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創作女児小学生ズ@wiki

清めろ!流動

最終更新:2021年10月06日 21:09

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だれでも歓迎! 編集

『清めろ!流動』

更新日:2021/10/06 Wed 21:09:38

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彼女の名前は慶光院 士(けいこういん つかさ)。
煌めく青と赤の瞳を持つ、14歳の少女である。

諸君はこの年頃になるとかかりがちな「ある病」をご存知だろうか。
病の程度は人によって異なり、治療法も特効薬も確立されていない。
やがて年月を経て完治したとしても、その時を思い出して心苦しくなる、という後遺症も厄介である。
彼女もまたその患者の1人であり、そして、

『女児符号』(ガールズコード)の保持者である。

極めろ!女児符号
Case 3 清めろ!流動

ここは、青空町の中学校。
終礼の終わりと共にベルが鳴り、生徒たちが校舎を後にしていく。
その中に、件の少女、そして隣には赤青のメッシュが入ったポニーテールの少女。

「それでそれでね、この前きゅーばんちゃんに写真撮影のテクを伝授したんだ。すっごい喜んでたよ!」
「ふむ・・・なるほど。世話になった、烈火。シュヴェスターへの指南、フィーレン・ダンク」
「えーっと、『妹への手助け、どうもありがとう』かな?どういたしまして、エルフちゃん!」

通称「エルフ」こと士、そして彼女の友人の群青 烈火である。
士の病・・・思春期を迎える若者にありがちな言動傾向、いわゆる「中二病」である。

「エルフちゃん、ほんとにドイツ語にお熱だね。これこそまさに心が踊る、って感じかな?」
「フフフ、その通り。これが我が滾るブルート[血]の運命にして、歩むべき宿命の道!」
「えっと・・・そういえばお婆ちゃんがドイツ人って言ってたもんね。それにしても、小学生の頃から大きく変わったよね」

とちじの言及の通り、士、そして妹の九の祖母-慶光院 クラーラ-はドイツ人であり、士が会話に交えるドイツ語も祖母に影響されている。

 ・・・

「それじゃ、また明日」
「ああ、宵闇のシュヴァルツに抗い、常にリヒトと共に在れ」
「ふむふむ、『夜道には気をつけてね』ね。エルフちゃんもね!」

2人は途中の分かれ道で解散し、それぞれの帰路を歩んでいった。


家路へと足を運ぶ最中、士は何やらガヤガヤとした騒音を耳にする。

音の聞こえる方向へ向かってみると、道の真ん中で十数人の雑踏が何かを囲んでいるのが見えた。
その中の1人が、後ろから現れた士に気付き、振り返る。

「鱧ベルト」を腰に巻いた小学生、はもはも-鳳 有葉-。
「あっ!あなたは・・・えっと、エルフさんだ!」

直後に、その隣の少女2人も士に気付いた様子だった。

「おっ、確か、九の姉ちゃんだよな!」
「ワタシは初対面かな」

「パワー」と大きく書かれたTシャツを着た、みっちゃん-水無月 美奈-。
そして、稲妻のようにバチバチと帯電した金髪の、雷堂 セツカ。3人とも妹の友人である。

「中でいったい何が?」
「実は、見てわかる通りの感じで・・・」

はもはもが横にどくと、雑踏の中が見えるようになった。

「よくものこのこと俺ん前にツラ見してくれたなぁ!この野郎!!」
「はぁ!?何ほざいてんだ!テメェが俺に突っ掛かってきてんだろが!ふざけてんのか!!」

そこでは違う制服を着た男子高校生2人の、掴み合いの大喧嘩が行われていた。
双方とも制服はヨレヨレ、顔や手もアザだらけで、長時間取っ組み合っていたことが見ただけでわかる程だった。
周りの雑踏は、この場がなんとか鎮まらないかと願って見守る人々や野次馬だった事がわかった。

「なるほど、シュトライト[諍い]か・・・」
「どちらも『大嫌いな人が突然目の前に現れた』って言ってて、そこからこの騒ぎになったらしくて」
「アタシが『思い込み超装甲』纏って、2人ともぶっ飛ばしてやりたいんだけどなー」
「ダメダメ、みっちゃん。相手は高校生だよ」
「なんだよー!大人だろうが『符号』でへっちゃらだっての!」
「いや、強すぎるから駄目なんだろ、美奈。ワタシの『電光石火』も一般人に加減できるかはわからない」
「わたしの『未知夢』も、見えるのはわたしに関する未来だからなぁ・・・」
『女児符号』を持った3人の小学生も、一般人の喧嘩という状況には迂闊に介入できず、手をこまねくだけだった。

「把握した。この私が引き受けよう」

士はそう言うと、躊躇うことなく雑踏のど真ん中向けて大地を踏み締めた。

「えっ?エルフさん!?」
「まさか、ボコボコにすんのか!?」
「いったい、どんな手段を・・・!?」

3人の小学生、そして周りの人々が固唾を飲み、2人の高校生へと歩み寄る士を目で追っていく。

「あぁ?なんだこの中坊!すっ込んでろ!!」
「首突っ込んでんじゃねぇよ野次馬が!!」

士に気付いた男子高校生2人は、般若のような形相で怒鳴り散らした。
士は、物怖じする様子もなく、右手を赤い左目の前にかざし、青い右目の鋭い眼光で2人を捉えた。

「目醒めよ、聖眼の力・・・邪気よ鎮まれ『流動-シュトローム-』!!!」

次の瞬間、士の右目から青白い光が水流のように渦を巻いて放たれる。
光の渦は巨大化していき、2人を飲み込むのに十分な大きさとなって押し寄せていく。

「なっなんだ!?」
「おい、一体どうなって・・・」

巨大な渦は男子高校生を丸ごと包んだ後に縮小していき、跡形もなく消えていった。
そして、渦に飲み込まれたかのように見えた2人は、何事も無かったようにその場に佇み、お互いを見合わせていた。

「・・・あ?俺なんでこんな事してたんだ?」
「・・・ん?なんだっけ?」
「そういえばなんか腹減らね?メシ行こうぜ」
「それ大賛成!久々に一緒にラーメン食いて〜」

大喧嘩していたはずの男子高校生は、さっきまでがまるで嘘のように肩を組んで雑踏を押し分け、何処かへと去っていった。

「今のが、エルフさんの『符号』・・・」
「あの騒ぎが、一瞬で終わった!エルフ姉ちゃん、すっげーな!」
「記憶の抹消、なのか?それとも・・・?」
「この私の『流動』は邪な気持ちを清め、洗い流す力。これで解決したようだ」

周囲の雑踏は、何が起きたのか理解したのかしていないのかともかく、各々去っていった。

士とはもはも達3人は、同じ方向の帰り道を歩んでいた。

「大嫌いな人同士がいきなり目の前に、かあ。それにしても最近、わたし達の周りで不思議な事よく起こるよねえ。まあこの町は元々不思議だらけだけど」
「そーだよなー。この前も一丁目公園の大木がいつの間にか禿げ上がってたと思ったら、次の日には元通りどころか前よりも成長してたからなー。今回の件、セツカはどう思う?」
「ま、ただの偶然かもしれないな。それとも誰かが差し向けたとか?まさかな」

4人は十字路に差し掛かり、それぞれの家路へ歩んでいった。

「それではまた。暗いので3人とも気をつけること。では、ビス・バルト[また会おう]」
「び、びすばる??えっと、ではまた!きゅーばんちゃんにもよろしく!」
「じゃーなー!」
「それじゃ。・・・結構イカしてたな、あの人」

士は自宅へと足を進めながら、考え事をしていた。

「(この騒動、もしや、”ヤツ”の仕業か・・・?しかし、何故?)」

-ワシの事かの-

「!?」

士は突然、聴こえてきた声-というより、脳の中に直接入ってくるように伝わった言葉-を感じ取り、すぐに周囲を見渡した。

「・・・そこか!」

声の主の居場所に勘づいた士は、斜め上を指差した。
-惜しいのう-
士が差した指先から20cmほど右にずれた位置に、声の主、”ヤツ”が実体を現した。
真白い肌に赤い眼差し、黒い猫耳と二又の尻尾-

「また会うとは・・・シュヴァルツェ・カッツェ[黒猫]!!」

この町に住む怪異、通称のじゃロリ猫である。そして何故か、ウェイトレスのような服装をしていた。

「カッカッカ、久しいのう士、もしくは”イレブン”。おっと、今は”エルフ”と言うんじゃな?」
「貴様、一体何の用だ!また騒ぎを起こして、何のつもりだ!?」
「まあ落ち着け。その騒ぎがワシの仕業というなら、とんだ誤解じゃな」
「誤解・・・!?」
「ワシはただ、ここで怪しい者がおらぬか、姿を潜めて人間観察してただけじゃよ。互いを嫌う者同士が、突然鉢合わせする怪現象が増えていると聞いてじゃな。そこにいきなりお主が現れたんじゃ」
「なるほど、超常たるフェノメーン[現象]というわけか。となると、この私と貴様が出会ったのも・・・」
「お主、変わった喋り方になったのう?ま、そういうことじゃ。ま、ワシはお主の事はそこまで嫌いじゃないがのう。怪現象様様じゃな、カカカカカ」
「笑い事じゃない!この私は3年前、貴様にされた事は忘れはしない!!」
「おっ?威勢が良いのは変わらんのう。こうして引かれあったのも何かの縁じゃ、お主の力、再び見てやろう。どうじゃ?」
「何・・・!?受けて立とう!この私はあの時とは違う!」
「面白いのう、見せてみるがよい!」

のじゃ猫は指をパチンと鳴らすと、首に巻いた赤マフラーが伸び、士を両側から包んでいく。
気付くと士は、紫の雲が渦巻き、平坦な地が果てしなく続く空間にいた。

「ここは・・・!?」
「”隔絶空間”じゃ。最近思いついた技じゃよ。お主のいも・・・いや、誰かさんに外で暴れるのは危ないと叱られてのう」

のじゃ猫は薄暗い空中にフワフワと浮かび、士を見下ろしていた。

「新たな異能というわけか。シュヴァルツェ・カッツェ、いや化け猫。再び勝負だ!」
「やる気に満ち溢れているようじゃな、士。じゃが生憎、ここではワシの動きは制限されておる。代わりに、こいつらじゃ」

浮遊しているのじゃ猫の左右に、2つの「何か」が現れ、地上へ降り立った。

「な、何だ、いや、・・・誰だ!?」

2つの「何か」、もとい「誰か」。
それぞれマフラーを着用し、異なる動物の耳が頭に生えた、白い肌をした2人の少女。

「妾の出番じゃの?」

「呼ばれた気がしたなの〜」

のじゃロリ猫の肉体から分離したとされている、通称アナザーのじゃロリ猫・のじゃロリ狐、そして、なのロリ兎だ。

「これはまさか、噂に聞いた『肉片』・・・!」
「狐よ、兎よ。ワシに代わってあやつの相手をするのじゃ!」

のじゃ猫が士の方向を爪の尖った指で差す。

「猫ごときに指図されるのは不服じゃが、暇潰しには丁度良いかの?」
「わ〜い!ワタシと一緒に遊ぼうなの〜」
「士よ、こいつらの邪気をお主の『符号』で清めてみるがよい!」
「よし、来い!妖の肉片共!」

士はさっそく「流動」のポーズを取る。

「それでは、妾からじゃ」

のじゃ狐は右掌を前に突き出すと、大きな青い炎が浮かび上がる。
拳へと握り締めると、炎は9つに分離し、狐の形をとって士の方向へ突き進んでいく。

「来る・・・今だっ!『流動』!」

士の右目から、光の渦が広がる。
1匹、2匹、4匹、8匹、巨大な渦は狐となった炎を次々飲み込んでいき、消し去っていく。

「どうだ、見たか!」
「ほほう。妾の狐火を無効化するとは、只ならぬ力じゃのう」
「あはは、面白そうなの!それワタシもやってみたいの〜」
「では、どうじゃ?」

のじゃ狐が再び青い炎を生み出すと、なの兎が炎に向けて蹴りを入れる。
炎は15の小さな欠片に弾け、兎の形へと姿を変える。
そして、兎とは思えないほどの獰猛な顔付きで、次々と士へと飛びかかっていく。

「邪気よ、鎮まれ・・・っ!!」

士は三度、「流動」の渦を発生させる。
光の渦は、投網にかけるように兎型の炎を次々捕えて消滅させていく。

「よし、やった・・・か?」
「あららら〜、やられちゃったの〜、ぐすん!


 ・・・なんて、本当おバカさんなの」

大袈裟なほどに残念がる仕草を見せるなの兎の表情が、一瞬邪悪なものに変わる。

「何っ!?」

士が振り返ると、捕らえ損ねた兎が1羽、突如空中に出現し、飛び蹴りをしかけて来る。
咄嗟に腕で防御の姿勢を取り、すぐに「流動」を発動する士。

「ぐっ、熱・・・い・・!」

青い炎の兎は、士に触れるとほぼ同じ瞬間に光の渦へと消えていった。

「はぁ・・・何とか、耐え切った・・・」
「これがワタシの『脱兎の如く』なの!青い兎さん、『過程』をぴょんと飛び跳ねて突っ込んでいったの〜」
「妾の炎のお味はどうじゃ?死なない程度には冷ましておるが、それでも死ぬほど熱いかもしれんのう」
「まだまだ・・・だ!この私は妖には敗れない!」
「おやおや、威勢の良い人間じゃのう。妾もちょいと本気を出してみようかの・・・こうじゃ」

のじゃ狐が指で印を結ぶような動きを見せると、青い炎が彼女の全身を包み込む。
炎が消え去っていくと、そこに見えたのはー

「ちょっと、離して!離してってば!」

「そんな、まさか、九!?」

のじゃ狐に縄で縛られ、苦しそうにもがく士の妹、九の姿だった。

「ごめんお姉ちゃん、捕まっちゃった・・・お願い、助けて!」
「お主の本気も、見てみとう思ってな。どうじゃ、この娘を助けたいとは思わんかの?」
「卑怯な真似を・・・離せ!我がシュヴェスターを返せ!」
「返せと言われて返す輩が・・・おったりしてのう、ほれ!」

のじゃ狐は意外なほど素直に、縄を炎で焼き切って九を解放した。

「お姉ちゃん!」

自由の身になった九は、士のもとに駆け寄っていく。

「よかった、九、怪我はない?」
「ううん、大丈夫。でも怪我は・・・

 ・・・気をつけた方が良いかも、じゃのう?」
「えっ!?」

九は両掌に小さな青い炎を宿して、士を突き飛ばす。

「ぐあっ・・・!しまった、偽者・・・!!」

小さな炎と言えども、胸に直撃することで耐えがたい熱さが士を襲う。

「大成功じゃな、妾の幻術じゃよ。そっちに残った身体は抜け殻じゃ。どこまでも妹思いな姉じゃのう、ホッホッホッホッホ!」

のじゃ狐は、九の姿のまま生意気そうな声で高笑いを上げる。

「はぁ・・・はぁ・・・どこまでも卑怯な・・・許さないぞ・・・『流動』!!」
「お姉ちゃん、わたしだよ、九だよ?」

九の姿をしたのじゃ狐は、キラキラの瞳で士を見つめる。

「!?・・・ダメだ、発動・・・でき・・・な・・・」

偽者とわかっていても、本物そっくりな九を目の前に、士の『符号』に力が入らない。

「今なのっ!!」

次の瞬間、のじゃ狐が化けた九の背後の空間から、なの兎が過程を跳躍して現れ、士のみぞおちに跳び蹴りを直撃させる。

「何っ!?ぐあぁっ!!!」

なの兎の蹴りを直に受けた士は、衝撃で跳ね飛ばされていき、地面に全身を叩きつけられる。

「やった!やったなの!人間さん、大したことないの〜」
「あっけなさすぎて、ちょいと退屈じゃのう。ホホホホ!」

なの兎はぴょんぴょんと飛び跳ねて喜びを表現し、のじゃ狐は九の姿で再び高笑いを上げる。

「この、私・・・が・・・」

士は立ち上がろうとするが、力が入らず、そのまま意識を失っていく。


 ・・・


「さあ来なさい、化け猫!」
「威勢が良いのう、『イレブン』」

3年前、とある日の出来事。
11歳の慶光院 士は、『符号』の力を高めるために、のじゃ猫の特訓を受けていた。

「お主の『符号』は邪気を清めるほどに強くなる力、そして人間を超えた邪気を清めたい、と言っとったな。ワシの力、はたしてお主に清められるの?」

のじゃ猫のマフラーが右腕のように動き、巨大な手のひらから黒い液体のようなものが、意思を持つように士に向かって這い出てくる。

「当たり前よ!九を守るため、私はこの力を高め、使いこなす!『流動』(ストリーム)!!」

士の右目から出る光の渦は、黒い何かに対して突き進んでいくが、圧倒的な物量に対して押し負けそうになっていく。

「ダメだ・・・力が強すぎる!これが、怪異の持つ邪気・・・!?」
「ほれほれ、どうした?この程度かの?かわいい妹を守るんじゃったろう?」

のじゃ猫が邪悪な笑みを浮かべ、士を煽っていく。

「私は、まだ、まだ負けない!『流動』よ、強まれ!!」

士は奥歯を食いしばり、大地を強く踏み締める。
光の渦の勢いが強くなり、黒い何かを飲み込んで消えていく。

「よし、出来た!これが私の力よ、化け猫!」
「やるもんじゃのう、イレブン。それじゃ、はたして次のはどうかの?」
「何でも来なさい!私が全部洗い流す!」

のじゃ猫のマフラーの拳が士の目の前に迫り、指を開いていく。その手の中にいたのはー

「お姉ちゃん・・・?」
「こ、九!どうしてここに!?」

士の妹、九が、悲しげな顔をして姉を見つめていた。

「お主の妹、の形をした邪気の塊じゃ。お主が守りたいこの子を清め、跡形もなく洗い流してもらおうかの」
「邪気の塊!?・・・所詮は偽物、本物の妹でないなら簡単よ!『流動』!!」

士の右目から、光の渦が現れようとする。

「お姉ちゃん、わたし、消えちゃうの・・・?」

邪気で出来た九は、キラキラの瞳を潤ませ、涙をこぼす。

「えっ!?」
「大好きなお姉ちゃんが、わたしを消そうとするの・・・?どうして・・・?」
「九・・・・!!」

本物そっくりの九が浮かべる泣き顔を前に、士は心を傷ませ、光の渦が弱まりかける。

「おやおや、どうしたんかの?強くなれる機会を与えてやったのにのう?お主の『符号』は、やはり妹を守るに足らん力なのかの〜?」

邪気の九を洗い流すことをためらう士に、のじゃ猫がさらに挑発を入れてくる。

「まだ・・・まだよ!『流動』よ、九を、いや邪気を・・・洗い流せ!!」
「ひどいよ、お姉ちゃん、どうして・・・?わたしのこと、嫌いになっちゃったの・・・?」
「九・・・やめて、いや、違う、違うんだ、・・・うあああああああああ!!!」

士は胸を押さえて悲痛な叫びを上げ、今までよりさらに強く大地を踏みしめる。
『流動』の渦がとたんに大きくなり、九にそっくりな邪気を洗い流していく。

「お姉・・・ちゃん、い・・・じわ・・・る・・・」

偽物の九は、泥人形のように崩れ、やがて光の渦とともに跡形もなくなっていく。

「終わっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

士は力が抜けるように、その場に膝をつく。

「カーッカッカッカ!!やるようじゃな、イレブン!これでお主の符号も強化されたはずじゃ!ま、童にはちょっと過激な特訓じゃったかのう?じゃあの〜」

のじゃ猫はその言葉を残し、どこかに跳び去った。
邪気で出来た偽物といえども、目の前で悲しむ妹を消し去ることを強いられるのは、士にとっては心を深く抉られたような気分であった。

「あの化け猫め・・・絶対、強くなってやる・・・九を・・・守るために・・・」


 ・・・


そして、現在。
士は、ゆっくりと意識を取り戻しつつあった。

「(また、あの時の夢か・・・この私は、あの怪異に、またも弄ばれているのか・・・)」

3年前と現在、2度も九の偽者にしてやられた士。妹への甘さにつけ込まれているような、不甲斐ない心情であった。

甘さが、弱さになっていたのか。
その弱さは、取り払うことができるのか。
そもそも、取り払うべきなのか。
士は、ひたすらに考えを巡らせた。

「(・・・これだ!)」

まだみぞおちに痛みが残るままゆっくりと立ち上がった士は、拳を握りしめた。

「人間さん、目を覚ましたの!」
「まだ楽しませてくれるようじゃのう、・・・”お姉ちゃん?”」

士の前に佇むなの兎とのじゃ狐。
のじゃ狐は依然、九の姿に化けて声真似をしている。
士は両足で大地を踏みしめ、目つきを鋭くする。

「さあ来るが良い、怪異共!『流動』!!」

士の青い右目から、光の渦がほとばしる。
光の渦は、うねる様に方向を切り替えながら進んでいき、士本人に向かって飲み込もうとしていく。

「あれあれ、何かよくわかんない事起こってるの!今のうちにやっちゃうの、それっ!」

なの兎は、光の渦に包まれた士に向けて『脱兎の如く』による瞬間跳躍で飛び蹴りを叩き込む。

ガキンッ。

金属のような鈍い音が辺りに鳴り響く。
次の瞬間には光の渦が消えており、そこに見えたのは飛び蹴りから着地した姿勢のなの兎、そして仁王立ちの士。

「・・・なーんか、やる気が出なくなっちゃったの〜」

なの兎はその場にぺたりと座り込むと、光と共に消え去っていく。

「これが、この私の決意、『流動翼刃-シュトローム・フリューゲル-』」

士の左手から少し離れた位置には、青白く発光する刀剣が浮かんでいた。

「ほう・・・『符号』の力を凝縮して、武器へと変えたようじゃな。面白い子よのう」

九に化けたのじゃ狐が、感心しながらいやらしい笑みを浮かべる。

「じゃが・・・その剣でも、可愛い妹は流石に斬れんじゃろう?」
「・・・九は・・・」

士は、立ちすくんだままその場から動かずにいた。

「ホホホ、やはり甘いのう!隙だらけじゃな!」

のじゃ狐は九の姿で両手を前へ向け、無数の青い狐が士に向けて飛び出していく。

「九は・・・私の九は!!」

士が勢いよく大地を蹴り、妹の偽者に一直線に向かいながら左手を振り払う。
刀剣『翼刃』が舞い踊るように周囲を飛び回り、狐火を一斉に切り裂いていく。

「ほほう・・・向かってくるかの?」

士がのじゃ狐に接近し、『翼刃』が手元へと戻ってくる。

「お姉ちゃん、わたしを傷付けるの?ひどいよ・・・」

のじゃ狐が精巧な九の声真似をしたところで、士はピタリと静止する。

次の瞬間、士は勢いよく『翼刃』を振り抜く。

ズバシュッ、という音と共に、九の身体に、切り裂き傷のような光が一直線に走る。

「な・・・何故・・・じゃ・・・」
「・・・九は、強い。そんな弱気な言葉、私の前では絶対に言わない」
「なる・・・ほど・・・ホホホ・・・」

のじゃ狐は九の姿から元の姿に戻り、光に包まれて消えていった。

士は、本物の九と、目の前にいる偽者の九の、大きな違いに気付いたのだった。
九を守る、ずっとそう思い『符号』を鍛えてきたが、元気いっぱいの九は守られるほど弱くはなかった。
そのことに気付いたことで、士から弱さは消え去り、「流動」も進化を見せた。

「兎も狐も、戦闘不能か・・・ええい、じれったい!ワシの番じゃあ!!!」

宙に浮きながら士を見下ろしていたのじゃ猫が指をパチンと鳴らす。
周りを渦巻く『隔絶空間』がほどけていき、周囲は再び、帰り道に。

「元の場所に、戻った・・・!?」
「これでワシも自由に動けるわい。お主の力、ワシに直接見せてみるがいい!!」

のじゃ猫が地面に綺麗な姿勢で着地すると、黒髪を逆立て、牙と爪を普段より一層鋭く尖らせて勢いよく士に飛びかかる。

「・・・加速符号、『赤光』(ロートリヒト)」

士が静かにそう唱えると、赤い左目が眩く発光し、地面を蹴る。
次の瞬間、そこに士の姿はなかった。

「おや?逃げおったか・・・?」

獲物を捕らえ損ねて着地したのじゃ猫は、おもむろに立ち上がる。

「もう終わった。シュヴァルツェ・カッツェ」
「ほほう・・・に゛ぁっ!!??」

消えたと思っていた士が再び姿を現し、それと同時にのじゃ猫の身体に、切り傷のような光の線が無数に走る。
身体能力を一時的に増強する、のじゃ猫も知り得ていなかった、士の隠し玉『加速符号(アクセルコード)』だった。
気付かぬ内に『翼刃』に体を切り刻まれていたのじゃ猫は、邪気が抜けるように、全身から黒いドロドロの何かが流れ出ていく。

「・・・それがお主の力というわけじゃな、士、いや、エルフよ。今日は・・・ここまでじゃ・・・な・・・カカ・・・カ・・・」
流れ出てた黒い何かは地面に染み込むように消えていき、中から現れたのはただの黒猫だった。

「ニ゛ャ゛ーッ!!」

黒猫は大きく跳躍して、どこかへ姿を消した。

「・・・終わった。まさかここで、『符号』の力が伸びるとは。これも、あいつが最初から狙ってやっていたのか・・・」

疲労困憊の士は、重い足を引きずるように家を目指していった。

 ・・・

そして、慶光院家。

「・・・帰った」
「おかえり、お姉ちゃん!」
「九ぉ・・・ただいまぁ!!!」
「わっ、どうしたのお姉ちゃん、飛びついてくるなんて!?」
「ほんと可愛いんだから、九ってば〜〜!!私の自慢の妹よ、もうっ!!!」
「お姉ちゃん、お外とお家だとほんとにキャラが違うんだから・・・」

のじゃ猫と再び出逢い、より強い力を手にしたエルフこと、士。
何よりも妹を大切にする気持ちは、変わることはないようだ。

 ・・・

青空町、町外れの丘。

小学生くらいの少女が、すっかり夜の帳が降りた街並みを、1人見下ろしていた。

「昨日も、見つからない。今日も、見つからない。もう1人の私は、どこ・・・?もう1人の藍墨(あずみ)、どこにいるの・・・??」

Case 3
THE END

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