【今回予告】
氷と雲によって永遠に閉ざされた星。
その星で人々は技術を発展させ繁栄を謳歌していた。
だがほんの小さな歯車のズレが争いを生み、わずか数日で星は滅んだ。
気の遠くなるほどの、遥か昔の物語。
セブン=フォートレスキャンペーン「Butterflie’s Dream」 第六夜
『IN THE UNIVERSE』
「私は、生きたい。――この世界で」
GM/テイル
さて。ノースは自分は死ぬんだろうなあと思いながらどこともしれない空間を漂っている。するとそこに声が聞こえる。「ノース。……ノース! 聞こえているのか? 何をしている、まだ休んでいる場合ではないぞ」
ノース
「テイル、あなたですか。まだ何かあるというのですか?」
GM/テイル
君が問いかけに答えるとテイルは、「ふむ、そこか。少し待て。今こちらに引き寄せる」
ヴィート
すごいな、さすが神。
GM
何かに引っ張られるような感覚がしたかと思うと、次の瞬間には一面暗黒の星空の只中にいる。足元は硬質の岩のような塊。目の前にはテイルがいるが、少し輪郭がぼやけているかな。
ノース
「ここは……まさか、雲の上?」
GM/テイル
「察しがいいな。後ろを見てみるがいい」振り返ると、だんだんと遠ざかっていくラース=フェリアの大地が。
クレイグ
遠ざかったら困るんだけどー!?(笑)
ノース
「私たちが今立っている場所は、ラース=フェリアに落ちてきたという星の上ですか。そしてここに、まだ私が為さなければならないことが残されているのですね。この星は何なのですか?」
GM/テイル
「我も確たる自信があったわけではなかったのだがな、いろいろと調べまわって得心がいった。これは、船だ。それも滅んだ世界から人々を脱出させるための巨大な移民船」
そしてテイルは昔話を始める。まあ冒頭で語った今回予告のような内容だと思ってくれ。
ノース
「移民船……。それが今回の事件の元凶なのですか」
GM/テイル
「うむ。妙なことに、この船からは生きている人間の気配はほとんどせんがな。いずれにしろ、今この船はそなたの世界の人々の魂を大量に奪い取っている。これを放置しては、多くの者は眠りから覚めることはないだろう。それをどうにかできるのはそなただけだ。……我にもう少し力が残っていれば、あの者たちもここに引き寄せてやることもできたのだが」
具体的に言うと、フレイムダンサー戦の分がなければ。
一同
(笑)
クレイグ
そう言われても(笑) あれはしょうがなかった。
ノース
過去に戻してもらうとかはできないんでしょうか?
GM
無理。時間移動はさすがに専門外だ。
ノース
「わかりました。私一人でもなんとかしてみましょう。……それにしてもテイル、なぜあなたはそうまでして私に協力をしてくれるのですか?」
GM/テイル
「…………。我とそなたが出会ったときのことを覚えているか、ノース」
ここで少し回想シーンに入ってみようか。
ラース=フェリアに船が落ちてきて間もない、世界中が蟲の侵略を受けていた時期。
当時は人の姿に転生していたテトライルニスカは、蟲に襲われ殺されるところを割り込んできたノースに助けられる。代わりに致死の傷を負ったノース。今際の際、テトライルニスカが語りかけてきた。
GM/テイル
テイルは自己紹介と命を救ってもらったことへの礼を述べます。
「我は近くこの世界を離れる身。だがその前に、そなたの勇気と挺身に報いたい。何か望みをひとつ言うがいい」
ノース
「神よ。私の世界はもう、滅びてしまうのですか?」
テイル
「このままではおそらく、な。だが別の無事な世界にそなたを転生させてやることぐらいは可能だ」
ノース
「……いえ。私は、この世界に可能性を繋ぎたい。どうかそのために力を貸していただけませんか」
テイル
「自らが生き残る可能性を捨ててでも、か?」
ノース
「はい。――お願いします」
テイル
「……わかった。だが我にできることはそう多くはない。あくまでも、世界を救いうる可能性を与えるだけだ。そこから先はそなた自身が歩まねばならん。それでもよいか」
ノース
「充分です。希望の光は、私自身が灯します」
GM/テイル
「では時期がくるまでは、姿を変えてそなたの傍にいるとしよう」
……という話が過去にあったわけだ。
一同
ほー。
ノース
「――そうでしたね、思い出しました。あの時、私は……」
ということは、今の私はどういう状態なんでしょう。
GM/テイル
肉体の方は既に死んでいて、今は魂だけを無理矢理この世界に繋ぎとめてる状態。そう長くは保たない。しかもそんな無茶をしているテイルの方にも負担は大きいわけで……そろそろ本格的に輪郭が崩れ始めてきている。
「さすがに力を使い過ぎたようだ。そろそろお別れだな」
ノース
「いろいろありがとうございました、テイル」
テイル
「――ノース。そなたとその仲間たちのことを、我はどこへ行こうとも決して忘れることはないだろう」
ノース
「私も、あなたのことは忘れません。……縁があれば、またどこかで巡り会いましょう」
テイル
「……そうだな。いつか、また――」
さて一方その頃、地上では。
クレイグはシェローティアのフェイス近辺で目を覚ます。
クレイグ
って、もしかしてダストの格好をしているのか、僕は。
GM
しまった装備を取られる!
一同
(笑)
クレイグ
……何をつけているのか教えてください。
GM
クリスタルソード、クリスタルシールド、クリスタルショルダー、ダブルバンクハーフヘルムにダブルバンククロースにダブルオーラソフトレザー。
クレイグ
この成金が(笑) 神力+12ってバカ強いじゃないか。
GM
同レベルで伯仲する戦いをさせようとして苦労したんだよ。まずい、奪われるのは考えてなかった(笑)
クレイグ
「これは……本当に僕の体なのかな」
若干の違和感を覚えながら。たぶん鍛えられ方とか違うし。……剣を持つ手が妙に馴染む。
一同
(笑)
クレイグ
周囲の様子は?
GM
氷はすべて解けている。だが動いている人の気配はなく、静まり返っている。
クレイグ
家の中とかに入ってみると。
GM
人が倒れて、眠っている様子だ。目を覚ます気配はない。見当ついていいけど、丁度ナナと同じような症状。
クレイグ
「これは……。やっぱり、あの夢の中で最後に見た光景は本当だったのか……」
とりあえずティアナ神殿に行ってみるしかないか。
GM/マリン
神殿につくとマリンが出迎える。「クレイグ…さん……ですか?」
クレイグ
「はい、こっち側の体に戻ってきた、というか……」事情を説明しよう。
マリン
「では、やはり氷が溶けたのは皆さんがやってくださったのですね。落ちてきた星も飛び去ったようですし、これですべてが終わったのでしょうか……?」
クレイグ
「星が!? それはいったいいつ?」
GM/マリン
「はい、氷が溶け出すとほぼ同時に」方角もだいたいこっちの方、というのを教えてくれる。
クレイグ
「実はまだ終わりではないんです。氷が溶けてみんな目を覚ますはずだったんですけど……」起きたことを報告し、「眠っていた人の魂はその星の中に囚われているのかもしれません」
GM/マリン/レイズナージュ
「そんな……! いったいどうすれば……」
と悩んでいるところに、頭上から聞き慣れた鳴き声が。「キュウ!」
クレイグ
「レイ!? おまえ……僕のことを覚えているのか」
GM/レイズナージュ
「キュキュウ」と肯定の頷きを。頑張って飛んできたよ、はるばるとフレイスから(笑)
ちなみに「魔法武具所持」最終段階により、薬を使わずともMPを注ぎ込むことでいつでも成体化ができるようになっています。その形態なら星を追うことも可能。
クレイグ
おお!? そんなことができてしまうのか。「じゃあ一緒に行こう、レイ!」
で……旅立つ前に、ひとつ伝えておかないといけないことがあるんだったな。
「……マリンさん。僕たちはあちらの世界で、あなたの姉のシノンさんにお会いしたんです」
マリン
「姉さんに!? 姉さんは今、どこにいるんですか?」
クレイグ
「…………。シノンさんは、先の事件のときに命を落とされています」
GM/マリン
「え……?」ショックを受けた表情を浮かべている。
クレイグ
「だけど! 僕たちがお世話になったシノンさんは」決断力があり、度胸もあり、頭もよく……って余計にコンプレックスを刺激してどうする(笑)
GM
や、やっぱり姉さんが家を継いだほうがよかったんじゃ……(笑)
クレイグ
「とても立派な方でした……! シノンさんは夢の世界の僕たちが危機に陥ったとき、命を張ってそれを助けてくれたんです。そのときに、マリンさんへの伝言を承りました」
マリン
「伝言……?」
クレイグ
「シノンさんは、勝手に神殿から姿を消したことを謝っておいて欲しいと。それから、背伸びをする必要はないから、あなたはあなたらしくやっていきなさいと……そう言っていました」
GM/マリン
「……姉、さん……」マリンは目元に涙を浮かばせているが、少し心を落ち着かせると「……そうですか。どうもありがとうございました、クレイグさん。それと、他の皆さんにもお礼をお伝えください」
クレイグ
「いえ……。それじゃ僕は、もう行きます」とレイの背に乗って空に飛び立ちます。
クレイグとレイズナージュは、まずはフレイスに飛びジリアスとヴィートとの合流を果たす。そして予想される戦いに備え、最後の準備を整えた。
「店主は寝ているから代金とか気にしなくていいよ」
「ざ、罪悪感が……いや、世界を救うためならそうも言ってられないか」
「ところで、夢の中で溜まったこの巨額の借金は」
「気 に す る な」
GM
では、さっそく星を追ってくれ。MPを注ぎ込めば注ぎ込むほどスピードは上がるので……300点ほどチャージしていただければひとっ飛びで追いついてみせようじゃないですか(笑)
クレイグ
ちょっと待て。一回でもファンブル振ると「MP超集積」は使えなくなるんだぞ!? そんなギャンブルをしろと。
GM
フレイムダンサーに突っ込んだうぬらが不覚よ。
一同
(笑)
クレイグ
……期待値49点として、約6回。サイコロ振る回数は12回か。……きつい。
ジリアス
CF値が悪かったら日を改めてということでひとつ……。
GM
そしたらますます必要な距離が増えるぞ(笑)
クレイグ
わかりましたよ。まずは最重要なCF値から……(ころころころ)10と12だ。
ヴィート
ではどうぞ。竜に魔力を注入してください。
クレイグ
……いっておくがコレ、すごい山場だぞ。ある意味このシナリオ最大の。
ノース
誰も求めてない山場ですね(笑)
クレイグ
始めます。(ころころ)7と……(ころころ)8。まずは56点。そして(ころころころ)5と6で30点。
GM
合計86点。
クレイグ
(ころころ)回った! (ころころ)17と(ころころ)7。
GM
119、足して205。残り95点!
クレイグ
(ころころころ)7と4で28点と、……(ころころ)クリティカル!
ジリアス
これはいったか!
GM
超えたっぽいね。では、ノースがこれからどうしようかと思っているところにラース=フェリアの方角から飛んでくる一筋の赤い流星が(笑)
ノース
「あれは……?」
GM
光は徐々に減速しながら、目視できる距離まで近づいてくる。見ると見慣れた竜の上に見慣れた3人がいる。
クレイグ
「先生!」
ノース
「やあ、クレイグ。また会いましたね」
ジリアス
「ノース……!? 生きていたのか?」
ノース
「星は再び巡るもの。――人の出会いもまた然り。まだ、縁はあったようです」
クレイグ
……どうして先生は、いつもこういう言い方をするんだろう。ときどき煙に巻いてるだけなんじゃないかと思うときがある(笑)
合流した4人は情報交換を完了。改めて星の船の調査にとりかかる。
出入り口らしきハッチをクレイグの魔法で吹き飛ばし、船の内部に侵入。さらに奥へと進んでいく。
GM
壁は外殻と同じく、岩のようなざらざらした手触りの硬質の塊でできている。知力判定に……成功した? なら、蟲の甲殻に似た材質だということがわかる。
クレイグ
この船の人は虫に何かこだわりでもあるんだろうか……。
GM
虫にこだわりがあるのはGMかな(笑)
蟻の巣状になった通路を適当に進んでいくと、大量に蟲の卵が並んだ部屋に辿り着いたり。
ヴィート
うわ……。焼き払っておいた方がいいのかな。でもそんな時間もないか。
GM
そうして入り組んだ穴の中を中心に向かって進んでいくと、他と様子の違う部屋に辿り着く。他が生物的な造りをしているのに対してここは機械的。
ヴィート
様子を伺ってみますが、部屋に気配は。
GM
君たち以外に動くものはいないようだ。部屋の正面には奥へ続く扉があるが、閉ざされている。壁面にはちょうど手で触れられるぐらいの高さに透明な結晶体が浮かんでいて、その下に操作パネルのようなものがある。
ノース
どうすればいいのかさっぱりですね。
GM
その一箇所に三角錐型の凹みがあるんだが……ジリアス。君がエルジェに貰った人形があるよな? その人形が提げているペンダントがどうやらぴったりはまりそうだ。
クレイグ
おお、そんなものが。
GM
すまない、描写するのを忘れていたんだ(笑) 大きさ的に人形につけるには少し不釣合いだな、とは思っていただろう。
ヴィート
「? どうしたんだ、ジリアス」
ジリアス
「いや。もしかすると、このペンダントが……」その凹みにペンダントをはめてみます。
GM
すると結晶体が淡い光を放つ。どうやら装置が起動したようだ。
ジリアス
「これは――」
GM
結晶体に手を触れた瞬間、ジリアスの見ている風景が一瞬にして切り替わる。周りで見ている人間には一瞬意識を飛ばしたように見えるだろう。
これは人々に夢を見せていた氷と同質の技術を使ったもので、これに触れている間、別の空間の中で高速で情報のやり取りができる。ようするにサイバースペース。
クレイグ
ほう、なるほど。
GM
で、ジリアスの脳裡にはこんな映像が流れ込んでくる。
場所はどこか研究室のような部屋。目の前に白い髪と赤い瞳の、白衣を着た20過ぎの男性。
ジリアス
エルジェの関係者?
GM
そうだな……君は戦士だからたぶん体格とかは全然違うんだろうが、雰囲気にどこか似たところがある、と思ってくれ。
ジリアス
承知した。つまりこの人がエルジェの兄、か。
その人物はオージェと名乗った。滅びかけた世界から人々を逃すための星間移民船“シップ”の管理AI開発者であった彼は、しかし星に残りその世界と運命を共にすることがすでに決まっていた。
メッセージは両親と共に“シップ”に乗り込む予定だったエルジェに対してのもので、一緒に行けないことを詫び、そしてエルジェの身をただ案じていた。
オージェ
「どこか遥か遠くの星の下で、君が旦那のひとつでも貰って、当たり前の日常を生き、当たり前の幸せを享受し、当たり前の笑顔を浮かべることができたなら……それだけで俺のしてきたことは無駄じゃなかったんだって思える。いつか、そんな日が来ることを願っているよ。
……じゃあ、時間だ。さようなら、エルジェ。君の前途に幸多からん事を。――世界の消える日に。君の不肖の兄、オージェ=ハミルトンより」
ジリアス
「オージェ……か」
GM
ちなみにこれは流してくれてもかまわないんだが、彼は君の遠い前世の姿なんだ。これで「超記憶力」の最終段階(前世の記憶を思い出し、障害を突破する方法を知る)と繋がったね、という話。
ジリアス
な、なるほど。
クレイグ
へー、よく考えるな(笑)
GM
同時に、君は結晶体を通じて“シップ”に関する様々なデータを参照することができる。それこそ、端末の操作方法から船の見取り図まで。まあざっと説明しようか。
“シップ”は全長約1kmの流線型の形状をしており、内部は外殻部分と中枢部分とに分かれている。ラース=フェリアを襲った蟲の大群を作り出していた工場はこの外殻部にある。元々蟲は戦闘用のものではなく、テラフォーミング用に開発された自己増殖の機能を持つバイオロイドの一種だった。
中枢には居住区と“シップ”の制御部分が位置している。現在は居住区からの生命反応はひとつを除いて消滅しているが、理由は不明。
また、“シップ”全体を統括する管理用のAIが存在しており、その名称を「セレーヌ」という。
ヴィート
ラース=フェリア人の魂はどうするつもりなんだ。
GM
彼らの魂は、自我を消去した後にインセクトの制御ユニットとして組み込まれる予定だ。
ヴィート
逃げたんじゃないのか。まだやる気なのかコイツらは。
GM
あんな劣等人類に指揮を任せたのが間違いだった、これで戦力を整えたら次はやれる、と思ってる(笑) 数千年旅をしてようやく見つけた新天地だ、そう簡単に諦める気はない。
ジリアス
船内に連絡を付けることはできる?
GM/エルジェ
そうだな、居住区への通信は生きているだろう。ただし、どこに繋いでも応答は返ってこない。このたったひとつを除いて。
「……誰?」返ってきたのは何度も聞き覚えのある声。
ジリアス
「エルジェ! 俺の声が聞こえるか?」
エルジェ
「お兄…ちゃん……!? そこにいるの……?」
ジリアス
「ああ、ジリアスだ。約束通り、助けに来た」
エルジェ
「本当に……来て、くれたんだ……」
ジリアス
「そこで待っていろ。今すぐそっちへ行く」
エルジェ
「……うん。ちゃんと起きて、待ってる」
サイバースペースから戻ってきたジリアスは一同に情報を伝える。
端末を操作して扉を開き、一行はいよいよ“シップ”の中枢部分に足を踏み入れた。
GM
やがて床一面にコールドスリープ用の氷が張られている区画にやってくる。ここを越えればエルジェのいる部屋は目と鼻の先だ。すると、行く手に立ち塞がる一人の女性の影が。
ヴィート
来たな。……って、ジリアス以外にとっては初対面なんだったっけ。
セレーヌ
「許可なく艦内に立ち入った者を、これ以上進ませるわけには参りません。止まってください」
ジリアス
「俺はエルジェに会いに来た。――通してもらうぞ」
セレーヌ
「どうしても先へ進まれるというのでしたら、命令に従いあなた方を排除します」
ジリアス
「ときどきエルジェを外に連れ出していたのも、命令なのか?」
GM/セレーヌ
そう聞かれると、彼女は少し言葉に詰まる。
「乗客の皆様の心のケアを行うのも、私に与えられた仕事のひとつですから」
ジリアス
「ならエルジェは俺に会いたがっているはずだ」
セレーヌ
「それは……。命令だから、許可はできないと言っているのです!」
ジリアス
「……そうか。どうしても邪魔をするというのなら仕方ない。あんたを倒して、俺はエルジェに会いに行く」と武器を構える。
ヴィート
右に同じくだ。
GM/セレーヌ
「――させません」とセレーネは何事かコマンドを呟き、床に手を置く。すると足元の氷が反応して光り輝き、君たちの周囲の光景が一瞬にして切り替わる。
一同
なっ!?
GM
目の前に広がっているのは縦横のワイヤーフレームのみで構成された空間。サイバースペースだと思ってくれ。そして……ノースはフォーチュンテラーじゃなくなったんだっけ?
ノース
いえ、メイガスに転職するのは次のレベルアップです。
GM
あれ、そうなの? 残念、奇襲はできずか。
クレイグ
「奇襲無効」の特殊能力が役に立ったのを初めて見た気がする(笑)
GM
では……君たちの目の前には見覚えのある3人の人影がいる。一人はナナ。一人はダスト。一人はシノン。
ノース
シノン? ギャロンではなく?
GM/セレーヌ
集団戦にあいつがいても意味がないから(笑) ちなみに、シノンは蟲の甲殻に似た雰囲気の装甲を身に着けている。
「あなた方の始末は、同じ世界の人間にやってもらいます」
ヴィート
「ナナ!?」
クレイグ
「ダスト……お前なのか?」
GM
返事はない。無表情のまま戦闘態勢をとる。
ノース
おそらく、データのようなものでしょう。
GM
そんなところだ、遠慮はいらない。さあ、戦闘を始めようか。
クレイグ
シノンは堅そうだし、ナナはそんなに強い印象がないな。ダストを目標に≪神罰の業炎≫。(ころころ)命中44。
GM
(ころころ)む、受けられず。
クレイグ
(ころころ)無属性、50点の魔法ダメージ。
GM
(ころころ)もらった。が、たいしたことはない。こっちもレベルが上がって最大HPが跳ね上がってるからな。
ヴィート
同じくダストに雷砕轟、烈、致命の一撃。(ころころ)命中33。ダメージは(ころころ)クリティカル、(ころころ)クリティカル、(ころころ)クリティカル、(ころころ)……クリティカル。(ころころ)すまないな、80点のダメージだ。通った分を5倍。
一同
(笑)
GM
≪防寒≫。ダメージ0。
クレイグ
…………なるほど。どうしようもないな。氷属性のダメージはすべて0か。
ジリアス
こちらの攻撃も、≪防熱≫で止められるか……。
ヴィート
ジリアスとカウントを合わせて、どっちかの攻撃だけでも通すしかないな。
GM
さて、こちらの番かな。ナナの行動。
「二刀流」、「見切り・弐」、「隙間打ち」最終、「心眼」第二、「音源探知」最終、疾旋烈、雷砕轟、≪霙≫、≪時雨≫。
全員に2発ずつシャドウニードルを投げる。一発目は絶対命中、防御無視。二発目は(ころころ)命中28。
一同
…………。
ヴィート
絶対命中はどうにもならないな。一撃で落ちるダメージではないと思いたいが。
ジリアス
二発目は頑張ってプラーナでかわそう。……(ころころ)回避。
クレイグ
(ころころ)同じく避けた。
GM
両方当たったのはノースだけか。(ころころ)一発目79、二発目74。
ノース
「発動遅効」でダメージは止まりますよね? ジリアスに≪虹色の衣≫を。
GM
彼女の能力は1対多でこそ真価を発揮する。侮ったことを後悔するといい(笑)
ヴィート
やれやれ。……苦しい戦いになりそうだ。
そのラウンド、ダストは自らに≪命の炎、燃え尽きるまで≫(HPの代償と引き換えに全戦闘能力上昇)を使用。さらにシノンがダストに≪ティーシャの微笑み≫、クリティカル値を増やす。
ジリアスはダストに接敵。ノースは治癒魔法を準備。残ったクレイグの行動は。
クレイグ
ここは最初から全力でいく方がよさそうだな。「同時発動」で≪神罰の業炎≫を2発、さらにカウント1まで「ドロウルーン」。
GM
ふむ……ならばシノンはクレイグに「白き縛鎖」、初期段階で充分かな。このラウンド終了まであらゆる攻撃力×1/2だ。
クレイグ
やられた。……とはいえ、発動するしかないか。標的はシノンとナナ。命中が(ころころ)44と46。
GM
(ころころ)……お、斬り返した。ダメージは(ころころ)かすり傷ひとつ負わん。
「マジックインパクト」「なぎはらい」で「斬り返し」。(ころころ)よぉし、マジックインパクト発動!
ヴィート
クリティカル連発とは。こいつ、やるな。
GM
命中が37。≪すべて燃えてしまえ≫を乗せて、剣先から迸るのは無色の炎。「虹色の恩恵」最終で無属性にさせてもらってるので。
クレイグ
やばい。当たったらまずいとわかっていても、プラーナが残ってないからなぁ。
GM
(ころころ)105点! そして5Sqの範囲に≪すべて燃えてしまえ≫の余波が(ころころ)絶対命中50点、無属性。
クレイグ
(ころころ)70点もらって……HP残3点。精神力ジャッジは失敗、気絶。……魔法撃つのやめておけばよかったな。
ノース
皆さん、今どれだけ減っていますか?
ジリアス
重傷値まであと14。
ヴィート
60点くらって、重傷値までは100くらい。
ノース
ではジリアスに2発、ヴィートに1発≪静寂の月と海≫を。
ヴィート
クレイグにハイヒーリングを飲ませる。(ころころ)23点回復。これで重傷値からは抜けたか。
ジリアス
ダストに疾旋烈、雷砕轟、「粉砕」、「二刀流」で攻撃。(ころころ)命中33と(ころころ)クリティカルして47。
GM
そうか、対抗使った後だからダメージ0にはできないな。(ころころ)受けて、(ころころ)斬り返した。
ジリアス
(ころころ)71と77。
GM
もらっておこう。こっちは(ころころ)命中31の(ころころ)攻撃47。マジックインパクトが乗らなければかすり傷か。
どうにか全員意識を保ったままで迎えた次のラウンド。さらなる敵の猛攻が襲いくる。
GM
ナナはカウント31で3回行動。また派手にいかせてもらうか。プラーナを解放! 二刀流、見切り・弐、隙間打ち、心眼、音源探知、疾旋烈、雷砕轟、霙、時雨、五月雨!
ノースを除く3人にそれぞれ右手で2本、左手で2本ずつ、計12本のニードルを一斉に投擲。絶対命中二発、(ころころ)命中28が二発。
クレイグ
冗談をおっしゃる、2回は死ねるぞそれは。即ち絶対死。
ジリアス
「サクリファイス」でそちらの分も引き受けようか。
クレイグ
いや、待て。この戦いにどちらが必要かということを考えよう(笑) 8発受けたらそっちが絶対死するんじゃないのか。
ジリアス
絶対死までなら350点ぐらいはくらっても大丈夫だ。
GM
≪虹色の衣≫は全部に有効だから、普通に立ってるんじゃないか?
ジリアス
それなら……(ころころ)なんとか耐えた。
GM
続けてダストの行動。「属性能力:戦(炎)」「マジックインパクト」でジリアスに(ころころ)すげえクリティカル! インパクト発動。
(ころころ)命中は≪命の炎、燃え尽きるまで≫で上がって47、ダメージは(ころころ)更にクリティカル。合計113。
クレイグ
さっきからこいつは(笑) なんなんだそのダイス目は。
ヴィート
強すぎる。勘弁して(笑)
ジリアス
『守護』を塗って「気合い」の第二段階で止めるしかない。プラーナ消費が(ころころ)うわ、ごっそり。
GM
≪すべて燃えてしまえ≫の余波が全員に(ころころ)68点の無属性魔法ダメージ。
ノース
倒れるので、生死判定を。(ころころ)プラーナ全部使って成功、「属性能力:神(海)」で全快しました。
クレイグ
……しょうがないな。EXパラメータ、現在の目的のさらに先があると知る『真相』はいいですよね。
GM
うん。むしろもっと前に塗っていてもいいくらいだ。
クレイグ
さらに。今まで敵は倒すしかないと思っていたんですが、エルジェという人はどうやら僕らと変わらない人間のようで、ひょっとしたら助けられるんじゃないかと! そんな共存の可能性に目覚めて「記憶喪失」最終段階の能力に覚醒してしまってもいいでしょうか!
GM
……目覚めたんならいいよ(笑)
クレイグ
なんで僕はこんな余計なものを背負っているんだ(笑) 「属性能力:冥(炎)」を取得、プラーナを最大解放して止める!
……なんとかならないんですかこの状況は。
ヴィート
現状、≪すべて燃えてしまえ≫から逃れる術がないな。
GM
そちらの行動は……全員遅らせる? じゃあナナの再行動。プラーナないし、ニードルも勿体無いから適当にライトサーベル二刀流で……ヴィートには当たらないか。ジリアス狙いで隙間×4、烈轟。命中は(ころころ)25と(ころころ)クリティカル、絶対命中防御無視。
ジリアス
(ころころ)二発目だけ頂いた。
GM
(ころころ)ダメージ49。プラーナ無ければ所詮こんなもんですよ。
ノース
ジリアスに≪虹色の衣≫。私の番なので回復いきます。≪静寂の月と海≫を……。
ヴィート
いや、≪神水≫をくれ。
一同
……え!?
ヴィート
今重傷値、能力半分。
GM
……は?
ヴィート
精神力ジャッジにクリティカルして立ってた。
GM
ちゃんと言えよ! それ知ってたらさっきの行動でトドメ刺しにいったわ!
一同
(笑)
クレイグ
何事もなかったかのような表情でプレイするな(笑) 君のポーカーフェイスは恐ろしいよ。
奇跡的プレイングで危機を脱したヴィートはハイパープラーナポーションを、クレイグはハイパーヒーリングを飲んで一行はどうにか態勢を立て直した。
そしてこのラウンドの終わり、全員カウント1まで行動を遅らせての激しい攻防が繰り広げられる。
GM
ナナは誰を狙うか……。よし、右手はライトサーベルで至近のジリアス、左手はシャドウニードルでクレイグに攻撃。
クレイグ
なんだそれ、すごく格好いい(笑) 目の前の敵に斬りつけつつ、振り向きざまに投擲する感じか。どんな忍者だ。
GM
(ころころ)命中27と28。(ころころ)ダメージ51と48、さらに隙間打ち×4。
ノース
クレイグに≪虹色の衣≫。
ジリアス
二刀流でダストを。(ころころ)命中37と33。
GM
(ころころ)斬り返した。
ノース
それは≪共に消える幸運と不運≫! さっきまでは届きませんでしたけど、今ならこれで。クリティカルを無効にします。
GM
しょうがないな。受けには成功しているのでダメージをくれ。
ジリアス
(ころころ)83と、(ころころ)クリティカル、95!
GM
(ころころ)それなりにきた。こちらは対抗残しつつ「マジックインパクト」のみで攻撃。(ころころ)よし、クリティカル!
クレイグ
おかしいんじゃないか、こいつのダイス目(笑)
ノース
≪共に消える幸運と不運≫は……もう対抗がないですね。
GM
ヴィートに命中49……は回避されたか。残り全員に(ころころ)絶対命中55点、無属性。
クレイグ
重傷値まで残り10。
ジリアス
重傷値まで残り2(笑)
ノース
≪静寂の月と海≫を欲しい人は……全員のようですね。
ヴィート以外の3人を回復させました。
クレイグ
「同時発動」≪神罰の業炎≫を、ダストとシノンに。(ころころ)命中して、(ころころ)74と67! 無属性で。
GM
シノンは≪堰き止める左手≫。止めきった。ダストは(ころころ)重傷値一歩手前だな。最後にシノンの行動、≪静寂の月と海≫をダストに2発、ナナに1発。
ノース
≪静寂の月と海≫を!?
クレイグ
最大HPから推測すると、相当回復されたと見るべきだな……。これは厳しい。
第3ラウンド。
ナナは最後のニードル一斉投擲、全員のHPを均等に削り取る。これによりジリアスが戦線離脱、残り全員のHPも瀕死。一行はいよいよ追い込まれる。
ヴィート
……どうしよう。回復されるから、一気にカタをつけないとどうしようもないな。「超俊足」最終段階でナナなら落とせるかもしれない。
クレイグ
しかしダストが残ると、≪すべて燃えてしまえ≫に巻き込まれて待っているのは絶対死だ。
ヴィート
なら、≪竜飛翔≫でダストを10Sqぐらい遠くに飛ばそうか。
クレイグ
…………。それ、すごく有効だな!
GM
へ?(笑)
ヴィート
10Sq先まで引っ張って、自分だけ全力移動で戻ってくる(笑)
クレイグ
所詮クレイグと一緒の能力なら、敏捷は対して高くないはず。全力移動でも2行動はかかる。
ヴィート
シノンに攻撃能力はないから、あとに残るのはプラーナの尽きたナナだけ。どうとでも凌げる。
一同
おお。
クレイグ
きた! これはイケる! この案採用で。
GM
え、マジで。
一同
(笑)
ヴィート
≪竜飛翔≫。全力移動で12Sq移動する。(ころころ)クリティカル、絶対命中。
さあ、一緒に行こうか。
GM
ないわー、これはない。回避もさせてもらえずか。
一同
(笑)
GM
……いや、要はコイツがここにいる間に殺せばいいんだろ? そうすれば重傷治癒も届かずに野垂れ死ぬだけだ。今の残HPはいくらだ?
ヴィート
残念だったな、さっき回復をもらったおかげで全快だ(笑)
GM
……まあいい。全力でやらせてもらう。8カウント詠唱、「同時発動」で≪すべて燃えてしまえ≫を3発。最後の3発目にありったけのプラーナを注ぎ込む。
(ころころころ)順番に63、55、92!
ヴィート
うあ、ボロボロだ。……さて、帰るか。通常移動で戻ってきた。
一同
(笑)
クレイグ
すごいよこの人、尊敬する(笑) 僕もこんな風になれるだろうか。
GM
くそっ、このままでは≪命の炎、燃え尽きるまで≫の代償ダメージで自滅する(笑)
ナナは……ノースは通らず、ヴィートは当たらずでクレイグ狙いだな(ころころ)
ヴィート
先生、今のうちに≪神水≫をくれ。
ノース
え? ……重傷値なんですか?
ヴィート
そう。だからこその通常移動。
GM
てめええええ! またかああああぁぁぁぁ!?
一同
(爆笑)
結局、この攻防が勝負の流れを変える。
戻ってきたヴィートは予定通り、「超俊足」最終段階でナナを撃破。そして、二度の全力移動を経てやっとのことで此岸に戻ってきたダストを再び≪竜飛翔≫で地平の向こうまで吹っ飛ばす。やむを得ずシノンは一時後退を選択。両者、5Sqほど離れて陣を取ることになった。
両者示し合わせたかのように補助魔法と回復魔法で態勢を整え、そして最後の激突の時を待つ……。
GM
前進して、「なぎはらい」「マジックインパクト」! 命中はクリティカルで――
ノース
≪共に消える幸運と不運≫。打ち消します。
ヴィート
謹んで反撃の先陣を切らせて貰おう。最後の「超俊足」最終段階、絶対命中210点、闇属性のダメージ。
GM
それはシノンが≪虹色の衣≫を――
ノース
≪魔破≫で打ち消します。
GM
くっ、そのままもらった。(ころころ)だがまだ死なん。
クレイグ
≪神罰の業炎≫を「同時発動」最終で2倍に。それを先生に撃つ。
ノース
MPを40点消費して……「魔法逸らし」最終段階を使用です。
クレイグ
これで攻撃力がさらに2倍。(ころころ)命中して、(ころころ)214点の無属性魔法ダメージ。「これが今の僕の、全力だ!」
GM
それは……流石にどう転んでも重傷値だな。攻撃手段のないシノン一人ではどうしようもない。閉鎖空間を解除しよう。
GM
君たちは元の空間に戻ってきた。セレーヌは演算機能のオーバーワークにより一時的行動不能。膝をついたまま動けなくなっている。
ジリアス
一言、「通らせてもらうぞ」と。返事がなければそのまま傍を通り抜けて行くが。
GM/セレーヌ
その背中にセレーヌが声をかける。
「ジリアス様。あなたと最初にお会いしたとき、私が頼んだことを覚えておられますか」
ジリアス
「……ああ、覚えている」
セレーヌ
「感謝しています。あなたとときどきお会いするようになってから、エルジェ様は徐々に変わっていかれました。それは好ましい変化だと私は判断しています。――あなたがこの先もエルジェ様の支えとなっていただけることを、願っています」
ジリアス
「……もちろん、そのつもりだ」そのまま先へと進んでいく。
GM
それでは、見取り図で見たエルジェの部屋まで辿り着いた。中に入ると、彼女は目を覚まして待っている。
ジリアス
「エルジェ……!」
エルジェ
「ずっと、待ってた。本当に、本物のお兄ちゃん……なんだね。夢じゃ、ないよね」
ジリアス
「ああ。俺はここにいる」
エルジェ
「……本当は、もう会えないんだって思ってた。お兄ちゃんがいなくなって、また私は一人ぼっちに戻るんだ、って……。だから今は、すごく嬉しい……」
ジリアス
「言っただろう。どこに行こうと必ず助けに行くと」
GM/エルジェ
「うん――」と彼女は肯く。しばらく時間を置いて落ち着いてから「これから、どうするの?」と。
ジリアス
「捕えられている人々の魂を解放して俺たちの世界に帰る。一緒に、ここを出よう」
GM/声/エルジェ
そのとき、どこからともなくこんな声がする。一文ごとに別人が喋っているかのような印象の、例の声だ。「そういうわけにはいかんな、大事な娘を勝手に連れ出さないでもらおう」「エルジェ、何をしているのですか。勝手に起きて良いと言った覚えはありませんよ」
「パパ、ママ……」エルジェは悲しげな表情を浮かべている。声はさらに続けて、「下等な文明の下等な人類共よ」「この娘に余計なことを吹き込まないでもらおう」
ジリアス
「勝手なことを。貴様らがやってきたことのせいで、どれだけこの星の人々を不幸にしたと思っている!」
声
「すべては我らが新天地を得て再びの繁栄を築くため」「そのために下等人類がいくら犠牲になろうとも知ったことではない」「星々の間を旅し続けて数万年、ようやく見つけた新たな大地だ」「旅の間に同胞の命も次々と失われ、残ったのはこの娘一人」「我らはここで諦めるわけにはいかぬのだ」
一同
…………。
GM
解説すると、この“声”というのは、要するに死んだ乗客の意識を船にコピーしたものだ。すでに自我の境界も曖昧になって、ひとつの集合意識みたいになってるけど。
クレイグ
……なるほど。これは、平和的解決は無理っぽいな。
ノース
「確かにあなた方は、私たちよりも優れた文明を持っているのでしょう。ですが、あなた方が示したのは夢の世界という偽りの希望だけ。自らの世界すら正しく導くことのできなかったあなた方に、この世界の未来をお任せするわけにはいきません」
GM/声/セレーヌ
「……下等な文明の連中が、生意気な口を利く」「セレーヌ、何をしている。さっさとこいつらを排除してエルジェを元に戻せ」
命令されると、セレーヌがその場に忽然と現れる。「承知いたしました」
クレイグ
早! エラー回復するの早くないですか!?(笑)
セレーヌ
「お戻りください、エルジェ様。今まで通りこの船にいらっしゃれば、あなたは何の危険も不安もなく生きていくことができるのですよ」
ジリアス
「エルジェをお前らの元に帰すわけにはいかない」
セレーヌ
「だからあなた方の世界に連れて行かれると? 誰一人知る者のいない、困難があっても誰の助けもなく自らの手で道を切り開かなければならない、そんな世界で本当に生きていけるというのですか、エルジェ様。そしてジリアス様、あなたはそんな道をエルジェ様に歩ませるおつもりなのですか?」
一同
……。
GM/エルジェ
「それは…………」エルジェは俯いて沈黙している。何とも答えることができない様子だ。
ジリアス
「……お前の言うとおり、ずっとこの船の中にいれば何の危険もなく生きていけるのかもしれないさ。だが、それでエルジェは満足なのか? 傍にいる人が誰もいないこんな世界に一人でいて、本当に幸せなのか!?」
エルジェ
「しあ、わせ……?」
ジリアス
「その人が心から願う道を歩けること、それを幸せと言うんだろう。エルジェ、君が本当に願う道はどっちだ?」
エルジェ
「私は……」
言葉を切り、エルジェは胸に手を当ててじっと考え込む。
そして再び顔を上げると、決意を固めた表情で言葉を繋いだ。
「私は――あの空が綺麗な世界で、お兄ちゃんと一緒にいたいと思う。それが、今の私のねがい。私は、あの星で生きたい――!」
その言葉を聞くと、セレーヌは初めて見せる柔らかな表情で微笑んだ。
「……それでよいのです、エルジェ様。ようやく、使命を果たせました。それこそが私を創ったオージェ様が望まれたこと。そしてこの船の存在する理由なのですから」
同時に船全体に響く鈍い振動。
「こ、これは……?」「セレーヌ、貴様何をした!?」
「自壊プログラムを起動させました。もはや必要ないのです。私も、あなた方も」
GM/セレーヌ
セレーヌは君たちの方に向かって言う。「脱出艇までのルートは確保してあります。お急ぎください、皆様。……エルジェ様をどうか、頼みます」
クレイグ
待ってください、この船が沈んだらみんなの魂が(笑)
GM
安心しなさい。生きてる人間の魂は解放されたら勝手に元の体に向かうし、死んでる魂はそのまま天に昇る。
ノース
なるほど。では後は脱出するだけというわけですね。
ジリアス
「さあ行こう、エルジェ!」と手を差し出して。
GM/エルジェ
「……うん」その手をしっかりと握り締めて走り出す。
崩壊の始まっている船内を走り抜け、脱出艇に辿り着いた一行。脱出艇は進路をラース=フェリアのある方向に取り、そのまま真っ直ぐに飛んでいく。
しかし一方。
崩れかけた“シップ”本体も軋みをあげながらUターンを遂げ、舳先を同じ方向に向けようとしていた。
GM/セレーヌ
脱出艇に“シップ”から通信が入ってくる。セレーヌの声だ。
「こちらの様子はご覧になっていますか。この回線もいつまでもつかわかりません、手短に話します。――彼らはこの船をあなた方の世界に落とし、自爆させるつもりです」
ヴィート
「!! そんなことになれば、この世界は…」
セレーヌ
「相当の被害が出るでしょう。最低でも大陸のひとつは消し飛び、余波による気候変動が数千年単位で続くと思われます」
ノース
「何か方法はないのですか?」
セレーヌ
「この船は最早、一切の操作を受け付けない状態になっています。現在の私の立場からできることは何もありません。残された可能性はひとつのみ――いえ、これを可能性と呼んでいいのかすら躊躇われますが……『この船を外部から物理的に破壊すること』です」
ノース
……それって、HPいくらぐらいあるんですか?
GM/セレーヌ
大丈夫、たった5桁だよ。余裕余裕(笑)
「軌道計算の結果、そちらの船が“シップ”に最接近するのが衝突時刻10分前。脱出艇には緊急時用の重力制御ユニットが積まれているはずです。それを着用すれば、空中での戦闘でも支障はありません」
クレイグ
しかも時間制限つきか、厳しいことを言ってくれる。
「こちらの行動に対して、“シップ”側が妨害を行ってくる可能性は?」
セレーヌ
「当然、可能な限りの威力妨害を試みてくるでしょう。幸い“シップ”は戦闘用に造られたものではありませんから、さほど強力な武装は積んでいませんが……『最低限の自衛用装備』だけでも、対個人への殺傷能力なら充分過ぎるほどありますから」
ジリアス
「だが、それしか方法がないのであれば……やるしかない」
セレーヌ
「私の方でも、できる限りの手段を講じてみましょう。エルジェ様が生きていくことを選ばれたこの世界を、失わせるわけには参りません」
【次回予告】
落ちてゆく、ひとつの星の運命を支えてきた巨大な船。
それに立ち向かうのは僅か4人の若者たち。
――しかし、不安に思うことはない。
彼らは孤独ではないのだから。
セブン=フォートレスキャンペーン「Butterflie’s Dream」 最終夜
『DAYBREAK』
「空が、――綺麗だね」