「一体なにをやっていたのですか!? 連中を取り逃したのみならずあの街の氷を溶かすことを許してしまったではないですか!」
「……次は間違いなく仕留めるさ。それにあんな街のひとつやふたつ、簡単に叩き潰せるだろ」
「そういう問題ではありません! このことが“シップ”様に知られようものなら……」
そのとき、広間の中に瞬間移動でもしたかのように突然に一人の女性が現れる。
「お久しぶりです、クレスト様」
「!? こっ、これはセレーヌさんではありませんか。よくぞいらしてくださいました。すぐにもてなしの用意をいたしましょう」
「その必要はありません。今日は一言、我々の意志を伝えに来ました。
『イレギュラー要素である例の4人の速やかなる抹消を希望する』――こちらの望むことはそれだけです」
「え、ええもちろん! わかっておりますとも。すぐにでも成果を挙げてみせましょう」
「期待しています。それでは」
女性は現れたときと同じように、忽然と消え去る。
しばしの沈黙。
「……皆さん! 何をのんびりしているのですか。ナナ、あなたにはフェイスの攻略を任せます。戦闘用インセクトの増産は済んでいます。存分に私達の力を見せ付けておやりなさい。そしてギャロン、ダスト。どんな手段を使っても構いません、連中を確実に抹殺しなさい。これは世界の頂点たるこの私直々の命令です!」
今回予告
蝶になる夢を見た。
夢の中で私は蝶となり、野原で遊び回っていた。
しばらくして目が覚めると、いつもの私が布団の中にいる。
――さて。
私が蝶になる夢を見ていたのか、それとも今、蝶が私になる夢を見ているのか。
セブン=フォートレスキャンペーン「Butterflie’s Dream」 第四夜
『TRUTH』
「ノース=トラムとその一行よ。貴様らを世界を滅亡させる元凶として捕縛する!」
GM
前回の戦いの結果、不完全ながら起動した人工太陽は徐々にフェイスの街を覆っていた氷を溶かしていく。しかしそこに殺到してきたのは無数の蟲。
ヴィート
うわぁ……。
GM
蟲は太陽の下では動きが鈍くなるとはいえ、放っておいたら人々が目を覚ます端から殺されていくだろうね。
クレイグ
とにかく、僕らにできることをしないと。
GM
というわけで昼は移動、夜は夢の中で救助活動という二重生活がしばらく続くわけだ。
クレイグ
そりゃレベルも上がるだろうよ(笑)
GM
10日余りそんな生活を続けた後、君たちはアルセイル首都カガセの街に着いた。
すると、だ。何故か街の人々からの視線を感じる。
ノース
視線ですか?
GM/人々/浪人風の男
遠巻きになって噂されてる感じかな。
「あの4人ってまさか――」「え、でもこんな堂々と……?」
で、人々の間を縫って声をかけてくる男が一人。「旦那方。ノース=トラムさんとそのご一行ってことで間違いないでやすか?」
ヴィート
「……そういうあんたは誰だ?」
GM/浪人風の男
着流し姿で腰に刀と脇差、そして口には葉っぱをくわえたその男(笑)は続けて言う。
「申し遅れまして。あっし、しがない賞金稼ぎのハクリョウと申しやす。旦那方にかけられた賞金100万GP、いただきに参りやした」
一同
100万GP!?
GM
男は腰の刀に手をかけ……「居合い」の構えをとる。
クレイグ
無駄に格好つけやがって(笑)
ノース
状況はよくわかりませんが、街中で戦うわけにもいきません。ここは退きますよ。
GM/武者鎧
「あいや待たれよ各々方! 極悪人ノースの首を討ち取るは某なり!」
と今度は甲冑に大太刀を下げた男が名乗りを……。
クレイグ
ああもう無視無視! はい先生、逃げましょう!
GM
行く先々で似たような騒ぎが起きる中を君たち4人は懸命に逃げていく。すると、通りがかった街角に探索者協会の張り紙が張られているのに気が付いていい。張り紙には君たち4人の似顔絵と、以下のような文章がある。
上の4名はフェイスの街を消滅させ、さらに世界の崩壊をもくろむ凶悪犯である。生死を問わず、彼らを捕らえた者には100万GPの賞金を与える。
また、居場所を通報した者にも情報が真実であれば100GPの礼金を付与する。
これは天帝クレスト=ノイマン直々の命である。
一同
天帝?
クレイグ
って誰なんですかそれは?
GM
うむ、今まで向こうの世界とこっちの世界の歴史を逐一付き合わせるということをしていなかったから教えていなかったんだが……。この世界には各地方を治める王のさらに上に天帝という存在が君臨している。で、君たちはこのことを特に違和感もなく受け入れているのだ。
クレイグ
つまり……「そんなバカな!? 天帝が僕たちを?」っと、こういう反応が正しいわけですね。
GM
そうそう(笑)
ヴィート
天帝とは何をしている人なんですか?
GM
何もしてない。ただ君臨してるだけ。でも偉い(笑)
ノース
「なぜ、天帝がわざわざ私たちなどを……。それにフェイスの街が消えたという話は事実なのでしょうか?」
ジリアス
「ゆっくり考えている時間もなさそうだ。今はこの状況を脱することを考えなければな」
クレイグ
この街には知り合いとかいましたっけ?
GM
シノンが商会の本店にいるはずだよ。
クレイグ
あの人か。僕らを天帝に売り渡したりとかは……。
ノース
ありえないとは――い、いえ、彼女に限ってそんなことはないでしょう(笑)
ヴィート
どの道、選択肢はなさそうだ。夜になるのを待って接触を図ろう。
しばらくして街の上空を白い鎧の騎士たちが飛び回り始める。彼らは『鳳翼騎士団』という名の天帝直属の特殊部隊であった。
GM
というわけで、空と地上両方からの監視の目を潜り抜けて目的地に辿り着けるかどうか、ミニゲームでもやってもらおうか(街のマップを取り出す)。
ノース
そのマップは何なんです?
GM
うん、ぶっちゃけて言おう。ルールは『スコット○ンドヤード』(笑)
紆余曲折があり。
サイレントウォーリアの名に恥じないヴィートの華麗な逃げっぷりなどに助けられ、なんとかシノン商会にまで到達した一行だったが――。
シノン
「どういうことよこれはっ! なんでうちの前に気絶した兵士が4人も転がってるの!?」
ノース
「すみません、ちょっとゴタゴタがありまして」
クレイグ
先生、そんな何事も小さいことであるかのような言い方はやめてください(笑)
「ご迷惑をおかけしますけど、追われていて仕方がなかったんです!」
シノン
「まあそっちの方は昔取ったなんとやらで処理しておくとして……。とりあえず、事情を聞かせてもらえるかしら」
ノース
「私たちを疑わないのですか?」
シノン
「ついこの間一緒にアルセイルに来た人たちが、シェローティアでどうこうできるとは思えないもの。でしょ?」
一同
…………。
ここでノースは、ここまで巻き込んでしまったのならと夢のことを含めた一切の事情をシノンに説明することにした。シノンは驚きながらもそれを受け入れ、一行を明朝出発する予定の商船に搭乗する手筈を整えてくれる。
そして、もう一方の世界では――。
GM
君たちの世界のフェイスは消滅したという話だけど、こちらの方は別に今まで通りだ。街の氷もほとんど溶けてきて、氷に覆われてるのは残り3分の1といったところかな。
ノース
こちらで起こったことをマリンさんに説明しましょう。
マリン
「そんなことが!? それは、今の状況と何か関連しているのでしょうか?」
クレイグ
「こちらの世界を解放することが向こうの世界の消滅につながるという可能性は、考えておいた方がいいのかもしれませんね……」
GM
そんな話もそこそこに、君たちはいつもの救出任務につくことになる。たぶん足の速いヴィートが偵察をすることになっているんだろうけど、ちょっと知覚力で判定を。
ヴィート
(ころころ)28です。
GM
(ころころ)そっちが先に気付いたか。ナナが向こうからやってくる。蟲はつれておらず一人きりだ。
ヴィート
会えたことに喜ぶべきなのか複雑な状況だが――。隠れても仕方ないな、出て行こう。
「ナナ」
ナナ
「あなたがここにいるということは、向こうの世界ではまだ無事のようね」
ヴィート
「ああ、どうにかな。……ナナ、二つの世界で何が起きているのかが俺たちには掴みかねている。君はそれを知っているんだろ?」
ナナ
「ええ、今日はその話をしようと思って。できれば他の3人も呼んできてもらえる? その間、人々には手出しをしないと誓うわ」
ヴィート
「――わかった。少し待っていてくれ」
戻ってきたヴィートの報告を受け、改めて4人でナナと対面する。ナナはつとめて表情を消したまま、静かに話の口火を切った。
「知りたいことがあるんでしょう? ……全部、説明するわ」
クレイグ
「なぜ、フェイスの街が消滅したんですか?」
ナナ
「それについては、順を追って話す必要があるわね。
この世界を覆っている氷はただの氷じゃない。人の意識と意識とを媒介する機能を持っているの。そして氷に閉じ込められた人は死ぬのではなく眠りにつき、その中で夢を見る。――氷に閉じ込められている世界中の人々が、同時にひとつの巨大な夢を見ている。それがつまり、あなたたちのいる世界」
一同
…………。
ナナ
「夢の世界は人々の記憶から情報を取り出し、それを元に世界を構成しているの。特に都市のような複雑な構成物を再現するには大量の情報、つまり沢山の人々の記憶が必要。それがこの街では一斉に失われた。それで、今までの形を保てなくなったんでしょうね」
ノース
「では、いったい誰が何の目的で世界をこのような姿にしているのですか?」
ナナ
「それは……私にもはっきりとはわからない。ただ、氷を創り出し蟲を操ってこの状況を維持している存在のことは“シップ”と呼ばれてる」
ジリアス
「シップ……船?」
ノース
「なぜあなたは、そのよくわからない存在の手伝いをしてるのですか?」
ナナ
「…………。蟲は指揮をされないと細かい動きができないみたいで、“シップ”は指揮官となる者を欲していた。私はそのために選ばれた存在。ギャロンとダスト、それにクレストも。最後の一人は、天帝と言った方があなたたちには馴染みがあるんでしょうけど」
一同
マジで!?
ヴィート
ここ、キャラは驚愕してるんだろうな。まさか天帝が、と(笑)
クレイグ
「そんなバカな!? 天帝はこの世界の始まる頃から君臨しているはずです!」(笑)
ナナ
「と、いう風に世界の情報が書き換えられているということね」
クレイグ
でも天帝って何をしてるわけでもないんだよな。せっかくだから世界を支配するとかすればいいのに。
GM
支配とか面倒なことは別にいいんだ。ただ誰よりも偉いという地位が好きなだけなんだ(笑)
ヴィート
なんて愛すべき小者(笑)
ジリアス
夢の世界が誕生したときから天帝をしていたと考えると、『世界の始まる頃から君臨している』というのはあながち間違いでもないわけか。
ノース
「それで、先ほどの私の質問にまだ答えていただけていないようですが? あなたがなぜ“シップ”に協力しているのか、という」
ナナ
「……“シップ”に協力すれば何でも望みをかなえてもらえる。クレストがそうしているようにね。私はそのために従っているだけ」
ノース
「望みのかなう幻を見ているだけではないのですか?」
ナナ
「たとえ幻であれ、それが一生続くのであれば真実と何も変わりはしない」
クレイグ
「でも……本当にいつまでも続くんですか? 今の話が正しいとすれば、僕らの記憶に拠らない存在――例えば新しく生まれる子供までもが夢で創り出せるとは思えません」
ナナ
「……その推測は、おそらく正しいんでしょうね」
クレイグ
「そんな……!」
ジリアス
「だとすると、やはりこのままでは世界は滅びるということになるのか……」
クレイグ
「だけど、仮に世界を救って人々が目を覚ましたとしたら、夢の世界の存在である“今の”僕たちは消えてしまうんじゃ? そもそも、なぜ僕たちがこっちの世界に来れているんでしょう」
ナナ
「それは、私に聞かれてもわからない。私たちの場合、今のこの体は間違いなく現実の体。なのにあなたたちは、現実の体は別の場所で眠りについているにも関わらず、同時に今ここにも存在している。それが何故なのか、“シップ”も訝しんでいたわ」
その他、夢と現実で一年のずれのある理由(夢の世界では時間の流れが10倍。こちらで40日=向こうで1年と40日)、“シップ”の代弁者として現れる女性がセレーヌという名であるという情報などを聞き、質問もそろそろ切り上げようかという頃。
ヴィート
「ナナ。君がかなえたいという望みを教えてくれないか」
GM/ナナ
「…………。私が望むのは、平穏。ただそれだけよ」今はこれ以上を話す気はないという感じだ。
「話はここまで。次は逆に聞かせてもらいましょうか。この話を聞いて、あなたたちがこれからどうするのかを。あなたたちのやっていることは、向こうの世界を消してしまうこと。それを知ってもなお、続けるつもりでいるの?」
ジリアス
「――答えは決まっている。俺は、エルジェに約束をした。あの子にもうあんな悲しい顔はさせない。その元凶が今のこの状況だというのであれば、俺はそれを断つ」
クレイグ
「僕も同じです。人々を氷に封じ、逆らうものを皆殺しにして得た世界なんて絶対に受け入れられない! そしてナナさん。現実を捨て夢に逃げているあなたを――僕は軽蔑します」
ノース
「……あなたの言うように、夢の世界はもうひとつの現実といっても差し支えないのかもしれません。ですが、それを生み出すためにマリンさんたちこの世界に残った人々は悪夢を見ているのです。私は、彼女たちの力になりたい」
クレイグ
さて、トリだ。
ノース
期待しています。
ヴィート
余計なプレッシャーをかけないで。ナナ相手だと強く出れないんだから(笑)
「ナナ、悪いけどそういうことだ。俺にはどうしても、ナナのしようとしていることが正しいとは思えない。……でも、それ以上に悔しいかな。君一人に平穏を与えることすらできなかった、俺自身が。だから、君を止める」
ナナ
「…………。あなたなら、そういう答えをだすんじゃないかって思ってた。ヴィート、やっぱり私はあなたと同じ道は進めない。決着をつけましょう。どちらが先に進むのか」
ヴィート
「……ナナ」
ナナ
「明日の朝、6時の鐘が鳴る時間。フォルトゥナ山の山頂で待っているわ」
そんな約束をし、再び元の世界(ややこしいが真の意味での『夢の世界』である)に戻ってきた一行。今は船員に扮して密航中の身である。ある日の夜、ヴィートは甲板で物音がしているのを聞きつけた。
ヴィート
「甲板に人がいる。それもかなりの数だ」
ノース
「こんな夜中にですか? 気になりますね……」
全員で警戒しつつ様子を見にいきましょう。
GM
船員状態なので武装はないので気をつけて。
ヴィート
ナイフぐらいならあるだろう。とりあえず「致命の一撃」は出せる(笑)
GM
では甲板に行く、と。するとそこにはずらりと白い鎧の騎士たちが、空から甲板に降り立ってきたところだ。人数はざっと見て10人以上いる。
クレイグ
なんでここに!?
鳳翼騎士団
「ほう、捕えにいく手間が省けたか。ノース=トラム一行。貴様らを世界を滅亡させる元凶として捕縛する。抵抗しなければ今は生かしておいてやろう」
ジリアス
……この状況は少しまずいな。
GM
で、彼らの中心には厳しい表情をしたシノンが立っている。手引きをしたのは彼女だ。
ノース
シノンさんが?
クレイグ
ここでまさかの裏切りか。
「シノンさん、僕はあなたを信用していたのに!」
シノン
「……悪いけど、謝らないわ。あなたたちは、世界を消そうとしているんだから」
ノース
「たしかに、私たちがこの世界を消そうとしていることは事実ですね。そして、これがあなたの選択というわけなのですか、シノンさん」
シノン
「――仕方がないのよ。従うしか、ないじゃない……。“現実の世界”とやらの私はもう死んでいる、なんてことを見せられたら。向こうの世界が目覚めたら私はこの世界と一緒に消えてしまう、なんて言われたらっ……!」
クレイグ
……なるほど、それは納得の理由だ。
シノン
「もしかして自分では気が付いていないの? あなたもそうなのよ、ノース」
ノース
「……! 私はもう、死んでいるのですか……?」
シノン
「そう。他の3人とは違って、現実世界のあなたはもう死んでいる。あなたがやっているのは、自分で自分の首を絞めるような行為なのよ!?」
ノース
「それは……本当の話なのですか?」
クレイグ
初めてノース先生が動揺するところを見れた気がする!(笑)
シノン
「事実よ。あなたが私の言葉をどれだけ信用するかはわからないけどね」
ノース
「…………」
GM/鳳翼騎士団
騎士たちが動き始める。上官らしき男が、
「こいつらを捕えて船倉に閉じ込めておけ。上陸後、エンネンの街にて処刑が執行される予定だ」
ヴィート
結局、こっちでも死ぬことになるわけか。
クレイグ
諦めちゃ駄目ですヴィートさん(笑)
ジリアス
エルジェとの約束がある以上、こんなところで死ぬわけにはいかない。
ヴィート
こっちも決闘前に死ぬのは避けたいんだけど、方法がなあ……。絶望しかない。
刺し違え覚悟でリーダー格の男に飛び込むとか、それぐらいか。
クレイグ
それとも、とりあえず囚われておいて機会を伺うか……。ちょっと待て、その状態で向こうに召喚されたらどうなる?
人々
「ああっ、なぜか勇者様が後ろ手に縛られていらっしゃる!?」(笑)
ジリアス
冗談はともかく、その手しかないかもな。
ノース
ちょっと待ってください。連れて行かれる前にシノンに一言だけ。
ノースはシノンを、そしてその頭上に無数に輝く星々から、今一つこぼれ落ちた光を見つめながら言う。
「…………私は、もう死んでしまっているのですね……残念です。
ですが、もともと人が死ぬのは避けられない運命だ。それでも、人は諦めずに生きようとする。それは何故でしょうか」
ノースの言葉を聴くシノンは俯いたまま、苦痛に耐える罪人のように何かに苛まれているように見えた。
「それは、生まれてくる子供たちに何かを残そうとするからなんですよ。人は、未来に向けて何かを残すために生きているんです。
けれど、この夢の世界は未来のない世界です。ならば私は死に往く者として、未来のない世界ではなく、未来ある本当の世界を生き残っている人たちに残したい。……そう思います」
「おい、さっさとこいつらを連れて行け!」
鎧の男が命じ、ノースは2人の兵士に引き立てられその場を離れていく。最後に、ずっと噛み締められていたシノンの唇が、微かに誰かの名前を呟いた。
GM
君たちは全員船倉に閉じ込められる。小動物も引き離され。
ノース
ああ、テイルが(笑)
クレイグ
レイも連れて行かれてしまった。いや、それはともかく話をしなければ。先生はどんな様子をしているんですか?
ノース
普通にしています。ぼんやりと何か物思いをしているようではありますが。
クレイグ
いつもと変わらない先生に少し戸惑いつつ声をかけよう。「先生……」
ノース
「クレイグですか。私はやっぱり、死んでいるのでしょうかねえ?」
クレイグ
聞きたかったことを先に(笑)
「シノンさんが言ったことが正しいんだとしたら、そうなりますね……」
ノース
「ですが、やはり人はいつかは死ぬものですよ。そしてクレイグ、これだけは覚えておきなさい。人は死の運命からは逃れられず、世の中から悲劇を無くすこともできない。ですが人は、己を信じ努力をすれば、いつか理想を叶えることができる。……これが私の信じる『運命』です。あなたは、努力をして理想を叶えてください」
クレイグ
うわ、今何かいろいろと託された!? 僕にどうしろと!
ノース
ええ、後を継いでください(笑)
クレイグ
「でも! 僕にはまだ、先生のようにはなれません……」
ノース
「同じになることはない。夜空に同じ星が二つとないように、人にはそれぞれ輝く色というものがあるのです。クレイグ、あなた自身にもあるはずです。私とは違う、その色が。それを大切にしてください」
クレイグ
「先生……」
あなたは凄いな。理想的な先生だよ……。
ノース
「まあ、何を言ったところで今はこの状況から逃れることが先決ですね」と、船倉の中を見回しながら。
クレイグ
「あ、はい。そうですよね……」
ノース
「ずっとここにこうしているというのも退屈でしょう。つい先日、街で少しおもしろい本を見つけたんです。あなたにも貸してあげましょう」
といって差し出される本は、明らかに長年無数に見返していたと思しき跡があります。
ヴィート
うわあ、死亡フラグ……。
クレイグ
こんなに古ぼけて汚れているのに「つい先日」なんですね?
ノース
ええ、「つい先日」です。十年以上前から欠かさず毎日読んでいた、なんてことがあるわけありません。
クレイグ
…………。少し驚き、全てを了解した上で「――わかりました。ではこの本、頂きます」
ノース
「クレイグ、私の言ったこと忘れないでくださいよ?」と少し寂しそうに。
クレイグ
「……はい」と小さく返事をし、大事そうに本を胸に抱えました……。
閉じ込められたまま船に揺られること数日(この間、何故か向こうの世界に召喚されることはなかった)、上陸直前の夜。食事以外では開かれる事のなかった船倉の戸が、そっと押し開かれた。
GM/シノン
そこにいたのはシノン。「黙って私についてきて」と言いますが。
クレイグ
他に選択肢もないし、迷うことはないな。ついていこう。
GM/シノン
では彼女は、エンネンで荷卸しされる商品が並んでいるところまで君たちを連れてくる。
「明日の荷卸しのときまでこの中に入って隠れていて。救命用のボートを海に捨てておいたから、連中の目は外に向いているはずよ」
ノース
「シノンさん、これは……?」
GM/シノン
彼女は少し恥ずかしげに笑う。
「ほんと、ノースには敵わないわ。私があんなに悩んで出せなかった結論をあっさり……。
あなたの言葉で気が付いたの。私はあの子の、マリンの未来を奪おうとしているって。あの子のことを思ってわざわざ家から飛び出したのに、結局こんなことしてちゃ何の意味もないものね……」
ノース
「…………」
シノン
「できることなら、もう一度会って話がしたかったけど……。ノース。あの子のこと、助けてあげて」
ノース
「はい、お約束します。必ず彼女と、彼女の世界に光を取り戻してみせましょう。
それとシノンさん、マリンさんに何かお伝えしたいことはありますか?」
シノン
「そうね、じゃあ――」
GM/人足
そして翌日。君たちは荷物の中に閉じ込められたまま、荷卸しされるのを待っている状態だ。外で人足がこんな世間話をしているのが聞こえる。
「ねえ主任、あの話聞きました? 商会長が例の犯罪者を匿ったとかで捕まったって。あれマジなんですか?」「……さあな」「たしか処刑が今日の日没、共同墓地で執行されるって。うちの商会大丈夫なんですかねえ」「今はそんなことを心配しているときじゃない。さっさと手を動かせ」「はいはい。ああ、新しい職探さなきゃ駄目かなあ……」
一同
…………。
GM/バルザス
そうして荷物は運ばれていき、第一話でおなじみの商会事務所に着きそこで解放される。出てきたところにいるのはシノンの養父にして元海賊のバルザス。
「……あんたたちにゃ何も言うことはねえ。うちの娘が選んだことだ。どこへなりと好きなところへ行きな」
と、そう言ってる背後では商会の中でもちょっと強面な雰囲気のある人たちが武器の用意とかしているんだけど。
クレイグ
……う。僕らがやらなければならないことを考えれば、ここは関わるべきではないんだろうけど。「どうしましょうか、先生?」
ノース
「もちろん、助けにいきましょう」
クレイグ
……やっぱりかー。
バルザス
「……なんだ、お前らも来るのか?」
ノース
「ええ、彼女には何度も助けていただきましたから。私たちにも手伝わせてください」
バルザス
「おう、ついて来たいんなら勝手にしな。……さあて、久々に陸のイヌども相手に暴れられるぜ。野郎ども、準備はいいな!」
ヴィート
救出にあたっての作戦とかはあるんでしょうか?
GM
え? 雪崩れ込んで適当に暴れて、助け出したら船に乗って海に出る。あとはどうなろうと知ったことか、とかそんな感じ(笑)
ヴィート
期待した自分が愚かしい……。
GM
さて処刑場です。中央に憔悴した感じのシノンが磔になり、結構な数の群衆がそれを取り巻いています。
群衆
「殺せー!」
GM
そんな感じではない(笑) 群衆に熱狂はなく、逆に奇妙なぐらいに静かだ。
ノース
では作戦通り適当に雪崩れ込みますか。たぶん先陣を切るのは……。
GM
10Sqを一瞬で移動するこの男。
ヴィート
しかも通常移動で(笑) わかりました、行きましょう。
GM
処刑人が槍を構え、今正にそれを突き出そうとした瞬間!
ヴィート
遥か彼方から一瞬で飛来し、銀光と共にその穂先を斬り飛ばす。
シノンに「……助けに来た。早くここを出るぞ」
GM
その光景にも処刑人は無表情だ。そして、その男の目とか口とかから光が漏れ始める。
クレイグ
うわ。
シノン
(弱々しく)「駄目。罠よ、逃げて……」
ヴィート
と言われてもな……。タチの悪い罠だ。仕方ない、体ごとぶつかってでもその男をこの場から引き離そう。
GM
では期待通り、君だけに盛大な爆発ダメージを。(ころころ)72点。
クレイグ
これは死ねるー!
ヴィート
(ころころ)重傷値手前でなんとか。
GM/ギャロン
と、まあそんな情景を見つつ他の3人も駆けつけてくるんだろう。すると辺りに耳障りな声が響く。
「オオット、ココデ本日ノめいんげすとガ爆発ニ乗ッテ華麗ニ登場ダァ! ヨウコソ、君タチノタメノ公開処刑場ヘ! ココニ来タコトヲ存分ニ後悔スルトイイヨ!! ヒィハハハハハァー!!」
ジリアス
「ギャロンか!」
GM
どこに隠れていたのか、まるで影から染み出すようにギャロンの巨体が現れる。さらに彼が手を一振りすると、それまで無言で見ていた観衆が一斉に一行に向けて武器を構える。ちなみに全員、すでに死体。
一同
うわあ……。
GM
安心したまえ、ゾンビのほとんどは海賊の皆さんが引き受けよう。君たちが相手にするのはギャロンと、ちょっとイケてるゾンビ2体(笑)
戦闘はヴィートが接敵した状態で始まる。まあこの男にあまり距離は関係ないが。
敵のゾンビは戦士型と魔法使い型の2体である。
ヴィート
(ころころ)命中して、(ころころ)致命は出ない。43点。
GM
20点もらった。(ころころ)≪分かち合う痛み≫発動、うち10点返そう。
ヴィート
痛い、死にそう。
GM
でこちらの行動は強化≪闇の祭儀≫。冥力が14点上昇。
クレイグ
こいつ、厄介な。
ノース
やはりメイジから先に叩くべきですかね。それで、こちらのずっと行動を遅らせている人はいったい何を?
GM
ギャロン? 誰か殴ってこないかなーと思いながら待ってる(笑)
ジリアス
「肉を斬らせて」と「戦:闇」だったな。
クレイグ
誰が殴るか(笑) ≪神罰の業炎≫を詠唱。
ジリアス
こっちは魔法使いに攻撃しよう。(ころころ)命中して54と48。
GM
うん、それは痛い。痛いので「戦:森」で無効化。
クレイグ
「戦:森」ぃ!? 何回使えるんだ、こいつ。ウザ過ぎる。
GM
戦士の番か。ヴィートに攻撃、「戦:空」使用して絶対命中。
ヴィート
なっ!?
GM
(ころころ)ダメージは54点かな。
ノース
≪虹色の衣≫を空属性で飛ばしますが……。
ヴィート
(ころころ)駄目、重傷値ー。最初のダメージが響いた。
ヴィートが倒れて早々に人数がイーブンになってしまったこの戦い。
魔法使いの化け物じみた威力に上昇した≪漆黒のつぶて≫(ノースが「魔破」できたはずなのだが)がジリアスのHPを、戦士の「なぎはらい」が後衛の回避用プラーナを削り取っていく。
一方、誰も手を出さないギャロンは戦場の置物と化していた。
次ターン、PC側はジリアスとクレイグの同時攻撃で魔法使いの防御をなんとか突き破り戦闘不能にする。
戦士は「戦:空」+「渾身の一撃」でジリアスを瀕死に追い込むものの、魔法防御の薄さが災いしてクレイグの「同時発動」+≪神罰の業炎≫でトドメを刺された。
倒れたヴィートに駆け寄ったノースは≪神水≫で彼を回復させる。
ギャロン
「待チクタビレタヨ! サア、遊ボウカ!」
ヴィート
やっぱりコイツを殴らなきゃ駄目か。
GM
このまま行かせてくれるとでも思ったか(笑) カウンター以外の攻撃手段は弱いとはいえ、皆無なわけじゃないんだぞ。
ヴィート
謹んで先陣を切ろう。(ころころ)命中して……(ころころ)ダメージクリティカル、「致命の一撃」発動!
(ころころ)さらにクリティカル、(ころころ)クリティカル……(笑)
クレイグ
始まったよ(笑)
GM
クリティカル値はまだ3つだろう!? なんだその回りっぷりは!
ええと、63点? 「肉を斬らせて」使ってたから防御力0でそのまま5倍、315点。……「戦:闇」。
ヴィート
半減しても絶対死。
一同
…………。
GM
考えなしに攻撃するな! 何か手段はないのか。ここにきて新キャラ作成はGMが発狂する!(笑)
熟考の末。
横にいたシノン(何故かキャラデータがある)が「陰の気」で打ち消すというGMヘルプが入りました。
ヴィート
次からはもう少し慎重に行動します(笑)
GM
マジでお願い(笑)
ギャロンに一撃必殺の攻撃は命取り、ということを学んだPC達は手数を重ねて彼の膨大なHPを削り取っていく。
「致命の一撃」を実質封印されたヴィートは通常攻撃をしてみたり、射程外からダートを投げてみたりといろいろ悩んだ末に、壁として接敵してZOCをかけ続けるという道を選んだ。
GM
さっきからそこの壁に一度も攻撃が当たってない。ここは余ったプラーナ注ぎ込んで当ててくれる。(ころころ)命中44!
ヴィート
(こともなげに)回避。
一同
(笑)
クレイグ
どうやってかわした!?(笑)
ヴィート
元値28から≪流刃陣≫で。「俺に当てるには少し速さが足りなかったな」
GM
ワタシのプラーナはどこに……?(笑)
ヴィート
行動した今がチャンスか。「致命の一撃」で攻撃! (ころころ)クリティカル絶対命中。
GM
ワタシの「斬り返し」はどこに……?(笑)
ヴィート
(ころころ)攻撃もクリティカル。
クレイグ
お前は……(笑) これで終わったんじゃないか?
GM
(ころころ)死にはしない。死にはしないが、いろいろと想定外のダメージだ。何が想定外って最初の315点が一番想定外だ。
HPは残っているものの追い込まれた状況のギャロン、次ラウンドの行動。
GM
仕方ないな。使う予定なかったんだが使わせてもらう。≪覇神光臨≫、戦闘能力2倍!
鉄球ではなくダメージの大きい噛み付き、さらに命中にプラーナを乗せた攻撃をくらえ。絶対に当てる。(ころころ)命中56!
ヴィート
これは本気だな……。こっちもちゃんと計算しよう。……(ころころ)回避。
GM
(机に突っ伏す)
クレイグ
すごいな。56ってかわせる値なんだ(笑)
能力が2倍になったギャロンに他PCは決定打を撃てず。
ラウンド終了前、最後のギャロンの行動。
ギャロン
(同カウントにいるヴィートに)「遊ボウ! 遊ボウヨ!」
クレイグ
よほど肉を斬らせたいらしいな。
GM
このラウンドで覇神光臨が切れるから必死なんだよ(笑)
ヴィート
これだけカウント遅らせてると、攻撃力も下がってるから……致命を出しても大丈夫そうだな。受けよう。
GM/ギャロン
「殺ス殺スゥ!」 (ころころ)命中50!
ヴィート
(ころころ)回避。6以下なら当たってた、危ないところだった。
一同
(笑)
ヴィート
反撃は(ころころ)絶対命中。
GM
だから「斬り返し」をさせろよ!
クレイグ
とことん相性が悪いな(笑)
さすがに攻撃ジャッジでは致命は発動しなかったが、≪覇神光臨≫も切れ万策尽きた感のあるギャロン。残り100程度あったHPもクレイグの魔法などで削られ、あと一撃で倒れる状態に。
ヴィート
最後は決めてもらおう。
ジリアス
(ころころ)命中して、(ころころ)ダメージは64点。
GM
最後の意地だ、防御ジャッジを引きにいく。≪漆黒の復讐≫、さらに超対抗「戦:闇」。50点くらったから、合計してジャスト100点のダメージだ。
ノース
≪虹色の衣≫を。
GM/ギャロン
そしてその一撃はギャロンの仮面を割り、体を引き裂く。仮面が割れるとそこには人ではない顔……分かっていいかな、冥魔に似た造りをしている。
で、彼はすでに普通の人間なら軽く5回は死ねるような傷を負いつつも、まだ「殺ス……殺ス……」と呟きながら動き続けているわけだが……。
ヴィート
引導を渡してやれ。
ジリアス
「これで……終わりだ」ハルバードを振るう。
GM
だがその一撃は空を切る。彼の姿は一瞬で影に溶け込むようにして消えてしまった。
クレイグ
逃げられたのか。
ノース
分かりませんが、とにかく今は脱出しましょう。
そのまま一行はシノンを連れ、港に待機していた船に乗り込んだ。
シノン
「……どうして助けたの? あなたたちには向こうの世界を救うという使命があるんでしょう? それに、私は……」
ノース
「たしかに、あなたはもう死んでいるのかもしれません。ですがこの夢の中だけでも、いい夢を見ていて欲しいと思うのですよ」
GM/シノン/バルザス
「いい夢、か……。でも私にはもう、何も……」
と、横で見ていたバルザスが口を出す。
「いいじゃねえか。俺たちがお前に言われて賊やめて商売始めたときと大して変わんねえ。また一からやってきゃいい。俺もこいつらも、お前の味方だからよ」
「そう……そうね、その通りだわ。ありがとう、義父さん。それに、ノースたちも――」
船の中で装備などを整え(「借金を返す機会の無いままシナリオが経過してるから、総借金がそろそろすごいことになっているんですが……」「知らん! どうせ夢の世界の借金だ、目覚めれば消える!」)、ようやくナナと約束した刻限がやって来た。
GM/ナナ
指定された時間に山頂に向かうと、ナナが先に来て待っている。
「……ヴィート。ありがとう、来てくれて」
ヴィート
「君との約束だからな」
ナナ
「闘いを始める前に、ひとつ話しておかないといけないことがあるわ。この一週間、話すべきかどうかずっと迷っていたんだけど……あなたには知っておいて欲しいから。私が、この道を選んだ理由を」
ヴィート
「……聞かせてくれ」
ナナ
「今から50日前……ううん、あなたの感覚なら1年と少し前って言った方がいいかな。あの光が堕ちて来た夜。何の偶然の悪戯か、私はそれに気が付いてしまった。
空から光が降ってくる様はとても綺麗で、そしてとても恐ろしかった。本能的にあの光に取り込まれちゃいけないと思った私は、シズマや父さん、村のみんなを避難させたの。
私たちは氷に閉じ込められずに済んだ。でもそれを蟲たちは見逃してくれなかったわ。
私も父さんの隣で剣を振るったけど……所詮、真似事で始めた子供の剣技ではなにもできなかった。気を失って、目が覚めたときには――すべて終わっていた。父さんも、シズマも、子供たちも……何ひとつとして私には守れなかった。
そのとき、私に誰かの声が語りかけてきたの。氷のこと、蟲のこと、夢の世界のこと……。すべてを知って、私はこちらの世界じゃなく向こう――夢の世界を守ることを選んだ。向こうには、私が失くしてしまったものがみんなあったから」
ヴィート
「……それが、君の理由なのか」
ナナ
「向こうの世界での私の周りには、平穏な日常が戻ってきた。朝起きたら父さんを叩き起こして、稽古の時間には子供たちの面倒を見て、シズマの本選びに付き合わされたりして、たまにジェシカおばさんに料理を教わって……。
あなたが無事なのか、どこでどうしているのかが不安だったけど、まさかこんな形で――敵として再会することになるなんてね」
ヴィート
「そうか……。格好つけたことばっかり言った癖に、俺は――何にも間に合っちゃいなかったんだな……」
GM
覚えていたか。本編開始時点ですでに破られたことが確定しているという一話の約束フラグ(笑)
ヴィート
薄々わかっていたとはいえ、ショックだ。
クレイグ
このキャンペーンそういうの多いな。記憶ないけど故郷滅ぼしてましたとか。
ノース
実は死んでました、とかですか(笑)
ナナ
「あなたは悪くないわ」
ヴィート
「ナナだって悪くはないさ。でも結局、俺たちはこうして刃を向け合っている。……どうしてなんだろうな」
ナナ
「考えたことがあるの。もし私とあなたの立場が逆だったら、あなたはどうしていただろうか……って。それでも、あなたは今と同じ道を選んだ気がする」
ヴィート
「……そうかな」
ナナ
「きっとそう。あなたは強いもの。私なんか及びもつかないくらい……。私には無理。
ようやく手にしたこの日常がまた失われたら、今度こそ私は一人ぼっちになってしまう……。それが、怖い」
ヴィート
「……ナナ。君が手に入れたその日常は、きっとすごく心地いいものなんだろう。でも君はそれが夢だと知っている。それは、すごく悲しいことなんじゃないか?」
ナナ
「……私には、他にどうしようもなかった」
ヴィート
「そうかもしれない。だけど……君には俺がいる。俺が、君の目を覚ましてやる。それがどんなに辛く苦しいことでも、君と二人で現実と向き合って生きていきたいんだ」
ナナ
「どうして……どうして私のためにそこまで? 私はあなたの敵で、自分の目的のためにあなたを殺そうとしているのに……」
ヴィート
「君のことが、好きだからだ」
GM/ナナ
「! 私は……」その言葉を言われるともはや君の目を正面から見ていられず俯き、
「私は、あなたと一緒になんていられない。この世界を裏切って今まで多くの命を殺してきた。それなのに、今更道を曲げることなんてできない……!」
ナナは懐から短刀を抜き、構える。
「剣を構えて! たとえあなたを殺してでも、私はこの先を行く……」
ヴィート
「それで君の気が晴れるというのなら、付き合うさ」とこちらもダガーを。
ノース
ところでこの会話の間、私たちはどこにいるんでしょうね。
ジリアス
とりあえずついてきたはいいものの、二人の会話の間に挟まる隙がなく……。
クレイグ
一歩引いた位置で見ていると。
「二人とも剣を取り出しましたよ、先生!」
ノース
「クレイグ、今は彼を信じて見守りましょう」
クレイグ
そんな感じで(笑)
GM
正直、さっきの戦いをみてると攻撃が当たりそうにないんだけどね……。こちらの初撃はシャドウニードルを投擲しよう。
「隙間打ち」3回+疾、旋、烈、雷、砕、轟。(ころころ)命中は36と37。
クレイグ
隙間打ちでその数字を出すか。
ヴィート
≪流刃陣≫なら確実にかわせるけど……ここで消耗していると勝てない気がする。(ころころ)回避と……(ころころ)回避。ベース値は30でしたが。
GM
相変わらずだな君は。
ヴィート
こちらは「致命の一撃」+烈、雷、砕、轟。(ころころ)32で命中、(ころころ)クリティカル。
GM
例の5倍ですか……。
ヴィート
5倍です。さすがに一撃では無理だと思うけど。
クレイグ
飛んでくるニードルを叩き落し、一瞬で距離を詰めて急所に一撃。鮮やかだ(笑)
ヴィート
(ころころ)49点です。
GM
プラーナを防御に回そう。ここで止めないと死ねる。(ころころ)……3点を5倍して15点。止めきれずか。
ナナの2回目の行動は一発がクリティカルで絶対命中し、ヴィートにそこそこの手傷を追わせる。ヴィートの反撃は致命が発動せずかすり傷に留まった。そして次のラウンドへ。
GM/ナナ
ではここで使おう。「見せてあげる。父さんに習った、この技を!」
彼女が投げたニードルは、先ほど命中した箇所と寸分違わぬ位置に吸い込まれるように飛んでいく。オリジナル技≪穿岩≫と疾、旋、烈だ。(ころころ)命中32と29。
ヴィート
32と29か……。(ころころ)回避しました。
クレイグ
明らかにやばそうな一撃だからな。
GM
防御が0になる。でも命中-10なんだよ。当たるわけがない。
ヴィート
そういいつつ30代の命中値を出してくるあなたが恐ろしいです。
クレイグ
サイレントウォーリア同士の戦いはこんな感じなのか(笑)
ヴィート
マップ上では止まっているように見えても、きっとこう、高速で移動しながら(笑)
クレイグ
我々常人の目には見えない世界なんだろうな。
ヴィート
こちらの攻撃は(ころころ)絶対命中、(ころころ)5倍。
GM
死ぬ! 死ぬ!(笑) さっきの技でプラーナ残ってない!
ヴィート
(ころころ)ダメージきっかり50点で。
GM
(ころころ)ごっそり減ったな……。同じのもう一発くらったらまずいかも。
こっちの攻撃は隙間×2+疾、旋、烈。(ころころ)38と37。
ヴィート
(ころころ)一発かわして一発もらいます。
GM
(ころころ)36点。そっちの防御は-10ね。
ヴィート
さっきのと合わせてHP残り半分ぐらいいったかな……。
こっちは致命で(ころころ)命中32。
GM
ここはプラーナ振ってでもかわしておくべきか……? 命中して防御にプラーナ払わされるよりは。でもなぁ……。
クレイグ
クリティカル頼みは読みきれなくて困るよな(笑)
GM
いいや、そうそう連続で致命なんて出されてたまるか。(ころころ)当たったよ。
ヴィート
(ころころ)出ました。
一同
(笑)
GM
……負けたな。
ヴィート
(ころころ)次もクリティカル、(ころころ)次も……(ころころ)……そろそろ止めたいんですが。
GM
オマエ彼女を殺す気か(笑)
クレイグ
突き出したナイフの先がずぶずぶと(笑)
ヴィート
……(ころころ)……(ころころ)
ノース
まだ回ってる(笑)
ヴィート
(ころころ)……出目で41。
一同
(笑)
GM
まあ、大方こういう形の決着がつくんだろうなという予想はついてた。
クレイグ
君はもうクリティカル系の能力は使っちゃ駄目だ(笑)
GM
お互いの攻撃が交錯し!
君の一撃で彼女は到底戦闘続行不可能なほどのダメージ(笑)を受けて倒れ込む。
ヴィート
「ナナ!」抱きしめて体を支えます。
ナナ
「……私の……負けね。戦う前から……ううん、ずっと前……こっちの世界であなたにあったときから、いつかこうなるんじゃないかって予感は、していた……」
ヴィート
「ナナ……」
ナナ
「さっき、好きだって言ってくれたこと……。本当は、凄く、嬉しかった……。ごめんなさい、こんな時にしか、答えてあげられなくて……」
ヴィート
「……いいんだ」と言い、懐から宝石を取り出す。「ナナ、これを君に……」
ジリアス
ああ、あったなそんな話(笑)
クレイグ
渡しそびれてずっと持ってたのか。
ヴィート
ええ。きっとこの石に命を救われたこととかもあったに違いない。「この石がなければ即死だった」みたいな(笑)
二話で里帰りの直前に買っていた宝石である。
3日間の集中キャンペーンでなければほぼ確実に忘れられている伏線であろう。
ヴィート
「君に受け取って欲しい。君が好きな色で、これを見かけたとき、喜んでくれる君の顔が頭に浮かんだから……」
GM
「ありがとう……。嬉しい」
ヴィート
「ナナ。今度こそ約束する。君がつらい時には必ず駆けつける。きっと傍にいる――。だからどんな世界になっても、一緒にいよう」
GM
彼女は完全に君に体を預け、
「ヴィート。こうしていると、なんだか安心する。少しだけ、休ませて……」
GM
回復判定はいいや。ここでファンブルでも振られると寝覚めが悪い(笑)
ただ、治療をしても彼女は目を覚まさない。
クレイグ
それは普通の状態ではないと認識するべき?
GM
そう思っていいんじゃないかな。
ノース
これ以上ここにいても仕方ないので、マリンさんのところに連れて行きましょうか。
GM
ではそのために彼女の体を持ち上げると、懐から一枚の手紙が顔を覗かせる。
手紙には、『ヴィート。この手紙を読んでいるということは、私はもうあなたに会えないんだと思う。でも、あなたがそのことを気にすることはない。全部私の我侭から始まったことなんだから。あなたはそれでも前に進んでいける人だと信じてる。だから、そのために必要なことをここに書き残します』とあってですね。
ヴィート
おお。
GM
続きには、地上の氷を融かすためには蟲の雲を使って気象を制御している巨大な制御蟲、“マザーインセクト”かそれを操っているクレストを止める必要がある、と。そしてマザーの居場所は分からないが、天帝の居城である天翔ける宮殿“天翔宮”の飛行ルートが示されている。
クレイグ
場所は分かっても行く方法が……。
GM
あるじゃないか、そこに。
クレイグ
えぇ!? あれをここで使うの?
GM
ではこの続きは次回ということで~。
次回予告
ナナから貰った情報を元に、一行は竜の背に乗って天を往く城を目指す。
天帝クレストを倒し、世界に光を取り戻すために。
果たしてそこにはいったい何が待ち構えているのか。
セブン=フォートレスキャンペーン「Butterflie’s Dream」 第五夜
『AWAKEN WORLD』
「僕とお前、どちらかが消えなきゃいけない。――決着をつけよう、クレイグ」