直接魔王に突き刺そうとする。
だが、彼らは知らなかった。今まで魔王が見せていたのは、ほんの一面のみということを。
だが、彼らは知らなかった。今まで魔王が見せていたのは、ほんの一面のみということを。
「かあーーーーーーっ!!!」
3人の第六感が警鐘を鳴らし、武器を持った腕に鳥肌が立った。
ピッコロが大声を上げたと思いきや、口から真っ白な息を吐き出された。
それには、吸えば死に至る猛毒が含まれているわけではない。
ただ、恐ろしいほど低温なだけだ。
ピッコロが大声を上げたと思いきや、口から真っ白な息を吐き出された。
それには、吸えば死に至る猛毒が含まれているわけではない。
ただ、恐ろしいほど低温なだけだ。
「なんだ……これ………」
別の世界では凍える吹雪と言われたその力は、マヒャド以上のものだった。
至近距離にいた3人は強風の前に吹き飛ばされ、その後も超低温の氷を受け続けることになる。
ナギも佩狼も、圧倒的な吹雪の前に抵抗すらできない。
いくら身体を鍛えても、何を犠牲にしようと、人間が雪崩に勝てないのと同じだ。
その人間より大きく、力を持っていた恐竜が、氷河期を生き延びられなかったのと同じだ。
目を開ければ眼球が凍り付くことが分かっていたため、ピッコロを見据えることさえ出来ない。
至近距離にいた3人は強風の前に吹き飛ばされ、その後も超低温の氷を受け続けることになる。
ナギも佩狼も、圧倒的な吹雪の前に抵抗すらできない。
いくら身体を鍛えても、何を犠牲にしようと、人間が雪崩に勝てないのと同じだ。
その人間より大きく、力を持っていた恐竜が、氷河期を生き延びられなかったのと同じだ。
目を開ければ眼球が凍り付くことが分かっていたため、ピッコロを見据えることさえ出来ない。
「ちくしょう……メラゾーマ!!」
あと数秒もすれば、3人共凍死は免れないだろう。
吹雪の中で、赤い光が煌めく。
上級魔法は体力をかなり消耗する。禪院真希のように慣れていない者なら猶更だ。
だが、この場では出し惜しみしている状況ではない。
使えそうなものは全部使わないと、勝つどころか、全滅さえおかしくない状況だ。
吹雪の中で、赤い光が煌めく。
上級魔法は体力をかなり消耗する。禪院真希のように慣れていない者なら猶更だ。
だが、この場では出し惜しみしている状況ではない。
使えそうなものは全部使わないと、勝つどころか、全滅さえおかしくない状況だ。
大きな炎の弾は、吹雪の中でも消えることなく進んでいく。
メラゾーマの炎は消え無い炎だ。消すならば、同じように魔法を使うか、魔法の力を秘めた力で打ち払うかだ。
だが、ピッコロはどちらもしなかった。
何故なら、消す必要はないからだ。
メラゾーマの炎は消え無い炎だ。消すならば、同じように魔法を使うか、魔法の力を秘めた力で打ち払うかだ。
だが、ピッコロはどちらもしなかった。
何故なら、消す必要はないからだ。
「反射魔法(マホカンタ)とは……これまた面白い力だ。」
魔王の前に、光の壁が現れる。
その輝きは、メラゾーマと同様、吹雪の中でもはっきり見えた。
魔法で作られた鏡に当たった炎魔法は、術者の方向に戻って来た。
その輝きは、メラゾーマと同様、吹雪の中でもはっきり見えた。
魔法で作られた鏡に当たった炎魔法は、術者の方向に戻って来た。
「くそ……避けるしかねえ!!」
誰が予想出来るだろうか。頼みの綱の魔法が、一転して自分たちの脅威になるなど。
一度マホカンタにより跳ね返された魔法は、二度は反射できない。マホカンタで跳ね返された魔法の餌食にならない方法は3つ。
もう1度同じ魔法を撃って相殺するか、魔法の力を込めた防具でその身を護る。あるいは飛んで来たそれを躱すしかない。
一度マホカンタにより跳ね返された魔法は、二度は反射できない。マホカンタで跳ね返された魔法の餌食にならない方法は3つ。
もう1度同じ魔法を撃って相殺するか、魔法の力を込めた防具でその身を護る。あるいは飛んで来たそれを躱すしかない。
高く跳躍することで、飛んでくる炎の弾から逃れる。
だが、地面に着地した真希が、ガクリと膝を付いた。
理由は単純にして明快。使い慣れてもいない強力な魔法を使い過ぎたからである。
今まで真希は、乏しい呪力の代償に得られた、無尽蔵に近い体力と筋力で戦って来た。
だが、体力は仲間の中でも少ないセーニャの身体では、体力にモノを言わせた戦いは出来ない。
だが、地面に着地した真希が、ガクリと膝を付いた。
理由は単純にして明快。使い慣れてもいない強力な魔法を使い過ぎたからである。
今まで真希は、乏しい呪力の代償に得られた、無尽蔵に近い体力と筋力で戦って来た。
だが、体力は仲間の中でも少ないセーニャの身体では、体力にモノを言わせた戦いは出来ない。
「がああああっっ!!」
佩狼が真希に出来た隙をカバーしようと斬りかかる。
彼女のことを守ろうなんて気は更々ないが、今1人崩れることが、いかに危機的状況か分からぬほど、彼は愚かではない。
そもそも、彼は鬼の頃から影の狼を使った集団戦を得意としていた。
彼女のことを守ろうなんて気は更々ないが、今1人崩れることが、いかに危機的状況か分からぬほど、彼は愚かではない。
そもそも、彼は鬼の頃から影の狼を使った集団戦を得意としていた。
――炎の呼吸 壱の型 不知火
「ひょおおおおーーーっ!!」
「ひょおおおおーーーっ!!」
だが、正面から魔王と戦うことなど、聖なる武具を身にまとった勇者でもない限り、無理な話だ。
大声を上げた大魔王が、拳を放つ。剣の腹でその身を守ろうとするが、その身体ごと吹き飛ばされる。
大声を上げた大魔王が、拳を放つ。剣の腹でその身を守ろうとするが、その身体ごと吹き飛ばされる。
「実に下らぬ。真似事の剣術でこのピッコロ大魔王に勝てるはずが無かろう。」
ピッコロ大魔王は封印されるまで、何人もの戦士を殺してきた。
なので鬼を滅する呼吸のことは知らずとも、格闘家を強さを見極める審美眼は備わっている。
目の前の相手が、自分を電子ジャーに封印した武泰斗のように、本当に力を持った者か。
はたまたその真似事をして強くなった気になっているかなど、少し拳を交わしてみれば分かることだ。
なので鬼を滅する呼吸のことは知らずとも、格闘家を強さを見極める審美眼は備わっている。
目の前の相手が、自分を電子ジャーに封印した武泰斗のように、本当に力を持った者か。
はたまたその真似事をして強くなった気になっているかなど、少し拳を交わしてみれば分かることだ。
「ぎいいいいいいいいい!!!!」
怒りのまま、魔王に斬りかかる。技の構えも作らないまま、粗雑に剣を振る。
肉体が変わっても、性格というのは変えることが出来ない。
真似事の剣術。真似事の剣術。真似事の剣術。
そんなことは無いと言い聞かせながらも、その通りのことだ。
肉体が変わっても、性格というのは変えることが出来ない。
真似事の剣術。真似事の剣術。真似事の剣術。
そんなことは無いと言い聞かせながらも、その通りのことだ。
「うあああああああああ!!!!!」
それでも、剣を振り続ける。生き返ってまで否定されたくない。
早くこの男を殺さねば、憤死してしまいそうだったからだ。
早くこの男を殺さねば、憤死してしまいそうだったからだ。
「ふん。このわしも甘く見られたものだ。」
それをピッコロは余裕を持って迎え撃つ。
彼の安直極まりない攻撃を、それに混じって矢が飛んでくるが、全て容易に躱していく。
勿論、ただ躱すだけではない。指先に、どす黒い光が溜まっていく。
彼の安直極まりない攻撃を、それに混じって矢が飛んでくるが、全て容易に躱していく。
勿論、ただ躱すだけではない。指先に、どす黒い光が溜まっていく。
「ぬううん!!」
それはゾーマではなく、ピッコロが得意としていた技。
魔族特有の力を指一点に集め、銃のように放出する技だ。
彼がもしこの殺し合いに招かれていなければ、悟空に対してかめはめ波の意趣返しに撃っていた。
魔族特有の力を指一点に集め、銃のように放出する技だ。
彼がもしこの殺し合いに招かれていなければ、悟空に対してかめはめ波の意趣返しに撃っていた。
「くそ……間に合え……メラミ!!」
ようやく立ち上がった真希が、魔法を飛ばす。
だがもう遅い。佩狼は攻めすぎていた反面、回避に出ることはもう出来なかった。
真っ黒な光が、彼の心臓へと迫り来る。
2度目の死が、すぐそこに迫り来る。
鬼の姿から人間に戻れたからと言って、物事が好転するわけではない。
彼がやっているのは、ただの強者の真似事。そんなもので魔王を討てるわけがない。
だがもう遅い。佩狼は攻めすぎていた反面、回避に出ることはもう出来なかった。
真っ黒な光が、彼の心臓へと迫り来る。
2度目の死が、すぐそこに迫り来る。
鬼の姿から人間に戻れたからと言って、物事が好転するわけではない。
彼がやっているのは、ただの強者の真似事。そんなもので魔王を討てるわけがない。
人間の時に、新政府の人間に敗れ。
鬼になっても、炎の呼吸を使う者達に敗れ。
そして今もまた、敗北しようとしていた。
鬼になっても、炎の呼吸を使う者達に敗れ。
そして今もまた、敗北しようとしていた。
魔王の魔力の塊は、真っすぐに佩狼の心臓へと飛ぶ。
真希が放った中級魔法で、威力を殺しきれることはない。
彼が魔力の餌食になる瞬間、脇腹に何かがぶつかる衝撃が走った。
そして、爆音が響く。
真希が放った中級魔法で、威力を殺しきれることはない。
彼が魔力の餌食になる瞬間、脇腹に何かがぶつかる衝撃が走った。
そして、爆音が響く。
「何を……している!!」
倒れているのは佩狼だけではない。ナギもまた同じ場所に倒れていた。
魔法弾は咄嗟にナギが体当たりしたおかげで、急所からは外れた。
あくまで即死しなかっただけだ。そして、ナギもまたその力に巻き込まれてしまった。
魔法弾は咄嗟にナギが体当たりしたおかげで、急所からは外れた。
あくまで即死しなかっただけだ。そして、ナギもまたその力に巻き込まれてしまった。
「おれは死にたくないだけなんだ!!」
叫ぶ。
その反動で爆風で焼けた箇所がいっそう痛む。
その反動で爆風で焼けた箇所がいっそう痛む。
「だから、皆殺しにしようとする奴を、みんなで倒さなきゃいけないんだ!!」
彼は失って来た。故郷のクマソをヤマタイ国に滅ぼされ、それからヤマタイ国を心の底から憎んだ。
だが、そのヤマタイ国の猿田彦や、そのスパイと協力するうちに、その憎しみは薄れた。
いや、薄れた訳ではない。それよりも死にたくないという想いが勝り始めたのだ。
だが、そのヤマタイ国の猿田彦や、そのスパイと協力するうちに、その憎しみは薄れた。
いや、薄れた訳ではない。それよりも死にたくないという想いが勝り始めたのだ。
「くだらぬ三文芝居を見せつけおって。そろそろ死ぬか?」
魔王は余裕を持って構えている。
目の前の相手は強い。佩狼を鬼にした鬼舞辻無惨以上かもしれない。
赤アリを蹂躙していく黒アリの集団ではなく、たった一人で破滅を齎していく災害のような存在だ。
目の前の相手は強い。佩狼を鬼にした鬼舞辻無惨以上かもしれない。
赤アリを蹂躙していく黒アリの集団ではなく、たった一人で破滅を齎していく災害のような存在だ。
そんな相手に、佩狼は。
ただ、静かに斬り付けた。
ただ、静かに斬り付けた。
「ぬ!?」
薄いが、それでも衣に裂け目が走る。オレンジの衣に、青い血が染みる。
ひどく静かな、横薙ぎの一撃だった。
奇跡が起こった訳ではない。魔力の弾丸を撃たれた腹が憎らしいほど痛く、剣を振るう腕は半分ぐらい麻痺している。
数時間前会ったばかりのナギの想いに答えという訳でもない。
ただ、この場では誰かのためではなく、皆が己を通すために戦っている。
そんな中、煉獄の刀を持ちながら、自分だけ見苦しい真似は出来ないと気付いただけだ。
ひどく静かな、横薙ぎの一撃だった。
奇跡が起こった訳ではない。魔力の弾丸を撃たれた腹が憎らしいほど痛く、剣を振るう腕は半分ぐらい麻痺している。
数時間前会ったばかりのナギの想いに答えという訳でもない。
ただ、この場では誰かのためではなく、皆が己を通すために戦っている。
そんな中、煉獄の刀を持ちながら、自分だけ見苦しい真似は出来ないと気付いただけだ。
「ふん。死にぞこないが……。」
一撃とは言わず、追加の攻撃を加えようとする。
だが、彼は先程とは異なり、冷静だった。
だが、彼は先程とは異なり、冷静だった。
一歩退き、2つ目の爆弾を投げる。
それはただの爆弾に非ず。魔王という名の岩戸を開き、勝利という財宝を手にするための武器だ。
それはただの爆弾に非ず。魔王という名の岩戸を開き、勝利という財宝を手にするための武器だ。
「下らんわ!!」
爆風に焼けるのも恐れず、魔王は凍える吹雪を吐き出し、熱風と飛び散る鉄片を吹き飛ばす。
だが、爆弾のみが彼の武器ではない。
高くあがった煙に紛れ、吹雪が当たらない方向に逃れた。
だが、爆弾のみが彼の武器ではない。
高くあがった煙に紛れ、吹雪が当たらない方向に逃れた。
誰が言ったか。心を燃やせと。
今、佩狼の心の内は冷静でありながら、誰よりも熱く炎が燃え上がっていた。
今、佩狼の心の内は冷静でありながら、誰よりも熱く炎が燃え上がっていた。
魔王に対し一瞬生まれた隙を利用し、佩狼は強く地面を踏み込む。
剣を上段に構え、大きく息を吸い込む。
身体の痛みは、気にならなかった。
剣を上段に構え、大きく息を吸い込む。
身体の痛みは、気にならなかった。
「………!!」
ピッコロの背筋に、怖気が走った。
あの時、自分を電子ジャーに封印された時の記憶が蘇る。
目の前の相手が取っているのは、魔封波の構えとは全く異なる。
だというのに、あの時と同じ感情を胸に抱くことになった。
あの時、自分を電子ジャーに封印された時の記憶が蘇る。
目の前の相手が取っているのは、魔封波の構えとは全く異なる。
だというのに、あの時と同じ感情を胸に抱くことになった。
――玖の型 煉獄
「最後の魔法だ!受け取れ!!メラミ!!」
「最後の魔法だ!受け取れ!!メラミ!!」
神速のごとき勢いで地面を蹴り、呼吸を吐き出し、魔王に斬りかかる。
自分が受けたあの斬撃を思い出す。どんな一撃かは、教えてもらわずとも、その身で覚えている。
自分が受けたあの斬撃を思い出す。どんな一撃かは、教えてもらわずとも、その身で覚えている。
「おのれ……!!だが、その程度の速さでわしに敵うと思うな!!」
ピッコロは剣が肉体を走るより先に、佩狼の腕を握りつぶそうとした。
だが、彼の腕に、ナギが放った矢が刺さる。
だが、彼の腕に、ナギが放った矢が刺さる。
魔王の懐に飛び込み、身体に刃を突き立てる。
咄嗟に身を捩られたため、心臓を突き刺すことは能わなかった。それでも問題ない。
玖の型 煉獄は一瞬で出来るだけ多くの面積を根こそぎ抉り斬る、炎の呼吸の最終奥義。
真似であろうが関係ない。みっともなかろうがどうでもいい。
自分は、ただ目の前の敵を倒すだけだ。
咄嗟に身を捩られたため、心臓を突き刺すことは能わなかった。それでも問題ない。
玖の型 煉獄は一瞬で出来るだけ多くの面積を根こそぎ抉り斬る、炎の呼吸の最終奥義。
真似であろうが関係ない。みっともなかろうがどうでもいい。
自分は、ただ目の前の敵を倒すだけだ。
魔族の身体を構成する筋肉に、刃を止められる。それでも刀を振るい続ける。
勿論、煉獄家の者が使う炎の呼吸の最終奥義とは、天と地ほどの差がある。
だが、その穴を真希の炎魔法がカバーする。
このやり方ならばマホカンタで跳ね返されることもない。
炎の呼吸の技は本当の意味で炎の力を持ち、吹雪を吹き飛ばす。
そして、佩狼の生前の刀を振るった経験、そして、明治の世を生きた土方歳三の剣の腕。
彼を作る、彼を取り巻くすべてが、佩狼の背中を押した。
勿論、煉獄家の者が使う炎の呼吸の最終奥義とは、天と地ほどの差がある。
だが、その穴を真希の炎魔法がカバーする。
このやり方ならばマホカンタで跳ね返されることもない。
炎の呼吸の技は本当の意味で炎の力を持ち、吹雪を吹き飛ばす。
そして、佩狼の生前の刀を振るった経験、そして、明治の世を生きた土方歳三の剣の腕。
彼を作る、彼を取り巻くすべてが、佩狼の背中を押した。
爆音が、闇夜に響いた。
「おい…佩狼はどうなった?」
激しい煙がもうもうと上がり、辺りは見えない。
真希の声だけが、妙にうるさく響いた。
やがて、煙が晴れた。その先では戦いの結果が映っていた。
真希の声だけが、妙にうるさく響いた。
やがて、煙が晴れた。その先では戦いの結果が映っていた。
「佩狼……そんな!!」
「驚かしおって。所詮は、こんなものか。」
「驚かしおって。所詮は、こんなものか。」
魔王の手刀が、老剣士の心臓を貫いていた。
あの一撃は確かに魔王に通用した。だが、手傷を負わせただけだ。あと一歩の所で、殺すには至らなかった。
あの一撃は確かに魔王に通用した。だが、手傷を負わせただけだ。あと一歩の所で、殺すには至らなかった。
「この力が無ければ、死んでいたのはわしのほうだったかもしれぬな。」
佩狼の肉体を、ぽいと投げ捨てた。ぐちゃ、という音がして、地面に血だまりが出来る。
彼の奥義が刺さる寸前に、魔王はある技を撃った。
それは『凍てつく波動』と呼ばれる物。この力で、真希が佩狼に対して放った魔法を無力化した。
彼の奥義が刺さる寸前に、魔王はある技を撃った。
それは『凍てつく波動』と呼ばれる物。この力で、真希が佩狼に対して放った魔法を無力化した。
万策尽きたとはまさにこのことだ。
ナギは動かない。動くことが出来ない。
自分一人に、今の佩狼の技以上の攻撃をすることは出来ない。
ナギは動かない。動くことが出来ない。
自分一人に、今の佩狼の技以上の攻撃をすることは出来ない。
「さて。残った二匹も殺してやるとするかな。」
「抱いてやるよ。それともゲテモノは人間じゃなくてゲテモノの方が好みか?」
「抱いてやるよ。それともゲテモノは人間じゃなくてゲテモノの方が好みか?」
真希は槍を捨て、そんな魔王相手に構えを取った。
相撲取りの蹲踞のような体勢で構え、敵を迎え撃つ。
良家のお嬢様として育ったセーニャらしからぬ姿だ。
それは不知火型と呼ばれ、敵の攻撃を捨て身で受けて反撃を行うカウンター技だ。
だが、魔王はそんな彼女の覚悟を、簡単に蹂躙する。
相撲取りの蹲踞のような体勢で構え、敵を迎え撃つ。
良家のお嬢様として育ったセーニャらしからぬ姿だ。
それは不知火型と呼ばれ、敵の攻撃を捨て身で受けて反撃を行うカウンター技だ。
だが、魔王はそんな彼女の覚悟を、簡単に蹂躙する。
「捨て身ならば勝てると思うのが間違いというものだな。」
魔王は受けて立つことはしない。
勝負に乗る必要などないからだ。
遠くからマヒャドで、ナギと真希の二人を殺そうとする。
そろそろ魔法の使い方にも慣れ、コントロールが上がって来た。
勝負に乗る必要などないからだ。
遠くからマヒャドで、ナギと真希の二人を殺そうとする。
そろそろ魔法の使い方にも慣れ、コントロールが上がって来た。
魔力も切れ、氷の刃を打ち払える仲間も倒れ、最早どうにもならない。
「死んで……たまるか……。」
氷の雨が目の前まで迫り来る。
それをナギは見つめていた。
だが、氷があまりにも残酷に輝いていたため、眩しくて目を閉じてしまった。
それをナギは見つめていた。
だが、氷があまりにも残酷に輝いていたため、眩しくて目を閉じてしまった。
音が止んだ。
目を開ける。
彼らは死んでいなかった。
それが夢だったという訳ではない。
いや、目を開けた先に映った光景は、ある意味夢のようにおかしな光景だった。
彼らは死んでいなかった。
それが夢だったという訳ではない。
いや、目を開けた先に映った光景は、ある意味夢のようにおかしな光景だった。
「な?わしの魔法を……。」
敵味方問わず、その光景に驚く。すぐ近くに、筋骨隆々で赤銅色の肌の男がいたからだ。
いや、驚いたのはそれだけではない。
初めはナギは、男が持っているそれを丸太か何かだと思った。
だが、それは違った。ナギさえも持っている物。
すなわち、陰茎だ。それもとてつもなく大きい陰茎だった。それでマヒャドを撃ち返したのだ。
いや、驚いたのはそれだけではない。
初めはナギは、男が持っているそれを丸太か何かだと思った。
だが、それは違った。ナギさえも持っている物。
すなわち、陰茎だ。それもとてつもなく大きい陰茎だった。それでマヒャドを撃ち返したのだ。
「どうして……」
「爆音が聞こえて、ここへ来た。」
「爆音が聞こえて、ここへ来た。」
佩狼の攻撃では魔王を倒すことは出来なかった。
だが、彼の生きることへの想いは、確かに縁壱に伝わったのだ。
それを知った男の死に顔は、どこか安らかだった。
だが、彼の生きることへの想いは、確かに縁壱に伝わったのだ。
それを知った男の死に顔は、どこか安らかだった。
「すまない。」
老剣士が静かに目を閉じたのを見ると、彼は静かに呟いた。
その言葉は静かながら、はっきりと聞こえた。
優しさと強さを併せ持つ、彼を体現したかのような言葉だった。
その言葉は静かながら、はっきりと聞こえた。
優しさと強さを併せ持つ、彼を体現したかのような言葉だった。
「ふん。そんなゴミのために戦おうというのか。愚かな。」
その言葉が、鬼狩りの剣士になるはずだった男の心を燃やした。
「何が楽しい?何が面白い?命を何だと思っている?」
この世界にいる縁壱は、鬼舞辻無惨のことは知らない。
だが、それでも正義感はしっかりと持っていた。
そして目が合ってすぐに気づいた。このピッコロという男は、倒さねばならないことを。
自分の肉体は、ピッコロのような男を倒すためにあるのだと。
だが、それでも正義感はしっかりと持っていた。
そして目が合ってすぐに気づいた。このピッコロという男は、倒さねばならないことを。
自分の肉体は、ピッコロのような男を倒すためにあるのだと。
「君たちは逃げて欲しい。」
縁壱は2人を見て、そう告げた。
「え?おれは……ちょっと待ってくれ!!」
戸惑うナギに対し、真希は彼を引っ張って走る。
そのまま、魔王の目が届かない所まで走った。
そのまま、魔王の目が届かない所まで走った。
【佩狼@鬼滅の刃外伝(身体:土方歳三@ゴールデンカムイ) 死亡】
【残り 72名】
【残り 72名】
【F-3】
【継国縁壱@鬼滅の刃】
[身体]:キンターマン@キン肉マン
[状態]:静かな怒り
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品(本人、佩狼)ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いと厭夢を止める
1:目の前の邪悪を倒す
2:殺し合いにのった参加者は説得か強行手段で無力化する。
3:2の状況になっても命を殺めたくはない。
[備考]
※継国家を出て空の下を走りぬけた後に
うたに会う間からの参戦です。
[身体]:キンターマン@キン肉マン
[状態]:静かな怒り
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品(本人、佩狼)ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いと厭夢を止める
1:目の前の邪悪を倒す
2:殺し合いにのった参加者は説得か強行手段で無力化する。
3:2の状況になっても命を殺めたくはない。
[備考]
※継国家を出て空の下を走りぬけた後に
うたに会う間からの参戦です。
【ピッコロ大魔王@ドラゴンボール】
[身体]:ゾーマ@ドラゴンクエストIII
[状態]:ダメージ(中) MP消費(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(自分、佩狼)、ランダム支給品1~4 爆弾×3
[思考・状況]基本方針:優勝を目指す
[備考]
1:目の前の男を殺す。
2:殺し合いの会場を恐怖で覆い尽くす
3:ゾーマの出来ることをもっと試したい
※参戦時期は封印が解かれてから、悟空と最初に戦うまでの間
[身体]:ゾーマ@ドラゴンクエストIII
[状態]:ダメージ(中) MP消費(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(自分、佩狼)、ランダム支給品1~4 爆弾×3
[思考・状況]基本方針:優勝を目指す
[備考]
1:目の前の男を殺す。
2:殺し合いの会場を恐怖で覆い尽くす
3:ゾーマの出来ることをもっと試したい
※参戦時期は封印が解かれてから、悟空と最初に戦うまでの間
「ふざけるな!どうしてあいつを倒すのを邪魔した!!」
ピッコロと縁壱が戦っている場所から、大分離れた場所。
そこまで来て、真希は初めて彼を投げ飛ばした
そこまで来て、真希は初めて彼を投げ飛ばした
「私達じゃ足手まといになるんだ。分かんねえのか?」
「分からないよ!!仲間を殺されたんだから、あいつを殺さなきゃいけないだろ!?
「分からないよ!!仲間を殺されたんだから、あいつを殺さなきゃいけないだろ!?
彼は涙ながらに話をした。
故郷の国が滅ぼされた後、猿田彦に対して殺意を向けた時に似ていた。
あれから弓の腕を上げ、ヤマタイ国を守る弓兵にまでなった。
だというのに、圧倒的な力を持つ魔王の前に敗れ、友を失ってしまった。
そんな打ちひしがれた少年の胸倉を、真希はぐっと掴んだ
故郷の国が滅ぼされた後、猿田彦に対して殺意を向けた時に似ていた。
あれから弓の腕を上げ、ヤマタイ国を守る弓兵にまでなった。
だというのに、圧倒的な力を持つ魔王の前に敗れ、友を失ってしまった。
そんな打ちひしがれた少年の胸倉を、真希はぐっと掴んだ
「ナギ。お前、この世界で何がしたい。何を叶えたい!!」
「おれは……しにたくない!!」
「おれは……しにたくない!!」
彼は叫んだ。殺し合いの会場でそんなことをするのは間違っている。
それでも声の続く限り叫んだ。
それでも声の続く限り叫んだ。
「じゃあ。戦え。死にに行こうとするんじゃなくて、闘え!!!!命ってのはその後について来るもんなんだよ!!
あのナメクジ野郎を倒せるようになるまで、戦い抜け!!」
あのナメクジ野郎を倒せるようになるまで、戦い抜け!!」
2人は痛む身体を無視して、ただ叫んだ。
そうしないと、更なる喪失に押しつぶされそうになったから。
そうしないと、更なる喪失に押しつぶされそうになったから。
【E-3】
【ナギ@火の鳥 黎明編】
[身体]:西園寺右京@Dr.Stone
[状態]:ダメージ(大)体のあちこちに打撲 凍傷 悲しみ(大)
[装備]:勇者の弓@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(矢20本)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 猿田彦の剣@火の鳥 黎明編
[思考・状況]基本方針:生還し、今度こそ火の鳥の血を飲む。
1:真希と共に行く
2:殺し合いに乗るつもりは無い。
3:鬼の血には興味がある。
[身体]:西園寺右京@Dr.Stone
[状態]:ダメージ(大)体のあちこちに打撲 凍傷 悲しみ(大)
[装備]:勇者の弓@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(矢20本)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 猿田彦の剣@火の鳥 黎明編
[思考・状況]基本方針:生還し、今度こそ火の鳥の血を飲む。
1:真希と共に行く
2:殺し合いに乗るつもりは無い。
3:鬼の血には興味がある。
【禪院真希@呪術廻戦】
[身体]:セーニャ@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[状態]: ダメージ(大)MP ほぼ0
[装備]:メタスラのやり@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない、さっさと元の世界へ帰らせてもらう
1:自由にやりますか。呪術師らしく、あたしらしく。
2:魔王だろうと理不尽だろうと生きてやるよ。
[備考]
※参戦時期は17巻『葦を啣む』以降
[身体]:セーニャ@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[状態]: ダメージ(大)MP ほぼ0
[装備]:メタスラのやり@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない、さっさと元の世界へ帰らせてもらう
1:自由にやりますか。呪術師らしく、あたしらしく。
2:魔王だろうと理不尽だろうと生きてやるよ。
[備考]
※参戦時期は17巻『葦を啣む』以降
【猿田彦の剣@火の鳥 黎明編】
禪院真希に支給された大剣。ヤマタイ国の将軍、猿田彦が使っていた。
時代の技術故に戦国時代で作られた刀よりは劣るも、それでも優れた大きさと切れ味を持っている。
時代の技術故に戦国時代で作られた刀よりは劣るも、それでも優れた大きさと切れ味を持っている。
【メタスラの槍@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて】
ナギに支給された槍。メタスラの欠片を使っているため軽くて頑丈だが、メタル系、獣系にダメージが増え、さらにスライム系を一定確立で魅了させる。
ナギに支給された槍。メタスラの欠片を使っているため軽くて頑丈だが、メタル系、獣系にダメージが増え、さらにスライム系を一定確立で魅了させる。
【爆弾@ローゼンガーテンサーガ】
阿羅火暗那威斗(あらびあんないと)の総長、アリババが持っていた爆弾。
未来視の出来るモルジアナの力で作られた近代兵器。
鉄の扉を爆破することも出来る。
未来視の出来るモルジアナの力で作られた近代兵器。
鉄の扉を爆破することも出来る。
| 13:今宵は化物(わたし)たちが主役 | 投下順に読む | 15:情ある者たちのプレリュード |
| 時系列順に読む | ||
| 登場話97:Soul of Rebirth | 佩狼 | GAME OVER |
| ナギ | ||
| 登場話60:全部愛して地獄で壊して | 禪院真希 | |
| 登場話202:未知への大きな大きな思い ~やはりこの世は美しい~ | 継國縁壱 | 28:初日の出 |
| 登場話153:違う世界の大魔王 | ピッコロ大魔王 |